大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうもΣ(゚Д゚)

続き書けたで候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


プリキュアオールスターズRe:DX3+F③

第三者side

 

 ――少しだけ、時間を遡る。

 

 横浜みなとみらい21。

 

 突如として現れた怪物達と、プリキュアハンター・ファントム。

 

 偶然その場に居合わせたテレビ局のカメラは、その戦いを捉えていた。

 

 当初は、突然の襲撃を伝えるための緊急中継だった。

 

 しかし、そこへ現れた一人の少年によって、状況は大きく変わる。

 

 額に炎を灯し、両手から鮮やかなオレンジ色の炎を噴き上げ。

 

 空中でプリキュアハンターと互角に渡り合う黒スーツの少年。

 

 魔導師ヒエン。

 

 そして――。

 

『俺が邪魔なら、俺を狙え。俺の仲間に手を出すくらいなら――俺のところへ来い』

 

 その言葉は、本人の知らないところで、日本中へ流れていた。

 

◆◆◆

 

 ふたりはプリキュア Max Heart。

 

「……え?」

 

 なぎさが目を丸くした。

 

『俺なら逃げない。何度来たって、相手してやる。だから――覚悟しておけ』

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

 

「なぎさ、近いわよ」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ、ほのか!」

 

「そうメポ!近すぎメポ!」

 

「メップルまで!?」

 

「でも、自分から狙ってくれなんて危ないミポ……」

 

 ミップルが心配そうに画面を見る。

 

「ポポ……」

 

「ルル……」

 

 ポルンとルルンも不安そうだった。

 

『お前達――闇の勢力は……俺が死ぬ気でぶっ潰す!!』

 

「…………」

 

「ありえな~い!」

 

 なぎさが頭を抱えた。

 

「なんで自分からそんな大変なこと言っちゃうのよ!」

 

「でも……」

 

 ほのかはヒエンを見つめる。

 

「もしかすると、わざとかもしれないわ」

 

「え?」

 

「自分が危険になることも承知した上で、敵の注意を自分へ向けようとしているんじゃないかしら」

 

「それって……分かっててやってるってこと?」

 

「多分」

 

「そっちの方が問題じゃない!」

 

「ふふっ」

 

「ひかり!?」

 

「すみません。でも……少しだけ、ヒエンさんはなぎささんに似ていると思って」

 

「私に!?」

 

「誰かが危ない時、自分のことを後回しにしてしまうところです」

 

「…………」

 

 ほのかがなぎさを見る。

 

「確かに」

 

「ほのかまで!?」

 

◆◆◆

 

 ふたりはプリキュア Splash☆Star。

 

「言っちゃった……」

 

 咲が呟く。

 

「言っちゃったね……」

 

 舞も同じような表情を浮かべている。

 

「自分から狙わせるなんて危険ラピ!」

 

「そうチョピ!」

 

 フラッピとチョッピも落ち着かない。

 

「ムプー……」

 

「ププー……」

 

 ムープとフープも心配そうだ。

 

「普通なら、自分から敵に狙われるような真似はしないわ」

 

 満が言う。

 

「それでも言ったということは、何か理由があるのでしょうね」

 

 薫も続ける。

 

「うーん……」

 

 咲が腕を組む。

 

「……分かんない!」

 

「咲……」

 

「でも、本気なのは分かるよ!」

 

 画面を見る。

 

「だからさ……」

 

 少しだけ眉を下げた。

 

「ちゃんと帰ってきてよ、ヒエンさん」

 

「……うん」

 

 舞も頷いた。

 

◆◆◆

 

 Yes!プリキュア5 GoGo!

