大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

やべぇ。
うまく書けただろうか。
もう無理。
これ以上書けない。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第七十七話 決着、真剣勝負

アースラside

 

 

 

なのはとフェイトが対面しているとき、クロノとエイミィはその様子を見ていた。

 

「エイミィ、戦闘空間の固定は大丈夫か?」

 

「上空まで伸ばした二重結界に戦闘訓練用のレイヤー建造物…誰にも見つからないし、どんだけ壊してもだーいじょうぶ♪」

 

「そうか」

 

(この勝負でなのはが勝てばそれでいい。あちらのジュエルシードは、なのはと管理局(うち)に渡り、フェイトも保護することができる。

 

そしてなのはが敗北し、フェイトがジュエルシードを得たならフェイトは必ずプレシアの元に帰還する。

 

勝負の前後…最中に逃走経路に徹底して網を張り、帰還先を突き止め押さえれば事件の根本が解決する…!)

 

クロノには狙いがあった。

 

なのはとフェイトの真剣勝負……

 

実はどちらが勝とうが負けようが、時空管理局側にメリットがあるようになされていた。

 

なのはが勝てばジュエルシードの奪取とフェイトの保護、なのはが負ければフェイトの帰還先からのプレシアの捕捉を狙っていた。

 

まぁ、だからこそ…なのはのお願い、フェイトとの真剣勝負が許可されたのだが。

 

そしてなのはとフェイトの戦いがついに始まった。

 

「戦闘開始…かな」

 

「ああ」

 

エイミィとクロノが話す。

 

「しかし、ちょっと珍しいね…。クロノ君がこーゆーギャンブルを許可するなんて」

 

「あの二人の勝負自体はどちらに転んでも関係ないしね」

 

「なのはちゃんが戦闘で時間を稼いでくれてるうちにフェイトちゃんの帰還先追跡の準備……と」

 

「頼りにしてるんだ…逃がさないでくれよ」

 

「了~解ッ!まかせとけい!」

 

エイミィがサムズアップをする。

 

「でも……なのはちゃんに伝えなくていいの?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「なのはが勝ってくれるに越したことはないんだ。今は迷わせたくない」

 

クロノとてフェイトの境遇に何も思わないわけではなかった。だからこそアルフにフェイトを必ず助けるという約束をしたのだ。

 

そして何よりクロノは信じていた。

 

あの少女なら……高町なのはなら必ずやってくれると。

 

クロノとエイミィは静かに戦いを見守る…。

 

 

 

アースラside end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

なのはとフェイトは排出していたジュエルシードをいったんしまう。

 

そして一拍置いた後……

 

両者の戦いが始まった。

 

先攻はフェイト。

 

得意の高速機動を生かし、なのはに真っ正面から斬りかかる。しかしなのはは、とっさに後ろに跳びずさり、そのまま空中へと飛んだ。

 

フェイトもその後を追いかける。

 

高層ビルの隙間を縫うように、桜色の光と金色の光が高速で飛び交う。

 

互いの魔力光が混じりあい、まるで螺旋を描いているかのように激突する。

 

魔力光が混じりあった際に、時折爆発音や衝撃音が聞こえてくることから、両者共に接近した際に、デバイスをぶつけ合っているのだろう。

 

そして空中で凄まじい連鎖爆発がおこる。

 

 

 

ドドドドドドドッッッッッ!!!!!

 

 

 

なのはが逃げ、その後ろからフェイトが追いかける構図となっている。

 

しかしフェイトは即座に追い付き、なのはを爆風で吹き飛ばす。そして追撃とばかりにバルディッシュでさらに吹き飛ばす。

 

 

 

ドガアアァァン!

