大空の炎の力を操る転生者   作:Gussan0

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どうも(゜▽゜*)

とりあえずかけた。

いよいよ時の庭園編クライマックスが近付いてきたー。

では、どうぞ( *・ω・)ノ


第八十四話 崩壊する時の庭園

なのはside

 

 

 

フェイト達と別れたなのはとユーノは、時の庭園の最上階にある駆動炉を封印するため、それに向かうエレベーターに乗っていた。

 

 

「フェイトちゃん達大丈夫かな?」

 

 

なのははポツリと呟く。

 

 

「大丈夫だよきっと。アルフとリニスさんもついてるし」

 

 

ユーノがなのはを励ますように返す。

 

 

「そうだよね」

 

 

「うん、そうだよ」

 

 

二人は仲良く笑い合う。

 

 

中々に甘い空気である。

 

 

「でも僕は正直、フェイトのお母さんと戦ってる兄さんの方が心配だよ。クロノの話じゃ二日前に一度戦ったことがあるみたいだし……」

 

 

「………」

 

 

(二日前……やっぱりあのとき別の所に跳ばされてたんだ)

 

 

なのはは異世界から帰ってくるときの事を思い出していた。あのとき、あの少年だけが時の庭園に跳ばされ、プレシアと戦う羽目になってしまったのだ。

 

 

(私も同じ所に跳ばされてたら……ヒエン君、大ケガせずに済んだのかな……)

 

 

なのはは考える。

もしあのとき自分も同じ所に跳ばされていればあの少年がさらにケガをせずに済んだのではないか…と。

 

少年とプレシアが映っている映像を見たときは本当に驚いた。そしてさらにボロボロになっている姿にも。頭には包帯が巻かれており、顔もどこか辛そうであった。会話内容にももっと驚いたが……。

 

殺したはずだとか、死んでなかったという言葉が聞こえてきたとき、思わず心臓が止まるかと思ったほどの衝撃をなのはは受けた。

 

少し補足すると、あのときはリニスも同じような衝撃を受けていたりする。

 

 

「どうしたのなのは?」

 

 

「ふぇ?」

 

 

そのときユーノが心配そうに声をかけてきた。

 

 

「なんだかボーッとしてたみたいだから」

 

 

「う、ううん。なんでもないよ。少し緊張してきただけ」

 

 

なのはは首をブンブンと横に振る。

 

 

(そうだ。今は自分のやらなきゃいけないことをしっかりやらないと!)

 

 

なのはは決意を新たにしていると…

 

 

 

チーン

 

 

 

エレベーターが最上階に到着した。

 

エレベーターの扉が開く。

 

そして二人はエレベーターの先の光景を見ると、目を見開いた。

 

 

「傀儡兵がまだこんなに……」

 

 

そこには100を越えようかというほどの数の傀儡兵がいたのだから。

 

 

「来るよユーノくん!」

 

 

そのとき傀儡兵達から一斉射撃がとんでくる。

 

ユーノはとっさになのはを庇うように前に出る。そして防御魔法プロテクションを使用し攻撃を防ぐ。

 

 

 

ドドドドドドドッッッッ!!!!!

 

 

 

だが、たとえどれだけ数が多かろうが、一斉射撃を放とうが、万全の状態であるユーノの防御魔法はそう簡単に抜けはしない。

 

ユーノは攻撃を防ぎながらなのはへと話す。

 

 

「防御はボクがやる…。なのはは、あの先にある駆動炉のコアの封印に集中して」

 

 

「うん………いつもどおりだよね」

 

 

なのははユーノに優しい笑顔を向ける。

 

 

「ユーノくんは…いつもわたしと一緒にいてくれて……守っててくれたよね」

 

 

「………///」

 

 

なのはの言葉に思わず顔が赤くなるユーノ。

 

そんなユーノになのはは気付かず、レイジングハートを構える。

 

 

《Cannon mode.》

 

 

「……だから戦えるんだよ……背中がいつも……あったかいから」

 

 

レイジングハートにエネルギーが収束される。

 

 

「いくよ…!ディバインシューターフルパワー……シュートっ!」

 

 

そして二人は駆動炉のコアを封印するため、動き出す。

 

ユーノの後ろから、なのはがディバインシューターで傀儡兵達を倒していく。

 

 

「よし!その調子だよなのは!」

 

 

「うん!」

 

 

なのはは攻撃をしながらある二人の親友の姿を思い出していた。

 

 

(いつも心配してくれてるすずかちゃん…。困った時はいつだって助けてくれるアリサちゃん…)

 

 

ディバインシューターの数をさらに増やし数体の傀儡兵を倒す。

 

 

(わたしの背中には支えてくれているみんながいる……だから頑張れるんだ!)