 

『それがどうした?』

 

「おお……!」

 

 のぞみの目が輝く。

 

「嫌な予感しかしないんだけど……」

 

 りんの頬が引きつった。

 

『最初から、そのつもりだ』

 

「おおお……!」

 

「なんで嬉しそうなのよ!」

 

「だってカッコいいよ!」

 

「そこ!?」

 

「わたしも少し分かります!」

 

「うららまで!?」

 

「勇気があることと、無茶をすることは別でしょう?」

 

 かれんが窘める。

 

「そうね」

 

 こまちも頷いた。

 

「まったくよ」

 

 くるみも腕を組む。

 

「自分から敵を増やしてどうするのよ」

 

「ただ……」

 

 ナッツは真剣な表情で画面を見ていた。

 

「ヒエンは、自分が敵から警戒されていることを理解しているナツ」

 

「その上で、あえて姿を見せたココ」

 

「ってことは、わざとか?」

 

 シロップが尋ねる。

 

「可能性は高いナツ」

 

『俺が死ぬ気でぶっ潰す!!』

 

「よし!」

 

 のぞみが立ち上がった。

 

「だから何が『よし』なのよ!」

 

「ヒエンさん、一人じゃ無理なら仲間を頼るって言ったんでしょ?」

 

「言ったけど……」

 

「だったら、本当に困った時は私達だって助ければいいんだよ!」

 

「…………」

 

 りんがため息。

 

「……あんたならそう言うと思ったわ」

 

「簡単でしょ?」

 

「簡単に言うな!」

 

◆◆◆

 

 フレッシュプリキュア!

 

『俺が邪魔なら、俺を狙え』

 

「ヒエンさん……」

 

 ラブが眉を下げる。

 

「全然完璧じゃないわね」

 

 美希が腕を組んだ。

 

「自分から危険になってどうするのよ」

 

「無茶しすぎやで!」

 

 タルトも画面へ身を乗り出す。

 

「きゅあー……」

 

 シフォンまで不安そうな声を出した。

 

「でも……」

 

 祈里が呟く。

 

「他の人を狙わせたくないんだと思う」

 

「そうでしょうね」

 

 せつなが頷く。

 

「だからこそ、自分へ敵を引きつけようとしている」

 

「だったら!」

 

 ラブが立ち上がる。

 

「本当に危なくなったら、今度は私達が助けよう!」

 

「ラブ?」

 

「一人じゃ無理なら仲間を頼るって、自分で言ったんだもん!」

 

 ラブが笑う。

 

「ヒエンさん一人だけボロボロになったら、幸せゲット出来ないよ!」

 

「……ふふっ」

 

 せつなも笑った。

 

◆◆◆

 

 ハートキャッチプリキュア!

 

「ちょっとぉ!?」

 

 えりかがテレビを指差した。

 

「何言っちゃってんのヒエンさん!?」

 

「え、えりか!」

 

「だってつぼみ!完全に喧嘩売ってるじゃん!」

 

「ヒエン、大丈夫ですか!?」

 

「心配ですっ!」

 

 シプレとコフレも騒ぐ。

 

「無茶しちゃダメでしゅ!」

 

 ポプリまで続いた。

 

「ヒエンさんにも何か考えがあるんじゃないかな」

 

 いつきが言う。

 

「…………」

 

 ゆりは黙って画面を見ていた。

 

「以前とは違うわね」

 

 薫子が静かに呟く。

 

「おばあちゃん?」

 

「一年前のヒエン君は、自分が強くなれば全てを守れる。どこかでそう考えていた節があるわ」

 

『俺一人じゃ無理なら、仲間を頼ればいい』

 

 薫子は微笑む。

 

「ようやく……一人で戦うことをやめたのね」

 

「…………」

 

 つぼみ達は再び画面を見る。

 

「だったら」

 

 つぼみが笑った。

 

「今度は本当に、ちゃんと頼ってほしいです」

 

◆◆◆

 

 スイートプリキュア♪

 

「言っちゃった……」

 

 響が呟く。

 

「言ったわね……」

 

 奏も同じ顔。

 

「ヒエン、大丈夫ニャ!?」

 

 ハミィも心配そうにテレビを見る。

 

「相変わらず派手ね」

 

 エレンが苦笑する。

 

「でも、一人で全部やるとは言ってないわ」

 

 アコが指摘した。

 

「そうそう!」

 

 響が笑う。

 

「困ったら仲間を頼るんでしょ?」

 

「ええ」

 

「じゃあ本当に困ったら頼ればいいじゃん!」

 

「……まあ、それなら文句はないけど」

 

 奏も微笑む。

 

「でも絶対無茶するニャ」

 

「…………」

 

 全員が黙った。

 

「……否定出来ないわね」

 

◆◆◆

 

 スマイルプリキュア!

