外伝書けたで候。
ヒーリングっど♡プリキュアとのコラボですはい。
あと少しというか、大分オリジナル設定入ってるところがあるのでご勘弁を。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
ミラクルリープ 皆との不思議な一日①
ヒエンside
インターミドルの大会が終わって約一週間が経ったある日のこと……
「ここが、すこやか市……」
「本当に桜が咲いていますね……」
俺と冷火はプリキュア世界のとある地方都市に来ていた。
なぜ俺達が再びプリキュア世界に足を踏み入れているのか、それは数日前にまで遡る。
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インターミドルも終わり、残り少ない夏休みを自室で満喫していたとき、珍しくアンジェ先輩が呼びかけてきた。
どうやら俺に頼み事があるらしい。
『調査?』
『はい。大変申し訳ないのですが、貴方にはある地方都市に行って調べて欲しいことがあるのです』
『別にそれは構わないですけど……なんで俺?』
『実は……』
アンジェ先輩の話によれば、なんでもその地方都市の周辺だけ
プリキュア世界の現在の季節は夏なのだが、その地方都市だけ
何よりも恐ろしいのが、誰もその事に違和感を感じていないようなのだ。
これはさすがにおかしいと思ったアンジェ先輩が部下に調べさせたところ、件の地方都市では数ヶ月前から微弱なエネルギー反応の報告が数件上がっていた。
しかし微弱すぎて誤差の範囲であったため、全く問題視されていなかった……のだが、段々そのエネルギー反応が大きくなってきており、その効果範囲も徐々に広くなっているらしい。
事態を重く見たアンジェ先輩は妖精を通してハートキャッチの面々に調査に行ってもらうよう依頼したのだが、
どうやらその地方都市周辺に近付くだけで、
つまり調査に行ったつぼみ達は、地方都市の調査ではなく、旅行へと目的を
その地方都市の周辺だけ異空間化しており、なんらかの強い干渉を受けてしまうようなのだ。
『だからこその俺ですか……』
『はい。貴方には【調和】の能力があるのでその謎の干渉力も無効化できるかと』
『分かりました。このまま放っておいたら問題になりそうですし、すぐに準備します』
『毎度のことながら申し訳ありません。このお礼は必ず……』
『了解です』
とのことで現在、俺はその件の地方都市、すこやか市なるところに足を伸ばしている次第である。
リニス達も連れてくることを考えたが、その謎の干渉力を受けることも考慮して、今回はやめておいた。
しかしマテリアルである冷火は、俺と同じく【調和】の能力を有しているため、無効化できる。
なので俺の助手として今回は連れてきた。
実はここに来る前に、希望ヶ花市でいくつか準備をしてきた。
まずは例の如く、戸籍の偽造。
調査なので、すこやか市にしばらく滞在することになるので一応念の為。
後は情報収集。
俺がプリキュア世界を去ったのはこちらの時間軸では三月頃。
今は八月の中頃……約五ヶ月経過している。
この五ヶ月でこちらの世界の情勢は色んな意味で様変わりしていた。
アンジェ先輩の話では、砂漠の使徒とのクリスマスの決戦以降、世界中にプリキュアが存在するらしい。
日本も例外ではなく、ハートキャッチ以降のプリキュアが何組も生まれているとのこと。
つまりそれだけ闇の勢力が地球を狙うために、
何、その戦国時代。
俺の知らないプリキュアも誕生していることだろう。
まあ、それは今はいいか。
後は、【魔導師ヒエン】についての情報も調べてみた。
簡単な噂程度なら、まだあるみたいだが、今はすっかり収まっているらしい。
映像なども特になかった。
それならこのままの姿でいても特に問題はないだろう。
さっそく調査に出かけるとしよう。
ちなみにつぼみ達には、この事は知らせていない。
彼女達には秘密でこちらに来ている。
この問題が解決したら報告すればいい。
俺と冷火は、すこやか駅を出て歩いていく。
周りを見渡せば、自然が溢れており、落ち着いた良い街だ。
「良い街ですね。海鳴市みたいでなんだか落ち着きます」
「そうだな。それはそうと……なんでこっちでもメイド服?」
隣を見ればメイド服を着ている冷火の姿が。
滅茶苦茶目立ってるんですけど。
「これが私の仕事着なので」
「そうっすか」
もう俺は突っ込まない。
しばらく歩くと喫茶店を見つけたので、そこで休憩がてら今後の予定を話し合うことに。
「それでお兄様、すこやか市についた訳ですけどこれからどうします?」
「まずは宿だな。とりあえず拠点を設けないことには話にならない」
「急でしたものね。なんとか最低限のものは用意できましたけど、どこか空いてる宿ありますかね?」
「宿泊シーズンではないから確実に空いてる所はあると思うけどな」
俺は駅で手に入れたパンフレットを見つつ、宿を探す。
「ここなんかどうだ?
