ちょっと本編が欠片も書けないので外伝かきます。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
第三者side
高町ヴィヴィオはその日も、日課のトレーニングに明け暮れていた。
戦技披露会で行われたミウラとの雪辱戦、そしてなのはとの親子対決を制したヴィヴィオの調子は右肩上がりで良かった。
それから一ヶ月程が経過すると、師匠であるノーヴェが念願のジムの会長になった。
スポーツジムと格闘技ジム両方が詰まったジムで、社会人や学生、様々な人物がトレーニングやエクササイズで汗を流している。
ヴィヴィオも競技選手として、ノーヴェのナカジマジムに所属しており、選手用のジャージを着て日々頑張っている。
そんなヴィヴィオがチームメンバーと一緒に
「あれ?」
「どうかしましたか、ヴィヴィオさん?」
すると、ヴィヴィオの様子に気付いたアインハルトが声をかける。
「あ、いえ……その、見かけない人がいるなあと思いまして」
ヴィヴィオの視線をチームメンバーも追うと、そこには目を閉じて座禅を組んでいる黒いジャージを着た一人の少年の姿があった。
「あの方は……確かに初めて見る方ですね」
「何してるのかな?」
「多分、身体の中で魔力を循環させてるんじゃないかな?あれをすると魔力運用のトレーニングにもなるし」
「なるほど。僕も抜剣を練習するときに似たようなトレーニングをした事があります」
順番にアインハルト、リオ、コロナ、ミウラが発言する。
五人がしばらく観察していると、少年は次のトレーニングを始めるようだ。
どこからか取り出した空き缶を空中へと放ると、射撃魔法を発動させて空き缶に当て始めたのだ。
少年は目を閉じて集中する。
そして回数を重ねていく事に一つ、また一つと空き缶の数を増やしていく。
最終的に空き缶を五個まで増やし、それぞれ百回ずつ当てると、少年はそのまま魔力弾を操作し、全ての空き缶をゴミ箱へと上手く捨てたのであった。
その光景を見ていたヴィヴィオ達は、思わず小さく拍手をしていた。
「「「「おお〜」」」」
「なるほど。あそこまで自在に魔力弾をコントロールするとは……かなりの練度ですね」
アインハルトが感心する。
少年は次の訓練へと移る。
オートスフィアを数個展開させると、そこから自身に向けて魔力弾を発射させる。
少年はそれを上手くかわすと、スフィアの周りを走り回る。
どうやら回避訓練をしているようだ。
スフィアから出される魔力弾を余裕を持ってかわしていく。
しかし、そこからスフィアの数もどんどん増えていき、発射される魔力弾のスピードも上がっていく。
スフィアが10個になると、少年は回避訓練を終えた。
ちなみに被弾は一度もしていない。
「あの人……凄い。あれだけ動き回ってるのに息一つ乱してない」
「それだけではありません。あの方、かなりの体幹の持ち主です。魔力弾を回避する際も身体の軸が一切ブレておりません」
ヴィヴィオとアインハルトの二人は、少年の身体能力の高さに驚く。
続けて少年は木人を10体展開させる。
中には武器を持っている者もいた。
それを見たヴィヴィオとミウラが驚く。
「ミウラさん、あれって……」
「ええ。僕も同じ事を思ってました、ヴィヴィオさん。あれはルーフェンで僕達が受けた技の試練と同じ木人みたいですね」
少年が黒い篭手と脚甲を装備すると、木人達が一斉に攻めていく。
「ハッ!」
少年は片手で木人達の攻撃をそれぞれいなしながら、反撃のパンチやキックを繰り出す。
少年はこういった訓練に慣れているのか、木人の攻撃を紙一重でかわしていく。
気付けばヴィヴィオ達は少年の戦う姿を静かに観察していた。
「片手につき一体ずつ確実に仕留めてる……」
「攻撃の受け流し方も絶妙だ……」
ヴィヴィオとミウラは少年の動きを分析する。
木人達の扱う武術はそれぞれ違う。
空手に柔術、中国拳法にムエタイ、日本拳法に合気道。
剣術に杖術、槍術に薙刀術などの武器を使わせた戦闘も少年は視野に入れていた。
少年は無手組の木人達を確実に減らしながら、背後から攻めてきた武器組の木人達を制空圏を使って上手くいなし、同士打ちを狙う。
「うまい……!」
「あれは……攻撃の流れを逸らして……?」
「ええ。矛先を変えて同士打ちを狙ったのでしょう」
リオは興奮し、コロナは驚き、アインハルトは感心する。
「シッ!」
木人達の体勢が崩れた所で、少年は回し蹴りでまとめて吹き飛ばす。
