大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

書けたので投稿。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第六十六話 異世界の魔法少女の邂逅XIV

なのはside

 

 

 

バーサーカーは金色の粒子を出しながら消滅していった。

 

それを見届けた四人はどっと座り込み、大きく息をはいた。

 

 

「「「「はぁ~~~~」」」」

 

 

なのは「なんとか……勝てましたね」

 

 

イリヤ「うん。皆のおかげだよ…それより」

 

 

なのは「はい」

 

 

「「疲れたあ~~~~~」」

 

 

なのはとイリヤは屋上の地面に汚れるのも気にせずに寝転がる。

 

フェイトとミユも疲労が溜まっているのか、座って休んでいる。

 

無理もないだろう。

 

四人とも無意識とはいえ脳のリミッターを外していたのだ。

 

体にかかる負担は通常の比ではない。

 

 

フェイト「体が妙に重い……」

 

 

ミユ「確かに」

 

 

サファイア《ミユ様、先程のバーサーカー戦なのですが、普段とは比べるまでもなく明らかにパワーアップしていました。その影響故、体にかかる負担も相当なものだったからかと》

 

 

ミユ「なるほど。そういえば……魔力チャージの時間がかなり短縮できてた」

 

 

イリヤ「私は出力がいつも以上に出てたよ」

 

 

なのは「私も集中力が普段より増していた気がします」

 

 

フェイト「体が凄く軽かった」

 

 

ルビー《皆さん何かしらのパワーアップ要因があったようですねぇ。強敵と闘い、パワーアップする!やはりこれこそが魔法少女の醍醐味!!》

 

 

サファイア《姉さん騒がないで》

 

 

テンションをあげ暴走しそうになった姉ルビーを抑えるできた妹サファイア。

 

その姉妹ステッキのやり取りを、可笑しそうに笑う魔法少女の面々。

 

しかし全員すぐに真剣な顔となる。

 

 

なのは「少し休んだら……ヒエン君のところにすぐ行かないと」

 

 

フェイト「また……一人で行っちゃったから……」

 

 

イリヤ「なのはちゃんが怒りたくなる気持ちが良く分かったよ……」

 

 

ミユ「あのセイバーはかなり強い……。ヒエンさんなら大丈夫だとは思うけど、加勢に行くなら早い方がいい」

 

 

ルビー《全く……ここにいる魔法少女全員から心配されるなんて罪な男ですねぇヒエンさんは。しかも全員小学生というのがもぅ……色々犯罪チックな感じがして……あぁ!!まさにエロい!!》

 

 

サファイア《姉さんうるさい》

 

 

イリヤ「と・に・か・く!少し休憩して動けるようになったら皆ですぐにヒエンさんの所にいこう!!」

 

 

「「「はい/分かった/了解」」」

 

 

なのは、フェイト、ミユがそれぞれ返事をする。

 

魔法少女達は体力を回復するため、しばしの休息に入る。それはいつも無茶をする炎の少年のためであった。全員の心情としては今すぐにでも加勢に行きたかった。

 

だが満足に動けない体で勝てるほど最後のサーヴァント:セイバーは甘くない。

 

このとき全員思っていた。

 

どうか無事でいてと……。

 

 

 

なのはside end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

俺は真っ正面からセイバーオルタにぶつかる。剛の炎を纏った右拳を彼女の顔面に放った。

 

それをセイバーオルタは聖剣で受け止めた。

 

 

 

ガキイイィィン!!!!

 

 

 

俺の炎の拳と黒き聖剣がぶつかり合う。

 

拳を防がれることを予測していた俺は、次に彼女の顎を打ち抜くために左アッパーを繰り出す。

 

セイバーオルタはそれを首を軽く動かしてかわす。俺はその間に右手で聖剣を掴み、ひねり、セイバーオルタの姿勢を崩す。

 

そしてその隙を狙って、左拳を今度は彼女の腹部に放つ。だが即座に、横回転飛びで体勢を整えた彼女は右足でそれを受け止める。そして反撃として聖剣を横凪ぎに振るわれた。

 

俺はそれを右手の籠手で受け止める。

 

が……受け止めきれずに横合いに吹き飛ばされてしまった。

 

 

「ぐおっ!?」

 

 

5mほど吹き飛ばされるが、何とか体勢を整える。

 

しかし、聖剣に纏わせた黒い斬撃が飛ばされるのを視界の端で確認していた俺は直ぐ様、上空へと回避する。

 

そこから、連続で聖剣から黒い斬撃が放たれる。しかも俺の行く先を事前に予測しているのか、先回りで放たれてしまう。

 

なので必然的に食らわないように後ろに下がり、距離を取ることになる。俺はセイバーオルタから十分に距離を取ると、自身の回りにオレンジのスフィアを10個配置する。

 

 

剛炎の銃弾(ブレイズバレット)verマシンガン!!」

 

 

俺は600mほど離れた距離から射撃魔法をマシンガンの如く連続で放つ。オレンジのスフィアは、かなりの速さでセイバーオルタへと向かっていく。

 

しかしセイバーオルタは、それらのスフィアをさらに物凄い速さで聖剣で叩き斬っていた。

 

 

「………」

 

 

ですよねー(|| ゜Д゜)

 

 

実際に予測はしていたが、いざそれを見せられると本当に人間か疑わしくなる。

 

いや……そういえばこいつ人間じゃなかったわorz

 

セイバーオルタが魔法をどんどん斬り裂いていく。俺はその光景を見てどこぞの黒の剣士を思い出した。

 

……作品違うけどね。

 

 

「verショットガン!!」

 

 

真っ正面からダメならさらに細かく攻めるのみ。バージョンを散弾銃に切り替え今度は移動しながら放つ。

 

セイバーオルタを中心に爆発が起こる。

 

 

 

ドドドドドドッッッッッ!!!!!