「おお、そこならナハトとヒッツも一緒に温泉に入れますね」
「とりあえずここにするか。期間は……どうしようか?」
「まずは一週間くらいで良いのではないですか?調査するといっても、それなりに広いですし」
「そうしようか。じゃあこれ食べたらさっそく向かおう」
「ガゥ」
「きゅ〜」
「あ、お前らも食うか?」
そして軽目の食事を取った後、俺と冷火はそれぞれ相棒とナハトを頭に乗せながら旅館沢泉へと向かう。
商店街を歩いていくと、お客さんが多いという訳ではないけれど、地元の人達が元気なのか活気に満ち溢れていた。
すこやか市の名物として、すこやか
種類も多く、レパートリーも豊富である。
温泉街の名産品として出してるくらいだから、きっと美味しいのだろう。
お土産として買うのもありだな。
そして海辺の道を歩いていく。
本来なら真夏のシーズンとして、海に来る人達がたくさんいただろうに……人影がまばらであった。
歩くこと十数分……
旅館沢泉と思われる場所に到着する。
思ったよりも大きく、歴史ある古き良き旅館という感じだ。
旅館の前を仲居の少女?がホウキで掃除を行っていた。
少女は俺達に気付くと声をかけてくる。
「いらっしゃいませ。当旅館にお泊りですか?」
冷火が答える。
「はい、そうなんですけど。実は予約してなくて……飛び込みで泊まれるでしょうか?」
冷火の不安そうな表情を安心させるように少女は朗らかに笑いながら答える。
「大丈夫ですよ。部屋は空いてますので」
「本当ですか!良かったですねお兄様!!」
「そうだな」
「ガゥ〜」
「きゅ〜」
俺に釣られるように二匹もリアクションを取る。
「案内しますので、中へどうぞ」
少女に案内されながら中へ入る。
「二名様、新規のお客様です」
「「「「「いらっしゃいませ〜!!」」」」」
大勢の仲居さんや、従業員と思われる人達が挨拶をしてくる。
俺達も軽く会釈をしつつ、受付へと向かう。
受付には女将さんと思われる女性がいた。
「いらっしゃいませ、旅館沢泉へようこそ」
「どうも、よろしくお願いします」
軽く挨拶して受付を済ませる。
部屋は一部屋で、期間は一週間だ。
そして再び少女の案内で部屋へと案内される。
「こちらです」
「おお!」
「これは凄い……」
立派な和室で、情緒溢れる雰囲気の良い部屋であった。
畳の匂いも印象的で、なんだか落ち着く。
部屋から見える海も、景観としてとても素晴らしい。
すると少女が入り口前で正座をし、こちらに自己紹介する。
「本日は旅館沢泉にお越しになられまして、誠にありがとうございます。お客様の担当をさせていただきます、仲居の沢泉ちゆと申します。どうぞよろしくお願い致します」
「「よ、よろしくお願いします……」」
俺と冷火は少し気圧されながら返事をする。
(まだ中学生くらいなのにしっかりしてるな)
名字が沢泉なので、この旅館の娘さんなのだろう。
接客にもずいぶん慣れているようだ。
俺達はひとまず荷物を置き、ゆっくりすることに。
するとちゆさんが話しかけてきた。
「お二人は観光でこちらへ?」
それに冷火が答える。
「はい。すこやか市は知る人ぞ知る温泉街と聞いていたので、一度来てみたかったんです」
