大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)
甲子園ももうすぐで終わりですね。
どこが勝つのだろうか?

では、どうぞ( ゚д゚)ノ


第二十七話 湯のまち海鳴温泉

 

ヒエンside

 

 

 

結局、あのあとフェイトとの戦闘、そして共闘したこと、使い魔のアルフと戦ったことを話した。ちなみにこれ、僅か1日で起こったことである。

 

それを話すとなのはが本気で怒ってきた。曰く「もっと自分を頼って!」と。

 

ちなみにユーノとレイジングハートからもあまり無茶はしないようにとの忠告をいただいた。

 

俺的には無茶をしているつもりは全くないんですが…なんというか向こうから勝手にやってくるんです。

 

これが転生者の業というやつなのだろうか…

 

というかこれ、後日神社で犬に寄生したジュエルシードと戦ったなんていったら更に怒られそうだ。なのでそれはまた後日言うとしよう(汗)

 

決してなのはが怖いから言わないわけではない。

 

そんなこんなでなんとか終わった模擬戦。反省会も途中からなぜか俺への説教へとジョブチェンジしていた。

 

だがまぁ、少なくとも俺にとっては実りある模擬戦だった。そして反省会が終わったあと俺は皆を送り帰宅したのだった。

 

 

 

 

 

 

そして翌日…

 

俺はなぜか温泉へと向かっていた。

 

昨日の模擬戦で結構魔力と体力を使った俺は惰眠を貪っていた…のだが

 

 

 

プルルルルルルル

 

 

 

プルルルルルルル

 

 

 

電話がかかってきたのだ。

前にもこんなことがあったので前回から学んだ俺は耳栓を着用。そして再び就寝。

 

フハハハハハハ( ´∀`)

 

我を止められるものなど存在せぬ~

 

というわけでおやすみなさ~い。

 

 

 

zzz

 

 

 

「……なさ……い!」

 

うん?

 

「起き……さ…い!」

 

はい?

 

 

 

「さっさと起きなさーーーーい!!!」

 

 

 

「どわあああああああ!!!!!!!」

 

 

 

俺は飛び起きた。

なんだ!?

敵襲か!?

空爆か!?

 

俺はキョロキョロと周りを見渡す。

 

そこは見慣れた俺の部屋、そして呆れた目で俺を見ているなのはの姿があった。

 

「はぁ~」

 

なんか知らんがひどく安心したので思わずため息が出てしまった。

 

「もう~起きたと思ったら、人の顔みていきなりため息はどうなのかな!?」

 

うん?

 

「なのは?」

 

そこには黄色のシャツに、オレンジ色のスカート、少し長目の黒いニーハイソックスを履いたなのはがいた。

 

おお!

これはアニメ版の私服!

何気に見たのは初めてである。

 

だがそれよりも気になることがある。

 

「なんでここに?」

 

うん。

どうしてなのはさんが俺の部屋にいるの?

 

「リニスさんに聞いたら合鍵の隠し場所教えてくれたの」

 

は?

え?合鍵?

 

「うん。ヒエンくんの生活状況教えてって言われたから、メールで教えたらかなり怒ってたよ」

 

なん……だ…と?

 

「それでリニスさんに頼まれてしばらく私がヒエン君のお世話係になることが決定しました!」

 

なのはが両手を腰に当て、えっへん!と言いながら立っている。

 

うん。

かわいい。

かわいいんだけどね…

 

あの駄猫がああああぁぁぁぁ!!!!!

 

余計なことをしてくさりやがってえええええええええぇぇぇえ!!!!!!

 

おのれ!

外国にいっても俺の生活を束縛するというのか!

 

「それより!今から旅行に行くからさっさと準備して!」

 

え?

旅行?

初耳なんですけど?

っていうか高町家のイベントなんだから家族でいってくればいいじゃん。

 

「すずかちゃんや、アリサちゃんも来てるの!それにヒエン君一人にしたら食生活が乱れるでしょ!それに電話で伝えようと思ってもなかなか出ないし!皆、下で待ってるからさっさと着替えて!はいこれ服!」

 

ちょっと待って!?

なんで俺の服の場所しってんの!?

