大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうもΣ(゚Д゚)

続き書けたで候。

では、どうぞ(╯°□°)╯︵ ┻━┻


第三百九十話 続・都市本戦五回戦

ヒエンside

 

 

 

俺は真っ直ぐに奴の元へと急降下する。

 

炎をコントロールし、右手に炎のパワーを集中させる。

 

対して奴も俺を迎え撃たんと、銃を構える。

 

 

「いくぞ」

 

 

「それ程消えたきゃ、カッ消えろ!!」

 

 

直後、大爆発が起きた。

 

そして、ぶつかり合いを制したのは俺であった。

 

ヴォーラスはそのまま吹き飛び、リング外の壁に激突した。

 

 

ヴォーラス・クリストファー

LP70000→67000

 

 

『なんとヒエン選手!ヴォーラス選手を殴り飛ばしたああぁぁあ!!』

 

 

俺が奴を吹き飛ばしたからか、会場中がざわめいている。

 

 

(特訓の成果が出たみたいだな……)

 

 

発勁の習得によって、通常のパンチでも攻撃力は飛躍的に向上している。

 

言うなれば貫通付与といったところか。

 

さらに炎の力を右拳に集中させたことで、奴の炎を突破する事が出来たのだろう。

 

俺はリング内から奴を観察する。

 

堪えた様子はなく、どちらかと言えば楽しさを抑えきれないといった不敵な笑みを浮かべている。

 

 

「クハハハッ!良い意味で予想外だぜ、ヒエン・オオゾラ。まさか吹き飛ばされるとは思わなかった」

 

 

ゆっくりとリング内に戻り、開始線前へと並ぶ。

 

 

「どうやらこの試合に向けて、何か仕込んできたらしいな」

 

 

確認するように言ってきたので答える。

 

別に隠す必要もないしな。

 

 

「ああ。お前に勝つために特訓したんだ」

 

 

そして試合が再開されるが、すぐに第一ラウンド終了のブザーがなった。

 

ヴォーラスは踵を返して、ブルーコーナーへと戻る。

 

 

「なら、その特訓の成果とやらを次ラウンドで死物狂いで出すんだな。期待外れだと、そのままカッ消しちまうからよ」

 

 

奴の言葉を聞き終えると、俺もレッドコーナーへと戻る。

 

備え付けのイスに座り、リニスからミネラルウォーターを受け取る。

 

 

「手応えはあるようですね」

 

 

「ああ。ただ射砲撃の類いは完全にあっちの方が上だ」

 

 

「それは仕方ありません。相手は三年間無敗のチャンピオンですよ?自分の強味は徹底的に鍛え上げているのが道理です。はっきり言って遠距離攻撃では、まず勝ち目はありません」

 

 

「……だろうな」

 

 

それは先程の第一ラウンドで身に沁みて分かった。

 

 

「ですから、ヴォーラスに勝つには接近戦しかありません」

 

 

「ああ」

 

 

「私の見立てでは、今の貴方の近接技であれば、ヴォーラスの炎の鎧も突破出来る筈です」

 

 

「リニス、正直に答えて欲しいんだが……今の俺の勝率はどれくらいだ?」

 

 

「……無事発勁を身に着ける事が出来たと言っても、現状こちらが不利という点は変わりません。多く見積もっても、せいぜい三割といった所でしょうか」

 

 

「半分以下か……」

 

 

「ですが、諦める気など毛頭ないでしょう?」

 

 

「当たり前だ」

 

 

「現状、貴方に伝えられる技術は全て伝えました。ここからどうなるかは貴方次第です。その上で言います。勝ってきなさい」

 

 

「おう」

 

 

そして俺はミネラルウォーターを返すと、リングへと戻る。

 

 

ヒエン・オオゾラ

インターバル回復+25500

LP75500→100000

 

 

本当の勝負はここからだ。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

第二ラウンド開始後、ヴォーラスが動く。

 

 

「今から全力でやってやる……が、早々に終わるんじゃねえぞ」

 

 

ヴォーラスの左目が紅眼に変わる。

 