 

 

そしてとどめとばかりにディバインバスターを放ち、傀儡兵達を一掃した。

 

ユーノが防ぎ、なのはが攻撃する。

 

確実に傀儡兵達の数は減っていった。

 

 

「行くよ!レイジングハート!!」

 

 

《All right.》

 

 

そして二人は駆動炉へと駆け出していった。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…」

 

 

ユーノは短く息をはく。

 

少し魔力を消費してしまったものの動けないほどではない。

 

ユーノは駆動炉のコアを封印しているなのはの様子を見る。

 

今現在、なのははレイジングハートの指示に従い、駆動炉のコアを封印している。

 

そしてしばらく経つと、茜色の結晶体がピカリと光りながら、レイジングハートの赤い球体の中へと吸い込まれた。

 

どうやら封印は無事うまくいったようだ。

 

なのはがユーノの所に駆け足で戻ってくる。

 

 

「封印できたよユーノくん」

 

 

「みたいだね。じゃあすぐに兄さん達の所に向かおうか?」

 

 

「うん!」

 

 

そして二人が移動を開始しようとしたとき……

 

 

 

 

 

 

ドオオオオォォォォンンン!!!!!

 

 

 

 

 

 

「きゃっ!」

 

 

「なのは!」

 

 

突然爆発音が聞こえ、思わず姿勢を崩してしまったなのはをユーノが支える。

 

 

「大丈夫?」

 

 

「うん。なんとか」

 

 

「これは……時の庭園が揺れている?」

 

 

 

突如、時の庭園が激しく揺れ始めた。

 

 

 

なのはside end

 

◆◆◆

 

ヒエンside

 

 

 

ドオオオオォォォォンンン!!!!!

 

 

 

突如、爆発音が時の庭園中に響き、周りの地面や壁に亀裂が入る。

 

バカな!?

ジュエルシードはまだ俺が持っている。次元震だって起こっていないはずだ。

 

 

「プレシア!お前、一体何を!?」

 

 

俺の焦るような声を聞いて少しおかしくなったのか、プレシアは少し笑いながら話す。

 

 

「別に……大したことはしていないわ。時の庭園内にある貯蔵していた魔力を少し……解放しただけよ」

 

 

貯蔵魔力?まさかそれを……

 

 

「暴発させたのか……」

 

 

「ご名答」

 

 

なるほど…。

つまり、こんなバカデカイ庭園を動かすエンジンは駆動炉だけじゃなかったってことか。

 

大方、貯蔵魔力は緊急事態が起きたときのための予備電源といったところか?

 

考えてみればそうだ。

こんな大規模な施設を動かすのに保険をかけていないはずがなかった。

 

だがその間にも崩壊はどんどんと進んでいく。

 

そして俺達の足場まで崩れようとしていた。

 

 

「まずい……っ…!」

 

 

クロノが思わず声をあげる。

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴ…………

 

 

 

『クロノ君達!今すぐ脱出して!崩壊までもう時間がないよ…!』

 

 

「了解した…」

 

 

そのときエイミィから念話が届く。

 

その声は俺達にも届いていた。

 

 

「ヒエン!リニス!フェイト・テスタロッサ!君達も今すぐ脱出するんだ!!」

 

 

クロノが俺達に必死に声をかける。

 

しかしその間にも事態はどんどんと最悪な方向へ進んでいく。

 

 

「私は行くわ……アリシアと一緒に」

 

 

「……母さん……」

 

 

「言ったでしょう…?私はあなたが大嫌いだって……」

 

 

プレシアは少し笑いながらフェイトに話す。そしてアリシアのカプセルに寄り添った。

 

あの野郎!?

まさかあのまま虚数空間に落ちてアリシアと一緒に死ぬつもりか!?

 

 

「母さん……アリシア!?」

 

 

フェイトもその事に気付いたのか急いで駆け寄ろうとするが、地面が崩れて先へと進めない。

 

その間にも地面の亀裂は激しくなっていく。

 

冗談じゃない!

これを避けるためにわざわざプレシアを待ち伏せして、ジュエルシードも奪って、戦って大ケガまでして……やっとこさ止めたってのに!!

 

このままでは俺が必死に考えて実行した『プレシアからジュエルシード奪って次元震死ぬ気で防ごうゼ大作戦!!』の意味がなくなる!?

 

これまでの俺の苦労が全部水の泡になるじゃねぇか!?

 

くそったれ!

これ以上あの50代後半のくせに未だにイタイ衣装を着ているオバハンに、好き勝手されたあげく原作と一緒の運命なんぞ辿られてたまるかクラアアアァァーーーーーーーー!!ヽ(゚Д゚)ノ

 

俺はすぐに凍結の鎖(フリーズバインド)を生み出し自分の体にグルグルと巻くと、それを縄のように作る。そして側にいたリニスの肩にかけるとその縄を預けた。

 

 

「リニスこれしっかり持って、合図したら引っ張りあげてくれ!!」

 

 

「え?は、はい。それはいいんですけど、あなたは何をするつもりで……ってま、まさか!?」

 

 

 

ピシッ

 

 

 

ピキキキ

 

 

 

ガララララ

 

 

 

