続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
カナとの試合から翌日、俺は目を覚ました。
「ここはホテルの部屋か……」
少し身体は怠いものの、特に異常等は見られない。
お腹が減った以外は……。
時計を見ればもうお昼頃であった。
すると、俺の部屋のドアをノックする音が。
「どうぞ〜」
「おはようございます、ヒエンさん」
「おはようございます〜」
「おはようございます」
ひかり、なぎさ、ほのかの初代プリキュアチームがやって来た。
ひかりの手には、オボンに乗ったおじやがあった。
「身体の調子はどうですか?」
「ん……特に問題ない」
俺は首をゴキゴキ鳴らしながら答える。
ちょっと寝すぎたかな。
「おじや作ったんですけど……食べれます?」
「食べる食べる。丁度腹へってて」
俺はベッドから起き上がると、テーブルの前にいき椅子に座り、おじやをさっそくいただく。
「そういえば……俺の試合ってどうなった?」
「え?覚えてないんですか?」
なぎさが首を傾げる。
「あのとき、意識が曖昧だったからよく覚えてなくてさ」
「ヒエンさんの勝ちですよ。ライフポイントを50残した辛勝です」
ほのかが答えてくれた。
「50って滅茶苦茶ギリギリじゃん……」
「接戦だったからねぇ。私達もヒヤヒヤしながら見てたよ〜」
「なぎさってば、ヒエンさんが勝ったときにポップコーン落としちゃうしね」
「ちょっ……そこは普通スルーするところだよ!ほのか!!」
「まあまあ、なぎささんも落ち着いて下さい」
三人がワイワイしているのを見ながら、俺はおじやをパクパクと食べる。
うん。
濃い目で美味しい……ってか、俺の好きな味付けである。
ひかりさんってば、TAKO CAFEの手伝いをしていることもあって、中学二年生でありながら料理の腕が凄まじい。
というか、普通に俺より上手くない?
「そういえば、クロノの試合がどうなったか知ってるか?」
俺がそう質問すると、三人は僅かに顔を伏せる。
質問にはほのかが答えてくれた。
「クロノさんは……負けちゃいました」
「……マジか」
クロノは闇の書事件から相当に腕を上げている。
エイミィから聞いたのだが、クロノはインターミドルに向けて、イギリスにてリーゼ姉妹の元で1から鍛え直したらしい。
そんなクロノが負けるだなんて……
「第1ラウンドはクロノさん優勢で試合は進んでたんですけど……第2ラウンドからダイヤモンド選手が魔眼を解放したんです」
「確か、凍結の魔眼……だったか」
「はい。クロノさんも切り札であるオーバードライブを使ったんですが、力及ばず……」
「そっか……」
凍結の魔眼。
ダイヤモンドの右目に宿っている魔眼。
その力は、視線の先に意識を集中させると、その一点に瞬時に氷の塊を発生させるというモノ。
発生させた氷は魔法現象と同等であり、魔眼に通した魔力が多ければ多いほど、冷たく硬くなる。
あくまでも直接視認出来る範囲でしか凍結させる事は出来ないが、詠唱や予備動作無しで目標地点を凍りつかせる事が出来るので、かなり強力な能力である。
しかもダイヤモンドの魔力量はオーバーSランク。
膨大な魔力量から、いつ何時でも強力な力を扱える。
さすがは女子チャンピオンということもあって、今度の相手も強敵である。
泣いていい?