 

 

 

なのはは勢いよくビルを突き破って海面に激突した。

 

そして二度ほど海面を跳ねたが、体勢をうまく立て直し、再び空中移動へと入る。

 

見ていて少し焦ったが、思ったよりダメージはないようで安心した。

 

そしてなのはが水面ギリギリの低空飛行をしていると、背後にフェイトが現れ、電気を帯びた魔力弾を自身の周囲に4つ配置した。

 

 

《Photon lancer.》

 

 

『ファイア!』

 

 

そしてなのはに放つ。

 

 

『きゃっ!?』

 

 

背後からの攻撃に少し驚きながらも、ビルの側面を上昇しながら回避するなのは。

 

そしてビルの屋上付近にてロール運動で軌道転換し、フェイトの背後を取ることに成功する。

 

そして今度はなのはがフェイト目掛けて魔力弾を5つ生成する。そしてそのうちの4つを放った。

 

 

《Divine shooter.》

 

 

『シュート!』

 

 

フェイトはなのはの魔力弾をビルにぶつけることで数を減らす。しかしディバインシューターは誘導弾であるため、なのはの意思で自由に動かせる。

 

3発の魔力弾がフェイトの正面へと回る。

 

当たるかと思われた瞬間…

 

 

《Scythe form.》

 

 

3発ともバルディッシュの魔力刃で、一気にまとめて斬り払った。そしてそのままなのはへと一直線に向かい、再度バルディッシュを振りかぶった。

 

 

《Round shield.》

 

 

なのははそれを防御魔法ラウンドシールドで受け止める。

 

 

 

バリバリバリバリッ!!

 

 

 

両者の攻撃と防御が衝突し、凄まじい激突音が響く。

 

激しい競り合いが続く中、フェイトの後方から1発の桜色の魔力弾が飛来する。なのははあらかじめ避けられることを想定した上で放っていたのだろう。

 

魔力弾の存在に気付いたフェイトは、左手に1発の魔力弾を生み出す。

 

 

《Thunder Barrett.》

 

 

それを後方の魔力弾に放つと見せかけ、直接なのはへと放った。

 

それを食らったなのはは勢いよく海面へと吹き飛ぶ。そしてフェイトに迫っていた魔力弾は彼女に直撃する直前に消滅した。おそらくなのはの制御下から外れたせいだろう。

 

そしてなのははビルを突き破って海に落下した。そしてフェイトの魔力弾が爆ぜたのか巨大な水しぶきが上がり、煙が立ち込める。

 

 

『…ふぅ』

 

 

フェイトは付近のビルの屋上の柵に着地すると短く息を吐いた。

 

毎度思うのだが、フェイトはなぜそんな立ちにくい柵の上や、細いところによく立つのだろう?

 

俺ならおそらく着地する際に、足を滑らせて後頭部を強打する可能性大だろう。なにそれ悲しい。

 

そういえば以前もフェイトは、なのはと戦っているとき木の枝や電柱の上などに立っていた気がする。まぁ、カッコよく決めたいお年頃…なのかなあ。そう思うと結構お茶目なフェイトさんである。

 

すると次の瞬間、桜色の光が瞬いた。

 

それに気が付いたフェイトが直ぐ様飛び退く。

 

そのコンマ数秒後、彼女がいた一帯を桜色の閃光が吹き飛ばした。そして今までそこにあった柵は一瞬で蒸発した。

 

 

「………」

 

 

じょ、蒸発した……だ…と…((((;゜Д゜)))

 

 

どうやらなのはのコンディションは万全らしい。その証拠にディバインバスターの威力がいつもと比べてえげつないことになっている。というか威力が格段にアップしている。

 

一応、ビルの屋上にある柵ってたしか鉄でできてたよね?それが数秒もしないうちに蒸発?

 

あはは。

一体なんの冗談だ。

 

だが他にも驚愕したことはあった。

 

ディバインバスターの威力が上がっていることもビックリだが、驚くべきはなのはの成長速度であった。

 

ほんの数週間前ではフェイトに手も足もでなかったのに、今ではもう互角に戦っている。

 

っていうかフェイトのスピードもいつもに比べて格段に速いため、この子も確実に強くなっている。これ…もしかしてもあれだよね?確実に異世界での戦闘経験二人とも生きてるよね?