 

「えええええっ!?」

 

 みゆきが目を丸くする。

 

「ヒエンさん、すっごいこと言っちゃったよ!」

 

「感心しとる場合ちゃうって!」

 

 あかねが突っ込む。

 

「でも……カッコいい……!」

 

 やよいの目が輝く。

 

「ヒーローみたいクル!」

 

 キャンディまで興奮している。

 

「キャンディまで!?」

 

「ですが、自分を危険に晒すのは感心出来ないでござる」

 

 ポップは冷静だった。

 

「そうだよね」

 

 なおが頷く。

 

「勇気を持って立ち向かうことと、自分を粗末にすることは違います」

 

 れいかも続ける。

 

「だったら!」

 

 みゆきが笑った。

 

「本当に困った時は、みんなで助けよう!」

 

「そうしたらウルトラハッピークル!」

 

「うん!」

 

「結局そこかい!」

 

◆◆◆

 

 ドキドキ!プリキュア。

 

「六花!」

 

「ダメ!」

 

「まだ何も言ってないよ!?」

 

「どうせ『助けに行こう』でしょ!」

 

「何で分かったの!?」

 

「何年一緒にいると思ってるのよ!」

 

「マナらしいシャル……」

 

 シャルルも苦笑する。

 

「危ないケル」

 

「無茶ランス」

 

「自分を囮にするなんてダメでキュピ!」

 

 ラケル、ランス、ダビィも心配そうだ。

 

「自ら敵の標的となるなど、感心出来ません」

 

 亜久里がきっぱり言う。

 

「ですが……」

 

 ありすはヒエンを見つめる。

 

「ご自身が何をしているのかは、理解していらっしゃるようですわね」

 

「それが余計に困るのよ」

 

 六花がため息を吐く。

 

「…………」

 

 ジョー岡田は静かにテレビを見つめていた。

 

「随分と大きな覚悟を背負ったね、彼は」

 

「ジョーさん?」

 

「けれど、覚悟が大きければ大きいほど、一人では支えきれないこともある」

 

「だったら!」

 

 マナが笑う。

 

「支えればいいんだよ!」

 

「……ふふっ」

 

 ジョー岡田も笑った。

 

「君なら、そう言うと思ったよ」

 

◆◆◆

 

 ハピネスチャージプリキュア!

 

「…………!」

 

 いおなの身体が強張る。

 

「ファントム……!」

 

「本当にファントムだ……」

 

 ひめも僅かに震えた。

 

「ひめ、大丈夫?」

 

 リボンが心配そうに見上げる。

 

「う、うん……」

 

「いおな……」

 

 ぐらさんも、いおなの表情を窺っていた。

 

『俺が邪魔なら、俺を狙え』

 

「……え?」

 

 いおなの表情が変わる。

 

『俺の仲間に手を出すくらいなら――俺のところへ来い』

 

「何を……言ってるの?」

 

 ファントムがどれほど危険なのか。

 

 いおなは誰よりも知っている。

 

「自分からファントムの標的になるなんて……!」

 

「ヒエンさん……」

 

 めぐみも心配そうに画面を見る。

 

「無茶苦茶ですわ!」

 

 リボンも叫んだ。

 

「でも……」

 

 誠司の表情が変わる。

 

「これ、ファントムだけに言ってるんじゃない」

 

「え?」

 

「自分が表に出ることで、他の敵にも自分の存在を見せつけてるんだ」

 

「それって……」

 

「敵の目を自分へ集めようとしてるってことか?」

 

 ぐらさんが尋ねる。

 

「多分な」

 

「…………」

 

 ブルーは黙って画面を見つめていた。

 

「彼は、それを承知で言っているのだろう」

 

「ブルー?」

 

「自分が敵の標的になることも含めてね」

 

「そんなの!」

 

 めぐみが声を上げる。

 

「危なすぎるよ!」

 

「そうだよ!」

 

 ひめも続く。

 

「強いからって限度があるよ!」

 

「……ええ」

 

 いおなが頷く。

 

