Vivid strikeついに始まりましたね。
あとなのはの映画化も。
奈々さんの言ってたサプライズ発表は映画化だったんだなと今さら気づきました。
では、どうぞ( ゚д゚)ノ
ヒエンside
「………ん?」
俺は唐突に目を覚ました。
あれ?
俺は一体…なにして…
状況が分からない俺はキョロキョロと辺りを見回す。
すると周りには気を失っているユーノとアルフがいた。そして少し離れたところにはポツンと1つ浮かんでいるジュエルシードが…
ってジュエルシード!?
と俺は先程まで戦っていた白い巨人のことを思い出した。俺は即座に警戒態勢をとり周囲の状況を確認するが、周りは静寂といっていいほど静かであった。2、3分経ってから、息を静かに吐いて警戒を解いた。
「はぁ~」
そしてそのままバタンと仰向けに寝転がった。
あ~
なんとかなって良かった~
というか体の節々が痛くて動けねぇ…。
それに体力も魔力も結構消費したっぽいし…しばらく動けそうにない。
でも皆、無事である。
俺はその事に安堵していた。
今回は本当に危なかった。
下手をすれば誰か命を落としていてもおかしくない状況であった。
もしあのときアルフがいなかったら?
もしあのときユーノがいなかったら?
もしあのまま1人で戦っていたら?
今回は誰か1人でも欠けていれば悲惨なことになっていただろう…
それほどの強敵であった。
だが今回のようなイレギュラーが続くようであれば早急に対策を練らねばならない…。でなければ、俺の身体と精神が持たない。色々な意味で…。
(これは早くあのシステムを使えるようにしないと…ダメかもしれないな)
ああ…
調和の効果、ストレスにも効かないかな?
「………」
ん?
今、何気に考えてみたけど調和の効果って他にも色々使い道があるのではないだろうか?
そういえばカテキョーの原作でツナも調和の効果を使って相手の攻撃を無効化してたし…それに敵のキャラも色々応用してたし。主に白欄とか白欄とか。
これは色々検証してみる価値があるかもしれない。
と俺がこれからの方針を考えていると相棒がお腹の上に乗ってくる。
あ…いたんだ相棒。
「ガウガウ!」
痛ぇ!
悪かった悪かった!
だから頭をかじるのはやめてください!地味に痛いから!髪の毛いくつか抜けてるから!爪で引っ掻くのもやめて!?
流石にまだこの年でハゲにはなりたくない!!!
5分後……
なんとか荒れる相棒をなだめつつ俺はなんとか起き上がる。
すると相棒がジーっとある一点を見ていることに気付く。俺もそこに目を向ける。それはジュエルシードであった。
あ、そういえばまだ封印してなかったΣ(゜Д゜)
とりあえず封印にいこうと立ち上がり進もうとすると…
ドクン!
ジュエルシードが脈動する音が俺の耳に響いた。前を見てみると青白い光の柱が上空に迸っていた。
は?
いやいや!?
まてまてまてまて!?
まだ暴走するのかよ!?
気が付くと俺は走り出していた。
冗談じゃない。
あんなに苦労して白い巨人を倒したのに、更なるジュエルシードの暴走で地球が滅びましたじゃ話にならない。
魔力が足りないとか体が動かないとかそんなことを言っている場合じゃない。
そして俺がジュエルシードの近くまで来たとき…
突如上空から現れた金髪の少女…
フェイト・テスタロッサが両手でジュエルシードを包み込み暴走を抑えようとしていた。
ヒエンside end
◆◆◆
フェイトside
フェイトはじっと戦闘の行われている方角を見ていた。
少し遠いせいかおぼろげにしか見えないが、白い巨人の周りをグルグルと回っているオレンジ色の光が見えた。
恐らくヒエンが戦っているのだろう。
(ヒエン…)
フェイトは思わず両手をキュッとにぎる。
しばらく見ていると炎の竜巻が出来上がり、巨人をそのまま包み込む。その後、巨人がうつ伏せに倒れるのが見えた。
そして空中に浮かんでいたオレンジ色の光が真下に落ちた後、突然視界が真っ白に覆われた。
フェイトは思わず両手で顔をかばい、目を閉じる。
そして徐々に光が収まる。
周囲には静寂が訪れていた。
(一体なにが…)
フェイトが目を開け前方に視線を向けたとき…
ドクン!
突如ジュエルシードの気配を感じた。
そして彼女は思わず飛び出していた。
(ジュエルシードの気配!?見た感じ巨人はいないからヒエン達が倒したはず。まさかまだ暴走が!?)
フェイトは高速でジュエルシードの光の柱へと近付いていく。
(これ以上は……させない!)
