なんか書いてたら妙な展開になりましてorz
とりあえず、どうぞ( ゚д゚)ノ
ヒエンside
「時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ」
俺の目の前には、時空管理局執務官と名乗る少年がいる。
彼の名前はクロノ・ハラオウン。
弱冠14歳で時空管理局執務官を務める少年であり、年齢の割に身長が低いのが悩みなそうな。
通称アースラの切り札であり、アースラ艦長リンディ提督の実の息子である。
性格は冷静沈着で真面目。
なのはやフェイトをも上回るAAA+クラス魔導師。 遠・近、攻・防全てにおいてバランス良く鍛えており、オールラウンドの万能型だ。中でも特にバインド系の魔法を得意としている。
漫画版のフェイトの嘱託魔導師試験の戦闘試験で、速度で上回るフェイトをあっさりと捕まえている。
全力全開のフェイトと対決した場合、その戦力差はちょっと苦戦する程度であり詳しくは覚えていないが、魔導師としての経験・技量はなのはやフェイトより相当高い。
つまりこの中で一番強い…。
今、俺はミラージュハイドを使い、様子を見守っている。事と次第によっては乱入することも考えている。
しかしクロノの姿を見て思う。
(九歳の二人と身長が全く変わらない!?)
クロノは十四歳だ。
日本でいえば中学二年生だ。小学三年生のなのはたちと身長がそれほど変わらないというのは、男子の立場からしても非情に同情してしまう。
俺はなぜかクロノに悲哀に満ちた視線を送ってしまう。
「さて…詳しい情報を聞かせてもらおうか?」
俺がそんな視線を向けているとは梅雨とも知らずクロノは話を進めていく。
「まずは二人とも武器を引くんだ…。このまま戦闘行為を続けるなら…」
ドドドドドドドッッッッ!!!!
そのときオレンジ色の複数の魔力弾がクロノに向けて放たれた。クロノはその不意打ちともいえる攻撃を防御魔法で冷静に防ぐ。
「君…!!」
俺は放たれた方角を見る。どうやら撃ったのはアルフのようだ。
『フェイト!撤退するよッ!離れて!!』
『アルフ!?』
アルフはさらに魔力弾の数を増やし、クロノへと放つ。魔力弾には電気も付与されており、破壊力も格段に上がっている。
クロノはちらりとなのはを一瞥すると、咄嗟にラウンドシールドを展開させた。どうやらなのはをかばってくれたようだ。
ブチブチブチ
そんな音が聞こえた。
顔を向けるとフェイトを拘束していたバインドが解除されていた。
フェイトはジュエルシードに目を向けると一目散に飛んでいく。
「フェイトっ!?」
フェイトがジュエルシードをとろうとしたとき、青色の魔力弾が彼女の背後から迫っていた。
彼女にあわや当たるかと思われた瞬間…
青色の魔力弾は別方向へと飛んでいった。否、
「フェイトちゃん!?」
「フェイト!!」
なのはとアルフが声を上げる。
フェイトはその魔力弾に驚きながらも無事であった。その証拠にしっかりとジュエルシードは確保していた。
そして一斉に複数の視線がこちらへと…俺の方へと向けられた。
「
そして俺はミラージュハイドを解除し、こちらに警戒を続けているクロノへと視線を向けた。
◆◆◆
「「ヒエン/くん!」」
なのはとフェイトがこちらを驚きの表情で見ている。
当然か。
いきなり人が現れたんだから。
「ミラージュハイドか…。君は一体何者なんだ?」
クロノがデバイスを俺に向ける。俺はそんな彼に告げるように話す。
「俺か?俺はその茶髪の女の子の…なのはの兄貴分みたいなものだよ」
「なぜ邪魔をした?」
「金髪の彼女には借りがあったからな。それを返しただけさ。それはそうと執務官殿…。いくら正当防衛とはいえ、後ろから狙撃は流石にやりすぎじゃないか?」
俺は咄嗟にフェイトへと放たれた魔力弾を弾いた。彼女に傷がつくかもしれないと考えたとき、先に体が動いていた。
「管理局局員への攻撃は立派な犯罪だ。それに彼女は明らかにジュエルシードを狙っていた。次元震が起こるかもしれない可能性があるんだ。野放しにはできない」
「そうか」
俺はそこで言葉を切った。
なぜなら俺がそこで戦闘体勢をとったからだ。
俺の額に炎がつく。それに呼応するように両手のグローブにも炎が灯される。
俺の額に炎がつく姿を見たからかクロノが一瞬驚いていたが、すぐに戦闘体勢を取り身構えた。ちなみになのはとユーノも急な展開にアワアワしている。
「兄さん!なにバカなことやってるんですか!?相手は執務官ですよ!」
「それが本当だという確証もないだろう?もしかしたらジュエルシードを狙う第三勢力かもしれない」
まあ時空管理局だって原作知識で知ってますけどね!!