それと同時に凄まじいまでの熱量の魔力流の嵐が巻き起こる。

 

 

『ヴォーラス選手の魔眼が解放されたあぁ!相変わらずの凄まじい熱気!ヴォーラス選手の周りで陽炎が起こっている!!』

 

 

熱風が俺の頬を刺激する。

 

 

「炎熱の魔眼……」

 

 

妹のダイヤモンドの氷を操る凍結の魔眼とは真逆の、炎を操る炎熱の魔眼。

 

魔眼を解放した本気の力は、あのダイヤモンドをも凌駕する力の持ち主。

 

 

「イグナイト、限定解除」

 

 

自身のデバイスであるイグナイトの機能を解除する。

 

 

「テメェもさっさと使え」

 

 

「……オーバードライブ、スピリッツフォーム改」

 

 

俺も黒コートをマントのように身に纏うと、激しい魔力流の嵐が巻き起こる。

 

魔力流の嵐と熱風がぶつかり合い、丁度リングの中央で激突する。

 

しばらくすると、収まった。

 

 

『ヒエン選手も奥の手であるオーバードライブを展開させた!両者の試合も早くも最終局面へと突入します!!』

 

 

ここからはヴォーラス本来の強さが発揮される。

 

 

「先手は譲ってやる」

 

 

「だったら……遠慮なくいかせてもらう!」

 

 

俺は両手から炎を噴射し、奴の後方へと回り込み、先ほどよりも強力な炎のパンチを放つ。

 

勿論、発勁込だ。

 

 

剛炎の衝撃(ブレイズインパクト)!」

 

 

「イグナイト、出力25%だ」

 

 

《Armatura Di Fiamma Venticinque.》(炎の鎧25%《アルマトゥーラ・ディ・フィアンマ・ヴェンティチンクエ》)

 

 

ヴォーラスの全身を炎が緩やかに包み込む。

 

直後、俺のパンチは透明な何かにぶつかるが、俺は気にせずそのまま奴を殴りつける。

 

ヴォーラスは魔眼の力で体内で炎を燃やし、その熱エネルギーを身体中に循環させることで身体能力を爆発的に向上させている。

 

また、その熱エネルギーを利用する事で体表を覆い鎧のように体を保護することで俺のパンチを弾こうとしたのだが……

 

 

「……熱エネルギーの鎧を突破してくるか」

 

 

ヴォーラス・クリストファー

LP100000→96000

 

 

俺は奴に攻撃を加えることに成功していた。

 

続けて奴の周りを高速で動き続ける事で、狙いを定めさせずに攻撃を加えていく。

 

俺は地面に着地すると同時に、ヴォーラスの懐へと肉薄しながら、足元を爆ぜるように蹴り出し、一気にヴォーラスとの間合いをゼロに詰める。

 

 

「はあっ!!」

 

 

右拳がヴォーラスの腹部に炸裂する。

 

そのまま発勁による衝撃を内部から叩き込み、連撃へと繋ぐ。

 

 

「ちっ……」

 

 

ヴォーラスが初めて少し表情を歪めた。

 

俺はそのまま連続で烈火のごとく、拳と膝を叩き込む。

 

 

剛炎の乱打(ブレイズラッシュ)!」

 

 

ヴォーラス・クリストファー LP88000→85000→82000→79000→76000→73000

 

 

どうやらまだ25%程度なら、俺のオーバードライブの出力の方が上のようだ。

 

 

『ヒエン選手!凄まじいまでのスピードでヴォーラス選手へ仕掛けていく!!』

 

 

「うざってぇ!!」

 

 

《Grandine Di Fiamma.》(炎の雹(グランティネ・ディ・フィアンマ))

 

 

ヴォーラスは赤い魔力弾を放ってくるが、俺は超直感の精度を最大まで引き上げ、魔力弾をかわしていく。

 

しかし、ヴォーラスも負けじと砲撃の推進力を使って高速で移動し、俺の背後を取ろうとする。

 

俺達はリングを高速で縦横無尽に動き周りながら、互いに接近戦を繰り返していく。

 