左右から同時に攻撃を行ってくるが、しゃがんでかわすと木人の顎を同時に蹴り上げ、最後の一体を発勁の突きで破壊した。
「フゥー……」
少年は深呼吸をしながら、静かに息を整える。
それを見ていたヴィヴィオ達はついテンションを上げながら、大きな声を出していた。
「「「「すごぉ〜い!!!!」」」」
思わず少年はビクリッ……と反応すると、ヴィヴィオ達を見る。
その際に一瞬驚いた後、なぜか遠い目をしている表情が印象的であった。
「あれ?」
このとき、ヴィヴィオは
そして何故か少年の背後で
それは彼女にとって記憶に残る
第三者side end
◆◆◆
ヒエンside
俺はどうしたものかと内心頭を抱えていた。
正直に言えば、ViVidの原作キャラである彼女達と関わるつもりは全くなかった。
しかし、こうして意図せず関わってしまったのは、物語に巻き込まれやすくなる体質……神の加護による影響が大きいのだろう。
ということは、俺には
とりあえず、まずは目を輝かせてるこの五人の少女達を落ち着かせる事から始めようか。
「あーっと……君達は……?」
まず俺は差し障りのないように声をかけた。
「あ、すみません!お兄さんがトレーニングしてる所を見掛けて……つい声を掛けてしまったと言いますか」
すると金髪の青いジャージを着た瞳が左右のオッドアイで、右目が緑、左目が赤色の少女、高町ヴィヴィオが俺に謝ってきた。
俺は気にする事なく、笑いかけた。
「いや、別に大丈夫だよ。俺もトレーニングが一段落ついたところだから」
俺が相棒とナハトに目を向けると、二匹が両肩に跳び乗ってきた。
「ガゥ!」
「きゅ!」
二匹が五人に挨拶をする。
二匹の姿を見た少女達は目を輝かせる。
「「「「かわいい!」」」」
「ライオンと……狐……でしょうか?」
アインハルトのみ、冷静であった。
すると、俺の前に小さなウサギと子猫がフヨフヨと飛んできた。
「!!」
「にゃ〜」
もしかしなくても、クリスとティオである。
クリスはヴィヴィオの専用デバイスで正式名はセイクリッド・ハート。
ティオはアインハルトの専用デバイスで正式名はアスティオン。
どちらも補助制御型のデバイスである。
ちなみにクリスは防御特化型、ティオは回復特化型である。
「あ、クリス。勝手に動いちゃ駄目だってば〜」
「ティオもですよ」
ヴィヴィオとアインハルトに怒られる二匹であるが、相棒とナハトに夢中であった。
「もう〜。あ、そういえば自己紹介がまだでしたね。私はヴィヴィオ。高町ヴィヴィオです。こっちは相方のクリス。よろしくお願いします」
「アインハルト・ストラウスと申します。こちらはティオ。よろしくお願い致します」
二人が頭を下げると、残りの三人も自己紹介を始めた。
「じゃあ私も私も!リオ・ウェズリーで〜す!!」
「コロナ・ティミルです」
「ミウラ・リナルディです!どうぞよろしくお願いします!!」
三人も簡単に自己紹介を済ませると、頭を下げてきた。
こっちも自己紹介した方が良いだろうな。
「ご丁寧にどうも。俺はヒエン。ヒエン・オオゾラです。こっちはヒッツとナハト。よろしくな」
「ガァウ〜」
「きゅ!」
小動物二匹と共に挨拶する。
それから五人の少女達と他愛のない雑談に興じる。
話題としては、特に俺に関しての質問が多かった。
曰く、『どんな魔法を使ったりしているのか?』とか『どんな風に戦うのか?』とか。
五人共に格闘選手故にそういった事が気になるのだろう。
まあ、別に教えた所で特に支障はないし良いけども。
「俺が主に使ってる武術は地球に伝わる中国拳法の一つ、太極拳だ」
「「「「「太極拳?」」」」」
「こっちで言えば、ルーフェン伝統武術の春光拳のような物かな?」
「春光拳を知ってるんですかっ!?」
するとリオが興味津々と言ったぐらいに聞いてくる。
「まあ、多少はね。春光拳の訓練方法とかは結構参考にしてるし」
いや本当に。
特に先程の木人を使った訓練は、ルーフェンでも昔行われていたと聞いた事がある。
「それで俺は地球で伝わる武術の技を積極的に取り入れてる。後、俺は魔力変換資質『炎熱』と『凍結』の二属性持ちでね、それらを組み合わせた自分だけのオリジナル戦技、
俺は右手に炎を、左手に氷を展開させると五人は驚く。
「『炎熱』と『凍結』の二属性持ち……って初めて見たかも」
コロナがマジマジと俺の顔を見る。
あの……そんなに見られると照れるんですが……。
ちなみに炎と氷を戦闘で同時に使う事は出来ない。
今だってかなり神経使って出してるからね?