 

しかし……

それでも総合的な実力はフェイトのほうが上に思える。

 

まぁ、それでもふたりの実力差はほとんどないに等しいが…。

 

なのはとフェイト。

 

重装高火力型と軽装高機動型。

 

互いの相性としては互角のはずだ。

 

戦いをみる限り、どちらも今自分が持ちうる手札を全力できっている。

 

だがこの戦場自体は少々フェイトに不利かもしれない。高層ビルがあるとはいえ、遮蔽物自体が少ないので射撃魔法や、砲撃の盾にすることができないのだ。

 

まぁ、なのはならそんなもの関係なくビルごと撃ち抜くだろうが。

 

するとここで勝負が動いた。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

なのはside

 

 

 

海に叩きつけられたなのはであったが反撃としてディバインバスターをフェイトへと放った。

 

そしてそれに気付いたフェイトが跳躍してかわす。だがそれこそがなのはの狙いであった。

 

 

(…今まで見てきたお父さんや、お兄ちゃん、お姉ちゃんのお稽古…踏み込みでの抜刀。見よう見まねで出来ることじゃないけど……)

 

 

なのはは遥か上空からフェイトへと一直線に向かい、その勢いのままレイジングハートを振りかぶった。

 

 

《Flash move.》

 

 

「せぇええええ!」

 

 

そしてフェイトはその一撃をバルディッシュで受け止める。

 

 

 

 

 

 

ドォゴオオオオオオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

レイジングハートとバルディッシュの激突の影響で辺りに凄まじい衝撃波が起こった。

 

 

「…お、重い…」

 

 

フェイトからそんな一言がもれた。

 

なのはの重い一撃にフェイトの動きが少し止まった。

 

そのチャンスを逃すなのはではなかった。

 

右手をフェイトの前に向け……新魔法を放った。

 

 

「ストライク───スマッシャーーーッ!!!」

 

 

凄まじい桜色の砲撃がフェイトを襲った。

 

彼女は吹き飛ばされた勢いをそのまま利用して、高速で後方へ退避する。

 

なのははその後を追いかけた。

 

再び自分の周囲に十数発のディバインシューターを配置すると、勢いよくそれらを放った。

 

フェイトはさらにスピードをアップさせ、まるで見切っているかのように軽やかにかわしていく。

 

そして彼女の前に巨大な高層ビルが姿を現す。激突すると思われた瞬間、彼女は勢いよく横に逸れた。

 

その影響かビルの窓ガラスが次々と割れていく。そして軌道転換をすると、なのはと向き合った。

 

フェイトも自身の周囲に魔力弾を十数個配置すると、なのはへと勢いよく放った。

 

十数個の桜色と金色の魔力弾が真っ正面からぶつかり合う。

 

 

 

ドドドドドドドドドン!!!!!!

 

 

 

魔力弾のぶつかり合いで大爆発が起こる。

 

そんな中、なのはがいち早く爆炎から抜け出す。が、フェイトがその後ろから追随していた。

 

 

《Blitz shot.》

 

 

そして一発の魔力弾がなのはに放たれた。

 

 

「っつ………!!」

 

 

咄嗟にかわすなのは。

 

しかし金色の魔力弾は再び、なのはの目の前に回される。

 

 

《Fire.》

 

 

そして爆発する……と思われた瞬間、なのはがレイジングハートでそれをフェイトへと打ち返した。

 

しかしフェイトはそれすらも余裕をもってかわす。

 

 

 

ドオオォォン!!!