 そしてファントムと対峙するヒエンを見る。

 

「でも……もし本当に、私達のためにそんなことをしているのなら」

 

 拳を握る。

 

「守られているだけではいられないわ」

 

「うん!」

 

 めぐみも頷いた。

 

◆◆◆

 

 Go!プリンセスプリキュア。

 

「すごい……」

 

 はるかがテレビへ釘付けになる。

 

「この人、プリキュアじゃないんだよね?」

 

「魔導師と呼ばれていましたわ」

 

 みなみが答える。

 

「炎で空飛んでるし……すごいね」

 

 きららも興味深そうだ。

 

「すごいパフ!」

 

「しかし危険すぎるロマ!」

 

 パフとアロマも画面を見つめる。

 

『そういう普通の日常が、俺は好きなんだ』

 

『それを守りたい。ただ、それだけだ』

 

「…………」

 

 トワの表情が変わる。

 

「守りたいものがあるからこそ、戦っているのですね」

 

「うん」

 

 はるかが頷く。

 

「この人にも夢があるんだ」

 

「夢、ですか?」

 

「大切な人達と明日も笑って過ごしたいって、立派な夢だよ!」

 

「ホホホ」

 

 ミス・シャムールが笑う。

 

「その通りですわ」

 

「ミス・シャムール?」

 

「他者の夢を守ろうとする心は素晴らしいもの。ですが――」

 

 扇を閉じる。

 

「自らの夢まで捨ててしまっては、ノーブルとは言えませんわ」

 

「……はい!」

 

 はるかは大きく頷いた。

 

◆◆◆

 

 魔法つかいプリキュア!

 

「魔導師!?」

 

 みらいの目が輝く。

 

「リコ!魔導師だって!」

 

「聞こえてるわよ!」

 

「炎で空飛んでる!」

 

「それも見えてる!」

 

「モフ!」

 

 モフルンも画面へ近づく。

 

「みらい達の魔法とは違うモフ!」

 

「ワクワクもんだぁ!」

 

「みらい!」

 

『俺が邪魔なら、俺を狙え』

 

「……え?」

 

 みらいの表情が変わった。

 

「自分から狙われようとしてるの?」

 

「そう聞こえるわね」

 

「危ないモフ!」

 

 モフルンが声を上げる。

 

「この人、みんなを守りたいんだね」

 

 ことはが呟く。

 

「だからって、自分を危険に晒していいわけじゃないわ」

 

 リコが腕を組む。

 

「うん」

 

 みらいも頷いた。

 

「でも一度会ってみたい!」

 

「え?」

 

「だって魔導師だよ!」

 

「結局そこに戻るの!?」

 

◆◆◆

 

 キラキラ☆プリキュアアラモード。

 

「すっごーい!」

 

 いちかが画面へ身を乗り出す。

 

「プリキュアじゃないのに空で戦ってる!」

 

「炎の噴射によって飛行しているのでしょうか!?」

 

 ひまりも興味津々。

 

「めちゃくちゃ熱い奴じゃん!」

 

 あおいも目を輝かせる。

 

「ペコー!」

 

 ペコリンも興奮している。

 

「いやいや、危ないジャバ!」

 

 長老は慌てていた。

 

「自分から敵を呼び寄せるなど危険ジャバ!」

 

「……本当に熱いわね」

 

 ゆかりが微笑む。

 

「文字通りだけどね」

 

 あきらも苦笑した。

 

『俺が邪魔なら、俺を狙え』

 

 あきらの表情が変わる。

 

「自分から危険な役を引き受けようとしてるね。優しい人なのかな?」

 

「どうかしら?」

 

 ゆかりが微笑む。

 

「ただの考えなしのお人好しかもしれないわよ?」

 

「それより、あの炎が気になるわ!」

 

 シエルが言う。

 

「シエル!?」

 

「だって気になるじゃない!」

 

『そういう普通の日常が、俺は好きなんだ』

 

 いちかは小さく笑った。

 

「この人も、大好きな人達と過ごす時間を大切にしてるんだね」

 

「ペコ」

 

 ペコリンも笑顔で頷いた。

 

◆◆◆

 

