大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜)

早いものでもう二月ですね。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第五十一話 優しい一時

???side

 

 

 

とある研究室にて…

 

一人の女性が7コのジュエルシードを浮かべ…呟く。

 

「早くよ………早くなさい……フェイト…………」

 

浮いているジュエルシードがそれぞれ脈動する。

 

「約束の地が…アルハザードが待ってるの…」

 

彼女の視線の先…

空中に浮かぶモニターには金髪の少女フェイトが映っていた。

 

「私と…アリシアの救いの地が…」

 

そして女性は奥の部屋へと消えていく…。

 

 

 

???side end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

『ラジオ体操第一~』

 

時刻は6:30分。

 

アースラの訓練スペースでは、日本人なら誰もが聴いたことのあるリズミカルな曲が流れていた。

 

黒いジャージを着た俺、ピンク色のジャージを着たなのは、緑色のジャージを着たユーノが三人並び、ラジオ体操を行っていた。

 

俺となのはは慣れたもので何度もやっているからか目をつぶりながらでも行える。実際…今俺は寝ぼけながら体操をしているが。

 

なのはは早起きが板についてきたのか真剣に行っている。ユーノも最初は俺達を見ながらやっていたが、何度もやっていると慣れてくるのか今では普通にできている。

 

俺達は早朝訓練を行う前の準備体操としてラジオ体操をやっている。訓練初日、訓練スペースでこれをやっているとき、アースラスタッフやクロノから訝しげな視線をもらったが、今ではアースラでも行われている。

 

なぜなら…

ラジオ体操は体をほぐすのに最適であるからだ。

 

ラジオ体操第一は、老若男女問わず誰でもでき、軽快なリズムに合わせて、体全体の筋肉や関節をバランスよく動かすので適度にほぐれるのだ。

 

実際にアースラスタッフがやりはじめたところ、「覚えやすい、簡単」と意外に好評であった事からクロノが訓練メニューに取り入れた程だ。

 

そしていつも通り体操が終わったころ、各自自分の訓練メニューを行おうとしたとき…なのはとユーノが俺に声をかけてきた。

 

「ねえヒエン君?昨日はどこいってたの?」

 

「あ、それは僕も気になってました」

 

「あれ?そういえば二人には言ってなかったっけ?」

 

「うん」

 

「はい」

 

俺は昨夜のことを思い返す。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

俺がアースラへ戻ったとき、時刻は既に21時を回っていた。そのときにはなのはとユーノは既に眠っていた。

 

午後の訓練にてクロノにだいぶしごかれたらしく、二人とも訓練が終わってから自分の部屋でソッコーバタンキューとなってしまったらしい。

 

さすが執務官…。

容赦ねぇ((((;゜Д゜)))

 

まぁ、そのおかげでユーノの魔法もさらに安定し、なのはの基礎も大分固まってきた。

 

原作ではユーノやレイジングハートによって鍛えられたような描写であったが実際には、アースラスタッフやクロノなどの協力もあったのだろう。

 

そして肝心の俺はというと…

クロノとエイミィに戻ったことを伝えてからジュエルシードのことをリンディ提督に報告にいこうと艦長室に来たわけなのだが…

 

「ただいま戻りました~」

 

 

 

ビィー

 

 

 

「あら…お帰りなさいヒエン君」

 

 

 

ゴゴゴゴゴ……………

 

 

 

「あ、間違えました」

 

 

 

バチン

 

 

 

「待ちなさい」

 

 

 

「………はい」

 

 

 

バインドで拘束され問答無用で説教でしたorz

 

 

 

道理でクロノとエイミィが俺の事を同情というか悲哀に満ちた視線で見ていた訳か。

 

というかまた説教か…。

 

はぁ(´Д`)

 

そして昨日今日と何度目かとなるありがたい説教をいただいたあと…(心配するから連絡を入れなさいと言われた。)情報室にて俺はジュエルシードを手に入れた経緯をクロノ、エイミィ、リンディ提督に説明することになった。

 

「でジュエルシードを手に入れた経緯なんだが…」

 

「そうだ。あのとき気になっていたんだ。念話が途切れたとき一体何があった?」

 

クロノが腕を組みながらこちらを見る。

 