これだって出せるようになったのインターミドルが終わってからだし。
すると、ヴィヴィオが顔を輝かしながら俺に言ってきた。
「あの、もしよろしければ私とスパーリングしてくれませんか!?」
「スパーリング?」
「はい!お兄さん……ヒエンさんはかなりお強いですよね?ぜひ一度お手合わせしてみたいと言いますか」
物凄くキラキラした目で見てくる。
こういう模擬戦好きな所は、世界が変わってもなのはそっくりというかなんというか。
養子とはいえ、やはり彼女も戦闘民族高町家という事か。
「いやまあ、別に俺は構わないんだが……時間は大丈夫なのか?朝練してたんだろ?」
俺が時計を見てみれば、時刻は既に朝の七時を回っていた。
「少しくらいなら大丈夫です!こんな事もあろうかと余裕を持って出てますから!!」
俺と早く手合わせがしたいのか、こちらに迫る勢いで見上げてくるヴィヴィオ。
ちょっと近いよ、ヴィヴィオさん。
俺達まだ知り合って五分も経ってないんだけど……パーソナルスペース緩すぎへんか?
「分かった。分かったから、落ち着けヴィヴィオ」
こう見ると、かなり小柄なヴィヴィオさんである。
身長的には、当時のなのフェイとどっこいどっこいかな。
だが、今更ながら気付いた。
「……別に手合わせするのは構わないんだけど、このままやるのは絵面的にちょっとやりづらいっつーか」
知り合ったばかりの年下の女の子を殴る蹴るは、さすがに良心が痛むのだが。
え?
なのフェイはどうなんだって?
あの子達はほら、【全力全開】と【疾風迅雷】がモットーな魔法少女達だから。
全く持って問題ない。
いや、むしろ下手に手を抜けばこっちがやられる。
未来の白い魔王と金色の死神……コワイコワイ。
「あ、それなら大丈夫です!クリス〜!!」
「!!」
ヴィヴィオがクリスに呼び掛けると、クリスは敬礼しながらフヨフヨと近寄ってきた。
不思議だな。
クリスは話せないのに副音声で『了解しました!』みたいな感じで伝わってくる。
思念魔法の一種か?
「クリス!セーットアーップ!!」
ヴィヴィオの中にクリスが吸い込まれると、ヴィヴィオは俺と同年代程の体格に変化する。
美少女らしさを残しつつ、髪型もサイドポニーとなり、大人の女性へと変身した。
これはヴィヴィオが一時的に成長した姿になれる【大人モード】である。
ちなみにStrikerSでは、黒いバリアジャケットを纏って【聖王モード】、聖王ヴィヴィオとしてなのはの前にラスボスとして立ちはだかる。
その強さは間違いなくシリーズ最強クラスであり、特にその防御力はあのリインフォースを彷彿させるほどである。
まあ、現在の彼女はStrikerS時代の強さはなく、聖王の鎧も失われたため弱体化している。
それでも原作ViVidを終えた現在の時間軸では、恐らくではあるがインターミドル都市本戦レベルの強さはあると見て間違いないだろう。
そして何がとは言わないが、デカイ。
多分、E……いや、Fはあるかもしれん。
全く持ってけしからん美少女である。
「えへへへ。どうですか?」
ヴィヴィオが舌をペロッと出して聞いてくる。
「あ、ああ。とても綺麗だと思うぞ」
「綺麗!?ち、違います!そういう事じゃなくて……えーっと、そう!こういう大人モードになれば気兼ねなく手合わせ出来ますよ!……って、話です!!」
「ああ……そういう……てっきり容姿についての感想かと」
「あ、あの……そんなに綺麗……ですか?」
「紛うことなき美少女だぞ。学校でも相当モテるんじゃないか?」
「いえ、特にそういった事は……」
「あれ?ヴィヴィオ、こないだ告白されてなかったっけ?」
「リオ!?」
俺の質問に横からリオがしれっと答える。
まあ、こんな美少女だもんね。
そりゃ、モテるだろう。
ちなみにもし俺がヴィヴィオの同年代であれば、決して自分から話しかける事はないだろう。
だって振られたくないやん?