そして両手で抑え込んだ。
フェイトside end
◆◆◆
ヒエンside
俺は自分の目を疑っていた。
俺の目の前では、小さな体でジュエルシードの暴走を必死に抑え込もうとしている金髪の少女の姿があったからだ。
俺は白い巨人を倒したとき、油断していたのかもしれない。イレギュラーが起きたものの確実に原作とは違ってきていると。だが世界の修正力というのは思ったより大きいのかもしれない。
フェイトが実際にここに訪れてジュエルシードを封印しようとしているのがいい証拠だ。
原作でも彼女はデバイスが使えなくなっていたが、暴走したジュエルシードを傷つきながらも封印していた。この世界ではそれがないものだと俺は決めつけてしまっていたのだ。
だが、俺の予想とは反して現在彼女は必死にジュエルシードを抑え込もうとしている。
そして封印しようとしているのかフェイトの足元に金色の魔方陣が現れた。
「止まれ…止まれ…止まれ……っ」
フェイトが両手に力を入れる。
「…止まれ…止まれ………!」
フェイトの両手から血が勢いよく流れる。
「止まれ…………止まれぇっ!」
そして金色の光がジュエルシードを包んだ。
だがいつまでたってもジュエルシードが収まる気配はなかった。
「そんな……」
フェイトに焦りの表情が見え始める。
バカな!?
原作では成功していたはずなのに!?
どうやらここでもイレギュラーが発生しているようだ。俺の動揺を他所にジュエルシードはさらに魔力を暴走させる。
それに比例するかのようにフェイトの体に小さなキズが増えていく。
「フェイト!」
そこにフェイトを呼ぶ声が後ろから聞こえた。顔を向けるとそこには目を覚ましたアルフとユーノの姿がそこにあった。
そしてアルフの悲痛な顔を見た瞬間、俺は前に飛び出していた。
俺はフェイトの後ろ側に回り込み、彼女の両手を後ろから包み込んだ。彼女を抱き締めているような構図になっているが今はそんなことを気にしている場合ではない。
俺の手の感触に気付いたのだろう。フェイトが後ろをチラッと見てくる。必然的に俺とフェイトの目が合う。
「俺も手伝う。俺の能力はこういう暴走を抑えるのには持ってこいだからな」
「………ありがとう」
「じゃあやるぞ。フェイトはそのまま封印を続けてくれ。後は俺が合わせる!」
「わかった!」
俺の今の魔力残量ではジュエルシードを封印することはできない。
ならば…
封印できるようにすればいい。
俺は両手に柔の炎を灯し、ジュエルシードを外側から包み込むように炎を送る。
そして肩にいる相棒に声をかける。
「相棒、俺が炎の出力をあげてジュエルシードを抑える。相棒はフェイトに協力して一緒にジュエルシードを封印してくれ」
「ガウ!」
相棒はフェイトの頭の上に移動する。
「ガウガウ!」
「えっと……頭の中になにかイメージみたいなのが…そうか君が。うん、よろしくねヒッツ」
相棒からフェイトに思念が送られてきたのか2人は会話をしている。と、それより俺は自分の仕事をしなければ!
俺は額の炎の出力をあげる。その影響か両手の炎が更に燃え上がる。
「暖かい…」
ここでフェイトが反応した。
死ぬ気の炎は本物の炎ではないのでヤケドをする心配はない。
ここで本題に戻るが俺がまずしなければならないこと…
それはジュエルシードの魔力の暴走を弱めることだ。
今の体力や魔力を消費している俺では暴走状態のジュエルシードを封印することはできない。…だがその威力を弱めることはできる。
俺の能力ならそれができる。
それが俺の死ぬ気の炎…大空の炎の真骨頂『調和』である。
調和とは…
全体がほどよくつりあって、矛盾や衝突などがなく、まとまっていることを意味する。
簡単に言うと…
ジュエルシードの暴走を抑えることができる。
ジュエルシードは現在進行形で暴走している。その原因はジュエルシードという器から漏れだした余分な魔力エネルギーである。
元来、ジュエルシードに限らずあらゆる物には抱えられるエネルギー総量が決まっている。
物で分かりやすくいえば、風船だろうか?
空気を入れれば風船は膨らむ。適切な量を入れれば程よく跳ねるだろう。だが許容量以上の空気を入れてしまえば風船は割れてしまう。
俺が今からするのは、それらの量の調節である。風船で言えば、空気の入れてやる量を調節してやれば割れることはない。
ジュエルシードをこれに当てはめるなら余分な魔力エネルギーを外へ逃がしてやればいいのだ。
と頭ではわかってるものの現実は厳しかった。
金髪の少女の白い手に添えられている黒い籠手は既にボロボロで、完全に損壊していた。
正直に言おう。
メチャクチャ痛い…
余りの痛さに両手が肩ごと吹き飛びそうなイメージまでできてしまうほどだ。
フェイトはこの激痛に耐えながら封印しようとしていたのか。凄まじい精神の強さに感服した。わずか9歳の女の子がこんなになるまで頑張っているんだ。男の俺が意地をみせなければ死ぬほどカッコ悪い。
「う、うおおおおお!!!」
俺は痛みをごまかすように声を出す。
痛みがなんだ!
こんなもの気合いと根性で乗り気ってやらあぁ!!