 HUGっと!プリキュア。

 

「…………」

 

 沈黙。

 

『俺が死ぬ気でぶっ潰す!!』

 

「…………」

 

「えええええええええっ!?」

 

 はなの絶叫。

 

「ヒエンさん、何やってるんですかぁぁぁ!?」

 

「行動早すぎでしょ……」

 

 ほまれが頭を抱える。

 

「ついさっきまで、一緒にお花見をしてたよね……?」

 

 さあやも困惑していた。

 

「正確には、その後すこやか市を出発しています」

 

 ルールーが冷静に補足する。

 

「そういう問題じゃないのです!」

 

 えみるが叫ぶ。

 

「さっきまでシュークリームを配っていた人が、今は全国放送で闇の勢力に喧嘩を売っているのです!」

 

「落差がすごい……」

 

「まったくや」

 

 ハリーも頭を抱えた。

 

「表舞台に出る言うても、限度があるやろ……」

 

「はぎゅ……」

 

 はぐたんも心配そうだ。

 

『俺が邪魔なら、俺を狙え』

 

「……ダメだよ」

 

 はなが拳を握る。

 

「決めた!帰ってきたら絶対言う!!」

 

「何を?」

 

「一人で無茶しちゃダメですって!」

 

「賛成」

 

「私も」

 

「同意します」

 

「私もなのです!」

 

「ワイもや」

 

「よーし!」

 

 はなが立ち上がった。

 

「ヒエンさん、覚悟してください!」

 

「なんでヒエンの方が怒られる流れになっとんねん……」

 

◆◆◆

 

 スター☆トゥインクルプリキュア。

 

「ヒエンさんだーっ!」

 

 ひかるがテレビを指差す。

 

「もう戦ってるルン!?」

 

 ララも目を丸くする。

 

「さっき別れたばかりなのにね」

 

 えれなが苦笑した。

 

「しかも……」

 

『俺が死ぬ気でぶっ潰す!!』

 

「随分と大胆なことを……」

 

 まどかも困惑する。

 

「大胆どころじゃないニャン」

 

 ユニが呆れる。

 

「プルンスもそう思うでプルンス!」

 

 プルンスも大きく頷く。

 

「フワぁ……」

 

 フワは不安そうに画面を見る。

 

「キラやば~っ!」

 

「ひかる!?」

 

「だってすごいよ!」

 

「危険ルン!」

 

「でもさ」

 

 ひかるが笑う。

 

「ヒエンさん、一人じゃ無理なら仲間を頼るって言ってたじゃん!」

 

「あ……」

 

「だったら!」

 

 画面を指差す。

 

「ちゃんと私達のことも頼ってほしい!」

 

「そうだね」

 

 えれなも笑う。

 

「一人で頑張りすぎなくていいんだから」

 

「はい」

 

 まどかも頷いた。

 

「私達にも出来ることはあります」

 

「まったく」

 

 ユニも小さく笑う。

 

「しょうがない奴ニャン」

 

◆◆◆

 

 ヒーリングっど♡プリキュア。

 

「…………」

 

 のどか。

 

 ちゆ。

 

 ひなた。

 

 アスミ。

 

 そして。

 

 ラビリン達まで。

 

 全員がテレビを見たまま固まっていた。

 

「……ねえ」

 

 ひなたが口を開く。

 

「さっきまで一緒だったよね?」

 

「うん」

 

「お花見してたよね?」

 

「うん」

 

「シュークリームもらったよね?」

 

「うん……」

 

「何でもう戦ってんの!?」

 

「私に聞かれても……」

 

『俺が死ぬ気でぶっ潰す!!』

 

「しかもめっちゃすごいこと言ってるし!」

 

「ヒエン!何言ってるラビ!」

 

「自分を狙えなんて危ないペェ!」

 

「ったく!あいつ何考えてんだよ!」

 

 ラビリン、ペギタン、ニャトランも大騒ぎ。

 

「わふっ……」

 

 ラテまで不安そうに画面を見つめている。

 

「だよね!?」

 

 ひなたがニャトランを見る。

 

「やっぱそう思うよね!?」

 

「当たり前だろ!」

 