「まあ、その……うん……俺も変身しようかな?」
「露骨に話を変えた!?」
やかましいよ、リオさんや。
「セットアップ」
俺は再び死ぬ気化すると同時に、黒い篭手と脚甲を再装備する。
バリアジャケットには変わらずに黒ジャージのままである。
死ぬ気モードだと額に炎がついてしまうので今回は自重する。
そして俺はヴィヴィオから少し離れた位置に移動すると、彼女へと静かに告げる。
「さて、やろうか」
「……はいっ!」
俺とヴィヴィオが7〜8mの距離を空けて見つめ合う。
俺としても、未来のインターミドル出場選手の力には興味がある。
こう見えても、元の世界ではチャンピオンだからな。
「では、
審判を務めるアインハルトが簡単にこの試合の説明をする。
射撃魔法の類は禁止。
格闘のみのスパーリング。
俺とヴィヴィオから特に異議が上がることもなく、それを見て取ったアインハルトが一回頷いて腕を上げた。
「準備はいいですか?それでは、試合……始めッ!」
「いきますっ!」
合図と同時にヴィヴィオが高速で俺に接近する。
(早っ!?)
直後、ヴィヴィオが左ジャブを繰り出してきたので、俺は咄嗟に化勁でそれを受け流す。
「かわされた!?」
ヴィヴィオは驚くものの、今度は素早いフリッカージャブを繰り出す。
こちらも両手の化勁で受け流していくものの、攻撃速度が早すぎて受け流すのに精一杯であった。
俺は内心驚愕する。
(いやいやいや!?わずか10歳でもうこの練度かよっ!?)
ヴィヴィオの戦闘スタイルは原作知識で知っている。
視野が広く、反応と動作の速度に優れる彼女の戦闘スタイルは【カウンターヒッター】であり、特に打撃の速さと巧さは図抜けており、さらに避け勘と当て勘も合わせ持つ、稀有な才能の持ち主でもある。
必要以上の威力に頼らず正確な一撃で、相手の意識や行動力を刈り取る。
それが高町ヴィヴィオの武としての道なのだと……原作では語られていた。
だが知識として知っているのと、実際に体験してみるのとでは訳が違う。
(……まるでプロボクサーだっ!?)
拳を下げた構えから鞭のようにしならせて撃ち込まれるジャブフリッカー。
パンチの発射点と軌道が大変読みづらく、超直感を持っている俺でさえ、かわすのに苦労する。
とりあえず今は受けに集中して隙を
「すごい……ヴィヴィオのジャブフリッカーを初見でここまでかわすなんて」
「それだけじゃないよ、コロナ。あのお兄さん……対応力があり過ぎるんだよ。まるでヴィヴィオの攻撃がどこに来るか分かってるみたい」
「……一発も当たってないですもんね」
コロナ、リオ、ミウラが発言するが、正直構っている暇はない。
だが、受けに撤しているおかげでいくつか分かった事がある。
それはヴィヴィオがジャブフリッカーをするときは、左が主である事。
右は決め技専用であるのか、左に対して攻撃数が極端に少ない事。
それ故か、ごく僅かではあるが右で攻撃する際は大振りになる時がある。
その隙を付けば、彼女への攻略法もいけそうだ。
「くっ……当たらない!?」
ヴィヴィオは果敢に攻めているが、俺の化勁による制空圏は突破出来ないようだ。
制空圏とは、自分の攻撃が届く範囲に侵入したあらゆる攻撃に対して、自動的に反応して迎撃する技である。
熟練者の制空圏はさながらバリアのように機能し、敵の攻撃を防ぎきる。
当然、俺の武術の師匠であるリニスも修得している。
というよりも、ある一定のレベルにまで達すると自然と出来るようになる。
その証拠に恭也君や美由希さん、シグナムなどもよく似た事が出来る。
と、今はそんな事はいいか。
スパーリング中だし。
それにヴィヴィオのジャブのスピードにも慣れてきたし、そろそろ反撃させてもらおうか。
ここで俺は隙が出来るように、
「くっ!?」
「かすった!?」
そして俺は
「ここ!アクセル……スマッシュ!!」
彼女、ヴィヴィオは確かに強い。
僅か10歳でありながら、彼女の
だが、まだ甘い。
だからこそ、こんなにも簡単に俺に勝負の流れを掴まれる。
俺はヴィヴィオのアクセルスマッシュが迫る直前、太極拳秘伝の歩法【円地】を使用して彼女の背後へと回り込む。
「えっ……消えっ!?」
そして、首筋に手刀を叩き込んだ。
「あっ……」
すると、ヴィヴィオは倒れるように気を失う。
勝負ありだな。
それを見たアインハルトが声を上げた。
「そこまで!勝者……ヒエンさんです!!」
俺は死ぬ気化を解いて、思わず空を見上げる。
(いや、これでまだ10歳とか末恐ろしいんだけど……)
思わぬヴィヴィオの強さに戦々恐々とするのだった。
しばらく息抜きに外伝の方、書いていきます。
では、また( `・∀・´)ノ