ラブライブ! ~『正しさ』の本質~   作:k.k.halcyon

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またまたどうも。k.k.halcyonです。

昨日一昨日更新してなかった分、もう1話入れます。

京都行ってました。生八つ橋やっぱりうめぇ・・・

それでは、どうぞ。


First step-06 大胆で、気弱で...

 

 

 

 

 

 

 「・・・う、海未?そろそろ落ち着いた?」

 

 

 「~~~~~~」ギュー

 

 

 海未は顔を埋めたまま、子供が駄々をこねるようにイヤイヤをする。

 

 

 「あ、あのね?いつまでもここにいるわけにもいかんし・・・一旦、家に上がらないか?」

 

 

 「・・・・・・」

 

 

 海未は少し考えこんでいたようだが、その後黙ったまま、コクリと頷いた。

 

 

 

 

 「よし。じゃあ、一旦離れてもらってもいい?」

 

 

 「~~~~~~!!!」イヤイヤッ!!

 

 

 やめてっ!!人の肩でイヤイヤしないで!!そんな柔らかいもの胸に当てないでっ!!!抱きつかれてるから、動かれたらお兄ちゃん色々まずいのっ!!!

 

 

 「いや、な?あの、抱きつかれてると、ポケットの中の鍵が取れなくて、さ?離れてもらわないことには、家に入れないんだけど・・・あはは・・・」

 

 

 「・・・・・・わかり、ました・・・ぐずっ・・・」

 

 

 「うん。いい子だな、海未は」

 

 

 ・・・や、やっと離れてくれた・・・・・・

 

 

 離れてくれたご褒美に、海未の頭を優しく撫でる。・・・なんか、幼稚園児くらいの子供に接してるみたいだな、俺・・・

 

 

 けど海未は撫でられたのが気に入ったようで、涙を収め、気持ち良さそうに目を細めていた。

 

 

 ・・・ま、まあ、とりあえず、さっさと中に入ってしまおう。鍵を取り出し、玄関のドアをやっとこさ開ける。

 

 

 「よし海未、入ろ?」

 

 

 「・・・はい・・・」

 

 

 海未をリビングに案内する。

 

 

 「適当にクッション取って、くつろいどいて?」

 

 

 「・・・七海さんは?」

 

 

 「俺はちょっと着替えてくるわ。汗かいたまんまなんも気持ち悪いけぇさ」

 

 

 本当はシャワー浴びたかったけど、来客中、しかも女の子の来客中にシャワーを浴びるのもどうかと思ったので、ひとまず着替えるだけにしておく。

 

 

 まあ、タオル水で濡らして、体を拭くくらいはしておくかな。

 

 

 「ぁ・・・わかりました・・・」

 

 

 「すぐ戻るから、ちょっと待っといてな?」

 

 

 「・・・はい・・・・・」

 

 

 今はあまり海未を一人にさせるわけにもいかない。早いとこ着替えてしまおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぃー。つめてー」

 

 

 先程濡らしたタオルで体を拭く。走った直後でかなり体温が上昇していたので、冷たいタオルが気持ちいい。

 

 

 着替えを手早く終わらせて、海未のもとへ戻ると、彼女は部屋の真ん中にいた。クッションを座布団代わりにはせずに抱き締めたまま、また体育座りをしている、けど・・・

 

 

 「あ、七海さん、お帰りなさい・・・」

 

 

 「ただいま・・・っ///」

 

 

 (・・・いや、頼むからほんと、その座り方ははなしじゃって・・・)

 

 

 思わず目を反らし、心の中で呟くものの、今はクッションで隠れて見えないので、まあ良しとしようか。

 

 

 「七海さん?」

 

 

 「・・・いや、何でもない。こっちの部屋行こうや?色々置いとるけぇ」

 

 

 家は6畳の寝室と10畳のリビングと、学生の独り暮らしからすればかなり広いが、リビングには基本、大したものは置いていない。

 

 

 昨日ことりの家から帰った後に、最低限のものだけ外に出しておいたが、本棚とかベッドは寝室に置かれていたので、リビングにはまだ食器棚、テーブル、クッションいくつかと、後はテレビくらいしか無いのだ。

 

 

 なので基本は、寝室で大抵のことは済ませている。といっても読書か勉強かギターくらいだけど。

 

 

 

 

 

 

 ・・・別に、海未を寝室に誘うことに深い意味はないぞ?