「さっきまでシュークリーム配ってた人の発言じゃないよね!?」

 

「そこは関係ねぇだろ!」

 

「ヒエンさん……」

 

 のどかは心配そうだった。

 

「大丈夫かな……」

 

「ヒエンという方は強いのでしょう?」

 

 アスミが尋ねる。

 

「うん」

 

「めちゃくちゃ強い!」

 

 ひなたが答える。

 

「でも、めちゃくちゃ無茶する!」

 

「なるほど」

 

 アスミは頷いた。

 

「強く、優しく、そして無茶をする方なのですね」

 

「アスミちゃんまで!?」

 

『俺一人じゃ無理なら、仲間を頼る』

 

「……だったら」

 

 のどかは小さく笑った。

 

「ちゃんと私達にも頼ってほしいな」

 

「のどか……」

 

「ヒエンさんだって、一人じゃないんだから」

 

「ラビ!」

 

◆◆◆

 

 トロピカル~ジュ!プリキュア。

 

「すっごーーーーい!」

 

 まなつがテレビへ顔を近づける。

 

「ちょっと、まなつ!近いわよ!」

 

 ローラが引っ張る。

 

「だって炎で空飛んでるよ!」

 

「見れば分かるわよ!」

 

「興味深い」

 

 みのりが画面を観察する。

 

「魔導師という名称から考えると、魔法に類する能力かも」

 

「でも……」

 

 さんごは心配そうだった。

 

「この人、自分から狙われようとしてない?」

 

「してるな」

 

 あすかが腕を組む。

 

「無茶する奴だ」

 

「くるるん?」

 

 くるるんも不思議そうにテレビを見つめる。

 

「えっ!?」

 

 まなつが画面を見る。

 

『俺が邪魔なら、俺を狙え』

 

「ホントだ!」

 

「今気づいたの?」

 

「でも!」

 

 まなつはすぐに笑った。

 

「一人じゃ無理なら仲間を頼るって言ってたよ!」

 

「言ってたわね」

 

「だったら、みんなでやればいいじゃん!」

 

「……まなつらしい」

 

 みのりが呟く。

 

「くるる~ん!」

 

「ほら! くるるんもそう言ってる!」

 

「絶対そこまでは言ってないわよ!」

 

◆◆◆

 

 デリシャスパーティ♡プリキュア。

 

「すごい……」

 

 ゆいがテレビを見つめる。

 

「この人、プリキュアじゃないんだよね?」

 

「ええ」

 

 ローズマリーが答える。

 

「少なくとも私の知っているプリキュアではないわ」

 

「魔導師ヒエンさん……」

 

 ここねが呟く。

 

「炎で空飛んでる!超すごいよ!」

 

 らんが興奮する。

 

「だが」

 

 あまねは表情を険しくした。

 

「自ら敵の標的となるような発言は危険だ」

 

「そうね」

 

 ローズマリーも頷く。

 

「コメ……」

 

「パム……」

 

「メン……」

 

 コメコメ達も心配そうにテレビを見る。

 

 拓海は黙ったまま画面を見ていた。

 

『俺は……別に世界を救う英雄になりたいわけじゃない』

 

『好きな奴と飯を食って――』

 

『そういう普通の日常が、俺は好きなんだ』

 

「……そっか」

 

 ゆいが小さく笑う。

 

「この人も、みんなとごはんを食べられる毎日を守りたいんだね」

 

「そうみたいね」

 

 ローズマリーも微笑む。

 

「でも……」

 

「どうしたの?」

 

「この人のことは、誰が守るの?」

 

「…………」

 

 全員が黙る。

 

「……そうだな」

 

 拓海が呟いた。

 

「強いからって、一人で何でもやらなくていいだろ」

 

「うん!」

 

 ゆいが頷く。

 

「ヒエンさんにも、ちゃんと一緒にごはんを食べられる仲間がいるといいね!」

 

「コメ!」

 

「パム!」

 

「メン!」

 

◆◆◆

 

 ひろがるスカイ!プリキュア。

 

「…………」

 

 ソラは瞬きもせず、テレビを見つめていた。

 

「ソラちゃん?」

 