「あと二回勝てば優勝だけど……それまでの道のりが遠いなぁ……遠すぎるなぁ……」
俺は目を遠くさせる。
「今度の相手は魔眼使いか……」
魔眼使いと言えば、プリヤ世界で知り合った直死の魔眼の使い手である両儀式さんが思い浮かぶが、こちらの世界にも魔眼使いは存在する。
俺の知る限りでは、この世界の魔眼使いはクリストファー兄妹だけだ。
「あ、そうそう。ティーダさんは無事勝利して準決勝に駒を進めましたよ」
「ってことはティーダの相手は、あのヴォーラスか」
ティーダと同じく、ヴォーラスも
ティーダはそこから近接戦闘では、タガーモードの魔力刃を使用したりするが、ヴォーラスは拳銃のみで戦う。
だがその強さは男子チャンピオンというだけあって凄まじい。
強力な炎熱の射砲撃の使い手で、その炎は全てを燃やし尽くし、全てを灰に変えてしまうとまで言われている。
どこのマフィアの暗殺部隊のリーダーだとツッコミたくなるが、ここではスルーしておく。
「どっちが勝つかな……」
俺としてはティーダに勝ってもらいたいが。
「と、その前に自分の心配しなきゃな……」
ダイヤモンドはあのクロノを倒した強敵だ。
対策を練らなければ……と、俺がこれからの事を考えていると、またしても部屋のドアがノックされる。
現れたのは、咲と舞の二代目プリキュアであった。
「おはようございます、ヒエンさん!」
「おはようございます。お加減はどうですか?」
「二人とも、おはよう。特に問題ないぞ」
全く関係ないけど、この五人がチームを組めば、プリキュア界最強のチームになるのではないだろうか?
「咲さんと舞さんも……どうかしたの?」
ほのかが質問すると、二人が答えた。
「ヒエンさんにお客さんが来てるんですよ!」
「はい。それで私達はヒエンさんを呼びに来たんです」
「お客さん?」
「はい!」
「驚きますよ」
「うん?」
二人の反応に首を傾げながらも、とりあえず俺はシャツを羽織り、五人と共に部屋を出る。
向かう所は、ミーティングや食事などでもよく利用している大部屋である。
そして大部屋にたどり着くと、さっそく中へと入る。
すると驚くべき光景が、俺の目に映った。
「あ、このケーキ美味しい」
「これもオススメだ」
エリートクラス一回戦を戦ったカイト・マーク君に、二回選を戦ったテル・ボー選手らしき黒いヘルメットを被った人物がケーキを勧めていた。
「騎士たる者、これくらい食べ切れなくてはな」
「同感だ!」
「だからと言って、お前達は食べ過ぎだ!!」
四回戦を戦ったショウ・リード選手と、五回戦を戦ったニードル・デュプル選手がケーキを山盛りにしているところに、都市本戦一回戦を戦ったディル・オーディス選手が注意していた。
「クリィムちゃん!これ美味しいわよぉう!!」
「ボンちゃん、こっちも美味しい」
六回戦を戦ったボンちゃんと、都市本戦二回戦を戦ったクリィム・カリィ選手が互いにケーキを勧めあっていた。
「アオちゃん!ナヲちゃん!これ全部美味しすぎるわ!!」
「カナさん!そんなに食べたら太ってしまいます!!」
「姉さんもアオも……落ち着いて」
都市本戦三回戦で戦ったカナと、エリートクラス三回戦を戦ったアオ・セフィラ選手、カナの妹のナヲさんが楽しそうにそれぞれケーキを食べていた。
それを見た俺は思った。
「どういう状況これ……」
とりあえずケーキは俺もいただきます。
◆◆◆
ひとまずケーキを食べながら、俺達は話すことに。
「それで皆さんお揃いで一体どうしたんだ?」
俺はショートケーキをつつきながら話を切り出す。
すると、カイト君が答えてくれた。
「えっと僕達、オボン・クレー選手の呼び掛けでヒエン選手の激励に来たんです」
「激励?」
俺はボンちゃんの方に視線を向ける。
ボンちゃんはモンブランを美味しそうに頬張っていた。
「そうなのよぅ!ヒエンちゃん、明後日ダイヤちゃんと戦うでしょう!!だからその応援も兼ねて激励に来たってワケよぅ!!!」
「そこで貴方と戦ったことのある私達にも白羽の矢が立ったのよ〜」
そして、その後に続くようにカナも補足した。
だがそれよりも、俺には先程から気になる事があった。
「まあ、話の内容は大体分かった。それはそうと……カナ、お前昨日俺と試合したばかりなのにもう大丈夫なのか?俺なんてつい数十分前に目を覚ましたばかりなんだが……」
「大丈夫よ〜。これでも天瞳流の師範代を務めているんだもの。身体の鍛え方が違うわ〜」
「身体の鍛え方……」
カナの言葉に、俺は思わず彼女の身体をマジマジと観察してしまう。
豊かな胸と
「あの……そんなに見られると少し恥ずかしいのだけど……」
「あ、悪い」
と、そこでカナが俺の視線から逃げるように顔を赤くさせる。
そのとき……
ズンッ
と両肩に衝撃がかかる。
「「ヒエンさん……」」
俺の両隣から底冷えした声が聞こえてくる。
思わず顔を向けると、ハイライトの消えた目でこちらを見つめるひかりと舞の姿があった。
「うん。とりあえず誤解だから肩から手を離してくれないか?さっきから、人体から聞こえてはいけない音が聞こえてくるからさ……」
滅茶苦茶ミシミシ言ってるんだけど?
