「そういえば、ちゃんとした自己紹介はまだでしたね?」
ギルドの酒場で、アクアとカズマと共に
今後の活動について話していたところ
至極真っ当な意見をカズマが述べた
「そういえばそうね、女神である私は別として
あなたたちは普通に初対面だったわね」
そういえば、などとイタチも抜けたことを考えていた
「では改めて、カズマです。これから冒険者として
一緒に頑張って行きましょう!」
「ヒキニートのくせに生意気なこと言うわねー」プークスクス
「うるせぇ駄女神!お前みたいなポンコツに言われたくない!」
「あぁー!また駄女神って言った!!イタチ、こいつシメてよ!!」
「へっ!他人任せとは女神が聞いて呆れるぜ」ヤレヤレ
「何よ!!やるっていうの!」ムキキ
「上等じゃねえか!かかってきやがれエセ女神が!!」
ワーワーギャーギャー
「…………」
しばらく終わりそうにないと感じたイタチは
自己紹介を後にして、先にクエストボードを
見に行くことにした。
「…あまり任務事態多くは無いようだな」
任務…ここでいうクエストだが
自分の中でクエストという言葉自体が
ピンとこないため任務と呼ぶことにした
「騙したとは言え、借金は借金だ。早く返さねば…」
とりあえず最初はレベルの低いものからということで
クエストの中で一番簡単なジャイアントトード三体の討伐にした
「討伐すれば冒険者カードに自動で記載される…か。
こんな便利なものが世の中にはあるんだな」
カードの性能に驚きつつ
アクアたちの元に帰ったのだが
「大体ヒキニートのくせに女神である私に楯突こうなんて100年早いのよ!」
「女神って言っても菓子食いながら転生の中継してるだけの引きこもりじゃねえか!」
「あんたと一緒にしないでよ!慈悲深い私が、あんたみたいに死んだ哀れな人間に
第二の人生を与えてやってんのよ!もっと感謝しなさいよ!」
「天界の点数稼ぎに俺らを使ってるだけだろうが!いいように解釈してんじゃねぇ!」
ワーワーギャーギャー
「…先に行くか」スタスタ
まだ終わりそうにないと感じたイタチは
先にクエストに行くことにした。
「あれがジャイアントトードか」
ジャイアントトード…
繁殖期になると人里にまで現れて家畜や人間を
丸呑みにする恐ろしいカエル
そしてその肉は多少の硬さはあるが
たんぱくでサッパリしていて、食材としても人気だとか
「討伐だけでなく、持ち帰って食材として売るのも一つの手だが
せいぜい一体か二体が限界だろうな…」
幸い保存用の巻物が二本あるので
それにいれてしまえば問題ない
「なら一体は肩慣らしとして討伐しよう」
そう言いながらジャイアントトードに近づく
あちらもイタチに気づいて近づいて来る
それに合わせてチャクラを少し練り上げて
慣れた手つきで素早く印を結ぶ
「火遁・業火球の術!」
ブオォォォォォォォォ!!
「!?」
イタチは困惑していた
カエル自体は問題なく討伐することが出来た
目の前で丸焼きになって煙を立てている
だがそれが問題なのだ
いつも慣れ親しんで使っていた術である火遁・豪火球の術
直径が等身大くらいの火の玉を形成し、対象に向けて吹く術であるのだが
「威力、そもそも大きさが豪火球ではなかった…」
イタチのよく知る大きさは等身大ぐらいの火の玉だ
だが今回は自分の何倍もあるギャイアントトードを
飲み込むような大きな炎の球だった
チャクラの量を間違えるなんて初歩的なミスは
今のイタチは流石にしないであろう
「これは検証が必要だな、幸いなことにチャクラは腐る程あるようだしな」
それから一刻ほど、そこら一帯のジャイアントトードを蹂躙するという
カエルも脂汗をかく大虐殺が行われた。
「なるほど…大体の現状は把握した」
まず、繰り出す術全てが強化された状態で繰り出される
そしてスピードも上がっており、軽く走るだけで
チャクラを使った時のように素早く移動できる
逆にチャクラを使った移動は、もはや瞬身の術である
そして原因は分からないが今まで使えなかった術が
普通に使えるようになっていた
「チャクラが無限だからか…?」
イタチが考えられる原因は
今のところそれしかなかった
「とりあえずカエルは腐る程討伐して、食材用のカエルも確保も出来た。
現状の把握も出来たことだし、今日は帰ろう」
そう思って帰路に着いてしばらくすると
草原の真ん中でカエルに捕食されるアクアと
必死でカエルを討伐しようとするカズマを見つけた
「来ていたのか…仕方ない」
カエルの元に一瞬で近づき、仕込み刀でカエルの心臓を一突きで仕留める
「い、イタチさん!?」
そして倒れたカエルの口からアクアを引っ張り出して救出する
「え、イタチさんどっから!?てかどうやって!?」
「…自己紹介がまだだったな」
仕込み刀に着いた血を振り払いながら二人と向き合う
「うちはイタチだ。生前も忍者をしていた。この世界でも忍者として
やっていこうと思う。これからよろしく頼む」
こうして最初の目的であった自己紹介を終えることが出来たのだった。