とりあえずでけた。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
なのはside
なのは達は異世界から元の世界に戻るために光の路を飛んでいた。すると急に白い光がなのは達の目を照らした。
「うおっ」
「ま、まぶしい……」
ヒエンとなのはは、あまりの眩しさに目を隠した。
そして光が収まり、目をあけるとそこは異世界に転移する前と同じ海の上であった。
「あ、戻って……きたんだ」
なのはは戻ってこれた嬉しさが込み上げてきた。
「やったね!ヒエン君!!」
と隣にいる少年に声をかけるが……
「あれ?ヒエン君?」
なのはがキョロキョロと周りを見回すが先程まで隣にいたはずの少年の姿が見えない。
すると……
「フェイト!!」
アルフの大きな声が聞こえてきた。
そこには先程まで一緒に異世界で戦っていた
なのはは思わず声をあげた。
「フェイトちゃん!!」
だがフェイトはなのはの方を一瞥すると、すぐに目をそらし、転送魔法でどこかへと行ってしまった。
「フェイトちゃん……」
なのはは少し俯いてしまう。……が異世界で約束した
(ううん!諦めちゃダメだ!!約束したんだイリヤさんとミユさんと。必ずフェイトちゃんと友達になるって!!)
なのはは頬をパチンと叩くと意識を切り替える。そしてとりあえず……隣にいたはずの少年を探そうとして……
「なのは!大丈夫!?」
すると聞き覚えのある声が聞こえてきた。
なのはが目を向けるとそこには
そんなに離れていた訳ではないのに、なぜかユーノの声に妙な懐かしさを覚えるなのは。
「ユーノくん……」
「どうしたのなのは?」
ユーノが心配そうに声をかけてくる。
「ううん。なんでもないよ?」
「そう?それならいいんだけど……。それより兄さんはどこにいったの?さっきまで一緒にいたと思うんだけど……」
「あ、うん。そのことなんだけどね?」
なのはがどう説明しようか考えていると……
「なのは、ユーノ」
するとそこに時空管理局執務官クロノ・ハラオウンがやってきた。とそれと同時に空中にモニターが映される。
そこにはアースラ提督のリンディ・ハラオウンがいた。
「三人とも……戻ってきて」
「了解」
クロノが返事を返す。
「あのでも……ヒエン君がまだ……」
「その彼のことについても話したいことがあるの。戻ってきてくれるなのはさん?」
「はい。分かりました」
リンディの言葉に渋々納得するなのは。
そして三人はアースラへと戻っていった。
なのはside end
◆◆◆
アースラside
そしてアースラのミーティングルームへと戻ってきたなのは達一行。そして席に座っていたリンディが口火を切った。
「本当ならここでヒエン君には……私じきじきのおしかりタイム……といきたかったのだけど……」
リンディは少し俯いてしまう。
「ヒエン君の反応がなぜか突然ロストしてしまったの」
「あの……それって」
なのはが尋ねる。
「ああ……突然消えてしまった……ということさ」
クロノが捕捉する。
「兄さんは……一体どこに?」
ユーノが心配そうに呟く。
「あの男が転送魔法を使った形跡はなかった。本当に……突然消えたとしか言い様がないんだ……」
クロノもぶっきらぼうに答える。だがこう見えてもクロノはツンデレの傾向がある。彼なりにかなり心配しているのだ。
「………」
なのははじっと考える。
(ヒエン君が消えたのは……もしかして一人だけ別の場所に飛ばされたんじゃ?)
異世界に飛ばされた当初も一緒に巻き込まれたヒエンとフェイトも、別々の場所へと飛ばされてしまった。
だとすればこちらに戻ってくる際も、同じことが言えるのではないだろうか?