 

 

 

土煙が辺りを包む。

 

 

「………」

 

 

気分的にやったか!?などと言いたいが、俺はそういったフラグは立てない様にしている。

 

そして土煙が晴れると案の定であった。

 

セイバーオルタを守るように黒い霧のようなものが彼女の周囲を囲っていたのだ。

 

例えるならNARUTOに出てくる我愛羅の砂の自動防御のようなものだろうか?

 

 

『ガウガウ!』

 

 

すると俺の中にいる相棒から注意するように言われる。

 

どうやらあの黒い霧は、高密度でできた魔力の霧らしくそれが攻撃にも防御にも使われているらしい。

 

先程飛ばされた黒い斬撃もどうやらあの特殊な魔力の霧だったようだ。

 

だが突破口ならある。

 

簡単な話だ。

 

だったら……防御ができないほどの破壊力でまとめて吹き飛ばせばいい。

 

俺はさらにバージョンを切り替え、セイバーオルタへと放つ。俺の射撃魔法の中で最もパワーのある攻撃。

 

 

「verバズーカ!!」

 

 

俺は空中を高速で移動しながら、10個のスフィアを時間差で放つ。だがセイバーオルタもただ見ている訳ではなかった。

 

なんと足元に魔力の霧を纏い足場にすることで、空中跳躍を可能としたのだ。そしてこちらに高速で近寄ってきた。

 

 

「なにっ!?」

 

 

そして聖剣に黒い魔力を纏わせ、verバズーカをその斬撃で斬り飛ばした。

 

そして俺の頭上を取り、ジャンプ斬りを放ってきた。

 

俺は即座にそれを十字受けで受け止める。

 

が、あまりの重い一撃に受け止めきれず、そのまま地面へと叩きつけられた。

 

 

 

ドガアアァァンン!!!!

 

 

 

「ごはっ!?」

 

 

俺はあまりのパワーの強さに一瞬意識を失いかける。……がなんとか根性で意識を浮上させる。

 

 

(な、なんてパワーだ…)

 

 

セイバーオルタは女性とは思えないほどの力の強さでこちらを攻めてくる。こちらも本気の剛の炎で立ち向かっているが……完全にパワーはあちらが上だ。

 

だが考えてみれば簡単であった。

 

セイバーオルタは俺を助けたとき、バーサーカーの攻撃を真っ正面から受けきった。なおかつ、あのバーサーカーの巨体を吹き飛ばしたのだ。

 

だとすれば……

 

接近戦を挑んでもこちらに勝ち目はない。

 

俺は何とか起き上がり上空にいるセイバーオルタを見ながら素早く現状を分析していると、彼女に動きがあった。

 

なんと上空から、地面にいる俺に向けてロケット砲の如く、真っ直ぐに突っ込んできたのだ。

 

俺は炎熱疾走(フレアドライブ)を発動させ、すぐにその場から逃れる。

 

だがセイバーオルタはすぐに黒い魔力を足下に纏わせ、こちらに方向転換をしてきた。

 

俺もさらに足元の炎の出力を上げ、彼女から逃れるように高速で逃げ回る。

 

なんとか彼女の現れる場所を超直感で感知しつつ逃れるように動くが、完全に俺の動きが読まれていた。……まるで俺がどこに移動するのかがわかっているように。

 

そしてここで俺は重要なことを思い出す。

 

 

(そういえばこいつも直感スキルをもっていた!?)

 

 

だが諦めるのはまだ早い。

 

俺は幻惑魔法フェイク・シルエットで己の幻影を10体出す。そしてその中に紛れるように動く。

 

だがセイバーオルタは幻影に一切惑わされず、真っ直ぐ()()()に攻撃を仕掛けてきた。

 

どうやらこいつに幻影などの幻惑魔法は効果がないらしい。

 

俺は即座に幻影達を消し、黒い聖剣に対応するため右手に炎の剣(ファイアエッジ)を纏わせる。

 

そして互いに斬りかかった。

 

 

 

ガキン!ガキン!ガキン!

 

 

 

黒い聖剣と炎の剣が激突する。

 

だがパワーは完全にあちらが上であるのか、受け止めるのは厳しかった。だからこそ俺は聖剣の威力を逃がすように剣を振るった。

 

 

(だけどいつまでも受け流せる威力じゃない!!だったらスピードで上回るしかない!!)

