さて、巫女さんの怒りも静まった事だし、そろそろ本題に入ろう。頭のコブがめちゃくちゃ痛いけど。
「それで、俺はどうすればいいんだ?」
そもそも、ここに来たのは巫女さんをいじる為じゃない。俺がこの先どうすれば生き残れるかの相談だ。家無し弱者は肩身が狭いぜ…
「そうねぇ…帰る?」
「軽く言うねぇ…でも、帰ったところで、もう誰もいないと思うしな」
全力で殴られた頭をさすり、痛みに呻きながら俺は言う。
「じゃあ、ここに残るの?」
「それが一番だな。さて、問題は何処に住むかだ」
最難関だ。正直、これが一番の悩みだ。ちなみに、次点で食い物だ。え?順番が逆?大丈夫だ。間違ってない。人間、2ヶ月くらいなら水でどうにかなるのさ。
「住居ねぇ…まぁ、見つかるまではここにいても良いわ。出来るだけ早く見つけなさい」
「…………え?住んで良いの?」
許可が出た。よし、家を探すふりしてここに住もう。もしかしたら期限付きかもしれないが、その時はその時だ。
「見つかるまでの仮住居だからね」
「そうか……むむ?もしや、この巫女さんを落とせたら実質家の問題は解消か…?」
「本人の前で良く言えるな」
おっと。どうやら言葉に出ていたらしい。いや、殺されちゃうね。
「私はそんなに簡単じゃないわよ」
「おろ?これはもしや、お許しが出たってことでOK?それなりに頑張るぞ?」
「やれるもんならやってみなさい。全力で振ってあげる」
「ハッキリ言われると心に来るものがあるな…だが、お前が自分から告白してくるような男になってやる。後悔しても遅いぜ?」
「そう。楽しみにしてるわ」
という事で、なんとか家をゲット。しかし食糧難の危機は解決してない。
「あぁ、それと、ここに住むなら家事もやって。食材もあるし、足りないなら買い出し行ってもらうから。まぁ、私もやるけど」
「押し付けじゃない…?優しいな!全部押し付けられるつもりだったのに!」
「そんなにやりたいなら全部やっても良いわ。代わりに私が暇で倒れないようにしなさいよ」
「……そういう理由があったのか…」
そういえば、テレビだけでなく、電化製品が丸々無い。現代とは違うのだろう。数世紀前くらいだろうか。
とにかく、暇を潰せるような物など、思い付くわけもないので手伝って貰うことにする。
そして、俺は食住を手に入れた!衣服は後で良いか。頑張れば10年はなんとかなるだろ。
「っていうか、今気付いた。俺、巫女さんの名前知らないや」
「そういえば、私も貴方の名前を知らないわ」
そうだ。名乗ってもいなかったな。しっかりしろ俺。散々巫女さんいじる前にやることあったじゃねぇか。
「俺は夢霧狼魔。外来人らしい。よろしく」
「貴方は間違いなく外来人よ。私は博麗霊夢。ここ、博麗神社の巫女よ。よろしくね」
とりあえず、自己紹介がやっと終わった。むしろ、なんで最初にしなかったのか。
「それで、魔理沙はいつまでいるつもり?」
さっきから机の上の煎餅をバリバリと食べている魔理沙。羨ましい。俺にも食わせろ。
「んあ?いや、暇だししばらくここにいようかと思ってるぞ?」
「じゃあ帰りなさ………いや、あれしましょう。弾幕ごっこ」
弾幕ごっこ?なんだそれ。まぁいいや。意識が逸れたし、煎餅貰おっと。
「でも、あれって霊力弾撃てなきゃ話しにならないのぜ」
「ふむ……そうね…じゃあ、まずそれを教えるところからかしら?」
「そうなるな」
「じゃあ、狼魔。霊力について教えるから――――って、何してるの?」
「もがっ?」
やばい。煎餅食べてたのがばれた。後、話聞いてなかったのもばれた。俺大ピンチ。
「……いや、別に食べてることは怒ってないわよ?後で買い出し行ってもらうだけだから」
「やっぱ怒ってるだろ」
目が笑ってないから絶対怒ってるって。魔理沙。あえて言って煽らないでくれ。被害が俺に来る。
俺は口の中の煎餅を飲み込み、何事もなかったかのような表情で、
「で、なんの話?」
瞬間、魔理沙に呆れたような表情をされ、霊夢の手によって俺は外に放り出された。
「狼魔?覚悟は出来てるわね?」
「一応聞いておく。何のだ?」
「星になる覚悟よ」
もう一度、あえて言う。霊夢の目は笑っていなかった。黒笑みだった。黒い闘気のようなものも見えた。それを前提として、俺は言い放つ。
「養われる覚悟なら」
おもっくそ火に油を注いだ。
瞬間、霊夢は外に飛び出すと同時、札を掲げて宣言する。
「『夢想封印』!」
そして、俺は色とりどりの光球に襲われた。
「霊夢ぅ。別に、話を聞いてなかっただけでそこまでする必要は無いんじゃないか?」
「ん~…でも、しなければならないって何かが囁くのよ…やらないとモヤモヤするし…仕方ないわね!」
「ほんと、本能のままに生きてる感じがするぜ…」
薄れ行く意識の中で、そんな言葉を聞いた気がした。
「って言うか…本当に、なんでここまでされたし…」
でもまぁ、モヤモヤするなら仕方ないよな。うん。仕方ない…仕方ない…
そうして、俺の意識は暗闇に落ちていった。気絶って奴だな!
実は主人公の能力の一端が見えているような気がしなくもないこの話。
あはは…何書いてるんだろ。
次回に続いちゃう。