大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

最近、fate/goをやってみようかなと悩んでいます。アニメ化までしてたし…人気あるんだなあと今さらながら気付きました。

では、どうぞ( *・ω・)ノ



第四十八話 神咲姉妹

ヒエンside

 

 

 

俺と那美さんは暗い夜道をコツコツと歩く。

 

今はまだ五月上旬であるため寒くはないが深夜なためか少しひんやりとしている。

 

「…すぅすぅ」

 

俺の背中では久遠が眠っている。

先の戦いでは那美さんと同じくこの子も俺を助けるために色々と動いてくれていた。疲れが溜まっているのだろう。とても気持ち良さそうに寝ている。俺の頭の上では相棒も同じくグデーっとなり寝ているが。

 

「寮まではもう少し?」

 

「うん。でも本当に良かったの?もう深夜1時だけど…」

 

「こっから結構近いから問題ないよ」

 

一応嘘は言ってない。

転送魔法があるからだ。

その気になればすぐに帰ることができる。というか今の俺の居住地は宇宙で滞在してるから転送魔法でないと帰れんし。

 

そうして話しながら30分ほど歩いていると大きな建物が見えてくる。周りは自然に囲まれておりのどかな所だ。

 

寮というよりは一軒家、ペンションのようであった。

 

綺麗な外観をしており、落ち着いた雰囲気が漂っている。寮の前には少し大きな庭?がありバスケットボールのゴールポストまで完備されていた。

 

「なんかとても住みやすそうな感じがする」

 

「ふふ。そうでしょ?結構良いところなんだよ。他の人たちも良い人ばっかりだし」

 

シェアハウスみたいなものなんだろうと勝手に結論づける。

 

俺はさざなみ寮の入り口近くで小声で話しながら、背中で寝ている久遠を起こさないように那美さんに渡した。

 

さて、目的も達成したしそろそろ帰るとしますか。

 

寮の前にいつまでもいるのもなんだか悪いし。それに気のせいでなければなぜか胸騒ぎがするのだ。早く帰った方が良いだろう。

 

たしかさざなみ寮は女子寮だったはず。そんな寮の前でその住人である那美さんと深夜に話しているのだ。見ようによっては…

 

 

 

「ウチの妹から離れろ!……この暴漢!!」

 

 

 

そう暴漢………ブオン!! ってうおっ!!

 

俺は突如横から振るわれた棒状の物を後ろに飛ぶことでなんとかかわす。

 

 

 

カン!!!

 

 

 

地面についた棒状のものがシンプルな音を鳴らす。俺はそれをチラリと確認すると木刀であることが確認できた。

 

そして距離をあけた俺と那美さんの間に一人の女性が割り込んだ。

 

「那美は離れてなさい!」

 

「か、薫ちゃん!?」

 

那美さんに薫ちゃんと呼ばれた灰色スーツの女性が青色がかったポニーテールを揺らしながらこちらを睨む。

 

俺はその女性を見て焦った。

 

oh…

お姉ちゃん来ちゃったよ!?

しかもなんつータイミングで来なさった!?

 

分からない人のために説明するが、突如割り込んできたこの女性…名は神咲 薫(かんざき かおる)。那美さんのお姉さんであり同じく退魔師で、実践剣術である「破魔真道剣術 神咲一灯流」当代伝承者である。ちなみにとらいあんぐるハート2のヒロインでもあったりする。

 

その那美さんのお姉さんが呪い殺さんばかりの勢いでこちらを睨んでくる。

 

「あ、あの薫………「那美大丈夫だったか!?この男に何か変なことされてないか!?」ちゃん……」

 

おおう…

怒濤の言葉攻めで那美さんに喋る隙をあたえていない。どこかの兄貴と同じかなりのシスコンとみた。

 

「貴様……ウチの妹に手を出すとは良い度胸だな。さて、死ぬ覚悟はできているか?」

 

そう言いながら薫さんは右手に持っている木刀をビュンと振りながらこちらに向ける。その際に、左手に持っている長い包みを地面に落としていた。

 

まずいな…

なんだか良く分からないが何やら在らぬ誤解をしてらっしゃる。まだ向けられているのが真剣でないというのが唯一の救いか。それでも初対面でいきなり死ぬ覚悟というのもひどい気がするが。

 

そりゃ確かに深夜に寮の前で大切な妹と話してる男がいれば……って原因確実にそれじゃねええぇぇかー!!Σ(゜Д゜)

 

と、とにかく…

まずはこの人の誤解をとかねば!!