「そうだよ?あのとき突然連絡がとれなくなって心配したんだから…」

 

「私も連絡を受けたとき驚いたのよ?」

 

エイミィとリンディさんがこちらを心配そうに見つめる。

 

余程心配をかけたようだ。

 

「君はあのとき…女が突然二人現れたと言っていた。だが記録を何度見返しても…その二人組らしき女性は全く映っていなかったんだ」

 

「あー…その…まぁ、色々あって。その…俺自身も信じられないことがあったというか、かなり荒唐無稽なことがあったというか」

 

「なんだ?ハッキリしないな」

 

「とりあえず言っとくと、今から見せる映像は実際にあったことだからな?色々質問が出てくると思うが…それは映像を見終わってからにしてほしい」

 

「ふむ。分かった」

 

「先に言っとくと………幽霊と戦った」

 

「「「は?……………………はあぁ!?」」」

 

うん。

そういう反応になるよね?

知ってた。

 

 

 

そして四人で映像鑑賞中………

 

 

 

「「「………」」」

 

 

 

改めて相棒に残っていた戦闘映像を見てみたが…良く生き残ったな俺。

 

他の三人は未だに唖然としているのか映像を見終わっても少し放心している。

 

ちなみに映像を見ているとき、エイミィとリンディさんから小さな悲鳴が聞こえてきたのはご愛嬌である。…特に悲鳴がすごかったのが俺が自爆して巻き込んだときのスプラッタな怨霊女の映像のときだった。

 

「幽霊…そして退魔師と呼ばれる特殊能力者…か」

 

クロノが小さく呟く。

 

「ああ。普通は霊力と呼ばれる力がなければ対抗できないみたいなんだが…実際戦って分かったが魔法がなぜか通用した。まぁ、そのおかげでなんとかジュエルシードを封印できた訳だが」

 

「良くやってくれた。しかし凄まじい戦闘力だな…」

 

クロノは俺が二人のワンピース女と戦っている映像を見る。

 

「ああ…。あのとき那美さんと久遠がいなかったらと思うと正直ゾッとする」

 

俺はクロノ達に那美さんと久遠について簡単に説明しておいた。退魔師と呼ばれる霊と対話する者達であるということ、そしてジュエルシードを封印する際に力を貸してもらったことを話した。

 

ジュエルシードのことに関して少し話したと聞いたとき、クロノはあまり良い顔をしなかったが…このときばかりは仕方ないということで渋々納得してくれた。

 

その上で…三人には那美さん達にジュエルシードは既に全部集めたという呈で話したことも言っておいた。勿論理由も含めて。もしアースラ組とさざなみ寮の面子が話し合うなどの機会があった場合、情報の共有は必要だからだ。

 

三人は俺がそのようなことを言ったと聞いたとき、少しばかり視線が鋭くなったが……一般人を巻き込まないようについた嘘だということに免じて特にお咎めはなかった。

 

それにしても…

まさかとらいあんぐるハートの面々がジュエルシードに関わってくるとは思わなかったな。

 

原作と呼ばれる物…

この場合はリリカルなのはの方になるのだが、アニメと映画のどちらともとらいあんぐるハートの面々が出てくる描写は一切なかった(槙原院長先生は除くぞ?)。

 

これはもしかしたら…

全く予想だにしない別のイレギュラーが絡むこともあるかもしれない。

 

用心しておかなければ…。

 

まぁ、とりあえず今はさっさと風呂に入って寝るか。かなり疲れたし…。

 

と俺が話は終わったとばかりに出ていこうとすると…

 

 

 

ガシッ

 

 

 

「どこに行こうとしてるんだ?」

 

 

 

あれ?

クロノさん?

なんで俺は首根っこを捕まれているのでせう?

 

「話はまだ終ってないぞ?」

 

え?

でも話すこと全部話しましたやん。

 

「僕ではなく艦長があるそうだ」

 

え?

