やっと続き書けたで候。
遅くなって申し訳ありませぬ。
仕事が忙しくて中々書けませんでしたはい。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ヒエンside
俺はレッドコーナーへ戻り、リニスからスポーツドリンクを受け取ると軽く口に含む。
「女子チャンピオンと実際に戦ってみてどうですか?」
「……様子見ってところか。明らかに余力を残してるし」
「なら、分かっていると思いますが……」
「ああ。次のラウンドが勝負だ」
ダイヤモンドは今までの試合を見る限り、早期決着が多い。
第1ラウンドは様子見をしていたことから俺の実力を測っていたのだろう。
だとすれば、第2ラウンドで勝負を仕掛けてくるはず。
つまり、いよいよ魔眼が解放される。
「スゥー……ハァー……」
俺は深呼吸して気分を落ち着ける。
本音を言うと、かなり緊張している。
チャンピオンと戦うということもあって、身体が少し力んでいたりもする。
だが緊張していては普段の力を発揮出来ない。
俺は何度も何度も深呼吸して気分を落ち着かせる。
「スゥー……ハァー……スゥー……ハァー……」
ある程度はマシになった所で、立ち上がる。
俺ってやっぱり上がり症なんだなと改めて自覚した。
「ふぅ……じゃあ行ってくる」
ヒエン・オオゾラ
インターバル回復+10000
LP40000→50000
そして意識を切り替えると、リング中央へと向かう。
さあ、勝ちにいこう。
◆◆◆
第2ラウンドが開始される。
その直後、ダイヤモンドが動きを見せる。
右目を保護していた黒い眼帯を外し、美しい碧眼が現れた。
その瞬間、凄まじい吹雪が吹き荒れる。
その影響か、リング全体が瞬く間に凍ってしまった。
「グレイシャー、限定解除」
ダイヤモンドはデバイスの機能を解除し、こちらをジッと見つめる。
どうやら俺が本気を出すのを待っているらしい。
「オーバードライブ、スピリッツフォーム改」
俺も黒コートをマントのように身に纏うと、激しい魔力流の嵐が巻き起こる。
魔力流の嵐と吹雪がぶつかり合い、丁度リングの中央で激突する。
しばらくすると収まり、俺達は睨み合っていた。
『第2ラウンド開始早々、両者の切り札が発動!ダイヤモンド選手の凍結の魔眼と、ヒエン選手のオーバードライブ……一体どちらが上なのかあぁぁ!?注目です!!!』
「はっ!」
そして先手は俺からであった。
俺は右手を向けて、直射砲撃魔法ストレートバーナーを放つ。
《Snow Storm Plus.》
ダイヤモンドもスノーストームプラスで迎え撃つ。
強力な爆発が起こった直後、今度は彼女から仕掛けてきた。
《Hail Blade.》
百はあるであろう氷の剣群が真上から降り注ぐ。
「うおっ!?」
俺は即座に真上にラウンドシールドを展開させて攻撃を防ぐ。
氷の剣群攻撃は思った以上に強力でシールド越しに重さが伝わってくる。
すると真正面から白銀の砲撃が飛来する
俺は右手でラウンドシールドを展開させ、白銀の砲撃を防ぐ。
上からは氷の剣群での面の制圧、正面からは白銀の砲撃による点の制圧と厄介極まりない攻撃である。
このままではやられるのも時間の問題だ。
「相棒!」
「ガゥ!」
俺は心の中にいる相棒に呼び掛けると、相棒は俺の意図を察して頭の上に現れる。
「ガァアアアアアア!!!!」
そして調和の咆哮拡散型でシールド事、氷の剣群を無効化する。
直後、俺は超加速魔法ソニックアクションを使用してその場から離脱する。
ちなみに相棒には既に消えてもらっている。
さすがにソニックアクションは、あんな小さな身体で耐えられるGではないからな。
そして俺は両手を上へと向け、巨大な炎を生み出す。
大きさは約五十メートル程だ。
その炎を俺は真下へと放り投げた。
「
強力な爆発が起こり、リングを覆う。
しかし……
《Ice Crystal.》
ダイヤモンドは、透明なクリスタルで自身を覆うことで見事防いでいた。
「今度はこっちの番……」
《Frozen Glaze.》
ダイヤモンドは上空へ杖を掲げると、リング全体に雨氷を思わせる数多の氷を降らせる。
その数は数千とも言える程の膨大な数であった。
同じような技で翼の千ノ落涙があるが、数はダイヤモンドの方が圧倒的であった。
「ソニックアクション!」
俺は再度、超加速魔法ソニックアクションを発動させる。
直後、数多の氷が落ちて来る。
「ぐおっ!?」
俺は光の塊となって空間内を縦横無尽に駆け回るが、氷の数が膨大すぎて完全にはかわしきれない。
ラウンドバリアを何重にも発動させ、身体を保護することによってようやくダメージを抑えることが出来た。
ヒエン・オオゾラ
LP50000→38650
少し食らっただけでこれだけのダメージを負う。
魔眼を解放したことで魔力の密度と濃さも跳ね上がっている。
今のダイヤモンドの攻撃は小さな魔力弾でも大ダメージを負う事になるだろう。
まるでどこぞの大魔王の『…今のはメラゾーマではない…メラだ…』を地で行く攻撃力である。
俺はそのままダイヤモンドへと突っ込む。
彼女の後ろへと回り込み、剛炎の拳をお見舞いしようとしたのだが……
ガキンッ!!!!!!