だがそれとこれとは話は別だ。
クロノが行動してやったことは執務官としては正しいものだろう。
そう…
理解はできる。
だが…納得はできない。
日本の警察を例に言えばいいだろうか?
ある日、自分の友人が物を取ろうとし、万引きをする直前だったとしよう。警察官はそれを止めるために友人を組伏せた。
その結果、友人は万引きをしようとした罪で現行犯で逮捕された。これは誰が見ても分かる通り、警察官は正しいことをした。
世間的に見れば友人は悪であり、警察官は正義である。
だがそれでも俺には気になる部分があった。
それは犯人を捕まえる所だ。確かに犯罪を止めることは大切だ。
だが組伏せる必要性があっただろうか?
ただ声をかけて止めればよいのではないだろうか?それでもダメなら動きを止めればよいのではないだろうか?
俺が言いたいのはそれだった。
フェイトがジュエルシードを狙っていたというのは分かる。それで次元震が起こる可能性だってあったということも分かる。
だがもっと他にやりようがあったのではないか?何も怪我をさせる可能性がある魔法を使わなくても良かったのではないか?
その程度のことだ。
もちろんこれが何も現実を分かっていないガキの主張だということも分かっている。
だが、俺を助けてくれたフェイトが傷つくのだけは許容できなかった。許容したくなかった。
「僕は争うつもりはない。君たちの話を聞きたいだけだ」
「残念だが信用できないな。話が聞きたいなら止めてみろ」
「仕方がない…。動けなくして話を聞くしかないか」
これは俺のわがままで八つ当たりだ。
それに今の俺の力が、現役の執務官にどの程度通じるかも知りたかったし丁度いい。
ここは胸を借りるつもりで全力で挑ませてもらうとしよう。
「
俺は四つのオレンジの球体を自身の周囲に配置する。そしてそれを一気に放った。
クロノは再び防御魔法を発動し、フレイムバレットを防ぐ。
「verミサイル!」
俺はバージョンを切り替え五つの誘導弾をクロノの背後へと回す。
するといつの間に現れたのか一つの青い魔力光弾がverミサイルを打ち消しこちらへと飛んできた。
俺は飛翔魔法を使い、上空へと退避する。
だがそれは必要以上に俺を追ってきた。高速で飛び回るが、引き離すことができずにいた。
「ちぃ!」
俺は再びフレイムバレットを周囲に発動させ光弾へと放つがまたしても打ち消される。
(なんて攻撃力だ!?貫通力が高いのか?でもこれじゃ拉致があかない。一か八か!)
俺は地面で待機しているであろうクロノに向けて高速で接近しようとしたが、目を見開いて止まってしまった。
そこにクロノがいなかったのだ。
(な、一体どこに!?)
そのとき背筋に悪寒を感じた。
俺は直ぐ様、ソニックムーブで前方へと移動する。すると俺の真上から高速の光の弾丸が放たれた。少しかすってしまったが致命傷ではない。
(上か!)