すると、プレシアとアリシアの入っているカプセルが赤黒い空間:虚数空間に落ち始めた。

 

 

 

「アリシア……母さんッッッ!」

 

 

 

フェイトが泣きながら手を伸ばすが間に合わず、後ろから来ていたアルフに止められる。

 

 

「フェイト……!」

 

 

そしてプレシアとアリシアの二人は、そのまま虚数空間へと落ちていってしまった。

 

それを見た俺は即座に炎の翼を展開させ、その後を追いかける。リニスが何か言っていたが話してる暇はないのでそのままスルーする。

 

凄まじいほどの賭けになるが、超直感の警鐘はいつもに比べて、少ししかなっていないしいけるはず!!………たぶん。

 

そして未だに泣きながら手を伸ばしているフェイトの横を高速で通り抜けると、念話ですぐに知らせる。

 

 

『安心しろ。すぐに助けてやる』

 

 

そして俺も二人の後を追いかけ虚数空間の闇へと勢いよく降下していった。

 

 

 

ヒエンside end

 

◆◆◆

 

プレシアside

 

 

 

「アリシア……」

 

 

プレシアはアリシアと共に虚数空間を落ちながら……ある記憶を思い出していた。いわゆる走馬灯と呼ばれるものだ。

 

 

『アリシア…お誕生日のプレゼント…何か欲しいものある?』

 

 

『んーとねー……』

 

 

そこはテスタロッサ親子:プレシアとアリシアがよくピクニックにくる野原であった。

 

アンクレス地方と呼ばれるミッドチルダ北西部にある自然豊かで、のどかな場所である。ちなみにプレシアとアリシアの出身地でもある。

 

二人はそこで仲良くランチを食べていた。ちなみに今はプレシアがアリシアに欲しい誕生日プレゼントは何か聞いているところである。

 

 

『わたし()が欲しい!』

 

 

『え…ええー?』

 

 

しかし愛しの愛娘の答えは……予想の遥か斜め上をいっていたが。

 

 

『…うん!絶対に()がいい!』

 

 

『………』

 

 

アリシアは満面の笑みでプレシアに話す。

 

 

『だって()がいたらお留守番も寂しくないし…ママのおてつだいもいっぱいできるよ?』

 

 

『そ……それはそうなんだけど』

 

 

()がいいー……ママ約束!』

 

 

プレシアはやれやれといった表情をとる。だが愛しの愛娘の嬉しそうな顔を見ると……嫌とは言えず、つい首を縦に振ってしまった。

 

 

『ええ、約束』

 

 

そして二人は互いの小指を合わせ、指切りげんまんを行った。

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

プレシアはアリシアのはいったカプセルを抱き締める。視線を上に向けると、フェイトが泣きそうな顔でこちらに必死に手を伸ばしていた。

 

 

 

 

 

 

「いつもそうね……いつも私は……」

 

 

 

 

 

 

プレシアの脳裏には…

 

 

 

 

 

 

アリシアとフェイト…

 

 

 

 

 

 

リニス…

 

 

 

 

 

 

そしてプレシア…

 

 

 

 

 

 

家族四人で仲睦まじく…

 

 

 

 

 

 

楽しく暮らす姿がよぎった。

 

 

 

 

 

 

「気付くのが…遅すぎる…」

 

 

 

 

 

 

そしてプレシアは目を閉じる。

 

 

 

 

 

 

「……一緒にいきましょうアリシア………今度はもう離れないように……」

 

 

 

 

 

 

そして彼女達は静かに虚数空間の重力の底へと落ちていった……。

 

 

 

 

 

 

『………!』

 

 

 

 

 

 

すると何か聞こえたような気がした。

 

 

 

 

 

 

『………ア!』

 

 

 

 

 

 

誰かの声だ。

 

 

 

 

 

 

『………シア!』

 

 

 

 

 

 

誰か呼んでいるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

『………レシア!!』

 

 

 

 

 

 

それにしてはずいぶんと聞いたことのある……どこか不愉快さを覚える声だ。

 

 

 

 

 

 

『プレシア!!』

 

 

 

 

 

 

するとその不愉快な声が、自分の名前を呼んでいることにプレシアは気が付いた。そしてソッと目を開ける。

 

 

 

 

 

 

そこには予想外な光景が彼女の目に映っていた。

 

 

 

 

 

 

「はぁー。ようやく気が付いたか。っていうかなにが気付くのが遅すぎるだよ?気付いたらまたやり直せばいいだけのことだろうが。まぁ、今はまずこの危機を脱しないとな。とりあえず……細かいことは置いといて、帰るぞその子も一緒に。フェイトとリニス、アルフが待ってる」

 

 

 

 

 

 

()()()使()()()()()()()()()()()で炎の翼をはためかせ、アリシアのカプセルと自分を支えている額に炎を灯した少年が目の前にいたのだから。

 




さぁ、虚数空間に落ちたプレシアとアリシアを救い出せるのか?

では、また(・∀・)ノ

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