冷火の言ってることは本当だ。
すこやか市は観光地としてはあまり発展していなく、町の規模としてもそれほど大きくはないが、隠れ温泉街として有名であった。
メジャーな観光スポットもないし、交通の便も正直それほど良くはない。
ただ、住んでみたい場所ランキングでは常に上位をキープしている。
それは一重に、この地に住む人々の穏やかで温かい雰囲気が関係しているのは確かであろう。
「お兄様、これからどうします?どこか近くをぶらついてみます?」
すると冷火がこちらに話を振ってきたので答える。
「そうだな。この辺りの地理も知っておきたいし、近くをぶらついてみるか」
「それなら、オススメの場所がいくつかあるんです」
「オススメの場所?」
ちゆさんが笑顔でそれらの場所を教えてくれた。
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「というわけでやってきました、展望台」
「誰に向かって言ってるんですかお兄様」
高台にハートがモチーフになっている展望台があった。
なんというか独特な雰囲気の建物である。
だが嫌いじゃない。
むしろ好きな部類である。
周囲に同型のオブジェまである。
俺達は展望台を登り、景色を見る。
景色が見える所では、やはりこれを言わないと始まらない。
「見ろ!人がまるでゴミのようだ!!」
「どこのムスカ大佐ですか」
冷火の冷ややかなツッコミを軽くスルーしつつ、すこやか市全体を見てみるが、変わった場所は特に見当たらない。
本当にこののどかな地で一体何が起こっているのだろうか。
だが
ホテルを出る前に、軽くテレビを見てみたけど、
そのことについて軽くちゆさんにも触れてみたが、
それ自体がおかしいことに気付いてもいなかったのだ。
以上のことから現時点で分かったことと言えば……
(この出来事を起こしている犯人は、この地を訪れた者、又は住んでる者限定ではあるが、思考をある程度操り、そして時間を操作する術をも持っているということ)
時間がループするなんて現象、普通じゃまず有り得ない。
それに思考を操る……というより、この場合は誘導か。
それに関しても普通なら有り得ない。
だが実際問題、現実としてこうして起こってしまっている。
なんのためにそんな現象を起こしているかは分からないが、俺達の思っている以上に強大な存在が背後にいるであろうことは分かった。
(これは思った以上に厄介な案件になりそうだなぁ)
ひとまず俺達は一通り景色を見終わると、ちゆさんが教えてくれた次のオススメスポットへ向かうことにする。
まあ今は地道に調査していくしかない。
観光も兼ねて、まずは近しい所から
そして移動しようとしたとき、どこからか
「ワンワンッ!」
すると小さな茶色い犬が茂みから出てくる。
犬はキョロキョロと周りを見回し、俺の姿を確認すると、なぜか嬉しそうにこちらに近寄ってきた。
「クゥ〜ンクゥ〜ン」
「いや、なんでさ?」
俺は茶色い小型犬を抱き上げる。
額にはハート型の水晶がついており、両耳には可愛らしいピンクのリボン、胸元にはさらに大きなピンクのリボンをつけていた。
えらくオシャレな小犬である。
犬種としてはトイプードルだろうか?