だが、近接戦には俺の方に分があるらしく、俺の一撃を受ける毎にヴォーラスは一瞬顔を歪める。

 

一撃ごとの衝撃がヴォーラスの炎装を崩していく。

 

 

「ここだ──!」

 

 

俺は足に炎を纏い、鋭い跳躍とともに膝蹴りからの回し蹴り。

 

そのまま反転して、剛炎を纏った拳の一撃を見舞う。

 

 

ヴォーラス・クリストファー

LP73000→70000→67000→64000→61000

 

 

「さっさと沈め!ヴォーラス!!」

 

 

「──調子に乗るな!カスが!!」

 

 

直後、ヴォーラスの魔眼が再び光り輝く。

 

放出される熱気が、さっきまでとは桁違いであった。

 

 

「イグナイト、出力50%!!」

 

 

《Armatura Di Fiamma Cinquanta.》 (炎の鎧50%《アルマトゥーラ・ディ・フィアンマ・チンクワンタ》)

 

 

するとヴォーラスの全身から、強烈な火炎が発せられた。

 

 

「カッ消えろ!!」

 

 

《Esplosione Di Fiamma.》(炎の爆発(エスプロジオーネ・ディ・フィアンマ))

 

 

吹雪の殻(ブリザードシェル)!」

 

 

俺は咄嗟に大きな氷の盾を形成し、ヴォーラスの攻撃を防ぐ。

 

 

「おおおおお!!」

 

 

声を上げながら氷に魔力を送り、強化する。

 

それでも威力が凄まじいのか、氷の盾に徐々に亀裂が入っていく。

 

このままではまずいと悟った俺は、ラウンドバリアを多重に展開させるマルチラウンドバリアを発動させる。

 

ブリザードシェルが破壊されると、強烈な熱気と衝撃が俺を襲う。

 

五層にも及ぶバリアでガードしてなお、ダメージは15000にも及んだ。

 

 

「ぐあっ!?」

 

 

ヒエン・オオゾラ

LP100000→85000

 

 

だが攻撃はそれで終わりではなかった。

 

 

「喜べ!テメェに炎熱の魔眼の真の力を見せてやる!!応用展開──灼瞳牢獄(ガッビア・デル・ジュディーツィオ)!!!」

 

 

「なっ──!?」

 

 

『な、な、なんと滅多に見られないヴォーラス選手の魔眼の力が遂に発動したあぁぁぁあ!!!!』

 

 

俺の周囲に、まるで“見えない壁”のような熱気が立ち込める。

 

強烈な熱の結界が外気との温度差が、視界すら歪ませる。

 

驚くべきはこれだけの熱気を出しておきながら、まだ出力50%であることだった。

 

出力が上がるごとに奴の魔力波動と、熱気が段々と強まっていく。

 

 

「イグナイト、出力75%!!」

 

 

《Armatura Di Fiamma Settantacinque.》(炎の鎧75%《アルマトゥーラ・ディ・フィアンマ・セッタンタチンクエ》)

 

 

ヴォーラスの熱がさらに高まり、顔の半分が炎となり、体や手先からも炎が吹き出る。

 

そしてこの時点で奴の魔力波動の出力と、俺のオーバードライブのパワーの出力が同規模となっていた。

 

 

「75%で俺と同規模の出力を……!?いや、それよりも……熱が……逃げ場がない……っ!?」

 

 

俺の額から汗が噴き出す。

 

体表のバリアが焼かれるような感覚。

 

このままでは焼き切られる……!?

 

 

「これは耐えられるか?ヒエン・オオゾラ……」

 

 

ヴォーラスの背中から炎が翼のように広がる。

 

さらにリング全体に灼熱の圧が押し寄せ、足元の床すら焦げはじめた。

 

その瞬間、俺の周囲の空間が歪んだ。

 

熱が爆ぜたわけじゃない。

 

視線が、俺を燃やしにきた。

 

 

「ぐっ……!!」

 

 

視界に入る場所すべてが“灼熱”として爆ぜる。

 

前、後ろ、頭上、足元、全方向から突如火花が散り、爆風が吹き荒れる!