俺が上を見上げるとこちらを見下ろしているクロノの姿があった。
だがまだ後ろから光弾が迫っている。
高速でクロノに接近しつつ、再び射撃魔法を放つ。
「
verライフルはスフィアを少し小さくし、スピードを上げたものだ。パワーの方は螺旋回転を加えることで破壊力をあげている。これはコントロールもできるので、ある程度の操作もできる。
それらを五つ放つと、クロノは呟いた。
「スナイプショット」
すると後ろの光弾がスピードアップし、クロノの元へと駆けつける。そして俺の放った五つの球体とぶつかり合った。
一発、二発、三発、四発と破られるが最後の五発目でやっと光弾は相殺された。
俺はその隙を見逃さず、クロノへと接近する。そして右手に炎を灯し拳を放った。
「
だがそれはクロノのラウンドシールドに防がれる。続いて第二打を放とうとするが左手が動かなかった。
「ディレイドバインド」
《Delayed Bind》
設置型バインド!?
まさか俺が接近戦を挑んでくると予想していたのか!?
「君のその機動力大したものだ。僕のスティンガーレイをかわし、そしてスティンガースナイプまで相殺した。だがこれで終わりだ」
クロノは十メートルほど後退し、大きな魔方陣を正面に出現させる。
それを見た瞬間、俺はヤバイと確信する。放たれるのは間違いなく砲撃魔法だ。
だが普通、砲撃魔法というのは、大きなものを放とうとすればするほどチャージに時間がかかるものだ。
それは砲撃魔導師であるなのはも例外ではない。だがクロノから放たれようとしている砲撃魔法は魔方陣が出された瞬間に放たれようとしている。おそらく予め準備でもしていたのだろう。
俺は直ぐ様、額の炎の出力をあげ調和の能力を発動させバインドを破壊する。
だが今から砲撃魔法を発動させようにもチャージする時間がない。防御魔法を発動させるにも打ち破られる可能性の方が高い。
だが防ぐ手立てがないわけではない。
「あれを使うか」
俺はゆっくりと前を見る。
どうやら砲撃魔法の準備は整ったようだ。
「ブレイズカノン」
《Blaze Cannon》
そして…青色の砲撃が俺に向けて放たれた。
「
俺はそれに対抗するためワードを唱えた。
ヒエンside end
◆◆◆
クロノside
クロノのブレイズカノンが炎の少年に直撃した。
大抵の魔導師ならばこの攻撃で終わりだがクロノは警戒を続けていた。
(これで終わってくれるといいが…)
煙が晴れる。
段々と視界が良好になり、前が見えるようになる。そして前方を見たときクロノは目を見開いた。
そこには無傷の少年がいたからだ。
(バカな!?あれは無傷で済むほどの威力じゃないはずだ!)
クロノは少年を観察する。
彼の格好が少し変化していたからだ。当初の格好は白いカッターシャツに黒スーツ、黒いネクタイであったのだが、今は黒いマントを羽織っていた。
(これはまだまだすみそうにないな…)
戦いは第二ラウンドへと突入する。
クロノside end
◆◆◆
ヒエンside
「
俺は相棒のもうひとつの形態変化、防御形態を発動した。
これはカテキョーの主人公、ツナの匣兵器ナッツが使っていた防御形態ボンゴレI世のマント(マンテッロ・ディ・ボンゴレ・プリーモ)を参考にしているものだ。
これは大空の炎を纏っており、相手の攻撃を周囲と「調和」させることで防御する。
俺はクロノのブレイズカノンを周囲と調和させて攻撃を防いだ。
これだけ聞くと使い勝手が良いように聞こえるかもしれないが、そんなに甘くはない。
威力が大きければ大きいほど同時に俺の体力も消費されるからだ。なのでこれはここぞという所でしか使えない。
俺は黒衣の外套を解除するとクロノを観察する。
こちらの隙をうかがっているのだろうか?
