とりあえずかけた。
では、どうぞ( *・ω・)ノ
なのはside
「ねぇ、なのは…今日明日くらいはおうちにいられるんでしょ?」
美由希がなのはに話しかける。
「うん!」
なのはもそれに笑顔で答える。
「アリサちゃんもすずかちゃんも心配してたぞ……。もう連絡はしたか?」
「うん…。さっきメールを出しといたすずかちゃんからはお返事もきたよ」
恭也もなのはに確認を取る。だがそこはさすがなのはなのか、既に返信していた。
「アリサちゃんにすずかちゃん……忍さんに、ノエルさん、ファリンさん……お父さんに、お母さん、お兄ちゃんにお姉ちゃん。みんなに心配かけちゃってるなあ」
なのはは少し悲しそうな顔をして俯く。だがそれを攻めるような人はここにはいなかった。
「そうだよー。なのはがいない間寂しかったんだからっ」
「その分最後まで投げ出さずに頑張るんだぞ?」
「…うん!」
少なくともなのはの姉である美由希、兄である恭也は、なのはの事を否定などするはずがなかった。
(メール……アリサちゃんも読んでくれてるかな?)
それはなのはの友人も例外ではない。
なのはside end
◆◆◆
すずかside
その日、すずかは午後のティータイムを楽しんでいた。
彼女のテーブルの上には入れたばかりの熱々の紅茶に、香ばしく甘い匂いがしたビスケットが並べられていた。
すると側に置いてあったすずかのケータイが揺れる。
すずかがケータイを取り、画面を見るとメールが届いていた。
「あ、なのはちゃん!!」
すずかはさっそくメールを確認する。
そこにはこう書かれていた。
『一度もどってきたよ!明日学校で会おうね! なのは』
すずかはさっそく返信し、ケータイを閉じた。
「良かったですねすずかちゃん!」
「明日が楽しみですね!」
月村家メイド:ファリンとノエルが共に喜んでくれた。
「うん…!」
すずかはそれに嬉しそうに答えた。
「久しぶりになのはちゃんに会えるんだ…!」
すずかは明日が楽しみで仕方なかった。
その日、わくわくして眠れなくなったのはご愛嬌である。
すずかside end
◆◆◆
アリサside
時を同じくして……
アリサはバニングス家執事:鮫島の運転する車に乗っていた。
そして彼女もなのはからのメールを見ていた。捕捉するとメールは先程のすずかと同じ内容である。
アリサは数秒でなのはへの返信を終わらせる。
「……お返事送信……と」
鮫島はバックミラー越しにアリサが笑っていることに気付く。
「アリサお嬢様…なにか良いお知らせでも?」
「別に……普通のメールよ」
すずかと違い、素直になれないお年頃な女の子アリサ。嬉しいことを素直に言えないこの女の子は、まさにツンデレといえるふさわしい子である。
だが歴戦の執事たる鮫島からしてみれば、アリサの機嫌がいいかどうかなど、表情を見るまでもなく、声のトーンだけで分かる。
間違いなく今日は機嫌がいい日であった。
(……会えなかった間にあった事とかたくさんお話ししなきゃ…!)
そして機嫌のいいアリサは窓の景色を眺めていたのだが……
「あ……!?鮫島……ちょっと止めて!」
「アリサお嬢様?」
アリサは何かに気付き、車から降りる。そしてなぜか脇道へと急いで入っていった。
そしてある程度進むと、地面には生き物の血と思わしきものがついていた。
「…これって……」
アリサはさらに進んでいく。
ザッザッザッ
するとそこにはオレンジの毛並みをした大きな犬が横たわっていた。
「やっぱり…大型犬!」
アリサはすぐに大型犬の容態を調べる。
「怪我をしていますな…かなり酷いようです」
そこへアリサを追いかけてきた鮫島が合流する。
大型犬は息を切らせ、見るからに弱っていた。
「でもまだ生きてる……鮫島!」
「心得ております」
アリサの意図することをすぐに理解した鮫島は、車から応急箱を取りに戻る。そしてすぐに戻ってきた鮫島は大型犬の応急措置を開始する。
しかしダメージが限界なのか大型犬は気絶してしまう。
「…ちょっと!しっかりしなさいよ…!」
「お嬢様車へ運びましょう」
そして二人は気絶した大型犬を車へと急いで運んだ。
アリサside end
◆◆◆
アルフside
プレシアにやられたアルフは、なんとか命からがら海鳴市へと転移してきた。
しかしプレシアにやられた傷は思ったよりも深く、体力も限界に近かった。
そしてどうにか人気のない場所まで移動してきたアルフだったが体が遂に限界を迎えたのか、倒れてしまう。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
アルフの意識は朦朧(もうろう)としていた。
「やっ………り………犬!」
誰かの声が聞こえる。
「でも………生き……る」
アルフはぼやける視界で周りを見る。
「…………!………!」
するとアルフの側には、フェイトと同年代の金髪の少女がいた。
「………!………!!」
何か言っているのは分かるが……なんと言っているかアルフには判断がつかなかった。
(………………フェイト……………)
そしてアルフは気を失ってしまった。
アルフが目覚めたのはそれからしばらく経ってからのことだった。
気が付くと日はすっかりと暮れており、辺りは完全に夜であった。
そしてふと自分の状態に気付く。
治療が施されていたのだ。
自分の前左足に綺麗に包帯が巻かれていた。
そしてどうやら自分は牢屋……いや檻に入れられていた。
ザッザッザッ
すると足音と思わしき音が段々と近付いてくる。アルフが目を向けると、気を失う前に見た金髪の少女がやってきていた。
「あ……目、覚めた?」
(……このちびっこ、さっき助けてくれた……?)
