ラブライブ! ~『正しさ』の本質~ 作:k.k.halcyon
前回のお話がやたら長かった分、今回は短め(?)です。
というか書いててなんだけど、七海くんことりと歩いてるときに本当何考えてんだよ・・・
今回は奴が出てきます。
それでは、どうぞ。
ドドドドドドドッ
猛獣・・・間違えた、主婦の群れ、である。あ、あれに入るのか・・・って!さっきの1年生、おばちゃんのエルボー喰らって倒れた・・・
「大丈夫か!?今肘で・・・」
思わず声をかけてしまう。って・・・
良くみると、リボンの色がことりと違う。緑色ってことは・・・えっ!?3年生!?じゃあ同い年!!!??
「あ・・・いえ、大丈夫です。もう1回・・・っ!」
って、そんなことは今はどうでもいい。
見ると、さっきエルボー喰らったあと倒れたときに擦りむいたのか、膝からうっすらと血が出ている。
なら・・・・・・
「ことり、この子と下がってろ・・・俺が行く」
少し少年漫画風に、かっこつけてみる。
男って、女の子の前では、かっこつけたいものなんだよ。
「ええっ!」
「いや、そんな、無茶よ!!男があの中に入ったら、怪我どころじゃすまないわよ!?」
「・・・なんとかするさ。卵、最大2パックまでなら、1パックずつ分ければいい。・・・すうぅぅぅ、はあぁぁぁ・・・行くぞおおぉぉぉ!!!!」
うおおおおおおおおぉぉぉぉぉっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!
虎穴に入らずんば虎子を得ず、とは良くいったものだ。欲しいもののためには、それ相応のリスクを負わなければいけないのだろう。
それが今だと言うのなら、俺は行こう、あの戦場へと!!!・・・・・・なんだこのテンション。
ドンッ、ドゴッ、バキッ
全方位から、物理攻撃を食らう。
「くっ、ぐあっ、かはっ」
腕や肩だけじゃない。腹部や頭部までも、奴等は躊躇いもなく襲ってくる。
痛い。身体中が軋みをあげる。『これ以上は危険だ!もう止めろ!』と、脳が全身へ信号を送る。
それでも・・・・・・それでも、俺はあああああっっっ!!!!!
「もうやめて!にこのことは良いから、無茶しないで!」
「そうだよみーくん!!卵1パックのために、そんなぼろぼろにならなくてもいいよぉ!!!」
あ、お前らも付き合ってくれんのね。なんかテンション上がってきたああぁぁぁ!!
「があっ!!ぐっ!!!・・・まだだ・・・こんなことで・・・こんなことで負けるかあああぁぁぁ!!
・・・欲しいんだよっっ!!・・・あの卵をっっ!!・・・
・・・壁がでかいのも分かってる、敵の強さが半端ねぇことも分かってる!!!!
・・・けど!!!そんなもの理由にして・・・欲しいものを、諦めたくねぇんだ!!!
うおおおおおおおおぉぉぉぉぉっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!」
ーーー無事、2パックとれました。
「・・・・・・か、勝ってきた、ぞ・・・」ボロボロ
「あ・・・あんた!!ぼろぼろじゃない!?そうまでして・・・」
「・・・ほら、卵だ・・・悪ぃな。時間、かかっちまった・・・」
そう言って、彼女に卵をそっと渡す。まるで、昔もらったとても大事な思い出の品を、元の持ち主に返すかのように。
「そ、そんな!!受け取れないわよ!!こんな・・・」
「良いから、黙って受けとれ!!・・・俺の努力を・・・無駄にするな・・・」
「あんた・・・」
「・・・」
「・・・えーっと、これって、いつまで続くのかなぁ・・・あはは」
「・・・そうだな、ことり」
ことりの声で、猿芝居を終了する。途中から変なテンションになっちゃった。ノリって怖いね。
「まあ卵も手に入ったし、もう終わりにするか・・・ごめんな。変なノリに付き合わせちゃって」
「気にしなくていいわよ。弟や妹たちもいるから、慣れてるしね」
慣れてんのか、大変だな・・・その感じだと、結構年の離れた弟or妹がいて、その子らのごっこ遊びに付き合ってた、ってところか?