 

 

ヒエン・オオゾラ

LP85000→80000→75000→70000

 

 

爆破を受ける度にライフポイントが激しく削られていく。

 

 

「……まるで空間そのものが“焼却宣告”されてるみたいだ……!!」

 

 

「そうだ。これが──魔眼が視た“可能性の焼却”だ!!」

 

 

そしてヴォーラスは、両手を天に掲げた。

 

空中に紅蓮の魔力が渦巻き、まるで“灼熱の球体”が降りてくるかのように肥大化していく。

 

 

「まとめて……カッ消えろ!!──|炎の大爆発《グランデ・エスプロジオーネ・ディ・フィアンマ》!!」

 

 

リング全体を呑み込むような広域爆炎砲撃の爆発が、俺に襲いかかる。

 

 

「ッッ……この距離、この規模、かわしきれねぇ……」

 

 

防御形態を使おうとするが、一瞬躊躇する。

 

これだけの攻撃を受ければ、体力はあっという間になくなるだろう。

 

 

「なら……っっ!!」

 

 

俺は両手を正面に構え、右の手の平と左の手の甲を合わせて四角を描く。

 

 

「──零地点突破・改ッ!!」

 

 

その構えが、魔力の奔流を吸収し始める。

 

正面からの爆熱はギリギリで吸収できた。

 

 

「くっ……!?まだだ……持ってくれ……!!」

 

 

だが当然受け止めきれる訳もなく、吸収が追いつかず、広域に広がる余波、地面を這う反射熱、天井からの輻射が全身を包んだ。

 

 

「がっ……ああああああああ!!」

 

 

ヒエン・オオゾラ

LP70000→52000→34000

 

 

凄まじいまでの熱気が俺を襲う。

 

今まで感じた事のない程の激痛だった。

 

体が焼ける。

 

装備が焦げる。

 

息を吸うだけで喉が焼けそうだった。

 

奴の攻撃を吸収することで体力と魔力の回復を行っているが、それを上回る速度で身体へのダメージが蓄積されていく。

 

 

(このままじゃ……本当に、持たねぇ……)

 

 

……眩しい。

 

視界が、白く焼けていた。

 

 

(……これが、限界ってやつか……)

 

 

膝が笑い、腕が痺れ、口の中は血と鉄の味でいっぱいだ。

 

でも、まだ……終われない。

 

すると、意識の遠くから、誰かの声が聞こえた気がした。

 

 

「──ヒエン君っ!!」

 

 

「ヒエン、負けるな……っ!!」

 

 

その声を聞いた瞬間、二人の少女の姿が脳内によぎった。

 

声にならない声。

 

痛みの中で、確かに届いてくる想い。

 

 

(なのは……フェイト……)

 

 

二人だけではない。

 

チームヒエンの皆の顔がよぎる。

 

 

(あ、そうだ……俺、一人で戦ってる訳じゃないんだった……)

 

 

胸の奥が、少しだけ温かくなる。

 

そして──

 

“未来が焼かれる”映像が、頭の中に突き刺さる。

 

だが、()()()()()……()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「……焼かれるなら、焼かせなきゃいい。この空間ごと──俺の力に変えちまえばいい……」

 

 

その時だった。

 

両手が、自然と“三角形”を描いた。

 

《零地点突破・(あまつ)》──発動の直前で、世界が静かに染まり始めた。

 

そしてヒエンの額に灯る炎が、淡く、滲むように色を変える。

 

――朱ではなく、紅でもなく。 それは、一日の終わりを告げる“夕焼け”の光。

 

空が橙から桃色へと滲むように、彼の炎は静かに――ピンク色へと染まっていく。

 

焼き尽くすための炎ではない。

 

守るため、繋ぐための“静かな力”。

 

 

「……これが……俺の“零地点突破”。俺だけの空だ……」

 

 

静かに、だが確かに。

 

ヒエンの周囲の空気が淡く揺らぎ始めた。




次回で決着。

では、また( `・∀・´)ノ
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