なのははそう考えた。
「でもまぁ、諦めの悪いあの男のことだ。どこで何をしててもきっと大丈夫のはずだ。アースラでも目下、全力で捜索しているところだ」
「まぁ、兄さんなら突然ひょっこり帰ってきそうだもんね……」
クロノとユーノが苦笑しながら話す。やはり彼らからしても、あの少年がそう簡単に消えるはずがないという謎の信頼感が生まれていた。
「それに……問題はこれだけではないものね。クロノ?事件の犯人について何か心当たりが?」
「はい……」
リンディがクロノに話を促す。
「エイミィモニターに」
「はいは~いっ」
するとモニターにある女性の画像が映される。
「そう…僕らと同じミッドチルダ出身の魔導師プレシア・テスタロッサ……」
クロノは腕を組ながら説明する。
「専門は次元航行エネルギーの開発……優秀な魔導師であり、開発者だった人物です。登録データとさっきの攻撃の魔力波動も一致してます。そしてあの少女フェイトは……プレシアの娘ということになります」
「そういえばフェイトちゃん…あの時『母さん』って……」
「親子……ね…」
なのはは少し悲しそうに、リンディは思うことがあるのか考えながら話す。
「その……フェイトちゃんは驚いてたっていうよりなんだか怖がってるみたいでした」
なのはは、あのときの雷の高次元魔力砲が撃たれたときのことを思い出す。確かにあのときフェイトは何かに恐れているような素振りを見せていた。
「エイミィ…プレシア女史についてもう少し詳しいデータを出せる?放逐後(ほうちくご)の足取り……家族関係そのほか何でも」
「はい。少し待ってください。出ました」
エイミィは調べた情報を報告する。
「プレシアはミッドチルダの民間エネルギー企業で開発主任として勤務。でも事故を起こして退職しています……。裁判記録も残ってます。詳しい資料を配布しますね」
するとエイミィは立ち上がり資料を取りに行く。
その間、なのははプレシアの映ったモニターをジッと見ていた。
(この人が……フェイトちゃんのお母さん)
「……あの子とまた違った雰囲気の人だね」
「うん…でも寂しそうな瞳は同じ……フェイトちゃんにそっくり……」
ユーノとなのはは、プレシアの不思議な雰囲気に何かを感じたのか、二人ともジッとモニターを見ていた。
「追加の資料を持ってきました」
そのときエイミィが資料を持って戻ってきた。
「プレシア・テスタロッサ……ミッドでの歴史で23年前は中央技術開発局の第3局長でしたが……当時彼女個人が開発していた次元航行エネルギー駆動炉(くどうろ)『ヒュドラ』試用の際、違法な材料をもって実験を行い失敗……」
エイミィは資料をめくる。
「結果的に中規模次元震を起こしたことが原因で、中央を追われて地方へと異勤(いきん)になりました。ずいぶんと揉めたみたいです……失敗は結果に過ぎず、実験材料にも違法性はなかったと……」
エイミィは資料をめくる。
「辺境に異勤後も、数年間は技術開発に携(たずさ)わっていました……。しばらく後、行方不明になって……それっきりですね」
エイミィは資料をしまう。
「家族と行方不明になるまでの行動は…?」
「そのへんのデータは綺麗さっぱり抹消されちゃってます……。いま本局に問い合わせて調べてもらってますので」
「時間はどれくらい?」
「一両日中(いちりょうじつちゅう)には……と」
するとリンディは顎に手を当て考える。そして、しばらくしてなのはとユーノの方を向いた。
「プレシア女史もフェイトちゃんもあれだけの魔力を放出した直後では、そうそう動きは取れないでしょう。あなたたちも一休みしておいた方がいいわね」
「あ…でも……」
「特になのはさんは……あまり長く学校を休みっぱなしでも良くないでしょ?」
「は、はい」
「一時帰宅を許可します……ご家族と学校に元気な顔を見せてあげましょう」
「はい。ありがとうございます」
「そうそう。ヒエン君のことなら心配いらないわ。私達も全力で捜索しているから。それに……あの子は何があっても大丈夫?そうでしょ?」
「はい!!」
「良かったねなのは」
「うん!」
俯いていたなのはとユーノであったが、リンディの言葉で少し元気が出たようだ。
(ヒエン君……無事よね?早く帰ってきなさい?皆心配してるわよ?)