 

 

 「・・・分かりました、行きましょうか」

 

 

 海未も特に異論は無かったようで、素直についてきてくれた。

 

 

 けど、まだ少し寂しいんだろう。俺の服の裾を、きゅっとつまんで、ついてくる。

 

 

 

 

 

 

 「ここなー」

 

 

 部屋に入ると、海未はつまんでいた裾を離して、部屋の中を眺めていた。

 

 

 「・・・わぁ・・・昨日は見ていませんでしたが、本棚の中、参考書に小説に・・・色々入ってるんですね・・・」

 

 

 「まあ、読書も勉強も嫌いじゃないからなー。海未もベッド座りな?床だと固いし」

 

 

 ベッドの枕の手前あたりに腰かけて、海未を促す。・・・これも別に深い意味はないからな?

 

 

 「っ・・・・・・ええ。分かりました」

 

 

 そう言って、海未も隣に腰かけるが、腰かけた位置が、やけに遠かった。

 

 

 いや、ベッドの端っこ、それも対角線上まで行ってるぞ・・・

 

 

 ・・・・そんなに、俺の近くに座りたくないのかな・・・・・

 

 

 「・・・海未?そんな遠くに座らなくても・・・」

 

 

 「い、いえ!こ、ここで、大丈夫、ですので!!・・・・・・うぁぁぁぁ//////」

 

 

 な、なんか顔を両手で隠して、悶えてるぞ・・・・・・何があった・・・

 

 

 「・・・まあ、いいか」

 

 

 「・・・・・・その・・・七海さん?・・・」

 

 

 「ん?どした?」

 

 

 恐る恐る、という感じで、こちらを少しだけ振り向いて、なにやらモジモジしている。

 

 

 

 

 

 

 「・・・あの・・・その・・・・・・さ、先程は、お見苦しいところを、お見せしてしまって・・・その・・・・・・うぅぅぅ//////」

 

 

 

 

 

 

 おお・・・・・・いつもの恥ずかしがり屋の海未に戻ってる・・・

 

 

 

 

 

 

 ・・・よ、良かった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 「その・・・私今まで、家でも外でも、こうやって誰かに甘えたことってなくて・・・・・・

 

 

 七海さんが、『溜め込んでるもの、全部吐き出せ』って言ってくれたから、思いきって甘えてみたのですが、その・・・・・・

 

 

 ・・・・・・と、途中から・・・・・・歯止めが、きかなくなりまして//////」

 

 

 

 

 

 

 「・・・ああ・・・そういうことだったわけね・・・」

 

 

 さっきまでの豹変ぶりは、平たく言えば、海未の暴走だったわけだ。なんとなく納得がいった。

 

 

 一昨日も、山の話になったら自制がきかなくなったように、海未は一度スイッチが入るとなかなか自分でも止められないんだろうな。

 

 

 「・・・あの・・・・・・ご迷惑、でしたよね・・・?」

 

 

 オドオドしながら、海未が尋ねてくるけど・・・・・その心配は要らんぞ?

 

 

 「いや全然?」

 

 

 「七海さんは優しいですから、そう言ってくれるのは嬉しいです。ですが、私が納得できないんです!あんな・・・・・・あんな・・・・・・うぅぅぅぅ//////」

 

 

 ・・・・まあ、泣きながら抱きついてきて、そのあと幼児退行してこれでもか、ってくらい甘えてたからなぁ・・・・・なんとなく、海未の気持ちは分かる。

 

 

 

 

 

 

 でも・・・

 

 

 

 

 

 

 「嬉しかったぞ?」

 

 

 「・・・ぇ?」

 

 

 

 

 

 

 「海未って、さっき自分でも言ってたけど、誰かに甘えたこと、無かったんだろ?

 

 

 甘える側からしたら、『甘えるなんて・・・』って思うかもしれんけど・・・

 

 

 ・・・やっぱ、ずっと一緒にいるとさ、こういうつらそうな時に甘えてくれないっていうのは・・・

 

 

 ・・・・・・ちょっとだけ、寂しいんだよ・・・本当に、海未の力になれてんのかな、ってさ」

 

 

 「そんなことは・・・・・・」

 

 

 「うん。分かってる。分かってるつもり。

 

 

 

 

 

 

 ・・・・でも、それでもやっぱ、不安になるんだよ。

 

 

 

 

 

 

 つらいときは、『つらい』って言ってくれないと、俺多分分かんないからさ。

 

 

 

 

 

 

 身近なやつがもし苦しんでて、そういうときに気付けないのって、すごく悔しいし、悲しいから」

 

 

 

 

 

 

 相手のことを完全には理解できない。だからこそ、本心が分からなくて、不安になる。

 

 

 きっと誰しも、この不安からは、一生逃れられない。

 

 