 ましろが横から覗き込む。

 

『朝になったら学校や仕事に行って、くだらないことで友達と笑って――』

 

『明日もまた会おうって、当たり前みたいに約束できる』

 

『そういう普通の日常が、俺は好きなんだ』

 

「…………」

 

 ソラの拳に力が入る。

 

「この方……みんなを守るために戦っているんですね」

 

「そうみたいだね」

 

『俺が邪魔なら、俺を狙え』

 

「ですが……」

 

 ツバサが眉を寄せる。

 

「これは危険すぎませんか?」

 

「あたしもそう思う」

 

 あげはも頷いた。

 

「この子、自分から一番危ない場所に立とうとしてるよね」

 

「…………!」

 

 ソラが立ち上がる。

 

「それはいけません!」

 

「ソラちゃん!?」

 

「誰かを守るためだからといって、自分を大切にしなくていい理由にはなりません!」

 

「エルぅ……」

 

 エルもソラの服を掴み、不安そうにテレビを見ている。

 

「守った人も! 守られた人も!」

 

 ソラは真っ直ぐ画面を見る。

 

「最後には一緒に笑えることが大切なんです!」

 

「……うん」

 

 ましろが微笑んだ。

 

「ソラちゃんらしいね」

 

「魔導師ヒエン君……ですか」

 

 ヨヨが静かに名前を口にする。

 

「ヨヨさん、この人を知ってるんですか?」

 

「いいえ。私も初めてよ」

 

「そうなんですね」

 

「だけど……」

 

 ヨヨはテレビへ視線を戻す。

 

「ただ感情に任せて、啖呵を切ったわけではなさそうね」

 

「え?」

 

「自分という存在を、あえて敵に強く印象づけているように見えるわ」

 

「それって……」

 

「もちろん」

 

 ヨヨは小さく笑った。

 

「それだけが理由ではないのでしょうけれど」

 

 画面のヒエンを見つめる。

 

「随分と不器用な子ね」

 

「…………」

 

 ソラも再びヒエンを見る。

 

「魔導師ヒエンさん……」

 

 そして。

 

「私、一度この方とお話ししてみたいです!」

 

「ふふっ」

 

 ましろが笑う。

 

「ソラちゃん、絶対そう言うと思った」

 

「えっ!?」

 

「ボクもです」

 

「ツバサ君まで!?」

 

「あたしもかな」

 

「あげはさんまで!?」

 

「エル!」

 

「エルちゃんも!?」

 

◆◆◆

 

 この日。

 

 インターミドルで彼の戦う姿を見た者がいた。

 

 以前から彼を知り、その危うさも優しさも知っている者がいた。

 

 ほんの少し前まで、同じ場所で笑っていた者がいた。

 

 そして。

 

 この生中継で初めて、《魔導師ヒエン》という少年を知った者達もいた。

 

 プリキュア。

 

 妖精。

 

 そして、彼女達を見守る者達。

 

 受け止め方は、それぞれだった。

 

 呆れた者。

 

 心配した者。

 

 その強さに驚いた者。

 

 彼の意図を察した者。

 

 ただ、一つ。

 

 ヒエン自身が知らないことがあった。

 

『俺一人じゃ無理なら、仲間を頼ればいい』

 

 そう口にした少年は。

 

 これから、世界中に散らばるプリキュア達を繋ごうとしている。

 

 一人では守れないものを。

 

 皆で守るために。

 

 だが、ヒエンはまだ知らない。

 

 彼が皆へ手を伸ばそうと決めた、その時には。

 

 画面の向こう側でも既に――。

 

『だったら、私達を頼ればいい』

 

 そう思っている者達が、これだけいたことを。

 

 そして、そんなことになっているとは露ほども知らない本人は、この少し後。

 

『先程の戦闘なんですが……途中からずっと、生中継されておりまして……』

 

『……生中継?』

 

 自分の宣言が日本全国へ流れていたという事実を知らされ。

 

 青空を見上げたまま。

 

 しばらく現実逃避することになるのだった。




ちなみにヒープリでは、本来の時間軸にちゃんと戻ったのでアスミンいます。

では、また∠( ゚д゚)
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