「あんた頑丈に出来てんのね……あんなにケガしてたのに命に別状はないってさ」
金髪の少女はアルフを優しく撫でる。
「ケガが治るまではうちで面倒見てあげるからさ……安心していいよ」
こちらに話しかける金髪の少女を見てアルフは思う。
(……フェイトと同い年くらいか……。フェイトは大丈夫かな……)
あの忌々しい時の庭園に、置いてきてしまった心優しい少女のことが心配だった。
するとそんな彼女の前に美味しそうな匂いが漂ってくる。
(これはドッグフード?)
「ほら……やわらかいドッグフードなんだけど……食べられる?」
金髪の少女はドッグフードの入った皿をアルフの前に置く。
アルフは勢いよく食べはじめた。
ガツガツガツガツ
「あはは……そんなに食欲があるんなら心配ないね」
少女はアルフが美味しそうに食べるのを嬉しそうに見る。だがその表情には少し憂いがあった。
「違うよね。ずっとお腹がすいてたんだよね。食べたらゆっくり休んで……早くよくなりなね」
少女はアルフにサムズアップを繰り出し、明るく笑いかける。
アルフはそんな少女の顔をドッグフードを食べながら横目で見ていたのだった。
アルフside end
◆◆◆
なのはside
翌日なのはは、約二週間ぶりとなる小学校へと来ていた。すると教室には既にアリサとすずかの二名が来ていた。
久しぶりのなのはとの再会にテンションのあがるすずか。
「なのはちゃん…!良かった元気で!!」
「うん…ありがとすずかちゃん」
そして久しぶりの再会で嬉しいにも関わらず、ついツンデレしてしまうアリサ。
「アリサちゃんも……ごめんね心配かけて」
「まぁ……良かったわ元気で」
そして三人とも仲良く笑いあった。その空間は華やかであり、和やかであった。
そして授業も終わり昼休み……
「そっか……また行かないといけないんだ」
「大変だね……」
「うん……でも大丈夫!」
三人は弁当を食べながら話していた。
「ねー放課後は?少しくらいなら一緒に遊べる?」
「うん!大丈夫!」
「じゃあうちに来る?新しいゲームもあるし!」
「あ、ほんと?」
「昨日なのはちゃんが帰ってきたら一緒に遊びたいねってアリサちゃんと話してたの」
三人はウンウン頷き合いながら楽しそうに話す。
「アリサちゃんのおうちのワンちゃん達にも久しぶりに会いたい!」
「私の家は猫屋敷だけど…」
「うちは犬屋敷だからね」
するとアリサは何か思い出したのかポンと手を叩いた。
「ああ…そういえばね、ゆうべケガしてる犬を拾ったの」
「犬…?」
「うん。すごい大型犬で毛並みがオレンジ色で見たことない種類」
「アリサちゃんが知らないって事はミックスかな?」
「おでこにね……こう赤い宝石がついてるの」
(赤い宝石……オレンジの毛並み……大型犬……もしかしてアルフさん!?)