 

 

 

金色の魔力弾は海の中へそのまま吹き飛び爆発した。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

なのはは息切れを起こしながらもフェイトから目を離さない。

 

 

《She is more advanced than you.You won't beat her easily.(やはり実力的には彼女の方が上です。簡単には勝てません)》

 

 

「……知恵と戦術はフル回転中……切り札だって用意してきた。だからあとは、負けないって気持ちだけで向かっていくだけ!……でしょ?」

 

 

《All right my master.》

 

 

なのははレイジングハートを一振りする。

 

 

《We have help her. Don't lose heart.(では、不屈の勇気で……一緒に助けましょう彼女を)》

 

 

「そうだね。行こうかレイジングハート」

 

 

そして白と黒の魔導師は再びぶつかり合う。

 

 

 

なのはside end

 

◆◆◆

 

フェイトside

 

 

 

フェイトは毅然とした態度を取りながら、目の前のなのはを睨み付けていた。

 

しかしその内心は驚きでいっぱいであった。

 

 

(初めて会ったときは魔力が強いだけの素人だったのに……もう違う。……速くて強い……。迷ってたら……やられる……!)

 

 

フェイトはバルディッシュを構える。

 

 

(…わたしがここで負けたら……母さんを助けてあげられない…。"あの頃"に………戻れなくなる…!)

 

 

フェイトの脳裏にはプレシアと楽しく過ごした日々が思い出される。

 

そしてフェイトはバルディッシュを力強く握りしめ、なのはへと突貫した。

 

 

「はああぁ!!」

 

 

 

ガキン!!!!!

 

 

 

なのははレイジングハートでバルディッシュを受け止める。そして互いに後方へと吹き飛んだ。

 

 

(そう……あの日の……事故の直前までははっきり覚えてるんだ……)

 

 

フェイトの脳裏にはある光景が思い浮かんでいた。

 

そこには彼女の母親プレシアが働いていた研究所があった。その研究所をベランダから眺める山猫とフェイト。

 

すると突如、その研究所から金色の光が漏れだした。

 

 

(母さんのいた場所が遠くで光った)

 

 

そしてフェイトの意識はそこで一旦、途切れることとなる。

 

 

(次に目が覚めた時に見たのは……泣きながらわたしを見ている母さん)

 

 

そこには泣きながらフェイトを抱きしめるプレシアの姿。

 

 

(わたしはあの事故でケガをして……ずっと眠っていたんだって……)

 

 

そして泣いているプレシアを心配したフェイトが、右手でプレシアの顔に触れたとき……なぜか唖然とするプレシア。

 

 

『ママどうしたの?』

 

 

『……なんでもないわ』

 

 

(…あの頃までは母さんは笑ってくれていたんだ。)

 

 

なのはがフェイトのあとを追う形で攻撃を仕掛けていく。

 

フェイトは高度を上げながら、なのはから放たれる魔力弾を避け続ける。

 

そして雲を突き抜け、上空へと金色と桜色の魔力光が猛スピードで動き回る。

 

フェイトは咄嗟に後方に宙返りするように軌道を変えることで桜色の魔力弾をかわす。そして、なのはの背後を取った。

 

フェイトはそのまま魔力弾を生成し撃つことでなのはを牽制しつつ、バルディッシュをサイズフォームへと切り替え、近接戦闘に持ち込んだ。

 

一方のなのはも近接戦闘は望むところなのか応戦する。

 

ふたりは幾度もデバイスをぶつけ合いながら螺旋状に上昇していく。そして互いに距離を取った。

 

 

(……ここで私が負けたら母さんを助けてあげられない。……あの頃に戻れなくなる!)

 

 

フェイトの脳裏に再び、優しく笑いかけるプレシアの姿がよぎる。

 

フェイトは少し辛そうな表情をとるが、母の笑う姿を思い出したからか表情が引き締まった。

 

再度両者が激しくぶつかり合う。

 

そしてバルディッシュを槍に変え、フェイトはなのはへと突貫した。バルディッシュの先端には金色の羽が二つ、ついていた。

 

なのははその一撃を真っ正面からラウンドシールドで受け止める。

 

 

 

ガガガガガガガガ!!!!!!