グレイシャーで完璧に受け止められてしまった。
「なにっ!?」
俺は驚愕する。
有り得ない。
今の俺は超スピードとも呼べる程の速さで動いている。
あの敏捷力に特化したカナと同等のスピードなのに……だ。
それを大して苦もなくダイヤモンドは受け止めたのだ。
俺の超直感や、カナの超慧眼のようなスキルでもない限り、そのような事は有り得ない。
一体どういう事だ?
「どうして私が攻撃を察知出来たか分からない……って顔だね?」
ダイヤモンドと俺は鍔迫り合いを行いながら会話する。
「それなら簡単……私がその超スピードに誰よりも慣れているから……。それと魔力探知で……貴方の位置は常に把握している……このリング程度の広さなら訳はない……」
「魔力探知……また厄介な……」
魔力探知とは、対象が発する魔力を探知する基礎的な魔法である。
ミッドチルダの魔法学校でも必ず最初に習う必修魔法の一つである。
そして魔力探知には、探知できる範囲がある。
その範囲は、術者の能力や、探知対象の魔力制限の有無や熟練度に依るため、一概に半径何メートルと定められている訳ではないが、せいぜい数十メートルから数百メートルと言われている。
また、探知する距離によってその精度も変わってくる。
遠距離になればなるほど探知の精度は下がり、近距離になればなるほど探知の精度は上がる。
そしてダイヤモンドクラスの魔導師ともなれば、その探知範囲は極めて広く、その探知能力も極めて精密であろう。
「魔眼を解放した私は……さっきまでの私とはかなり違うよ?」
「……みたいだな!」
俺は力を込めてダイヤモンドを弾き飛ばすと……
「ヒートスマッシャー!」
直射貫通砲撃魔法ヒートスマッシャーを放つ。
本来なら魔力チャージして放たなければならないが、オーバードライブ時であれば必要ない。
ダイヤモンドはそのまま飲み込まれるが……
「バインドッ!?」
俺はいつの間にか、氷のバインドで拘束されていた。
「アイスロック・フルバインド」
ダイヤモンド・クリストファー
LP50000→39500
「撃ち貫け」
《Cmryogenic Refrigeration.》(クライオジェニック リフリジレイション)
それと同時に超強力な白銀の直射砲撃魔法が放たれた。
「くっ!?」
回避も迎撃も間に合わないため、俺は全魔力を防御に回し、ガードの態勢を取る。
直後、凄まじいまでの衝撃が俺を襲う。
ヒエン・オオゾラ
LP38650→24220
防御を固めてなお、このダメージか……。
これはなんとしても直撃を貰う訳にはいかないな。
俺は砲撃が終わると、グローブから炎を噴射し、空中へと離脱する。
そして三度、ソニックアクションを使用してダイヤモンドの周りを動き回る。
彼女の探知魔法の精密さは、俺の想像を超えていた。
今でも俺のいるであろう場所に視線を感じるからだ。
このまま下手に動き回っても、いたずらに魔力と体力を消耗し、疲弊した所を彼女に狙われるだけであろう。
だが、手がない訳ではない。
俺は超スピードで動き回りながら、
その時、ダイヤモンドから僅かながら焦りの感情が伝わる。
瞬間、俺はこの手が有効である事を確信した。
確かに彼女の探知魔法は脅威だ。
だが、
四分身もオーバードライブ時の姿をしており、本体の俺程ではないが、かなり強化されている。
その四分身と一緒に
彼女一人で対応するには限界があるだろう。
俺と四分身は
「「「「「はっ!」」」」」
「っ!?」
絶え間なく動き回り、剛炎の拳と蹴りをお見舞いする。
一撃二撃は上手く防がれるものの、三撃四撃五撃目はダイヤモンドにクリーンヒットする。
ダイヤモンド・クリストファー
LP39500→35500→31500→27500
「これ以上もらう訳にはいかないね……
《Glacial Age.》
流れはこちらにあると思ったのも束の間、ダイヤモンドを中心に氷の棘が展開される。
俺と四分身は紙一重でそれらを回避する。
だがその直後、とんでもない
「ウロチョロされるのも面倒だし……あれ使おうかグレイシャー……」
《Yes.Master.》
ダイヤモンドは杖を上へ掲げると、ソッと呟いた。
「
《Icy Moon.》
「おいおい……無茶苦茶にも程があるぜ……」
リングの真上にて、リング全体の倍の大きさはありそうな巨大な丸い氷が造形される。
クロノ戦でもダイヤモンドはリングを覆う氷塊を生み出していたが、今回は優にその数倍はあった。
