時の庭園編ラスト!
では、どうぞ( *・ω・)ノ
ヒエンside
俺は急遽カプセルの中で溺死しそうになっているアリシアを出すため、右手に魔力を集める。
そして分身にカプセルを任せると俺は技を放った。
「
少し小さいファイアカッターを作り出すと、それでアリシアのカプセルを両断する。
そこから勢いよく水が飛び出すと同時にアリシアも出てきたので直ぐ様受け止める。
しかしアリシアは現在、服一枚着ていない状態なので
「ケホッ……ケホッ……ケホッ……」
「大丈夫か?」
アリシアは呼吸がうまくできていないようだった。そりゃ当然か。目が覚めたらいきなり水の中だったんだ。びっくりするわなうん。
カプセルはそのまま虚数空間へとポイ捨てし、俺は出口へと飛んでいく。その際に、役目を果たしてくれた分身にお礼を言っておくのも忘れない。
分身は何も言わず背を向け片手をあげながら、そのまま消えていった。
え?
本当に俺?
なんか去っていく後ろ姿がチョーカッコいいんですけど?
本体よりメチャクチャイケメンな行動取ってるんですけど?
まさに背中で語る男になってるんですけど?
というか分身体の三人にはいつもお世話になりっぱなしだ。これは彼らにも休暇を与える方が良いかもしれぬ。
最近気付いたけんだけど、分身体三人って俺とビミョーに性格が違うんだよね。
今はやてのところにいる分身Aは真面目だし、プレシアを連れていった分身Bは気をよく遣ってくれるし、さっきの分身Cは少し寡黙な所があるのだ。
あるとき分身体の数を増やしたことがあるのだが、三人以上増やすと、単純な命令しか聞けない人形みたいになってしまったことがあった。三人の個性は消したくないので人数的なバランスやコントロールを考えれば三人が丁度良かった。
俺がそんなことを考えているとふと視線を感じた。その視線の持ち主は俺の腕の中にいるアリシアであった。アリシアは俺の顔をジーッと見ていた。何か俺に言いたいことでもあるのだろうか?
「どうした?」
俺はアリシアに話しかける。
「お兄ちゃん助けてくれてありがとう」
「あ、ああ。どういたしまして」
どうやらお礼を言いたかっただけのようだ。だが次のアリシアの発言で俺は驚愕した。
「それとママとフェイトのことも助けてくれてありがとう」
「え?」
そして俺は思わず片言になりながらもついに虚数空間の出口にたどり着き、勢いよく飛び出た。
ドゴオォッ!!「フェイトちゃん!」
そして丁度、上から砲撃で天井を破壊しながらやってきたなのはと目が合ってしまった。
「「あ」」
なのはの視線が俺を捉える。
「………」
そして俺が腕に抱えているバスタオルにくるまれたアリシアを見る。
「………」
もう一度俺を見る。
「………」
もう一度アリシアを見る。
「………」
もう一度俺を見る。
《Cannon mode.》
そしてゆっくりレイジングハートを俺へと向けた。
ジャキ…
「ちょっと待て誤解だなのは」
《Restrict Lock》
問答無用でバインドをかけられた。
「お兄ちゃん?」
するとアリシアが俺に小首を傾げながら顔を向けてくる。その顔は純粋無垢でまだ何も知らない生まれたばかりのヒヨコのような印象を受けた。そんな顔を見ていると、本当に俺が何か悪いことをしてしまったかのような錯覚に陥る。
「ヒエン……」
すると俺の後ろから底冷えたような声が聞こえてきた。
俺はソッと後ろを向く。
案の定そこにいるのはリニスさんであった。だが顔は少し俯いているのか前髪が丁度、目を隠す位置取りとなっておりその表情は見えない。が、アリシアの姿を捉えると、俺の手からいつの間にかリニスの手の中に渡っていた。
そしてリニスはプレシアの所にまでアリシアを送りにいった。その入れ替わりに、なのはと一緒にやってきていたユーノと、そしてアルフ、クロノが順番にやってきた。
「チェーンバインド」
「リングバインド」
「ディレイドバインド」
そして順番に俺にバインドをかけていった。
「ちょっと待てお前ら…。なんで俺にバインドをかける?」
「自分の胸に聞いてください」
「自分の胸に聞きな」
「自分の胸に聞け」
かけられる覚えがありすぎて説得は無理そうであるorz
いやまだだ!
まだ終わらんよ!?
「ほら、急がないと城が崩壊してくるし」
「ああ、心配するな。魔力の乱れは艦長が食い止めてくれている。なので庭園の崩壊も
え?
俺は周りを見渡す。
言われてみれば確かに時の庭園の崩壊は止まっていた。
Oh……
ナンテコッタイ……
『まだまだ時間はあるから大丈夫よ?』
そしてトドメとばかりに俺だけに念話を送ってくるリンディさん。
いやまだだ!