 

 

 

激しくぶつかり合っているせいかスパークが起こる。

 

その影響かフェイトの脳裏にまたしてもプレシアの姿がよぎる。

 

 

『あなたが元気になったらまた一緒にピクニックにでも、遊園地にでもいきましょう?ね、()()()()?』

 

 

「アリ……シア……?」

 

 

フェイトの脳裏にアリシアと何度も()()に呼びかけるプレシアの姿が……

 

 

『アリシア……アリシア……』

 

 

(アリ……シア?……違うよ……母さん………わたしは……フェイトだよ?)

 

 

そして力の方向がずれてしまったのか、フェイトはラウンドシールドを展開していたなのはの隣を抜けて行ってしまう。

 

 

「違う!!そんなの……どっちでもいい!!」

 

 

フェイトは静止するのと同時に、迷いを振り払うかのように頭を激しく振る。

 

そして勢いよくなのはへ視線を向けた。

 

 

(勝つんだ!勝って母さんのところに……帰るんだ!!)

 

 

フェイトの瞳には必ず勝つ、勝って帰るという意思が見えた。

 

そしてフェイトは勝負に出た。

 

 

 

フェイトside end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

勝負を見守っていた俺はフェイトの変化に気が付いた。

 

俺は原作知識でこの戦いを知っている。なのでフェイトの変化も予測はついた。

 

 

(アリシアのことを思い出したか?)

 

 

少し心配になりながらも様子を見る。

 

 

『……次で決着をつける』

 

 

すると突然フェイトの足元に魔法陣が展開される。

 

 

『…いくよバルディッシュ』

 

 

それと同時にフェイトの周囲に膨大な量のスフィアが生成されていく。

 

 

『アルカス・クルタス・エイギアス…疾風なりし雷迅(らいじん)よ、いま導きのもと撃ちかかれ…バルエル・ザルエル・ブラウゼル…』

 

 

《Phalanx shift.》

 

 

展開されたのはおよそ約1,000発はあろうかというフォトンランサーの数だった。

 

なんという数の暴力であろうか?

 

俺が食らったプレシアのフォトンランサー100発の軽く10倍はあるのだ。さすがにあのとき、あんなものを食らっていれば、間違いなくお陀仏だった自信がある。

 

そしてそれを間近で見ていたなのはは移動しようとしたが、彼女の両手はいつの間にかバインドで固定されていた。

 

 

『え……!?』

 

 

身動きをとろうともがくなのは。

 

だがバインドはびくともしない。

 

 

『フェイト……ッ!』

 

 

『設置型のバインド…!?…それにあれは…!』

 

 

『ライトニングバインド……!まずいフェイトが本気だ……!』

 

 

『なのは……!いまサポートを……』

 

 

アルフとユーノが咄嗟になのはに加勢にいこうとするが……

 

 

 

 

 

 

『だめ───っ!!!!!』

 

 

 

 

 

 

なのはの大きな否定の言葉が木霊する。

 

 

 

『アルフさんもユーノくんも……手を出さないで…全力全開の一騎打ちだから…わたしとフェイトちゃんの勝負だから!』

 

 

『でもフェイトのソレはホントにまずいんだよ…!!』

 

 

『へ────きっ!』

 

 

なのはの顔に怯えや恐怖といった表情は一切なかった。いやむしろ受け切ってやんよ!!と言わんばかりの顔であった。

 

なのはさん…

そのお歳で既にそれだけ男前ってどういうことやねん。

 

普通の魔導師なら震えて当然の光景よこれ…。質量兵器でいえばショットガンやら、ガトリングガンでメッタ打ちにされるようなものよ?

 

いやしかし……

考えてみればそれは当然のことなのかもしれない。

 

なのはは末っ子とはいえ、あの戦闘民族高町家のご息女なのだ。この子にも暗殺をなりわいとした御神の血が流れている。

 

そりゃこんだけ度胸があってもおかしくはないか?