そしてあちらから仕掛けてきた。
「スティンガーブレイド」
《Stinger Blade 》
クロノの周囲に二十もの青い魔力刃が現れる。
「いけぇ!」
そしてそれらが一斉に放たれた。
俺は炎を前方に放ち、即座に後退する。
猛スピードで逃げるが、追尾機能があるらしい。先程のスティンガーレイのこともある。威力は高いと考えた方がいいだろう。
だがこちらもいつまでも逃げてばかりではいられない。
このまま長期戦になれば魔力で劣る俺が不利である。いくら死ぬ気の炎で魔法が強化できるといってもだ。それにその分体力も消費するのでいつか限界がくる。
俺は時間がたてばたつほど追い詰められていく。
ならば攻めるしかない。
今こそ毎日のトレーニングの成果を試すときだ。
やるしかない。
俺はグローブに炎を灯しクロノに突っ込んでいく。
俺とクロノの距離――約二十メートル。
「おおおおおおお!!!!!」
「なっ!?気でも狂ったか!?」
クロノは俺が真っ直ぐに突っ込むと思っていなかったのか、声を荒げるが俺は気にせずに突っ込む。
俺の周囲にスティンガーブレイドが配置される。そして手始めに五発向けられる。俺は最低限の動きだけでそれらをかわす。
思い出せ!
あの弾幕修行を!
動きを予測しろ!
恐れるな!!
前に進め!!!
一発の魔力刃が腹にかする。
苦痛に歪みながらもクロノへと接近する。五発のスティンガーブレイドが俺の前方に現れる。
俺は
クロノとの距離――約十五メートル
「く…無茶苦茶だ!」
「それぐらいしないと勝てなさそうなんでな!」
俺の前方に更に五つのスティンガーブレイドが配置される。
更に後方にも五つ配置された。
(囲まれたか…)
だが俺は突っ込んでいく。俺はファイアエッジを再び振るう。だが炎の剣は空を切った。
「二度も同じ手が通用するとは思わないことだ!」
「なに!?ぐあっ!」
三発のスティンガーブレイドが俺を襲う。激痛が襲うが炎の剣で凪ぎ払う。
さらに二発が後ろから飛来するが、化剄の応用で受け流し、左手でそれらを掴み握りつぶした。さらに接近する。
クロノとの距離――約十メートル
後ろから五本のスティンガーブレイドが迫る。俺はそれらを超直感でかわしていく。かわしたスティンガーブレイドが再び前方から迫る。
「相棒!」
「ガウ!ガアアアア!!!」
肩に現れた相棒の調和の咆哮によって五本のスティンガーブレイドが消滅する。
クロノとの距離――約五メートル
俺が次第に近づいていくにつれてクロノも徐々に焦ってきている。その証拠に額に汗をかいていた。
「いい加減に諦めたらどうだ!」
「そっちこそ降参したらどうだ!」
「ふん!だったらここで決着をつけようじゃないか!」
「上等だ!」
残り五本のスティンガーブレイドが上下左右、そして中央から迫る。俺はファイアエッジを解除しスピードをゆるめずに突っ込んでいく。
「零地点突破・ファーストエディション」
そして五本の魔力刃が突き刺さった。
俺が薄く身に纏っていた氷に。
そしてスティンガーブレイドは凍り砕け散る。
クロノとの距離――約四メートル
「な!?炎だけでなく氷まで使えるのか!?」
「切り札はとっとくものだ」
クロノとの距離――約三メートル
「だったら直接迎え撃つ!」
「ああ、決着をつけよう!」
クロノとの距離――約二メートル
「はあああ!」
クロノは自分の正面に大きな魔方陣を出し砲撃魔法を放つ準備をする。あれはブレイズカノンか!?
俺も負けじと形態変化を使う。
「
クロノとの距離――約一メートル
「「これで終わりだ!」」
クロノは砲撃を放ち、俺は炎を剛の炎へと切り替える。
クロノとの距離――零メートル
「ブレイズカノン!」
「
特大の青色の砲撃と、オレンジ色の球体が激突した。
「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!」」
激突が凄まじいのか、周囲に置かれていたコンテナなどが衝撃の余波で吹き飛んでゆく。
そして…
ドオオオオオオオオォォォォォォォォンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!
爆発音が工場地帯全域に響くのだった。
どうしてこうなったorz