 

「お、落ち着いてくださいお姉さん!まずは冷静に話を…」

 

「貴様にお姉さんと呼ばれる筋合いはない!!!!」

 

なんか地雷ふんだあああああああああああああああああああぁぁぁぁ!!!!!((((;゜Д゜)))

 

「もういい。貴様には少しお灸をすえねばならないようだ」

 

そして薫さんは木刀をスッと構える。

 

 

 

ゾクッ

 

 

 

そのとき俺は何か言い知れぬ悪寒を感じた。

 

まずい…

薫さんが構えたとき本能で分かった。

 

 

 

この人は強い

 

 

 

こうなれば言葉は通じない。俺も覚悟を決め対抗するため死ぬ気モードとなる。ちなみに額から炎は出していない。

 

怨霊との戦いで体力・魔力共にほぼすっからかんであるが、死ぬ気モードとなるだけなら体力の消費なども特にないので問題ない。

 

戦いで負ったケガやキズなども那美さんのヒーリングで治してもらっているので大丈夫だ。唯一の懸念は疲労といった所か。

 

本来なら通常状態でいるところだが、普通の状態でこの人に対抗できるとは思えない。彼女は運動神経が良く、神咲一灯流という実践剣術を修得しているのだ。

 

つまり戦い慣れている。

 

俺もある程度武術をかじっているとはいえ武器を持った相手と相対するのはフェイト以来だ。

 

これまでも幾つか戦闘をこなしてはきた。

 

俺の魔法の師匠であり現使い魔であるリニス、純粋な魔導師のクロノ、砲撃魔導師であるなのは、フェイトの使い魔アルフ、他にもジュエルシードの人外染みた奴らなどと戦ってきた。

 

だが俺自身、武器を持った相手との戦闘経験は少ない。なので死ぬ気化することでやりすぎということはない。いやむしろ現状、こちらが圧倒的に不利と言える。

 

見たところ、こちらが疲弊しているのに対して、あちらは自然体で立っている。コンディションは万全なのだろう。

 

俺は頭の上にいる相棒に那美さんの所に行くよう指示を出した後、彼女に目を向ける。那美さんはこちらを心配そうに見つめていたので俺は心配するなという意味を込めて少し手を上げておいた。

 

次に薫さんと目を合わせる。俺の雰囲気が変わったのを察知したのか彼女の目付きが鋭くなった。

 

「やられる覚悟はできたか?」

 

「悪いが誤解されたままやられてやるほどお人好しでもないんでな。抵抗させてもらうぞ」

 

「誤解?何を誤解する必要がある?」

 

「まず俺は暴漢じゃない。那美さんをこの寮に送りにきただけだ」

 

「ほう?言い訳するか。送りにきただけなら抱きつく必要はないだろう?」

 

「は?抱きつく?」

 

何を言ってるんだこの人は?

 

「な、なななな何言ってるの薫ちゃん!?」

 

那美さんも俺と同じ考えに至っているらしい。

 

「ウチは後ろから見てたんだ!お前が那美を抱くところを!!」

 

「いや本当に何を言ってるんだあんたは?俺は那美さんに抱きついてなんていないぞ?」

 

「まだ認めない気か!!」

 

「認めるも何も本気で身に覚えがないんだが…」

 

「そうだよ!私、抱きつかれてなんていないよ!?」

 

俺と那美さんで薫さんを説得する。

 

「那美までそいつの肩を持つのか!?」

 

「いや、だから落ち着けって…」

 

「私は落ち着いている!!」

 

というかこの人、声がでかい。相手をしている俺達も必然的にかなりの大きさで話している。今は深夜であるので、このやり取りで起きてる人がいても不思議ではない。ここは少し強引にでも話を聞かせた方が良いかもしれない。

 

「あんた良く言われないか?人の話は最後まで聞けって」

 

「………言われたことなどない」

 

「図星か」

 