たとえリング外に逃げた所で圧倒的な質量で叩き潰されるのがオチだ。
そして、それは勢いよく降下してきた。
俺は即座に四分身を向かわせ、氷衛星を受け止めさせると、降下はストップする。
だが四分身が苦悶の表情を浮かべている事から、あまり長くは持ちそうにない。
その間に俺は魔力をチャージして、最大砲撃を放った。
「ヒートバーナー
最大出力で放ったオレンジの強力な砲撃が、氷衛星を真っ二つにする。
「本体見っけ……
だがダイヤモンドがそれで出来た隙を見逃すはずがなく、俺は首から下を氷漬けにされてしまう。
ヒエン・オオゾラ
LP24220→18059
「首以外氷漬けとは趣味が悪すぎるな……」
「呼吸出来るだけ感謝してほしい」
「まだ全身氷漬けの方が絵面はマシだな!」
俺は四分身に念話で指示を出し、ダイヤモンドへ攻撃を向かわせる。
その間に本体の俺は全身から炎を出し、氷を溶かしていく。
しかし溶かすのに数秒はかかる。
「面倒だからこの子達に任せる」
《Blizzard Roid.》
ダイヤモンドが再びブリザードロイドを展開させる。
しかしその数が第1ラウンドよりも膨大過ぎた。
「ざっと500体ってところかな」
「マジかよ!?」
ブリザードロイドの本来の技の持ち主、カテキョーの継承式編で登場するシモンファミリーの氷河の炎の使い手、鈴木アーデルハイトと同じ500体である。
リング内を氷の姿のダイヤモンドが俺達を囲む。
表情のない姿が余計に恐怖心を煽る。
何よりその規模が恐ろしい。
というか雲雀さん、よくこれ相手に無双出来たな。
マジ尊敬します。
俺は四分身に氷の人形達の相手をさせる。
そして俺はというと、ようやく氷を溶かすことが出来た。
ダイヤモンドは空中に浮かびながら、小さく笑う。
「お手並み拝見……ってところかな?」
「……お前は何もしないのか?」
「この子達の制御で精一杯でね……心配しなくてもこの子達を倒したら、ちゃんと相手をしてあげる……」
「なめやがって……絶対後で吠え面かかせてやる!」
俺は四分身と共に氷の人形達の迎撃に移る。
俺含めた5人対氷の人形500体。
一人頭100体迎撃する計算になる。
俺も砲撃魔法と射撃魔法を駆使して、氷の人形達を倒していく。
その数は確実に減っているものの、倒すまでにやはり時間がかかり過ぎる。
その上、体力や魔力の消耗もある。
故に、こいつらは一気に殲滅するのがベスト。
時間をかけるつもりはない。
俺は地面に手をつき、己の中の魔力を高める。
四分身はというと、俺を守るように氷の人形達を迎撃していく。
イメージするのは『リリカルなのはvivid』に登場するハリー・トライベッカの砲撃魔法。
リング全体にオレンジの魔法陣が現れる。
そこから強烈な噴射砲撃が放たれた。
「爆裂ッ!ヴォルカニック・ブレイズ!!」
四分身諸共、氷の人形達をも全て飲み込み、一気に殲滅する。
そして、そのまま空中に浮いたままのダイヤモンドにも攻撃する。
「範囲指定、対象確認」
しかし、それは起こった。
「凍てつけ、
その瞬間、炎の噴射砲撃は氷り、砕け散った。
「ちっ……怪物め……」
俺は舌打ちをしながら上を見上げる。
ダイヤモンドは楽しそうにこちらを見ていた。
「凄いね……あれだけの人形を一気に倒しちゃった……」
「そっちこそ、噂通りの無茶苦茶具合だな……凍結の魔眼」
「うん……でもこれ、結構魔力消費が激しいし、制御ミスすると……周囲に被害も出るから……そこまで良いモノでもない……。
なるほど。
あまり魔眼を使わないのは制御ミスしないためか。
それなら納得もいく。
それに今、ダイヤモンドは気になることを言っていた。
どうやら兄のヴォーラスは魔眼を完璧に制御出来るらしい。
つまりダイヤモンドよりも強い可能性がある?
噂では互角と聞いていたのだが……。
「ひとつ気になったんだが、あんたとあんたの兄貴……戦ったら一体どっちが強いんだ?」
「通常時なら互角だけど……
「そうか……」
この子は怪物だと思っていたが、その兄貴はさらに上の大怪物らしい。
「まあ、今は兄貴の話は良いでしょ……それより、そろそろ決着つけようよ……」
「そうだな……」
ダイヤモンドはゆっくりと降下し、デバイスであるグレイシャーを構える。
それを見た俺も拳の炎をさらに燃え上がらせる。
「絶対零度の恐ろしさ……身をもって味わうといい」
「……逆に俺の死ぬ気の炎で、お前の氷を溶かしてやるよ」
そして勝負は最終局面へと突入する。
次回、決着!
では、また( `・∀・´)ノ