 そういう不安を感じているとき、それに気付いて、本心を打ち明けてくれる人がいたなら、それはきっと、幸せなんだろうと、そう思う。

 

 

 

 

 

 

 「・・・・・・」

 

 

 

 「つらいときに誰かに甘えるっていうのは、勇気が要るし、大変だけど、すっごく大事なことで・・・でもそれは、相手のこと、ちゃんと信頼しとらんと、できんことだから・・・

 

 

 ・・・だからさ、嬉しかったんよ。海未があれだけ俺の前で泣いてくれて、あれだけ俺に甘えてくれたってことは、つまりそれだけ、俺のこと信頼してくれてた、ってことだからさ。

 

 

 ・・・まあ、俺の思い上がりじゃなければ、だけど・・・はは・・・・・」

 

 

 

 

 

 「そ、そんなことはありません!」

 

 

 

 

 

 

 俺が苦笑いしつつ語った軽い自虐を、海未ははっきりと否定した。否定してくれた。

 

 

 両膝をつき、ベッドの上を這って、俺の方へ詰め寄ってくる。

 

 

 

 「さっきの七海さんの言葉全部、私、嬉しかったんです!寂しいって言ってくれて!心の中がぐちゃぐちゃになったときは、思いっきり泣いていいって、七海さんが言ってくれて!」

 

 

 至近距離まで近づいて、ベッドに腰かけていた俺の左手に、彼女はぎゅっと、自分の左手を重ねた。

 

 

 近くで海未を見ると、また瞳にうっすらと涙が浮かんでいたことに気づく。

 

 

 

 

 

 

 「つらい気持ちだって、誰かにぶつけてもいいんだって思えた!七海さんにぶつけられて、良かった!」

 

 

 

 

 

 

 けど、さっきまでの涙とは、違う。そんな気がした。

 

 

 

 

 

 

 「今までそういうの、外に出しちゃだめだって、我慢しないとって思ってました!

 

 

 けど、あなたの前なら、我慢しなくてもいいんだって、そう思えたんです!七海さんが、そう教えてくれたんです!」

 

 

 

 

 

 

 さっきのよりも、もっとずっと、眩しい涙だ。

 

 

 空いていた右手で、彼女は俺の左腕を掴んで、自らに引き寄せた。反動で思わず海未の方へ体が引っ張られる。

 

 

気づいたらお互いの顔は、鼻が触れてしまいそうなところにまで近づいていた。

 

 

 海未はそんなことお構いなしに、まっすぐ俺の目を見つめて、

 

 

 ありのままの気持ちを、俺にとって最高に嬉しい言葉を、叫んでくれた。

 

 

 

 

 

 

 「私が今こんなに嬉しいのは、七海さんがいたからです!だから自分のこと、否定しないでください!

 

 私の大好きな七海さんに、もっと甘えさせてくださいっっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 ともすれば告白ともとれるような、そんな叫び。

 

 

 けどなんだか、今の「大好き」には、恥ずかしさとか、まるで感じなかった。

 

 

 むしろ・・・・

 

 

 

 

 

 

 (・・・・・嬉しいもんだな・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 「・・・ハッ!!・・・ち、違います!!私は!・・・いや、違わない、ですけれども!・・・・その・・・・・・あの・・・

 

 

 ・・・その・・・うぁぁ///・・・・・・は、破廉恥ですっ!!!」バチーン

 

 

 「いったあああぁぁぁぁ!!?」

 

 

 「あ、ご、ごめんなさい!!・・・・・・あの・・・

 

 

 ・・・で、ですから、その・・・・・・うぅ///・・・・・・

 

 

 ・・・・・・と、とにかく!・・・私の気持ちは、その、そういうことです//////」

 

 

 

 

 

 

 それだけ言って、海未は下を向いてしまった。

 

 

 けど、目を合わせようとはしないものの、掴んでいる腕を離したりも、しなかった。

 

 

 ・・・恥ずかしがってはいても、今の言葉に嘘はない。全部、自分の本心だ。

 

 

 なんとなくだけど・・・・そう言われている気がした。

 

 

 

 

 

 

 「・・・・・・ははっ・・・そっか。・・・ありがとうな、海未」

 

 

 「い、いえ・・・///」

 

 

 

 

 

 

 急に叩かれたのは正直想定外だったが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・なんだろ、今はそんなに、悪い気分じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




とりあえず一旦ここまでで。

まだまだ長くなりそうです。

ただ終わりはもう用意してます。いつになるかは分かりませんが・・・・

長い長い話をいつも読んでくれて、本当にありがとうございます。

試験勉強の励みにしつつ、こっちもゆっくりと進めていきます。

ではでは。
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