 

「だからリニスさんに聞いたっていったでしょ~。あ、それとリニスさんから伝言、『帰ったらその腑抜けた根性叩き直してあげますから覚悟しといてくださいね』だって」

 

「oh…」

 

俺は軽く絶望しながらもとりあえず着替え始める。

 

「……!?もう着替え始めるなら言ってほしいの!私、朝ごはんの用意しとくから早くきてね!」

 

「あ、はい」

 

とりあえず早く着替えるとしよう。

 

 

 

 

 

 

着替え終わった俺はリビングに用意されている朝食に目をやった。

 

そこには色とりどりのサンドイッチと、牛乳が並べられていた。

 

「あ、座って座って~ヒッツはこっちね」

 

「ガゥ」

 

あ、起きてたんだ相棒。

最近早起きだね。

 

「お母さんが作ってくれたから一緒に食べよ?」

 

「あ、はい」

 

俺は自分の席につく。

そして手を合わせる。

 

「「いただきます」」

 

俺は卵入りのサンドイッチを食べる。

 

ふむ。

おいしい。

寝起きだからあんまり食べられるとは思ってなかったけどこれならいけそうだ。

 

「ねえヒエンくん?」

 

「うん?」

 

俺が牛乳を飲んでいるとなのはが声をかけてきた。

 

「あのね?いきなりこんなこと聞くの悪いんだけど私の名前を呼ぶときなんだけどね?」

 

「うん」

 

「できればなのはで統一してほしいなって」

 

「うん?」

 

どういうこと?

俺は質問の意図が分からず首を傾げる。

 

「ヒエンくん無意識なのか分からないけど私を呼ぶとき、なのはちゃんとなのはの二つで呼んでるの」

 

おお。

言われてみれば…

 

「だからなのはで統一してほしいなって」

 

そういえば考え事をしてるとき基本的に年下は呼び捨てにしてたな。それがいつの間にか声に出ていたのかもしれない。

 

「分かった。これでいいかなのは?」

 

「うん!」

 

そこには笑みを浮かべたなのはがいた。

 

「とりあえず早く食べよ!皆待ってるし」

 

「おう」

 

まずは朝食を済ませよう。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

朝食を食べ終わったあと、リュックに2日分の着替えを詰め、ケータイと財布をもつと俺は準備をし終えた。

 

「準備終わったー?」

 

「今終わった」

 

「じゃあ戸締まりするから出といてー」

 

「はーい」

 

なのはが部屋の中を異常がないか確認しながら出る。そして最後に玄関の鍵を閉めたらおしまいだ。

 

あれ?

でもこれ本来なら俺がやらないといけないんじゃね?

 

「じゃあ下いくよー」

 

「あ、はい」

 

もうこれ完全に順位が逆転してる!?と遅まきながら気付いた俺であった。

 

下にいくと既に皆、揃っていた。

 

「遅いわよヒエン!」

 

開口一番元気ですなアリサさんや。

 

旅館に行く面子は高町家の士郎さん、桃子さん、恭也君、美由希さん。そしてなのはとユーノ。

 

月村家からは、忍さん、メイドのノエル&ファリン、そしてすずか。

 

バニングス家からはアリサ。

 

そして俺とヒッツの計11人と2匹の旅行である。

 

っていうか今さらだけどなんで俺、この面子に混じってるんだろう?

 

「ヒエンくん忘れ物ないよね?」

 

「あ、ああ。ないよ」

 

「じゃあ引き続き合鍵は私が預かっておくからね?家の鍵は渡しておくからなくしちゃダメだよ?」

 

「あ、はい」

 

俺、さっきからほぼ「あ、はい」しか言ってない気がする…

 

あれ?

おかしいな、なんか涙がでてきそうだよ。

 

余談ではあるが俺となのはのそんな様子を全員、生暖かい視線で見ていたそうな。

 

俺は士郎さんの運転する高町家の青いボックスカーに乗せてもらう。運転席は士郎さん、助手席に桃子さん。真ん中にアリサとすずか。後ろが端から美由希さん、なのは、俺である。ちなみにユーノは美由希さんに、ヒッツは桃子さんに抱かれている。

 

そして乗り始めて数分後…

 

俺はカクンカクンと首が揺れていた。

 

ね、眠い…

 

そんな俺になのはが声をかける。

 

「旅館に着くまでしばらく時間かかるから寝てていいよ?着いたら起こしてあげる」

 

「うん、悪い。ちょっと眠る」

 

そして俺は瞳を閉じて、夢の世界へ旅立つのだった。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

なのはside

 

 

 

スースースー

 

ヒエンくんから寝息が聞こえてくる。

 