「…アリサちゃん!その犬さんに挨拶させて!」
「……うん?いいけど…?」
そしてその日の放課後……なのははアリサの家へ行くこととなった。
なのはside end
◆◆◆
リニスside
その日、リニスは買い物を終え夕飯を作るため自宅へと帰っていた。
最近では、約二週間前にいなくなった主の代わりに翠屋を手伝う日々である。
ちなみにその主と、お世話になっている喫茶店の末っ娘が一ヶ月休んで、何かしていることは知っている。彼女自身、それ自体を咎めることをしようとは思っていない。しかし……
(ヒエンがいなくなってからそろそろ二週間。全く……連絡一つよこさないとは…。これは……性根を鍛え直すために考えていた訓練を倍にする必要があるでしょうか♪)
リニスは気付いていないだろうが彼女は笑顔で「ウフフフフ……」と静かに笑いながら、周りに黒いオーラを醸し出していた。
通り行く人々がつい避けるほどの迫力で……。
そしてリニスは自宅となるマンションの駐輪場に自転車を止める。そして買ってきた袋を持ち、マンションへと入っていく。
(はぁ……。心配しているのですから早く元気な顔を見せてくださいヒエン……)
そしてエレベーターに乗り、マンションの最上階へと昇っていく。
チーン
エレベーターが目的の階に到着する。そしてリニスは大空家と書かれた今はもう住み慣れた我が家へと歩いていく。
さて、今日はどんな料理を作りましょうか?と考えていると……部屋の前に二名の人物がいることに気付く。
(お客様でしょうか?)
見たところ親子といった所だろうか?
一人は緑色の綺麗な髪をした女性と、少し幼いような印象を持った黒髪の少年であった。
二名ともこちらに気付き会釈をしてきた。
リニスも軽く会釈をすると、二名の人物に声をかける。
「あの……ウチに何かご用でしょうか?」
すると緑髪の女性が反応する。
「…あなたがリニスさん?」
「はい。私がリニスですが……」
「ああ…あなたがヒエン君の言っていた……」
「ヒエンを知っているのですか!?」
リニスは持っていた荷物を落とし、緑髪の女性に詰め寄る。
「お、落ち着いてください。今、彼が関わっている事柄についてご説明しますから!!」
すると黒髪の少年が間に入って事情を説明する。
「す、すいません。あの子が何かの問題に首を突っ込んでいるというのは友人つてで聞いていたのですが……でも……連絡の一つも寄越さないので心配で……」
「そうなの…」
「全く……あの男は……」
リニスの言葉に二人の人物は顔を少し俯かせる。
「あ、そうだわ!それよりこちらの自己紹介をしないとダメよね!!」
「あ、はい。よろしいですか?」
少し空気が重くなったのを変えるために緑髪の女性は自己紹介を始めた。
「では改めて……初めまして。私は、時空管理局次元空間航行艦船『アースラ』提督兼艦長のリンディ・ハラオウンです」
「申し遅れました。僕は時空管理局執務官クロノ・ハラオウンです。よろしくお願いします」
リニスは時空管理局という言葉に驚く。
「時空管理局がどうして……?」
「はい。あなたのご家族……大空氷炎についてご説明したいことがあり、伺わせていただきました。彼が今関わっている問題、そして彼が今どういった状況にあるのか、貴方にはそれを知る権利がある。何より……貴方は魔法についてご存知なのでしょう?」
「そのことはヒエンから?」
「はい。魔法の師匠だと伺っております」
「……その通りです。そうですね……話はおそらく長くなるでしょうから……まずはウチにどうぞ?中で話しましょう…」
「では……お言葉に甘えて」
「お邪魔しますね」
「どうぞ」
クロノとリンディは大空家へと入っていく。
そして……
リニスは主……ヒエンが現在関わっている問題を知ることになる。彼の現在の状況も。
そして……それと同時に彼女は今まで避けてきた過去とも向き合うこととなる。
いわゆる正史と呼ばれる世界では……彼女は消滅している。しかしなんの因果か……この世界では生きている。
そして遅まきながら彼女も物語の舞台に上がることになる。
彼女がいるという影響がこの世界ではどういった影響を及ぼすのか?
その答えを知ることになるのは……もうすぐ後になる。
リニスside end
◆◆◆
???side
ピッピッピッピ
ある病院の一室で一人の少年が眠っていた。
頭には包帯が巻かれ、体のところどころにも包帯が巻かれていた。
少年が病院に連れ込まれてから既に一日が経過していた……。
まだ目覚める気配はない……。
無印もいよいよクライマックスへと近付いてきたぞう!!!!!щ(゜▽゜щ)
では、また(・∀・)ノ