 

 

『ファランクス……打ち……砕けェェッッ!!』

 

 

そのとき魔力弾の嵐がなのはへと一斉に向かっていく。

 

 

 

ドガガガガガガガ!!!!!

 

 

 

爆音と煙が止むことなく発生する。その破壊の余波か周りのビルやマンションが勢いよく倒壊していく。

 

なのはのいた付近一帯が、軽く津波まで起こっていた。

 

 

『なのはーーっ!』

 

 

ユーノのなのはを呼ぶ声がかすかに聞こえたが、爆発音ですぐにかきけされた。

 

あらかた魔力弾を撃ち終わったフェイトは右手を上げる。

 

すると周囲のスフィアがひとつにまとまる。そしてスフィアは巨大な槍に姿を変えた。

 

 

『スパーク……エンドッッ!』

 

 

そして巨大な雷の槍をなのはへと勢いよく放った。

 

 

 

ズドドドドドドド!!!!!

 

 

 

雷の槍は真っ直ぐ直進し、着弾と同時に周囲の海を吹き飛ばす。雷の破壊力が大きいのか建設物を一瞬で破壊していく。

 

その影響で生じた煙により、なのはの姿は未だに確認できない。

 

フェイトは肩で息をしており、疲労していた。

 

 

『はぁ……はぁ……はぁ……』

 

 

しかし、油断はせず息を整えながら煙が晴れるのを待っている。そして煙が晴れた。

 

そこには……

 

 

 

『っ……たぁ……』

 

 

 

バリアジャケットを多少ボロボロにしつつも未だご健在のなのは様がおられた。

 

スゴイッスナノハサン……マジソンケイシマス。マジリスペクトッス。

 

 

『…打ち終わると…バインドってのも解けちゃうんだね…?』

 

 

そしてなのはは勢いよくフェイトへデバイスを向けた。

 

 

《Can you move ,Master?(いけますかマスター?)》

 

 

『いけるよレイジングハートッ!!』

 

 

そしてなのはは、レイジングハートを変化させる。

 

 

《Cannon mode.》

 

 

『………今度はこっちの………番だよッ!』

 

 

なのはのそのセリフを聞いたとき、俺の脳内で、なのは専用の処刑用BGMが流れた。

 

なんのことか分からない人はY〇utubeかニ〇ニ〇動画で【なのは 処刑用BGM】で検索すれば出ると思うよ((((;゜Д゜)))

 

 

「なあ相棒?」

 

 

『ガゥ?』

 

 

「この戦い編集して、前世の映画みたいにBGMも歌も全部再現して、高町家の皆にいつか上映会として見せようか?」

 

 

『ガウガウ!!』

 

 

『お、いいねー』という内容の思念をいただく。さすが相棒、よく分かってらっしゃる。

 

 

「題名はもちろん魔法少女リリカルなのはで」

 

 

これをネタになのはをゆすれば……説教から……逃れられる!!それとは別にアリサやすずか、果てにはさざなみ寮や、アースラまで皆まきこんで上映会をしてあげようではないか。

 

ふはははははははははははははははははははははははは!!!!!あっはっはっはっ!!!!!はーっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!(゜▽゜*)

 

と俺がどこかの悪役科学者の如く思わず高笑いをしながらサーチャーに目を移すと……

 

なぜかフェイトの表情には一瞬だが恐怖するような感情が表れていた。

 

うん。

気持ちは分かるぞフェイトよ。

 

自信ある必殺技を食らわせたのに、それを食らってピンピンしてるって、それなんの大魔王やねんって話になるよね。

 

そしてフェイトは恐怖を掻き消すかのように声を上げ、攻撃に移ろうとする。

 

 

『あぁぁ…ッ!!』

 

 

しかし…

 

 

『…な……ッ!』

 

 

いつのまにか右手と両足をバインドで固定さていた。

 