早速寝たみたいだ。

 

昨日は模擬戦したから疲れが溜まっていたのかも。それにフェイトちゃんのこともあったし。(ヒエンから名前を聞いた)

 

「ヒエンくんは眠っちゃったか」

 

「無理矢理起こしちゃいましたもんね」

 

お父さんとお母さんが後ろに目を向けてヒエン君を優しげな表情で見る。二人ともヒエンくんのことかなり気に入ってるからなあ。

 

私もチラッと彼の寝顔を見てみる。

 

「………」

 

幸せそうな表情で眠ってるの。

 

「なんかこう見ると、ヒエンてちょっとかわいいわね」

 

「ふふっそうだね」

 

すると前に座っているアリサちゃんとすずかちゃんもヒエンくんの寝顔を見ていました。

 

「あ、そうだ!」

 

アリサちゃんは何を思ったのか携帯をおもむろにとりだしてヒエンくんに向けた。なにするんだろ?

 

あ、もしかして!

 

 

 

カシャッ!

 

 

 

「これであとでからかってやりましょう!」

 

「うふふ。そうだね~」

 

「ちょっとふたりとも~」

 

いつもはアリサちゃんの行動を止めるすずかちゃんも何故か乗り気です。そういえばすずかちゃんも結構ヒエンくんのことからかってたかも。

 

「あ!見てみてすっごい緑!」

 

「ほんとだ~」

 

すると大分と旅館に近づいてきたのか、辺りは山で綺麗な景色です。

 

『なのは?』

 

「え?」

 

ユーノ君から念話?

どうしたんだろ?

 

『なのは?旅行中くらいはゆっくりしなきゃダメなんだからね?』

 

『分かってるよ。大丈夫!』

 

心配してくれてたんだね。

ありがとうユーノ君。

 

そのときなのはの脳裏にある魔導師の姿がよぎる。

 

(フェイトちゃん…)

 

フェイトとの邂逅から約1週間。あれから一つも見つけられていないジュエルシードのことなどもあり、なのはは色々考えこんでしまっていた。

 

それを見かねたユーノがなのはに少し休むよう進言したのだ。

 

(うん。気にしても仕方ないし…とりあえずこの二日間は私も年相応にお子様らしく、目一杯遊ぼう!)

 

 

 

なのはside end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

「起きて」

 

うん?

 

「起きて。旅館についたよ」

 

俺は聞き覚えのある声に気づき、意識を浮上させる。

 

そして目をパッチリと開けた。

 

するとそこには俺を起こしているなのはの姿があった。

 

「あ、おはよー…」

 

「うん、おはよう。もう旅館についたよ」

 

「おー」

 

うん。

まだ眠いせいか頭がしっかり働かない。

 

俺は車から降りて背を延ばす。

 

「うーん」

 

 

ボキッボキッ

 

 

背中から物凄い骨の音がなった。

 

しかし俺は気にせず旅館の看板に目を向ける。

 

「旅館山の宿?」

 

なんというかすごく斬新な名前の宿である。

 

俺は宿の周囲に目を向ける。

 

大きな滝の側に池があり、その中にはコイがいた。アリサとすずかがそれを見てはしゃいでいた。

 

でなのははというと…

 

俺と同じように背を延ばしてリラックスしているようだった。

 

さて、荷物を部屋に運ぶとしますかー。

 

 

 

 

 

 

荷物を運び終わった俺は旅館の周囲を探索していた。

 

そう。

この旅館にジュエルシードがあるからだ。

 

さっきまで忘れていたが、この旅館はアニメの第4話ででていたことに気付いた。

 

忘れていたのは仕方ない。だって人間だもの。人間忘れずに生きることなんてできるわけないじゃない。人間忘れることに特化しているし。だから俺は悪くない。世界が悪い。

 

とまぁ冗談はさておき…

 

そんなわけで俺は旅館を歩き回っているというわけだ。

 

すると前方に見知った二人の姿が…

 

(あれは士郎さんと桃子さん?)

