東方浪漫録   作:大神 龍

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第四話

「ロマンを具現化?なんだそれ」

 

 魔理沙が聞いてくる。

 

「カッコいいと思うもの!それがロマン!!魔法だってロマンだ!コスト度外視の高火力!見た目重視で実際にはほとんど使えない武器!燃えるシチュエーション!萌えるシチュエーション!皆の憧れる存在!それを具現化するのが俺の能力だ!!震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!刻むぜ!ロマンのビートオォォォ!!」

 

「お、おぅ……そうなのか」

 

「魔理沙もロマンを持っているだろう?俺の前では全てが具現化出来る!まさに夢の能力よ!!」

 

「お、おぉ!なんかよく分かんないけど凄そうな能力だぜ!!」

 

「凄そうな能力だろ!?」

 

「それは分かったから私を元に戻しなさいよ」

 

 膝の上で跳び跳ねた霊夢の頭が見事に顎にぶつかる。

 

「いぎゃあぁぁぁ!!痛い!!超痛いんだけど!?後視界がぐわんぐわん揺れる!」

 

「叫ぶと悪化しないか?」

 

 魔理沙が的確に突っ込んでくる。そこは心配しようぜ?

 

「うぅ……魔理沙……俺はもうダメだ……霊夢のことを頼んだぞ……立派に育ててくれ……」

 

「狼魔……?狼魔!!おい、しっかりしろ!!狼魔!狼魔ぁぁぁ!!!」

 

 ガクッと力が抜け、魔理沙の握っている手からも力が抜ける。

 

「何ふざけてるのよ」

 

 容赦の無い蹴りが俺を襲う!!

 

「ゲフゥッ!!な、なにをするだー!」

 

 霊夢の蹴りを甘んじて受け、文句を言わないと止まるだろうから悲鳴を上げる。

 

「……喜ぶとか怖いんだけど」

 

「何故バレたし!!」

 

「目が全然嫌がってないのよ…むしろ輝いてた」

 

 ぐぅっ!そこまで見抜くか!

 

「なぁ狼魔~。弾幕ごっこしようぜぇ~?暇なんだよぉ~」

 

 魔理沙…会話を逸らすの露骨すぎでは…?

 

「ん~…ルールを教えてくれたら考えよう!」

 

「よっし!じゃあ説明するぜ!しっかり聞いとけよ!!」

 

「待ちなさい魔理沙。私の姿を戻すのが先よ」

 

 おっと。霊夢様のお怒りだ。これは勝てない。

 

「すまんな霊夢。それは時間が経たないと元に戻らないんだ」

 

「へぇ……ちなみに、どのくらいかかるのかしら…?」

 

「三時間くらいだ!!」

 

 ドヤ顔で言い放ったら黒い空気を纏い始めたぞ?

 

「針か殴られるか。どっちが良い?」

 

「ならば両方で!」

 

「じゃあ死になさい」

 

 ギャアアアアァァァァァ!

 

 という叫び声が、神社にこだました。

 

 

 * * *

 

 

「針は痛いです。霊夢様……」

 

「かわいいのに怖いんだぜ……」

 

「何?魔理沙も狼魔と同じような目にあいたいの?それなら今すぐやるわよ?」

 

「ごめんなさいなんだぜ」

 

「分かれば良いわ」

 

 本当に両方をやってきたんだが…針はちょっとやりすぎだった……キャッチしなければ今頃ここら一帯が血の海になってたぜ……

 

「それで、本当に戻らないの?」

 

「うぅ…嘘じゃないぞ…戻るのには三時間くらいだ…反対の効果をかければ今の状態じゃなくなるが――――」

 

「それでいいじゃない」

 

「反対の効果が発生するんだよ」

 

「……つまり、どういうこと?」

 

「『ボンッキュッボンのわがままぼでー』になるってことだ!!」

 

「「な、なんだってーーー!?」」

 

「つまりだ!それをかけると『ひんぬー』の良さが無くなって、全体的にすごい良いすごい良いスタイルになるってことだ!!」

 

「……良いんじゃないの?」

 

「否だ!断じて否だ!!ボンッキュッボンは美しくあっても、かわいくは無い!よって!俺は認めん!」

 

「なんというか……すごい情熱なんだぜ……」

 

「大きいだけじゃダメなのね…」

 

「いやいやいや、霊夢?何流されてるんだぜ?」

 

「いや……一理あるかも知れないと思って」

 

「俺は!無い胸を張って頑張ってる子が好きなんだ!好悪的な意味で!」

 

「恋愛的にはどうなんだぜ?」

 

「正直あんまり気にしない!しっかり家事が出来るならなんの問題もないね!」

 

「……で、本音は?」

 

「霊夢も魔理沙も好きです」

 

「「………………はい?」」

 

 ふむ?意味を理解してない感じかな?固まってるぜ。

 

「だから、恋愛的には二人とも好きだって。まぁ、霊夢の場合は元の姿の方だけど」

 

「じょ、冗談だろ?大丈夫。冗談でも怒らないぜ?」

 

「冗談じゃないって。二人とも美人だし、年も近いだろうし。完璧だろ」

 

「面と向かって言われると、変な気分ね……正直想定外だったんだけど」

 

「そう言われてもな…事実だし……」

 

 疑う余地無くパーフェクトに美少女だろうが。と思う。

 

「魔女っ子に巫女。しかもどっちも美人だぞ。惚れないわけがない。恋人でもいない限りな」

 

「む、むぅ……想定外の事を言われると本当に頭が真っ白になるのね…」

 

「もう訳がわからないんだぜ…どこからどこまでが嘘なんだか…」

 

「終始嘘吐いてないっての。心外だぞ」

 

 大体、俺は嘘は吐かないんだ。隠しはするけど。

 

「まぁ、いいわ。そこら辺は気にしないようにしましょ。で、貴方的には私を強引に戻したくないのね?」

 

「そうなるな」

 

「そう……よし。魔理沙。全力でこのバカを倒しなさい。良いわね?」

 

「あ、はい。分かりました」

 

 おぉぅ、魔理沙ちゃんが霊夢に気圧されてるんだぜ…これはさっき言ってた弾幕ごっこをするフラグかな?

 

「さて。じゃあ説明を始めましょうか」

 

 黒い笑みの霊夢に言われ、姿勢をただして俺は説明を受けるのだった。

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