 

そして俺は後ろの方を見る。

 

そこには…にっこりとする笑顔が恐ろしいリンディ提督がいた。

 

「ヒエン君…ここに座りなさい」

 

「え…いやでもそろそろ寝ようかなあと」

 

「座りなさい?」

 

「いやでも…」

 

「座りなさい?」

 

「………はい」

 

みっちり反省文書かされましたorz

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「ってなことがあったんだよ」

 

俺は昨夜あったことを、なのはとユーノに話した。しかしジュエルシード戦で怨霊と戦ったということは話していない。

 

考えてもみよう。

九歳児に大人も震える映像を見せたとしたら…断言してもいい。

 

泣く

 

この純粋な二人なら絶対に泣く。

 

特になのはなんぞ、夜遅くに一人でトイレにもいけなくなるだろう。そんなもの想像するのも容易い。

 

「なんか今…不快な気配を感じたの」

 

この子にも超直感スキルが宿ってきたのではないだろうか((((;゜Д゜)))

 

とりあえず空気を変えようか。

 

「それより早く基礎トレーニング始めるぞ~」

 

「あ、うん!」

 

「了解です!」

 

この後、キッチリトレーニングを行った。

 

 

 

 

 

 

朝食を取った後、俺達はそれぞれ服を着替えてアースラの廊下を歩いていた。俺となのはは学校の制服、ユーノはスクライアの民族衣装である。

 

というかアースラに来た当初より廊下が随分明るくなっている。電球変えたのかな?かなり歩きやすいとです。

 

「フェイトちゃん…現れないね」

 

「うん…」

 

そんな暢気な俺とは対称的になのはとユーノの表情は暗い。

 

「……こっちとは別にジュエルシードを集めていってるみたいだけど…」

 

「………うん……」

 

今頃フェイトはジュエルシードを集めているんだろうか?

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

フェイトside

 

 

 

フェイトとアルフはジュエルシードを探してとある山奥へと来ていた。

 

「ここも空振りか……」

 

「……だね」

 

「やっぱ向こうに見つからないように隠れて探すのは…なかなか難しいよ」

 

狼形態のアルフがため息をつきながら呟く。

 

「でもちゃんと集まってるから」

 

フェイトが新たに手に入れたジュエルシード2コに目を向ける。

 

「だから……もう少しがんばろう…」

 

「そうだね…」

 

フェイトとアルフは転送魔法を使い、新たなジュエルシードを探し求めて移動を開始するのだった。

 

 

 

フェイトside end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

「残りのジュエルシード…あと8コだね」

 

俺達は食堂にて時間をつぶしていた。

 

午前中の訓練や座学など終わらせたので時間がポッカリと空いたのだ。…それよりも今気になる発言があったのだが。ジュエルシードってあと7コじゃなかったっけ?

 

「はー…今日も空振りなのかな…」

 

「うん……もしかしたら結構長くかかるかもね…」

 

なのはとユーノの二人はため息をつきながらオレンジジュースを飲む。

 

こらこら。

ため息つくと幸せが逃げるぞ二人とも。

 

「なのは…兄さん…ごめんね…家族や友達に会えなくて…寂しくない…?」

 

「別に…ちっとも寂しくないよ…ユーノくんもヒエンくんも一緒だし」

 

「おう。俺もちっとも寂しくなんてないぞ?」

 

というかそんな寂しがるような年齢でもないし。正直学校をサボるのサイコーと思っているまである。…しかしそんなことを言えば、なのはからディバインバスターが飛んでくること間違いなしなので言わないが。

 

「それに私…ひとりぼっちでも……けっこう平気。ちっちゃい頃は…よく一人だったから」

 

「え?」

 

なのはの発言を聞いたとき、俺は思わず声をあげてなのはの方を見た。というか今思い出したがここってアニメでもやってたシーンだな。

 

「どうしたのヒエンくん?」

 

なのはが首を傾げる。

 

「あれ?よく泣いてなかったっけ?…寂しいよー寂しいよーウエーンて」

 

と俺は公園でなのはと初めて知り合ったときのことを思い出す。

 

うん。

やっぱり泣いてたって。

 

俺はなのはの肩に手をポンと置き、できるだけ優しい表情で言う。

 

「なのは…見栄…張らなくていいんだぞ?」

 

『兄さん!』

 

とユーノから念話が流れてくる。

 

どうしたよ?

 

『なのはに謝った方が…』

 

え?

 

と思ったのも束の間…

 

「もう~ヒエンくんたらどうしていつもこう人を小バカにするのかなあ。……フン!」

 

ドシッ!