 

二人は仲睦まじく並んでいた。

 

俺は咄嗟に茂みの中に隠れた。

 

「はぁ~いいわねこういう休日は…」

 

「ああ。そうだな」

 

「お店も少しは若い子達に任せておけるようになったし」

 

「子供たちもまぁ、実に元気だし」

 

「それに……あなたも」

 

「ん?ああ、そうだな」

 

「ふふっ」

 

周囲に川の流れる音が響く。

 

「結構時間かかったもんな」

 

「ええ」

 

「まぁ、もう桃子や子供たちに心配をかけるようなことはないさ。俺はこれからはずっと翠屋の店長だからな」

 

「ふふ。おりがとうあなた」

 

二人は肩を寄せあい幸せそうな雰囲気を醸し出していた。

 

それを見ていた俺は…

 

(甘あぁぁーーーーーーい!!!!)

 

と某芸人のネタを心の中で叫んでいた。

 

はぁ。

そういえば今頃ユーノはなのはたちと一緒にお風呂か。

 

「………」

 

羨ましいなんて思ってない。

思ってないったら思ってない。

 

そういえば前世のネットの住人からは、ユーノは淫獣だとかどうとか色々言われてたっけ。

 

だけどあの子9歳だから別に大丈夫じゃね?全然淫獣でもなんでもないよね?それだったら世界中の9歳児が淫獣になるぞ。

 

まぁ、気にしても仕方ないか。

とりあえずもう少し歩き回ってみますか。

 

 

 

 

 

 

俺は再び旅館の中に戻ってきた。

すると前からなのは、アリサ、すずかの仲良し三人組が歩いてきた。俺が声をかけようとしたそのとき…

 

浴衣を着たアルフがなのは達にすでに声をかけていた。

 

ってアルフいたのかよ。

 

「はぁ~い。オチビちゃんたち」

 

声をかけられた三人は少し驚いているようだ。

 

「ふっ」

 

その様子を見たアルフが近付いていく。

 

「ふんふんふん。君かね。ウチの子をあれしちゃってくれてるのは」

 

「え、ええ?」

 

アルフはなのはに話しかけるが、なのはは少し戸惑っている。

 

「あんま賢そうでも強そうでもないし、ただのガキンチョに見えるんだけどなぁ」

 

「うっ…」

 

するとアリサがなのはをかばうように前に出る。

 

「なのは!お知り合い?」

 

「ううん」

 

なのはは首を横に降る。

 

「この子、貴方を知らないそうですがどちらさまですか?」

 

「あっは~ん」

 

おおう。

アリサさん男前。

しかしまずいなこの険悪な空気は…

途中から止めに入ろうと思ったけど、タイミング逃して行きづらくなったし。

どうしたものか。

 

なんかアルフは半笑いだし、アリサは睨み付けてるし、すずかは不安そうだし。

 

するとヒッツから「情けないなぁ~」といった思念が送られてくる。

 

うん。

なんかごめんな相棒。

 

とりあえずもう少し様子見をしよう。この時点で何も起こらないのは原作知識からも知っているしな。

 

「あ~はっはっはっはっはっ!!!あっはっはっはっ!!!!」

 

するとアルフがいきなり笑い出す。

 

こっから見るとただの危ない人にしか見えねぇ。

 

「わるいわるい。人違いだったかなぁ。知ってる子によく似てたからさ~」

 

「なんだ。そうだったんですか。はぁ~」

 

なのはが安心したような声を出す。

こういった絡み方をされるのは初めてだったんだろうな。

 

「あはは。かわいいフェレットだねえ」

 

「はい」

 

「よしよ~し。ナデナデ~」

 

「えへへ」

 

周囲に和やかな空気が流れていたが、空気が一瞬で変わる。

 

『今のところは挨拶だけね?』

 

念話か。

 

『忠告しとくよ?子供は良い子にして、お家で遊んでなさいね?オイタが過ぎるとガブッといくわよ?』

 

「あっ」

 

「さあて、もうひとっ風呂いってこよぉっと」

 

アルフはそのまま真っ直ぐと歩いてお風呂場へと入っていった。

 

『なのは?』

 

『うん』

 

なのはとユーノは、じっとアルフの去っていた方向を見ている。すると…

 

「なのはちゃん?」

 

「あ、ああうん」

 

すずかが心配そうになのはに声をかけた。

 

「なあにあれ!」

 

「その…変わった人だったね」

 

「昼間っから酔っぱらってんじゃないの!気分わるっ!」

 

アリサが相変わらずのくぎゅ~ボイスでくねくね動きながらキレている。

 

しかしアリサよ。

お前さんの動きちょっと面白いです。

 

「まぁまぁ、くつろぎ空間だし色んな人がいるよー」

 

「だからといって!節度ってもんがあるでしょ!節度ってもんが!」

 

