死後の世界から飛ばされて着いたのが
駆け出し冒険者の町、アクセル
(なるほど、本当に異世界に来てしまったようだな)
周りを見渡す限り自分が知らないものが多く存在しており
異世界に来たというのが嫌でも実感できた。
(とは言ったものの、とりあえずこの二人をなんとかしなくてはな)
隣を見ると泣きながらカズマに掴みかかって騒いでいるアクア。
周りの人は変なものを見る目で離れていってしまう
「…二人共落ち着け。異世界とはいえ、少しは周りの目を気にしろ」
「「あっ…すいません」」
周りを見渡して状況を理解したのか、少し赤くなりながら静かになった
「とりあえず状況の整理と今後の行動を決める
俺たちは今異世界に来たばかりで何も分からない状態に加えて
持ち物は身につけているもの以外は何もない」
「おいアクア、なんか初期装備みたいなものは支給してくれねぇのかよ」
「知らないわよそんなこと!私の仕事はここに転生させることだっただけで
そのあとのことは管轄外だわ」
ジト目でアクアを睨むカズマ
「ということは、まずは金を稼がなければ話にならんな
今日の宿の確保も危うい状況だ」
「待ってくれイタチさん!こういう時はギルドだ!
そういうところに行って情報収集するのがRPGの基本だ」
「な、急に頼もしく見えてきたわ…」
「なるほど、情報は大事だな」
「そうと決まれば出発だ!」
「どうやらここみたいだな」
「うひっ、おっかねー」
「早いとこ金を稼ぐ方法を探そう」
中に入ると飲食をしている武装した人々がたくさん居て
奥には窓口のようなものがあった
カズマが冒険者から聞いた情報によると
奥で冒険者登録ができるらしい
そして窓口にて
「はい、今日はどうされましたか?」
「えと、冒険者になりたいんですが…」
「そうですか。では最初に登録手数料がかかりますが?」
「ハイハイ…は?登録手数料?」
カズマはこちらを向いて金の有無を確かめる
「私はお金持ってないわよ?」
「そもそも金の稼ぎ方を調べに来たんだ。持ってるワケがないだろう?」
「ですよねー。」
アクアとカズマは意気消沈しているうちに
窓口のギルドの人に聞いてみることにした
「この街で一番手っ取り早く稼げる方法を知らないか?」
「それでしたらやはり冒険者となってクエストを受注して
達成するのが一番です。これはこの街だけでなく世界共通ですね!」
「冒険者になってクエストをすることが
この世界で一番手っ取り早く稼げる方法ということか」
「はい、そうなります」
仕方ない…
(写輪眼!)
「では冒険者になりたいんだが、生憎今手持ちがないんだ。
冒険者になってクエストで金が出来たら払おう。いいな?」
「はい…構いません…」
ギルド員は虚ろな目で返事をした
イタチの幻術で無理矢理ではあるがギルド員を説得した
その後、後払いで冒険者になる旨を二人に伝えて幻術を解除
ギルド員は後払いの件を仕方なく受け入れるのであった。
「では改めてご説明します。冒険者には各職業というものがございます
そしてこれが登録カード。冒険者がどれだけの討伐を行ったか記録されます
レベルが上がるとスキルを覚えるためのポイントが与えられますので
頑張ってレベル上げをして下さいね!」
(スキル…)
「それではこの水晶に手をかざしてください」
その後、カズマは能力値が平均の為、冒険者に
アクアは数値が高い為、上位職のアークプリーストを選んだ。
初期から上位職になったことを珍しがって
気づけばたくさんの野次馬に囲まれていた
(周りがアクアをはやし立てている間に俺も済ますか)
手をかざして登録カードにデータを入れていく。
「あ、すいませんお待たせしました。
えーと、うちはイタチさんですね…っこれは!?」
「…何か問題でも?」
「問題大アリです!なんですかこの数値は!」
何だ何だ?とギルド員をはじめ、皆でイタチのカードを覗き込む
そこには
「ステータス高っ!?」
「平均とかもう関係ねぇ!!」
「その中でも俊敏が異常に高いです!」
「それになんといっても…」
「「「「魔力∞!?」」」」
(そういえば、チャクラ無限の特典を貰ったのをすっかり忘れていた…)
「こ、これは冒険者ギルド始まって以来の異常事態ですよ!
水晶が計り知れないほどの魔力量と高いステータス!!
これならなれない職業はありませんよ!!!」
「マジかよ!?」「すっげー!」「てかあの人ちょっとかっこよくない?」
先ほどのアクアの時なんて比べ物にならないくらいの
野次馬の盛り上がりっぷりに少し困っていた
(マズイな…あまり目立つと今後の行動がしづらくなる)
「では、お好きな職業をお選び下さい」
イタチは職業欄を見て職業を吟味する
(ソードマスター、クルセイダー、アークプリースト…
いまいちピンとくるものがないな…)
イタチが迷っていると、一つの職業に目が止まった
(忍者…)
かつて自分が生前、生涯をかけて全うした職業
イタチの心は決まった
「忍者でお願いします」
「えぇ!?よろしいのですか?確かに俊敏が高いので
向いているかもしれませんが、忍者はあまり人気がありませんし
オススメ出来る職業ではないのですが…」
「大丈夫です、お願いします」
「そうですか、分かりました!スタッフ一同
心から歓迎いたします!!」
そしてしばらく野次馬にもてはやされて、ギルドを出た。
(さて、これからだな…)
イタチは再び、忍者として歩み始めたのだった。