「うるさい!まだ言い訳をするつもりなら……貴様のその腐った性根…叩き直してくれる!!」

 

「はぁ…どうしてこうなるのか…」

 

説得しようとしたらなぜか戦うことになった件についてorz

 

こうなってしまっては仕方ないので俺も構える。

 

空手で例えるなら「前羽の構え」(まえばのかまえ)と呼ばれる構えである。肘をやや曲げ、腕を前に出す防御の構えだ。

 

腕を交差させ敵の攻撃を逸らす十字受けや、腕の円運動で敵の攻撃をいなす回し受けや、手首で受け流す化剄など受けの技に繋げやすいのだ。

 

俺が接近戦をする際のいつもの構えである。

 

俺が基本的に使用する武術は太極拳であるが、主に俺と相性の良さそうな他の武術の技もある程度修得している。…主にある山猫のおかげでorz

 

あの山猫…太極拳を修得した後、武術に興味が出たのか日本でできる武術は一通り修得してきやがったのだ。…主に俺に指導するために。

 

俺が一年かけて太極拳の基礎を習い終えたときには、既に空手・柔術・中国拳法・ムエタイの師範代の免許を持っていたのだ。十中八九、俺の貸した漫画某史上最強の弟子にはまったのだろうが。まぁ、そのおかげで不器用ながらも使用できる技も増えたが…。

 

脱線してしまったが話を戻そうか。

 

今回は勝ちを狙いにいく必要は全くない。この戦いの目的はあくまでも薫さんに冷静になってもらい話を聞いてもらうことにあるのだ。

 

なので今回俺は防御に徹し、時間稼ぎをするつもりだ。時間がたてば、この人も今は興奮状態でも次第に落ち着いてくるはずだ。…落ち着いてくるよね?

 

そうこうしてる内に彼女も木刀を構えた。

 

くるか!

 

 

 

ヒュン!

 

 

 

気付けばすぐ目の前に接近を許していた。

 

「!?」

 

俺はすぐに体をそらし右へとひねる。

 

 

 

ブン!

 

 

 

素早い突きが繰り出されていたが間一髪かわすことに成功する。

 

「ほう、今の突きをかわすか」

 

思った以上に速い…。

少なくとも瞬発力では俺より彼女の方が圧倒的に早い。

 

「だったらこれはかわせるか?」

 

そして第二打第三打として、縦斬り横斬りと次々と打ち込まれる。

 

超直感を駆使して、足捌きと体捌きでなんとかかわす。

 

反撃しようと試みるも木刀の返しが素早く懐にうまく潜り込めない。だからといって距離を取ろうにも素早い足捌きで常にこちらとの距離を埋めてくる。

 

「く!?」

 

(かわすだけで精一杯だ!?)

 

そして何度目かとなる木刀の攻撃をかわす。すると突然攻撃が止んだ。俺はそのチャンスを逃さず即座に後方へと飛びずさった。

 

「はぁ…はぁ…」

 

「………」

 

薫さんはこちらをジッと見つめる。

 

俺はその間に息を整えていた。

 

「ウチの攻撃をここまでかわすとは……」

 

「はぁ…はぁ…お褒めの言葉どうも…」

 

くそ…

まだ戦い始めて2分も経ってないのにかなり息が乱れてる…。

 

ここにきてジュエルシード時の戦闘での疲労が祟ってきたようだ。

 

「暴漢にしては少しはやるようだな。だったらウチも……少しだけ本気を出そう」

 

「なにっ!?」

 

あのスピードでまだ本気じゃなかったっていうのか!?

 

「いくぞ?」

 

 

 

シュッ‼

 

 

 

(消えた!?)

 

 

 

そのとき超直感が反応した。

 

 

 

(後ろ!)

 

 

 

俺は即座に動こうとした。しかし……

 

 

 

ガクン

 

 

 

突然、体から力が抜け地面に片膝をついてしまった。

 

 

 

「しまっ…」

 

 

 

「終わりだ」

 

 

 

後ろから声が聞こえたと思ったら突如、強烈な衝撃が俺を襲った。

 

そして俺は意識を失った。

 




今年のなのはの映画情報、アップされてましたね。
アミタとキリエが出るそうな?

では、また(・∀・)ノ

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