リンディは子供たちにバレないように今はいない少年の心配をしていた。
アースラside end
◆◆◆
なのはside
ところかわって海鳴市高町家……
なのはにとって約二週間ぶりとなる高町家のリビングでは、なのはとリンディ、母:桃子、兄:恭也、姉:美由希が和やかに話していた。
「……とそんな感じの二週間だったんですよ?」
「あらー…そうなんですかー」
『リンディさん……み、見事なごまかしというか真っ赤な嘘というか……』
『すごいね……』
リンディの巧みな話術に驚くユーノとなのは。
『…本当のことは言えないんですから……ご家族にご心配をおかけしないための気遣いと言って下さい♪』
恐るべしリンディ提督。
「でもなのはさんは優秀なお子さんですし……もう本当にうちの子にも見習わせたいくらいで」
「あらあら~またまたそんな!」
「うちのクロノはどうも愛想がありませんで……」
「そんな…!クロノくんもぜひ今度ご一緒に遊びにいらしてください」
「ありがとうございます」
和やかに会話する高町母と、ハラオウン母。凄まじいほどの主婦スキルである。
まぁ、二人ともそろそろいい年したオバハ……
「あら~今何かとても不快な気配がしませんでしたかリンディさん?」(にこやかな笑顔)
「そうですね。とても不快な気配を感じましたね~桃子さん?」(にこやかな笑顔)
「どうしたのお母さん?いきなり空なんて見上げて?リンディさんも?」
「なんでもないわよ~なのは~」
「なんでもないのよ~なのはさん~」
「そうですか」
なのはは首を傾げる。
そして二人のオバハ……「「まだ言うのかしら~」」お姉さまは和やかに会話するのだった。……ていうかナレーションに突っ込むのは止めてください死んでしまいます((((;゜Д゜)))
「ねね?なのは?」
「なーにお姉ちゃん?」
「ヒエンくん元気?」
するとなのはの表情が少し曇ったのを、恭也と美由希は見逃さなかった。
「えっとね……ヒエンくん体調崩しちゃって」
咄嗟になのはは嘘をつく。
「え?体壊したの?」
美由希が驚く。
「その……カレーの食べ過ぎで……」
「「………あー」」
同時に声をあげ納得する恭也と美由希。
「はぁー……あの馬鹿は。食べ過ぎには注意しろとあれほど言っておいたのに」
「まぁ、ヒエンくんらしいというかなんというか」
恭也は顔に手を当てタメ息をつき、美由希は苦笑い。完全に疑っていない。
そしてそれで納得される我らが主人公。
一言いっておく。
それでいいのか高町兄妹。
もうちょっと疑わなくていいのか高町兄妹。
もうちょっと疑ってあげてよ高町兄妹。
「にゃ、にゃははは……」
バレなくて良かったと思う半面、色々複雑に感じるなのはであった。
そして彼女はふと考える。
(今はまだ……異世界であった出来事は言わない方がいいかも?全部終わったあとにまた報告した方がいいよね?そこはまた……ヒエンくんに相談しよう)
そしてなのはは異世界のことについて重要なことを思い出す。
(そういえばヒエンくん……背中大ケガしてた!?あ、でも治癒魔法覚えてるから大丈夫……とは思うけどやっぱり心配だよー!!)
そして彼女の思考は、少年の心配からイラつきへと徐々に変わっていく。
(だいたい隣にいたはずなのにいきなり消えるってどういうこと!?いきなり消えるなら一言あってもいいでしょ!?いつもいつもいつもいつもいつもいーーーーーーーーーーーーっつも!!心配ばっかりかけて!!もう!!今度という今度は絶対に許さないんだから!!!!)
そしていつしかイライラから、次会ったときの説教はどうするか?という内容にジョブチェンジしていた。
(そうだ。そういえばあのとき、お父さんとお兄ちゃんの訓練で毎日しごいてもらうって約束させたんだった。毎度毎度、心配ばっかりかけるんだからこれくらいしないとまた同じこと繰り返すよね!!)
そしてなのはは恭也と美由希に少年を鍛えてあげてほしいと声をかけた。
そして可愛い妹のお願いを、基本シスコンである恭也と美由希が了承しない訳がなく……
そしてなのはのお願いは快く快諾されたそうな。
プレシアって結構悲惨な人生歩んでるんですよねぇ。
家族を亡くしたらそりゃあ心壊れるか。
だからといって同情はしませんが。
では、また(・∀・)ノ