ミラクルリープ編直後の続きです。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
プリキュアオールスターズRe:DX3+F①
ヒエンside
お花見を終えた後、俺達は解散する事となった。
今回の件で改めてお礼を言った後、お土産として翠屋のシュークリームをプレゼントした。
余裕を持って人数分×2を渡しておいたから誰も食べられないという事はないだろう。
その後、俺と冷火は旅館沢泉をチェックアウトすると、すこやか駅に向かって歩いていた。
「それはそうとお兄様、これからどうするんです?」
冷火が質問すると、俺は歩きながら答えた。
「まずは各プリキュアへの挨拶周り……かな?」
アンジェ先輩の話に拠れば、去年の砂漠の使徒との戦い、クリスマスの決戦以降、日本では十三のプリキュアが誕生している。
その内、俺の事を既に知っているのはスイートプリキュア、スマイルプリキュア、ドキドキ!プリキュア、ハピネスチャージプリキュアの四組である。
この四組のプリキュアは、俺のインターミドルの応援をしてくれていたらしく、事前に薫子さんからもある程度の事情を聞いていたらしい。
そして今回リフレインの一件で、新たにHugっと!プリキュア、スター☆トゥインクルプリキュア、ヒーリングっど♡プリキュアの三組のプリキュアとも知り合った。
つまり、プリキュア組織化計画を円滑に進めるためには、残り六組のプリキュアとも顔合わせしなければならないのだ。
「だから先にある程度の事前説明をしておかなきゃいけない」
まず向かう先はナッツハウスだ。
◆◆◆
ナッツハウスの場所は、相棒に頼んで住所を調べてもらった。
ここから少し時間がかかるが、そう行けない距離でもない。
何か手土産を買っていこうという事になり、俺達は一旦、横浜みなとみらい21に立ち寄る事にした。
「つきましたね、みなとみらい」
冷火がソワソワしながら辺りを見回す。
海風を感じる開放的なウォーターフロントと近未来的な高層ビル群、そして歴史ある赤レンガ倉庫などが調和した美しい景観を彩っていた。
そしてここが肝心なのだが、横浜みなとみらい21はプリキュアオールスターズDXと、NewStageの映画の舞台でもある。
俺としては聖地巡礼の意味合いもあった。
だってほら、せっかく近くを通るんだし、ちょっとくらい寄ってみたいじゃん?
という訳で来た次第である。
せっかくなので軽く観光していく。
平日だからか、思ったよりも人は居らず、ゆったりと回れている。
映画でプリキュアの面々がいた場面を思い出しながら歩いていると、なんだか無性に感慨深くなった。
だが、そんな時に限ってトラブルという物は突然起こる。
ドォオオオオオン!!!!!!
突如、爆発音が聞こえると人々はパニックに陥る。
「きゃっ!?」
「なんなんだ一体!?」
すると、先の方から多くの人達が逃げていく。
「怪物だー!?」
「あんた達も早く逃げろ!!」
それを聞いた俺は直ぐ様、冷火に声をかけた。
「冷火!」
「はい!」
俺達は人々が走ってきた先に向かって、一目散に走っていく。
しばらくすると、約十数メートルはある全身黒タイツに白い手袋とブーツ、赤いサングラスに白いマフラー、そして頭に青い角がついている大きな怪物達が五体いるのが見えた。
そして、その怪物達と一人戦う金髪のツインテール少女が追い詰められていた。
「きゃああああ!?」
「「キュアエコー!?」」
少女の戦いを見守っていたであろう二匹の小動物が悲鳴を上げる。
キュアエコーと呼ばれた少女が吹き飛ばされたのだ。
さらに彼女の後ろには、テレビ局の女性アナウンサーとそのスタッフと思わしき人達がいた。
「……幻のプリキュアと呼ばれるキュアエコー、まるで大した事はないな」
そして怪物の側にいた赤色の髪の男が指示を出す。
「これで終わりだ!エターナルゲージ!!」
すると、赤色の髪の男はキュアエコーの四肢を赤黒い輪っかで拘束する。
直後、超直感が反応する。
あれは……まずい。
「すまん!先に行く!!」
「お気をつけて!」
俺は瞬時にセットアップと同時に死ぬ気モードになると、両手のグローブから炎を噴射し、キュアエコーの前に躍り出る。
そしてラウンドシールドを展開して赤色の髪の男のビームをガードしたのだが、思った以上に威力が大きいのか、少し押されてしまった。
俺はその事に内心驚く。
(……リフレインとの戦いでパワーアップした俺のシールドを僅かとはいえ押し出すとはな)
だが、まずは後ろの彼女達の安否確認が先決だ。
俺は前方に注意しつつ、後ろへと視線を向ける。
キュアエコー達は目を見開いて、驚いていた。
「……大丈夫か?」
キュアエコーは少し狼狽しながらも答えた。
「えっと、はい……大丈夫です」
「そうか。無事で良かった」
「あ、ありがとう……ございます……」
俺は彼女に安心させるように笑いかけると、なぜか彼女は頬を赤くさせながら小さく答えた。
体調が悪いのだろうか?