 

 

起死回生を狙ってあの魔法を使うことにした。

 

 

 

短距離高速移動魔法ブリッツアクション。

 

 

 

ブリッツアクションはフェイトもよく使用している短距離限定の高速移動魔法だ。だがこの魔法の使い所は移動だけではない。

 

そもそも…ブリッツアクションはどうやって高速移動を可能としているのか?

 

それは体全体の動きを加速させることで短距離とはいえ、超スピードを可能としているのだ。

 

もし……それを別の目的で使用すればどうなるだろうか?

 

より具体的にいえば……()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()

 

ブリッツアクションは、高速移動だけではない。腕の振りやフットワークなど、体全体の動作を高速化するための魔法としても使えるのだ。

 

だからこそ俺は勝負を仕掛けることにした。

 

 

「ブリッツアクション!!」

 

 

俺の体の動きが速くなる。

 

 

セイバーオルタの剣をかわす。

 

 

俺の腕の動きが速くなる。

 

 

セイバーオルタの聖剣を弾く。

 

 

俺の足の動きが速くなる。

 

 

セイバーオルタの背後へと移動する。

 

 

俺の剣の動きが速くなる。

 

 

セイバーオルタを背後から襲撃する。

 

 

(これで決まった!!)

 

 

 

と思った……。

 

 

 

完全にセイバーオルタの背後を取ったと思った。

 

 

 

だが……

 

 

 

このときばかりは油断していたのかもしれない。

 

 

 

ヒュ‼

 

 

 

そのときセイバーオルタの姿が一瞬で消えたのだから。

 

 

 

(な!?消えた!?)

 

 

 

ザシュ‼

 

 

 

気付けば背中に激痛を感じた。

 

 

 

そして吹き飛ばされていた。

 

 

 

「グフウッ!?」

 

 

 

ドゴオオオォォォンンン!!!!!!

 

 

 

俺は横にあったビルの壁を貫通し、中まで吹き飛ばされてしまった。そして中の壁に叩きつけられ、うつ伏せに倒れることでようやく止まった……と同時に死ぬ気モードまで解けてしまった。

 

 

 

「ごはっ……」

 

 

 

そして背中を強く打ち付けたせいだろう。口から多量の血が吐き出された。

 

 

 

(つ、強い……)

 

 

 

俺は……

 

 

 

俺は……どうすればいい?

 

 

 

奴は強い。

 

 

 

俺が今まで戦ってきたどの敵よりも明らかに強い。この空間で戦ったサーヴァント:キャスター、アサシン、ライダー、そしてバーサーカーよりも強く感じた。

 

 

 

セイバーオルタは俺の全てを上回っている。

 

 

 

パワーも、スピードも、攻撃力も、防御力も何もかもが今の俺を上回っていた。

 

 

 

頼りになる超直感でさえも、セイバーオルタの持つ直感スキルには敵わない。あいつは常に俺の超直感の先を読んでいる。

 

 

 

自分の能力全てを上回る敵なんて…いったいどうやって立ち向かえばいいんだ?

 

 

 

「くそ……勝てない……」

 

 

 

考えれば考えるほど勝ち目が見えない。

 

 

 

そして俺の中で全滅という言葉が脳裏をよぎった。

 

 

 

脳内でなのはが……フェイトが……イリヤが……ミユが……無惨に斬り殺されていく。

 

 

 

セイバーオルタに蹂躙されていく。

 

 

 

そして全員が斬り殺されるビジョンが見えた。

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

「………そんなの」

 

 

 

 

 

 

「………そんなの……」

 

 

 

 

 

 

「認められるわけ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ないだろうが!?

 

 

 

 

 

 

諦めかけていた心に再び覚悟の炎が灯る。

 

 

 

「う、うおおおおお!!!!」

 

 

 

俺は沈みかけていた心に喝を入れるように……雄叫びをあげながら立ち上がる。

 

 

 

自分より強いからなんだ?

 

 

 

自分より能力が上だからなんだ?

 

 

 

そんなの………いつものことだろうが!!

 

 

 

俺より強い奴らなんて世界にはごまんといる。

 

 

 

俺よりすごい奴らなんて世界にはごまんといる。

 

 

 

でも……だからこそ……心だけは強く持たなくちゃいけない。

 

 

 

俺は強い奴らに心だけは負けちゃいけない。

 

 

 

なぜなら……心を強く持つことが……覚悟を決めることこそが……俺の力の源なのだから。

 

 

 

そのとき俺の額には再び死ぬ気の炎が……覚悟の炎が灯っていた。

 

 

 

勝ち目なんて微塵もない。

 

 

 

相手は俺よりも確実に強い。

 

 

 

だけどそれが勝負を諦める理由にはならない。

 

 

 

あがいてあがいてあがきまくる。

 

 

 

だから外で待ってる英雄に見せてやろう。

 

 

 

人間の底力ってやつを。

 

 

 

「待ってろよセイバー。勝負はこれからだ」

 

 

 

俺は痛む体を我慢しながらビルの出口から出るのだった。

 




次回でセイバー戦決着。

では、また(・∀・)ノ

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