とかなんとか、そんな詮索は中断だ。改めて彼女を見ると、まあかなりの美少女だった。
艶のある黒髪をツインテールにして、赤いリボンで留めている。元々の身長も相まって、一見幼げな印象も持つが、見た目とは裏腹に、性格はさばさばしてんのかな?俺としてはすごくやりやすい。
「・・・まあその、ありがとね?卵取ってきてくれて、正直助かったわ」
「それこそ気にしなくていいって。卵1パック80円はマジで安いから、別にこれぐらいは・・・いてて」
「ちょっと、本当に大丈夫?」
「ああ、いやいや、大丈夫だ」
あのおばちゃん、派手に殴ってきやがって・・・
「みーくん、無理はしないでね?怪我してたら、ことりが治療しちゃうから♪」
「ありがと、ことり」
「うんっ!」
やっぱりことりの「うんっ!」は可愛い(切実)。なんて考えてると、ツインテールの彼女が俺とことりを見ながら尋ねてくる。
「・・・ねぇ、さっきから気になってたんだけど、その制服、音ノ木坂よね?私と同じ」
「あっ、はいっ!4月から2年になる、南ことりと言います!えっと・・・」
「ああ、ごめんなさいね?・・・
3年の矢澤にこよ。いい彼氏さんじゃない。お互いのこと大事にしてやんなさい?」
「ええっ!!?やだ、そんな///みーくんが彼氏なんて・・・うふぇへへへへ//////」
ことりさーん、何想像してるのか知らんが、本人前にして「やだ」とか言うなよー、傷つくだろー、さっさと戻ってこーい・・・
「あー、一応言っておくと、彼氏じゃないぞー?ただの友達だ。まあ妹みたいなもんだし、仲は良いとは思うけど」
「みーくんが彼氏・・・みーくんの彼女・・・えへへへへ//////」ボソボソ
「あとことり、聞いてるかー?戻ってこーい。チーズケーキ買ってやるから」
「チーズケーキ!!!!!!・・・あれ?ことり、さっきまで何を・・・?」
「おお、お帰り、ことり。後でチーズケーキ買っていこうなー」
「うんっ!!!!」
「・・・な、なんか、凄い子ね。あんたのお友達」
分かってくれるか。心の友よ。
「良い子だよ?時々妄想がちょっとひどくて人の話聞いてないときがあるけど」
「そ、そう(ちょっと、ね・・・)」
「まあ学校で会ったらよろしく頼むわ」
ことりも、俺もな。共学化のことはまだ言えないけど。
「ええ、まあ学年違うからあまり会うことはないと思うけどね」
まあことりのことだと思うわな。別にいいけど。
「もし妄想中だったら、耳元で『チーズケーキ』って言ってやってくれ。それであいつ目ぇ覚めるから」
「ふふっ、チーズケーキね。分かったわ。それじゃあね?弟たち待ってるから、私は行くわ」
「おお、引き留めて悪かったな、矢澤さん」
「にこで良いわよ。あんた、名前は?」
「俺か?三橋七海だ。俺も3年だよ」
「七海ね。今日はありがと、またね!」
「おう、またなー、にこ」
「にこ先輩!また学校で!」
「ええ、また学校でね。南さん!」
そう言って、にことは別れる。
・・・最近、女の子、しかも客観的に見てかなりの美少女と接点が増えている気がする。ひょっとしてモテ期!?モテ期なのか!?・・・いや、ただの偶然だろう。
モテ期なんてもの、あれは、錯覚だ。・・・ん?錯覚?それでは(ry
ふと隣を見ると、隣もこっちを見ていた。・・・頬を膨らまして。可愛い。
「・・・なんか、みーくん最近、女の子との接点増えてない?」プクー
「ちょうど今、俺も同じこと考えとったわ。けどただの偶然だろ?」
「・・・みんな可愛いし・・・」ボソッ
「可愛さでいうなら、ことりも負けとらんだろ?」
「ふえっ!?あ・・・えと・・・ありがと///」
「どういたしまして」
なんか昨日、希と似たような会話したな。
「・・・もう、なんでこういう時は聞こえちゃうかな・・・」ボソボソッ
「ん?ごめん、今なんか言った?」
「・・・ううん!なんでもないよ♪じゃあ・・・行こ?」ギュッ
「・・・っ!?」ドキッ
ま、まただ・・・急に手を握るのはやめてほしい。心臓に悪いから。
右手はことりと手を繋いで、左手には買い物カゴをもって、2人並んで買い物をする。・・・これって端から見ると、完全に恋人とか夫婦とか、なんかそういうのに見えてるんじゃないかと感じるのは、俺だけなのだろうか。
(って、だめだだめだ。こういうこと考えるから、後で勘違いして痛い目見るんだろうが。これはただ兄的な存在として、慕ってくれているだけだ。なんだよそれ、シスコン冥利じゃねぇか!!!)
あ、やっぱりシスコン受け入れたら、落ち着いてきた。やっぱ末期だ俺。
それに・・・今は恋人とか、そういうのはあまり考えたくはない。
恋人ができれば、それが誰であれ、今のことりたちとの関係は変動するだろう。
けど、俺はできれば、ことりとも、海未とも、穂乃果とも、それに真姫とも、今の繋がりを壊したくない。誰かと付き合うことで、誰かと会えなくなるくらいなら、初めから誰とも付き合わない。
・・・やっとできた、大切な友『達』だから。1人だって、なくしたくない。
ヘタレって言われようが、別に構わない。それだけ、今みんなといられるこの瞬間が、かけがえのないものだと思っているから。
・・・ま!こんなこと言ってるけど、そもそも彼女の前に友達あんまおらんのだがな!!友達おらんのに彼女なんて無理無理ぃ!!はっはっはっは!!!・・・うう、心臓が痛い。
さっさと買い物を終えてしまおう。あ、チーズケーキ買わないと・・・
*ー*
無事買い物を終え、2人でレジに向かう。
レジでお金を支払うとき、財布が取れないと思ったら、ことりとまだ手をつないでいたことを思い出して、レジのおばちゃんにすごいからかわれた。うぅ・・・恥ずかしかったな。
財布取ろうと手を離したときに、ことりが「あっ・・・」って声をあげていたように聞こえたが、何だったんだろ?
スーパーの自動ドアを通り、ことりの家へ向かって歩き出したのだが、
「・・・・・・」
なんだろ、ことりがさっきより、ちょっと落ち込んでいる?いや、気のせいかもだけど。
「ことり?どうした?」
「・・・ううん。行こっ!!」
「なにかしてほしいことあったら、言ってくれよ?俺、多分言われないと分かんないから・・・」
「・・・うん。言うよ。いつか、ね♪今はまだ言わない!」
「・・・?・・・そっか・・・」
「うん!そーだ!」
そう言ったことりの笑顔には、もうさっきまでの曇りはなかった。
スーパーからことりの家はすぐそこなので、話しているとあっという間に到着した。
なんか中途半端な気もしますが、とりあえずここまで。
・・・本当になんだこのテンション。
ただとりあえずこれでメンバーは全員しゃべりましたね。
まもなくプロローグは終わります。
ではでは。