「お兄様!!」
俺が内心首を傾げていると、換装を完了させた冷火が到着する。
見れば、冷火のバリアジャケットのデザインが少し変わっていた。
俺と同じく両手を保護する黒い篭手に、ゴシックロリータの黒い服、黒のローヒールに、黒いカチューシャ。
そこに黒いリボンが所々に追加されていた。
恐らく、ナハトがバージョンアップさせたのだろう。
名付けるなら、真・プリキュアフォームと言ったところか。
「れ……「キュアヒートです!」……キュアヒート」
あぶね。
名前で呼んでちゃ、意味ないわな。
いや、それを言うと俺なんか滅茶苦茶本名で呼ばれてるけども。
今更か。
すると、キュアエコーの後ろにいた女性アナウンサーがこちらを指差す。
「あ、貴方達は……まさか!?」
そのとき、別の声が聞こえた。
「……貴様達は!?」
そこには驚愕した表情で俺達を見ている赤色の髪の男がいた。
俺はさっそく奴へと話しかける。
「こうして直接会うのは初めてだな。プリキュアハンター、ファントム」
「俺の事は既に把握済みという訳か、魔導師ヒエン」
「ああ。よく知ってるよ」
なんせ、前世で日曜日の朝8時30分から、アニメとして見ていたのだから。
朝食を食いながら見ていたのを、昨日のように思い出せる。
俺とファントムの視線が交差する……が、ファントムは視線を冷火へと移す。
「そっちの女はキュアヒート……だったな」
「私の事もご存知なんですね」
「世界中にいるプリキュアや要注意人物のデータは頭に入っている。当然貴様らも例外ではない。魔導師ヒエンにキュアヒート。まさか兄妹だとは思わなかったがな」
どうやら冷火の俺を呼ぶ声をしっかりと聞いていたらしい。
抜け目のない奴だ。
俺はファントムと視線を合わせつつ、隣にいる冷火に指示を出す。
「キュアヒート、後ろの人達を頼む」
「お任せを」
冷火は俺の指示を聞くと、俺の少し後ろに下がる。
対して、俺は一歩前に出る。
こうすれば奴の視線は、自ずと俺に集中する。
狙い通り、ファントムの視線が俺を再び捉える。
「……貴様は一年前の戦いで死んだと聞いていたが、やはり生きていたか」
「やはり……ね。予想していたのか?」
「用心深い者ほど警戒するものだ。それは俺以外の奴等も例外ではない。知っているか?今、この地球では一年前とは比較にならない程の闇の勢力が、水面下で争っている。そしてそれと同時に、とある人物の捜索もされていた。それが魔導師ヒエン……貴様だ。貴様は地球侵略を行う上で、確実に最大の障害と成り得る。もし万が一生きていた時、確実に葬るためにな」
「どいつもこいつも……こんな小僧一人に随分な警戒の入れようだな」
「貴様程の男なら分かっているはずだぞ。今の地球の現状を。そして、そんな時に動き出す危険性も。なぜ貴様は、今になって突然姿を現した?」
俺はその質問に間髪入れずに答えた。
「今だからこそだよ。今だからこそ……動き出す必要があると判断した」
「何?」
「正直に言うと、俺はお前らの存在が気に食わない。お前らのような闇の勢力の連中が、我が物顔で地球へ侵略に来る事自体が気に入らない」
「…………」
「なぜだか分かるか?それはお前らのような連中が、ただ静かに暮らしている者達に意味もなく暴力を振るうからだ」