あと君達、本当に中学生?
やべぇくらいに握力ない?
「……今のはヒエンさんが悪いですよ」
「まあ、あんなに見られちゃあね……」
「あはははは……ちょっとフォロー出来ないです」
「乙女の身体をジロジロ見すぎです……」
「……ムッツリスケベ」
「変態」
「女の敵だな」
ほのか、なぎさ、咲、アオさん、ナヲさん、クリィム、テル等女性陣が、それぞれジトーッとした目で見てきた。
いや、テルに関してはヘルメット被ってるから雰囲気的なあれだけど。
というかお前、ケーキどうやって食ってんだ?
見れば口部分が空き、そこからケーキを食べていた。
いやもう、それならヘルメット取って食べろよ?……と思いつつも口には出さない。
そんな事を言える雰囲気ではないからだ。
俺は今度は味方になりそうな男性陣に助けを求めて視線を向けてみるが……
「「「「…………」」」」
「ガーハッハッハッ!ヒエンちゃん!!ドンマイよぅ!!!」
オカマ以外、誰一人として俺とは視線を合わせず、一心不乱にケーキを食べていた。
俺に味方はいなかった。
閑話休題
なんとかカナへの誤解を解いてから、話のタネとして、俺は皆の最近の近況を聞いてみることにした。
「他の皆は最近、何やってるんだ?」
「僕は秋の大会に向けて特訓中です。ヒエンさんに指摘された対人戦闘の経験の無さを意識して、今は色んな人とのスパーリングをしてます」
まずはカイト君が教えてくれる。
この子は魔力変換資質四属性というとんでもない才能の持ち主であり、世間からは神童などとも呼ばれている。
以前、戦ったときよりも強くなってそうだ。
「私は管理局から回される任務に力を入れている」
今度はテルが教えてくれる。
「テルは嘱託魔導師なのか?」
「ええ。小遣い稼ぎには丁度良いから」
「テルちゃんの趣味は機械いじりでね〜。でもその影響で変な物ばかり買うから、常に金欠状態なのよ〜」
「変な物ではない。珍しい物を探しているだけ」
テルはカナと楽しげに話す。
両者が親しげに話していることから、恐らく俺と同年代の少女だろう。
素顔は気になるが、無理にツッコんではさっきの二の舞になるのでやめておく。
「私は変わらず道場で技の
続けてアオさんが答えてくれた。
あの試合は彼女の体力が限界まで消耗していたから勝てたのも大きい。
ぶっちゃけもう二度と戦いたくない。
「……右に同じ」
ナヲさんも答える。
すると、なぜか彼女は俺の方をジッと見る。
「私も貴方と戦ってみたい。二人だけ戦ってずるい」
「き、機会があればな……」
雰囲気で分かる。
この子も絶対強ぇ。
多分、インターミドルに参加してても普通に勝ち抜けるくらいの実力はあるだろう。
「私は聖王教会で変わらず騎士をやっている。ただヒエン殿との試合をきっかけに、自分の切り札について考えるようにはなった」
ショウさんは騎士であると同時にゴーレムマイスターである。
以前、俺と戦ったときは土の鎧を纏った
だが俺にそれが通じなかったことで改良しようとしているのだろう。
「俺は冬のウィンターカップに向けてディル先輩と特訓してるんだ!ヒエン!君との試合は中々に燃えたぜ!また戦いたいもんだ!!」
熱い。
ひたすら熱い。
ニードルは俺より2つ年下だが、まさに熱血漢を体現したかのような少年である。
「今度はあちしかしら?あちしもそこのニードルちゃんと同じくウィンターカップに向けて特訓中よぅ!今度こそ世界チャンピオンになるためにねい!!」
ボンちゃんも冬の大会に向けて特訓中のようだ。
なんというかインターミドルに参加する選手達は精神も中々にタフだな。