俺は残っている全ての体力を調和に使う。両手の炎は今までとは比べ物にならないほどに燃え上がり、ジュエルシードを包む。すると段々と効果が表れてきたのかジュエルシードの魔力が少しずつ小さくなっていきはじめた。
俺は好機とみて1人と1匹に声をかける。
「たのむ!」
「「うん!/ガウ!」」
すると金色とオレンジ色の魔力光が炎ごとジュエルシードを優しく包むのだった。
◆◆◆
「や…やった」
俺はジュエルシードが封印されたのを確認すると思わず倒れこんでしまう…前のめりに。
するとどうなるのか。
前にいるフェイトにもたれかかることになりフェイトが少し体勢を崩してしまう。
「だ、大丈夫!?」
「す、すまんフェイト。さすがにもう1歩も動けない…」
「ひゃ…」
俺の顔の隣にフェイトの顔がある。距離が近いせいか俺の息がかかり、くすぐったいようだ。
「あ、ごめん」
「うん。ちょっとくすぐったいけど大丈夫…」
「お、おう」
「………」
「………」
な、なんだろう…
ものすごく緊張する。
「あ、あの…」
「?」
フェイトが何か言いたそうにモジモジしている。
それは萌え死にさせる小動物のようであった。
やはりかわいいは正義である(確信)
「そろそろ…手をはなしてもらえないかなって」
「あ」
すっかり忘れてた…
俺は現在の状態を確認する。
俺←フェイトの両手を後ろからずっとにぎっている。端からみれば後ろから抱きしめているようにみえる。
フェイト←黒スーツの男に両手を持たれ、なおかつもたれかかられている。
あれ?
これ第3者から見ると、完全に危ない奴じゃね?
ということはあれか。
俺は数分の間、9歳のいたい気な少女を後ろからずっと抱き締めている変態になっていたのか?
それはまずい。
何がまずいって俺の後の人生が非常にまずい。
「あ、悪い。すぐにはな…「アンタはいつまでフェイトに抱きついんてんだいこの変態があぁ!!」ぶほおぉ!」
ドゴッ!
すると横から凄まじい衝撃が俺を襲ってきた。急な攻撃を予想できていなかった俺は当然吹き飛ばされる。
「兄さん!」
するとユーノが魔法陣で俺を受け止めてくれた。
ありがとうユーノ。
持つべきものはいい弟だ。
「大丈夫です兄さん!兄さんがどんな変態でも僕は見捨てませんから!」
おい。
「フェイト大丈夫かい!?あの変態に何かされてないかい!?」
「だ、大丈夫だよアルフ。な、なんにもされてなんていないから」
必死の形相で聞くアルフ。
だがなフェイトよ。
そんな顔を赤くして言ったところで説得力は皆無だぞ?
アルフがこちらを睨み殺さんとばかりににらみつけてくる。
やめて?呪い殺さないでね?
アルフのそんな姿に戦々恐々としながらも俺は2人に話しかける。
「2人とも今回は助かった。協力してくれてありがとう」
俺は2人に頭を下げる。それを見た2人は途端に慌て始める。
「な、なんで頭なんて下げてんだい!そ、それにアタシ達は敵同士だよ!」
「そうだよ!それに私たちがほとんど助けられてばっかりだったし…」
俺はその様子を見てポカーンとする。
そして一言思ったことを言った。
「お前らお人好しか…」
「「「ヒエン/アンタ/兄さんに言われたくない/(です)よ!!!」」」
3人から一気に怒鳴られた。
何気にフェイトからも怒鳴られたのはちょっと傷ついたorz
っていうかユーノさん?
なんでお前まで混ざってんの!?
「兄さんだからです」
おい。
「じゃあアタシ達はもういくよ」
「ああ」
なんとか動けるまで回復した俺はフェイト達を見送っていた。
「あのヒエン?ジュエルシードなんだけど…」
「ああ、封印したのはフェイトだろ?それは俺もユーノも納得済みだから持っていけ」
「分かった…」
フェイトは不承不承という感じで納得した。
うん。
君、ジュエルシード必要だよね?
なぜ俺はジト目をされなければならないのか。
指摘したらめんどくさいので俺はそれに気付かないフリをしておく。
あ、そうだ。
「フェイトちょっと待て」
「なに?」
俺はなけなしの魔力を使ってフィジカルヒールをかける。フェイトのキズがなくなった。やっぱり女の子の肌にキズがあるのはよくない(真顔)
「これでよし。気を付けて帰れよ?」
「うん。そ、その…いろいろありがとう」
「おう」
そして飛び立とうとした彼女は…少し考え事をしてからなぜかこちらへと戻ってくる。
なんだ?
忘れ物か?
「ヒエン分かってるとは思うけど…」
あ、そういうこと。
「ああ。分かってるよ大丈夫だ」
「…ならいい」
そういうとフェイトとアルフは飛んでいった。
大丈夫分かってる。
俺達は基本的に敵同士だってことは…
まぁ、やらなきゃいけないことや、やるべきこととかいろいろあるけど、とりあえず今は…
「なのはのところに戻るか」
「そうですね」
俺達は転送魔法で戻っていくのだった。
小倉唯さんのfuture strikeかっこいいですね!