「…………」
ファントムは何も答えない。
俺は構わず言葉を続けた。
「学校や会社に行って、勉強と仕事を頑張る。休日に友達と遊んで、家族と飯を食う。明日も同じように過ごす。そんな普通の生活をして、普通に暮らしている人達の前に、お前達は突然現れて、自分達の都合で全部ぶち壊す」
俺は拳を握り締める。
「そんな連中を放っておけるほど、俺は物分かりが良くないんでな」
「……それが、貴様が再び表舞台に現れた理由か?」
「半分はな」
「半分?」
俺はファントムを真っ直ぐ見据える。
「正直一年前の俺は、俺が強くなればいいと思ってた」
俺が強ければ……俺が敵を倒せれば……俺が皆を守れれば……それでいい。
ずっと、どこかでそう思っていた。
「けど、それじゃ駄目だった」
俺一人で行ける場所には限界がある。
俺一人で助けられる人数にも限界がある。
どれだけ強くなったところで、俺は一人しかいない。
そんな当たり前の事を、俺は嫌というほど思い知らされた。
「だから今度は、俺一人で全部背負うつもりはない」
「……何をするつもりだ?」
「さあな」
俺は僅かに笑った。
「敵にわざわざ教えてやるほど、俺もお人好しじゃない」
「…………」
ファントムの目が細くなる。
次の瞬間、奴から発せられる殺気が、一段階跳ね上がった。
「ならば……尚更、貴様をここで消しておく必要がある」
「まあ、そう来るよな」
俺は両手のグローブに、炎を灯す。
ボウッ!!
オレンジの炎が燃え上がった瞬間、ファントムの側に控えていた怪物達が一斉に動き出そうとする。
「来るぞ!」
「はい!」
俺の声に冷火が構える。
その直後だった。
「わ、私も戦います!」
後ろから声が聞こえた。
振り返れば、キュアエコーがふらつきながらも立ち上がっている。
「大丈夫なのか?」
「はい……!」
いや、どう見ても大丈夫じゃない。
それでも彼女の目だけは、真っ直ぐ怪物達を見ていた。
そして、その視線が一瞬だけ後ろへ向く。
そこには逃げ遅れたアナウンサー達がいる。
なるほど。
後ろの人達を守りたいのか。
「……キュアヒート」
「分かっています」
冷火は俺の意図を察したのか、キュアエコーの隣へ並んだ。
「彼女達は私達に任せてください」
「頼んだ」
これなら問題ない。
俺は再びファントムへ向き直った。
「随分と余裕だな」
「妹を信頼してるんでね」
「なら、その余裕……」
ファントムが腰にある剣を構える。
「いつまで続くか試してやる!」
地面を蹴ったファントムの姿が、一瞬で消えた。
(速い!?)
超直感に従い、俺は咄嗟に右腕を上げる。
ガキィィン!!
振り下ろされた剣をグローブで受け止める。
「っ!」
「ほう……!」
衝撃で足元の地面が砕けた。
なるほど。
プリキュアハンター。
伊達に世界中のプリキュアを狩ってきた訳じゃないらしい。
「やるな。だったら……少し本気で相手してやるよ」
両手から炎を噴射する。
「っ!?」
ファントムが即座に後方へ飛ぶ。
俺も同時に地面を蹴る。
そして……
ドォン!!!!
俺達はみなとみらいの空へと、勢いよく飛び上がった。
とりあえず、ひろがるスカイプリキュアまで出る予定。
ここからは、オリジナルストーリーになっていきます。
では、また( `・∀・´)ノ