「お兄様、その子は?」
「さあ?野生ってことはないだろうな、身なりも整ってるし。大方どこかのペットが逃げ出したんじゃないか?」
「そうでしょうね。それにしてもこの子、可愛いですね」
「ワフゥ〜」
冷火が小型犬の頭を撫でる。
小型犬は嬉しそうに尻尾をパタパタと振る。
「ずいぶん人に慣れてるなこの子」
俺も調和の波動を流しながら撫でる。
すると気持ちが良いのか、すぐにへにゃりとなった。
「相変わらずお兄様のナデテクは凄いですね」
「いや、お前も同じことできるからな?」
そしてしばらく撫でていると、突如女性の笑い声が辺りに響く。
「オホホホホ!!今日も元気に地球を蝕んじゃうわよぉ〜!!!!」
見れば展望台の上に派手な格好の女性がいた。
外見は紫色のボブショートヘアに薄い紫色の肌の美女で、頭に生えた悪魔のような二本の角と、サソリのような尻尾が特徴的であった。
明らかに人間ではなかった。
というかプリキュアシリーズで言う敵幹部っぽい奴が急に出てきた。
それにしても……ボンちゃん並にキャラの濃さそうな奴だな。
すると派手な女幹部?は動き出す。
「これで良いかしらね。進化しなさい、ナノビョーゲン」
女幹部?が投げキッスをすると、突然小さな紫のモヤみたいな物が出てくる。
それは形を成し、コウモリのようになる。
「『ナノォ』」
そしてコウモリが女幹部?の足下にある展望台に近付くと、展望台は形を変えて怪物のような姿へと変わってしまった。
「『メガビョーゲン!!』」
女幹部?は、怪物から飛び降り、地面に着地すると、命令をだす。
「さあ、やっちゃいなさい!メガビョーゲン!!」
その直後、今度は小型犬に変化があった。
「クチュン……クゥーン」
いきなりクシャミをしたと思ったら、苦しみ始めたのだ。
それと同時に額についているハート型の水晶がオレンジ色に輝く。
なぜかこの犬にシンパシーのようなものを感じる俺がいた。
いや、そんなことはどうでもいい。
今はこの子をなんとかせねば。
「お兄様!どうしましょう!?」
冷火が慌てるが、落ち着かせる。
「落ち着け。確か商店街の近くに動物病院があったはずだ。でもあっちもなんとかしないと……」
俺は冷火に指示を出す。
「冷火、あいつは俺がなんとかするから、お前はその子を連れて今すぐ動物病院へ向かえ。場所はパンフレットの地図に載ってると思う。もし載ってなかったら、会う人々に片っ端から聞きまくれ」
「分かりました!お兄様もお気をつけて!!」
「頼んだぞ」
冷火が犬を連れてここから立ち去るのを見送ると、俺は怪物の方を見る。
怪物は口から赤いドロのような物を吐き出し、辺りを汚していた。
「良いわよ!どんどん蝕んじゃいなさい!!」
蝕むか。
なるほど。
その言葉を聞いて妙にしっくり来た。
あの怪物は地球を蝕んでいるのだ。
言うなれば病原菌。
地球への害悪。
ならば俺のやることは一つ。
「セットアップ」
俺はセットアップすると同時に死ぬ気モードとなり、リングバインドで怪物を拘束する。
「そこまでだ」
俺は怪物達の前に立ち塞がるように立つ。
「『メガ!?』」
「メガビョーゲンを拘束した!?急に出てきて一体なんなのよアンタ!?」
怪物の名はメガビョーゲンというのか。
砂漠の使徒で言うデザトリアンのようなものか。
俺は女幹部?に威圧するように言う。
「それはこっちのセリフだバカ野郎。お前達が何者かは知らないが、これ以上ここを荒らす様な真似はやめろ」
俺の言葉に女幹部?は声を荒げる。
「はあ?たかだか人間の分際で、このビョーゲンズ幹部、シンドイーネ様に楯突こうなんて良い度胸じゃない!いいわ!まずはプリキュアの前にあの優男をやっちゃいなさい!メガビョーゲン!!」
「『メガビョーゲン!!』」
するとメガビョーゲンは、両腕を変形させると銃を展開させて、こちらに星型のエネルギー弾を撃ってきた。
俺はひとまず、それらをラウンドシールドで防ぐ。
そしてマルチタスクを駆使して思考する。
(あのシンドイーネとかいう女、さっきプリキュアと言っていた。ということは、プリキュアと敵対する闇の勢力の一つか)