 

「あいたっ!?」

 

思いっきり足を踏まれた。

 

あれ?

ここってもうちょっとあれじゃね?

なんかこうしんみりするようなシーンだったよね?

 

なんか空気がいつも通りなんだが。

 

誰のせいだ全く。

 

うん。

俺ですね。

確実に俺のせいですね。

 

なんかすいません。

 

「全くもう…。話続けるけどうち…わたしがまだちっちゃい頃にね…お父さんが仕事で大怪我しちゃって…しばらくベッドから動けなかったことがあるの」

 

なのはは思い出しながら語る。

 

「お母さんは喫茶「翠屋」を始めたばっかりで…今ほど人気なかったから…お母さんとお兄ちゃんはいつもずっと大変で…お姉ちゃんも家のお手伝いやお父さんの看病で…だからわたし…家でひとりでいることも多かったの」

 

ここら辺は、とらいあんぐるハート3とリリカルなのはの違うところだな。

 

確かとらいあんぐるハート3では士郎さんは亡くなっている。その関係で桃子さんが翠屋の店長兼マスターとなっていた。そして高町家にも居候が3人ほどいたはずだ。とらいあんぐるハート3のなのはは、確かかなり明るい性格をしていたはずだ。一人ではなく小さななのはの面倒を見る人達が何人もいたからか明るく育ったのだろう。

 

リリカルなのはの方…つまり原作では士郎さんは亡くなっておらず、元気に翠屋のマスターをしている。そして居候もいない。だが士郎さんの大怪我の影響でなのははひとりぼっちで過ごすことが多くなり、少しばかり良い子を演じるようになってしまったはずだ。

 

で肝心のこの世界でのなのははと言うと…

 

俺の感覚からいえばたくましいの一言である。

 

寂しい…?

 

え、なにそれおいしいの?状態なんじゃなかろうか?

 

なのはが小学一年生の頃からの付き合いだが、士郎さんが復帰して以降は寂しい表情なんぞ微塵も見せていなかった気がする。笑顔が多かった。

 

うん。

良い傾向である。

 

そういえば一つ気になっていたが、この世界ではとらいあんぐるハート3で居候だった人達とは知り合っているのだろうか?

 

翠屋では中学二年生からお世話になっているが、そういう話は聞いたことがない。いやむしろ俺が知らないだけで連絡を取っているのかもしれないか…。

 

もし知り合っているのなら、いつか知り合える機会もあるかもしれないな。

 

「ヒエンくんと友達になるまではずっと一人だったなあ」

 

俺が考え事をしているとなのはがそんな事を呟いた。あ、そういえばまだ話してる途中だった。

 

「友達…?」

 

「いってなかったっけ?ヒエンくんは私の初めての友達なんだよ」

 

「そういえばそんなこともあったな」

 

俺も少し思い出しながら話す。

 

「……そっか…」

 

ユーノが俺となのはを優しげに見る。

 

え?

なにその何か微笑ましいものを見守るような視線…。

 

「…そういえばわたし…ユーノくんの家族の事とかあんまり知らないね」

 

「ああ…ボクはもともと…ひとりだったから」

 

「あ……そうなの…?」

 

何気に重いわ!?

 

そんな俺の心など露知らずユーノは気にせず話す。

 

「両親はいなかったんだけど…部族のみんなに育ててもらったから。だからスクライアの一族みんながボクの家族」

 

「………そっか……」

 

なのはは優しくユーノに微笑む。

 

「ユーノくん…いろいろ片づいたら…もっとたくさんいろんなお話しようね」

 

「………うん……いろいろ片づいたら…ね」

 

「………」

 

え?

なにこの甘い空気…。

俺、チョー邪魔じゃね?

 

そんなことを考えていると心の中にいる相棒から『ドンマイ』という思念が届いた。

 

 

 

しかしそんな優しい一時は…

 

 

 

ビーッビーッ

 

 

 

「エマージェンシー…!捜査区域の海上にて大型の魔力反応を感知!」

 

 

 

突如、終わることとなった。

 




いよいよコラボが近くなってきたぜー!!

というわけでさっそく話を練らねば。

では、また(・∀・)ノ

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