負けて落ち込んでいる様子が見られない……というよりは切り替えが上手いんだな。
「次は私か。先程、ニードルとオボン・クレー選手が言ったように冬の大会に向けて特訓しているところだ。今回のインターミドルは自分の未熟さを知れた良い機会だった」
ディルがこちらを見ながらそう言う。
まあ、言ってはなんだが試合はほぼ一方的なような物だったし、何か思う所もあったのだろう。
「君さえ良ければ……いつかまた戦ってはもらえないか?ヒエン」
俺は答えた。
「いつでも相手になるぜ。まあ、その時には俺は世界チャンピオンになってるだろうけど」
「くくっ……そうか」
そして今度は魔女っ子クリィムが答えた。
「私は魔女として修行しつつ、今は実家でのんびりしてる。姪っ子が出来たから、その子のお世話も手伝ってる」
「……ずっと気になってたんだが、クリィムの家系って、もしかしてシュトゥラの森に住んでた魔女、クロゼルグの一族か?」
「うん。私はクロゼルグの一族の末裔。名前が違うのは、お母さんが相手方に嫁いだから」
「そうだったのか。ちなみにその姪っ子はなんて言うんだ?」
「ファビア。ファビア・クロゼルグ」
なるほど。
思ったとおり、クリィムはリリなのvividに登場するファビア・クロゼルグの叔母に当たるらしい。
今から13年後にヴィヴィオ達と会うんだろうなあと思うと、ちょっと感慨深くなる。
「機会があったら、今度会わせてあげる」
そう言うと、クリィムはケーキを食べるのを再開する。
マイペースだな。
「私は……今は特にないわねぇ〜」
「お前は昨日、俺と死闘を繰り広げていただろうが」
カナがノホホンと言うので、思わずツッコむ。
「正直、負けて悔しいけど……全力でやったから割とスッキリしてるのよね」
「そうか」
すると、カナが真面目な表情で言ってきた。
「ヒエン君、ダイヤちゃんは強いわよ」
「……そんなに強いのか?」
「ええ。少なくとも私は、
「ヒエンちゃん、兄のヴォーラスにも気をつけなさい。あちしも
「ボンちゃんもかよ……」
この二人にそこまで言わせるとは……どれだけ強敵なんだクリストファー兄妹。
俺が少し顔を強張らせたことに気付いたのか、二人が喝を入れてきた。
「もう!ビビってんじゃないわよヒエンちゃん!あんたはあちし達に打ち勝ったのよう!もっと胸を張りなさいっての!!」
「そうよ。私達は貴方ならあの二人を倒してチャンピオンになれると思ったから、こうして激励に来たんだから。だからもっと自信を持って」
「僕達も応援してますから!」
「貴方はこの私に勝ったんだから、優勝してもらわないと困る」
「ヒエン選手なら必ず勝てますよ」
「……期待してる」
「君の強さを見せてやれ」
「お前ならきっといけるぜヒエン!」
「世界チャンピオンになってくれ」
「世界チャンピオンと友達だって姪っ子に自慢するから絶対なってね、チャンピオン」
順番にボンちゃん、カナ、カイト君、テル、アオさん、ナヲさん、ショウさん、ニードル、ディル、クリィムが励ましてくれる。
俺は残りのケーキをかきこみ、紅茶を一気飲みする。
「……ああ。そうだな」
ここまで応援されて怖じ気づくなんて男じゃない。
俺は頬を叩いて気合を入れる。
まず最初にやるべきことはダイヤモンドの魔眼対策だ。
奴の魔眼について調べられるだけ調べなければ……。
そして俺はしばらく皆と談笑しながら、これからのことについて考えるのだった。
次回は魔眼対策にダイヤモンドの試合を片っ端から見る主人公。
そんな彼の元に今度はクロノが訪れる。
では、また( `・∀・´)ノ