まだ終わらんよ!?
俺は最後の希望とばかりにフェイトへと視線を向ける。フェイトなら俺のことを庇ってくれるはず!!!そして俺はフェイトへと視線を向けると……
「ママ!フェイトに今までのこと謝って!!」
「「ア、アリシア!?」」
そこにはリニスに支えられているアリシアが、プレシアに何やら噛み付いていた。
「わたし…ずっと見てたんだから!ママがフェイトにヒドイことするところ!」
「「え?」」
アリシアの発言にプレシアとフェイトは一緒に驚く。
「ママがフェイトに………わたしの
「アリシア!?」
「………」ポカーン
「………クスクス」
アリシアは勢いよくソッポを向き、プレシアは娘の怒りに右往左往し、フェイトは口をあげながらポカーンとし、リニスは小さくその様子を見て笑っていた。
「………」
うん。
見た感じムリそうだ。
「「「「さぁ、覚悟はいい?/ですか?/かい?/か?」」」」
いやまだだ!
まだ終わらんよ!?
俺は調和の能力でバインドを解除しようとするが、それを見たなのはたちがさらにバインドの数を増やした。
なぬっ!?
調和の能力が追い付かないだと!?
そして俺はバインドでガンジガラメにされる。それでも俺が諦めずに脱出しようとしていると……
「ちなみに今ここでお仕置きを受けておいた方が懸命だぞ?」とクロノが一言。
え?
なんやて?
「ここでお仕置きを受けずに帰ったとしたら、終わってからが地獄だぞ?度重なる命令無視に、命令違反。アースラへの生存報告の連絡不行き、そしてプレシア・テスタロッサへの単独戦闘行動、そして前代未聞の虚数空間への飛び降り、あとその他もろもろ。反省文は優に100枚は越えるだろうし、説教だって一日二日では終わらないぞ?それに罰として強制的に僕との訓練だって待っているぞ?」
そこになのはが続く。
「ここで受けなかったら、前にいってたお兄ちゃんとお父さんの訓練
さらにユーノも続く。
「僕が監修した地獄の兄さん特別訓練だって待ってますよ?」
さらにアルフも続く。
「リニスがいってたけど、これ受けないと総仕上げの訓練、倍にするっていってたよ?」
俺は天を見上げた。
「どう見ても俺に救いがない件について」
そしてなのははレイジングハートを構えエネルギーをチャージし…
ユーノは前方に緑の魔法陣から無数のバインドを増やし…
アルフも前方にオレンジの魔法陣を出しそこから強力な電撃をバチバチとならし…
クロノもS2Uを構え、エネルギーをチャージした。
「ちなみにいっておくがこのお仕置きを受けたあとは、さっきいった罰はチャラにしてやろう。僕たちもそこまで鬼ではない。貴様が今まで、どれだけ皆に心配をかけたか反省すればそれでいい」
そしてクロノ達は横一列に並び……それぞれ視線を向けた。
「さぁ、どうする?」
ここでお仕置きを選べば地獄の特訓という名の罰は免除され、お仕置きを逃れれば地獄までの片道切符という名の罰が待っている。
そんなのどちらを選ぶかなんて既に決まってる。
「お仕置きで……ヤサシクシテネ」
「……よかろう」
誰が鬼のような特訓なんぞ選ぶかー!!
「いくぞ皆。さぁ、覚悟しろ」
「ディバイーーーン……」
「アレスター……」
「サンダー……」
「ブレイズ……」
そして四人のデバイスや魔法陣に桜色、緑色、オレンジ色、青色の魔力エネルギーが収束される。
その光景を見ていた俺に様々な記憶が思い返された。
俺が生まれてからの記憶に始まり、アメリカで育った小学校生活、そして途中で海鳴市に引っ越してきた中学生活、そこからなのはと知り合い、リニスと出会い地獄のような特訓の日々を続ける高校生活。そしてジュエルシードを巡って異形と戦った日々、異世界に巻き込まれ英霊と戦った数時間、そしてラスボスと邂逅しズタボロにやられ、いろいろあり、お仕置きを受けることになった現在。
なるほど…
これが走馬灯か。
って納得できるかーーー!!
「バスターーーーッッ!!!」
「チェーンッッッ!!!」
「フォールッッ!!!」
「カノンッッッ!!!」
そして四人からお仕置きという名のそれぞれのエネルギーが放たれた。
俺の視界が真っ白になる。
俺はそれを見ながら誓った。
『魔法少女リリカルなのは the movie 1st』を必ず作り、こやつらの黒歴史を確実に世間に丸裸でさらしてやんよーーーー!!!
ただでは消えん!!
ただでは消えんぞおおぉぉ!!!!
俺は奴ら全員に復讐を誓った。
そして俺の視界はブラックアウトするのだった。
無印編堂々完結!!
このあとは後日談形式で書いていきやす。
では、また(・∀・)ノ