 

『バインド……!?いつ!?』

 

 

実はなのはがフェイトのライトニングバインドで拘束されたとき……なのはもフェイトをバインドで拘束していたのだ。

 

そしてレイジングハートに魔力エネルギーが収束される。

 

なのはの反撃が始まろうとしていた。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

フェイトside

 

 

 

「ディバイン……バスターーー!!!』

 

 

フェイトに一撃必殺の砲撃が放たれた。

 

 

「う……あああぁ………ッ!!」

 

 

放たれた桜色の砲撃を唯一動く左手でラウンドシールドを展開し、受け止めるフェイト。

 

 

(…直撃………!)

 

 

左手に重い負荷がかかる。

 

 

(でも耐えきれる……!)

 

 

重い衝撃に左手の手袋が破れていく。

 

 

(あの子だって…もう限界のはず…)

 

 

背中のマントも外れる。

 

 

(これを…耐えきれば…!!)

 

 

「ああ……ぁ……っっ!!」

 

 

そして砲撃が終わった……と同時に重い負荷がかかるのも終わった。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

そしてフェイトは周囲がやけに静寂なことに気付く。

 

と同時に自分の周囲で起きている現象に気が付いた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そして視線を上げた彼女の目の先には……

 

 

「……集束…砲撃……ッ!!」

 

 

星のように輝いている巨大な桜色の光が映っていた。

 

 

 

フェイトside end

 

◆◆◆

 

なのはside

 

 

 

《StarLight Breaker.》

 

 

(使いきれずにバラ撒いちゃった魔力をもう一度自分のところに集める)

 

 

なのはは戦闘で撒かれた魔力を前方の巨大な桜色の光球に集めていく。その周囲を大きな環状魔法陣が取り巻く。

 

 

(レイジングハートと考えた知恵と戦略、最後の切り札!)

 

 

 

ギュイイイイイイ

 

 

 

エネルギーがさらに集束される。環状魔法陣が回転し、戦闘空間に漂う魔力の残滓を掻き集める。

 

 

「受けてみて………っディバインバスターのバリエーションっ!」

 

 

魔力はさらに集束し、光球は瞬く間に数十倍に膨れ上がる。

 

 

「…これがわたしの全力全開ッッッ!!」

 

 

レイジングハートを上方に構え……そして……勢いよく振り下ろした。

 

 

 

「スターライトオオオオォォォ………

 

 

 

 

 

 

ブレイカアァァァーーーーーっ!!!」

 

 

 

流星のような巨大な桜色の光の塊が放たれた。

 

 

 

「うぅ………あああ……ッ!」

 

 

 

フェイトも負けじと複数のシールドを展開する防御魔法マルチディフェンサーを展開させる。

 

 

 

そして鬼気迫る顔で必死に魔力を送っていた。

 

 

 

しかし放たれた膨大な桜色の魔力は、マルチディフェンサーに衝突すると次々と破壊していく。

 

 

 

その影響か桜色の魔力の塊の一部が拡散し、次々と広範囲でビルを塵に還していく。

 

 

 

拡散していく魔力はまるで流星群を彷彿とさせ、そしてそれらの魔力エネルギーが海面に落ちると爆発と爆音が起こる。

 

 

 

そして……

 

 

 

フェイトはその光の塊に飲まれてしまった。

 

 

 

なのはside end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

( ゚д゚) ・・・

 

 

 

 

 

(つд⊂)ゴシゴシ

 

 

 

 

 

(;゚д゚) ・・・

 

 

 

 

 

(つд⊂)ゴシゴシゴシ

 

 

 

 

 

 

(;゚Д゚) …!?

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 

 

しばらく立ち直るまでに時間がかかった。

 




がんばった。
ちょーがんばった。

ちなみに今回の戦闘の参考はテレビ版と、映画版と、マンガ版とほぼ全部です。

では、また(・∀・)ノ

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