このまま時間を稼いでいれば、いずれ騒ぎを聞きつけてやってきたプリキュアの少女達が倒してくれるだろうが……正直、そこまで待っている余裕はない。
まずは手早くこのメガビョーゲンとやらを浄化し、あのシンドイーネとかいう奴を拘束してから、色々情報を聞き出すとしようか。
方針が決まった俺は、さっそく動き出す。
「フレアレイ」
オレンジの球体を二つ作り出すと、それらを放つ。
そしてメガビョーゲンの顔に幾度も当てることでバランスを崩させる。
「『メガビョーゲン!?』」
狙い通り、メガビョーゲンは姿勢を崩し、膝をつく。
その隙に俺は右手に圧縮した火球を生み出し、投げつけた。
「フレアバースト」
「『メガアァァ!?』」
奴の顔面に火球は破裂し、爆発する。
その間にも追撃をかける。
「
十メートルの巨大な炎を生み出し、再び投げつける。
「『メガメガアァァ!?』」
「ちょっとしっかりしなさいよ!メガビョーゲン!?」
なんだかやってる事が弱い者イジメみたいで気が引けてくるが、やらなきゃこちらがやられる。
出し惜しみはなしだ。
「『メガビョオオオゲン!!!!』」
するとメガビョーゲンは勢いよく跳躍する。
両手を合体させてキャノン砲のような物をこちらに向けてきた。
その銃身にエネルギーが充電されていく。
これで決める気らしい。
それに俺も対抗するように両腕をクロスに構えて
「オペレーションヒート」
俺は右手を斜め前方に出し、左手を添えると、大きなオレンジ色の魔法陣が現れる。
あちらはエネルギーの充電が完了したらしく、先に星型の巨大エネルギー弾を撃ちだして来た。
「『メガアァァ!!』」
こちらも一瞬遅れて撃ち出す。
「ヒートバーナー
俺とメガビョーゲンの攻撃がぶつかり合う。
だが正直言って、あまり苦戦するほどではない。
これならなのはの砲撃の方が何倍も強い。
なので早目に決めることにした。
俺は力を込めて一喝する。
「はあっ!!」
その瞬間、砲撃の威力は一瞬で膨れ上がり、メガビョーゲン諸共飲み込んだ。
「『ヒーリングッバイ〜』」
するとメガビョーゲンは浄化され、消滅した。
「き、きいいぃぃ!なんなのよ!アンタ一体なんなのよ!プリキュアでもない奴がなんでメガビョーゲンを浄化できるのよおぉ!!」
うわあ……
滅茶苦茶あれとる。
俺は内心ドン引きしながら自己紹介する。
「俺の名はヒエン、ただの通りすがりの魔導師だ。いわゆる魔法使いって奴だよ」
「ヒエンね!その憎ったらしい名前覚えたわよ!今度会ったらその額の炎、消し炭にしてやるんだから覚悟してなさい!!」
そう言い残して、シンドイーネはその場から消え去った。
そのとき一つ思った。
やっぱり悪の幹部ってテレポート能力、デフォルトで持ってるもんなのね。
閑話休題
メガビョーゲンの浄化も成功した影響か、展望台も元に戻った。
周りを見渡してみても、どこも異常が見られないので問題ないだろう。
そして俺は動物病院を探しにいった冷火の後を追いかけようとしたのだが、一つの小さな光が俺の前にピヨピヨと飛んできた。
「ん?」
見れば星型のマークをした小さな生き物が、何やら必死に身振り手振りで何かを伝えようとしていた。
「もしかしてお礼言ってるのか?」
小さな生き物はコクリと頷く。
「別に気にしないでくれ。訳あってああいうのには慣れてるからな。それにこの世界を守ったことがある身としては、放っておけなかったし」
俺は小さな生き物に手を上げて、立ち去るように行く。
「悪い。さっきの小犬のことが気になるから俺はもう行くな?じゃあ、元気で」
そして俺は冷火の後を追い始めた。
ヒエンside end
◆◆◆
第三者side
三匹のヒーリングアニマルは途中から見ていた。
「す、凄いラビ……あのメガビョーゲンを一人で浄化しちゃったラビ……」
「う、うん。び、びっくりしたペエ……」
「うおおお!すげぇ!あの兄ちゃんすげぇ!何者だ一体!!」
その夜、それぞれのパートナーへある一人の魔導師の少年の事が伝わるのも時間の問題であった。
気が向いたら、また投稿します。
では、また∠(`・ω・´)