「あはは…はぁ~」

 

なのはは少しお疲れ気味のようだ。

あとで何か飲み物を奢ってあげよう。

 

それに…

 

「ヒッツ録画OKか?」

 

『ガウ!』

 

アルフのこれをリニスに見せるという新たな任務もできたことだしな。

 

フハハハハハハ( ´∀`)

 

アルフよ。

恨むならそんな行動を取ってしまった己を恨むんだな。

 

よし。これでリニスの説教に対する道連れができ……ゲフンゲフン、仲間ができた。

 

あとはジュエルシードに関してはどうするべきか。確か原作では夜に本格的に動き出していたはずだ。だったらそれに合わせて行動するべきか。

 

そうと決まれば俺も温泉に入って体力を養おうか。とりあえず、俺は三人組に話しかけるのだった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

あのあと俺は温泉に入ってゆっくりしたり、なのはたちと卓球をして盛り上がった。

 

その後、皆で夕御飯を食べてからは各自自由に過ごしていた。美由希さんとノエルはお土産を買いに、なのは・アリサ・すずかは小学生ということでもう夜も暗いので布団に既に入ってファリンに本を読んでもらっている。

 

そして俺はというと…

 

「あははは、ヒエン君もっと飲みなさい!」

 

「はあ」

 

士郎さんに絶賛絡まれてます。

 

俺と士郎さんの他に、桃子さんに恭也君、忍さんの計5人で飲んでいる。俺は未成年なのでジュースだが。というより士郎さん酔ってません?

 

するとファリンが隣の部屋からゆっくりと出てきた。

 

「あらファリンちゃん。子供たちもう寝ちゃった?」

 

「はい桃子さん。もうグッスリ」

 

桃子さんとファリンが襖を静かに開けると子供たちにの寝る姿を確認したのか、しばらくしてまた閉めた。

 

「ありがとねファリンちゃん」

 

「いえいえ~好きでやってることですから~」

 

うむ。

美女が二人、浴衣で話しているのを見ると非常に絵になる。

 

そしてやっぱり思う。

高町家の周りの人って美形多すぎない?

 

俺はオレンジージュースを飲みながらそんな場違いなことを考えていた。

 

すると…

 

『ユーノ君起きてる?』

 

『う、うん。はぁ~』

 

うん?

なのはとユーノ?

 

『昼間の人ってこないだヒエンくんが言ってた…使い魔の』

 

『たぶんね』

 

『また…こないだみたいなことになっちゃうのかな?』

 

『…たぶん』

 

俺は2人の会話に少し集中する。一方で桃子さんたちには怪しまれないようにマルチタスクを用いて話すことも忘れずに。

 

『なのは!僕ねあれから考えたんだけど…やっぱりここからは僕が』

 

『…ストップ!そこから先言ったら怒るよ』

 

『…あ』

 

『ここからは僕が1人でやるよ。これ以上なのはを巻き込めないから…とか言うつもりだったでしょ?』

 

『…うん』

 

『ジュエルシード集め…最初はユーノ君のお手伝いだったけど今はもう違う。私が自分でやりたいと思ってやってることだから!』

 

『………』

 

『私を置いて1人でやりたいなんて言ったら怒るよ』

 

『…うん』

 

はぁ。

なに二人だけで盛り上がってるんだか。

 

『俺もいること忘れないでくれよ?』

 

『『ヒエンくん/さん』』

 

『悪いけど2人の会話聞いてた。ユーノ初めてあったときも言ったけど、お前が責任を感じる必要はないんだぞ?それになのはの言う通り、1人より2人、2人よりも3人…で集めた方がジュエルシードもすぐに集まるしな』

 

『…はい』

 

『それにユーノ1人で行かせたら、なのはが結構無茶しそうだし…』

 

『なあ!?ヒエンくんに言われたくないのー!』

 

『ギャー!念話で大きな声出さないで!』

 

『あははは…』

 

俺は少し頭を悶えながらも念話を再開する。

 

『そ、それより二人とも少し眠っておいた方がいい。あの使い魔アルフが来てるなら、この近辺にジュエルシードがあるはずだ。だとしたら奴等は確実に今夜中に行動を起こす。用心だけはしといてくれ』

 

『はい/分かったの』

 

俺は頭を少しふる。

 

すると士郎さんたちが心配そうにこちらを見ていることに気が付いた。

 

「ヒエンくんもう眠いんじゃないか?」

 

「無理しちゃダメよ」

 

「あ、はい。少し外、散歩してきますね」

 

俺は気晴らしに散歩に出た。

備え付けであるスリッパをはき旅館の庭に出る。

 

「ふう~」

 

夜風が涼しくて気持ちいい。

 

俺はしばらくそこでボーッとしていた。

 

すると…

 

 

 

ドクン!

 

 

 

今の気配は!?ジュエルシード!?

 

俺は周囲に人が居ないことを確認すると直ぐ様セットアップする。

 

いつもの黒スーツに黒い籠手を身に纏い、肩にヒッツを呼び出す。

 

「相棒、ジュエルシードの詳細な場所は分かるか?」

 

「ガウ!」

 

「あっちか!じゃあ飛ばすぞ!」

 

俺は飛翔魔法を使い、ジュエルシードがある方角へと飛んでいく。

 

すると強烈な青い光の閃光が大空へと舞い上がった。

 

「あそこか!」

 

俺は光の閃光が起きたと思われる場所へ一直線へと飛んでいく。するとそこには既に見覚えのある2人の人影の姿があった。

 

「やっぱりいたか。フェイト、アルフ」

 

俺の声に気付いたのか2人は一斉にこちらを向いた。

 

「…ヒエン」

 

「アンタは!?」

 

俺は2人の前に着地する。

距離はざっと10メートルといったところか。

 

俺はフェイトをチラリと見る。

その手のなかにはジュエルシードが既にあった。

 

「ヒエンくん!」

 

そこへ丁度、セットアップを済ませたなのはがやってくる。

 

「あららら…あらあらあらアンタたちそういうことだったのかい?」

 

「…は!」

 

なのははアルフを見て驚いていた。予想はしていても実際に見ると驚くよなやっぱり。

 

「子供は良い子でって言わなかったかい?」

 

「それを!ジュエルシードをどうする気だ!?それは危険なものなんだ!」

 

ユーノが声を上げる。

 

珍しいな。

ユーノが声を荒げるなんて。

それほどジュエルシードは危険ってことなんだろうな…

 

「さあね~答える理由が見当たらないよ。それにさ~私親切に言ったよね?良い子でないとガブッといくよって」

 

そのときアルフの纏う空気が変わる。

 

体中から赤い体毛が飛び出し、鋭い爪と牙を生やした狼がそこにいた。

 

 

 

「ウォオオオオオオオオオ!!!!!」

 

 

 

ビリビリビリ

 

 

 

アルフが天高く咆哮を上げる。

その影響か周囲の木々も一層ザワザワと揺れる。

 

「やっぱり使い魔か」

 

「…使い魔」

 

ユーノとなのはが声を揃える。

 

「そうさ。この子に作ってもらった魔法生命。製作者の魔力で生きるかわり命と力の全てをかけて守ってあげるんだ。先に帰ってて…すぐに追い付くから」

 

「うん。無茶はしないでね」

 

「OK!」

 

アルフが空高く跳び上がりこちらへと迫ってきた。

 

するとユーノが前に飛び出て、防御魔法サークルプロテクションを発動させた。

 

アルフの爪とユーノの防御魔法が激突する。アルフも爪にバリアブレイクの魔法を纏っているようだが、ユーノの防御魔法を貫通するほどの威力はないようだ。

 

これで確信が持てたがユーノの防御力は確実になのはより上だ。

 

ユーノはすごい。

 

攻撃魔法を扱えないからか、この子は自分を卑下する癖がある。だがそれを補っても余りある才能がこの子にはある。

 

それが防御や補助といった支援魔法である。この子はそれらの支援魔法のエキスパートだ。それに9歳児とは思えないほど頭もきれる。

 

相手を土俵から引きずり落とし、自分の得意分野で勝負させれば敵うものはいないはずだ。

 

俺としてはもう少し自信を持ってほしいところなんだが…まぁそこはおいおいうまくやっていこう。

 

「なのはあの子をお願い!ヒエンさん僕に力を貸してください!」

 

「任せろ!」

 

俺は力強く答える。

 

「させるとでも思ってんの!」

 

「させてみせるさ!」

 

すると俺とユーノ、アルフの真下に魔方陣が現れる。これは…?

 

「移動魔法…まずっ!」

 

「ふん!」

 

そして俺たちは緑色の魔方陣に包まれ飛ばされるのだった。

 




なかなか進まないなあ~

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