こんな私の作品でよいという方は、どうぞ読んでいってください。
ぼくは、かわいいものが大好き。
六つ子の末っ子として、甘えん坊でいるために必要だと思って集めていた物に、いつのまにか心を引きつけられるようになっていた。
兄たちにこんな趣味を知られたら、あのクズばかりの兄たちは、それをネタにねちっこくぼくをからかいだすだろう。すぐ上の兄さんを除いて。
十四松兄さんだけは、決してぼくをいじめたりしない。
スタバァでの一件では、他の兄たちがぼくをそう呼び始めたからそれに便乗しただけであって、十四松兄さんに悪気はなかったから、どれだけトッティ呼びされても、他の兄たちに対するような怒りの感情は湧かなかった。
五人もいる兄の中で、ぼくが一番好きなのは十四松兄さんだ。もちろん、兄弟愛という意味で。
十四松兄さんにとってのぼくは唯一の弟だから、というのもあるかもしれないけど、ぼくにとっても優しくしてくれるから、ぼくもすっかりその優しさに甘えてしまう。
それに、十四松兄さんは、今も昔もとってもかわいい。
今の兄さんは、行動も言動も色々ぶっ飛んでいて、時々ついて行けなくなる事もあるけれど、いつも見せる子供のような愛らしさは、ぼくの心をほんわかとする。
昔の兄さんは、今よりもっとまともで優しかったけれど、ふとしたときに見せる気弱な面も、ぼくはとても好きで、ものすごくかわいかった。
ぼくがいじめられていた時にも、十四松兄さんは、自分もいじめられて辛かったはずなのに、必死になってぼくのことを守ってくれた。
そして、十四松兄さんが変わってしまったあの日、ぼくはある決意を抱いた。
「もうトド松をいじめないでよ!なんでそこまでトド松にこだわるの!?」
またいつものように、校舎の陰になるところへ呼び出されて、同級生男子から殴る蹴るの暴行を受けていたところで、十四松兄さんはぼくを庇って、また蹴られていた。
他の兄たち、特におそ松兄さんやカラ松兄さんが来てくれていたら、すぐに兄さんたちがいじめっ子を蹴散らしてくれていたけれど、その日はチョロ松兄さんも一松兄さんも来ることはなかった。
「そいつは女子をたぶらかしまくって俺たちの邪魔ばかりしてたんだ。殴るのは当然だろ」
「トド松が好きな物について女の子に相談しただけで、そんなことするの!?別に問題なんてないじゃん!!」
そう十四松兄さんが反論したとき、兄さんはあいつらの蹴りを体に受けてしまった。
「ううっ・・・・・・」
「大丈夫!?十四松兄さん!」
ぼくは慌てて十四松兄さんのもとへ駆けつけたが、すぐにあいつらに蹴飛ばされてしまった。
「おまえら本当にむかつくほど仲がいいようだな。見てるこっちがイライラするぜ」
そしてリーダー格の奴は鉄パイプを振り上げてこう言った。
「弱っちいくせに、俺らに歯向かうんじゃねーよ」
それを聞いて、ぼくはもうおしまいだ、やられる、と思った。
しかしその直後、十四松兄さんの雰囲気ががらりと変わった。
「あはっ」
そう呟いて、十四松兄さんは、鞄の中から釘バットを取りだした。
「もうやられまくりはうんざりだよ」
「だから、やきゅうで遊ぼ?」
そう言った兄さんは、もう気弱な表情ではなく、壊れたように無邪気な表情になっていた。
釘バットをブンブンと振り回し、十四松兄さんはどんどんあいつらを殴っていった。時々気合いの入った声を上げて殴ることもあった。
あいつらはいろんな所から血を流して、泣きながら止めてください、止めてください、と兄さんに懇願していた。
「元はキミたちのせいなんだよ?こんな目に合いたくなかったらもうトド松をいじめるのはやめてね」
そう言って兄さんが釘バットを下ろした瞬間に、あいつらはぼくたちに土下座して謝ってきた。
学校からの帰り道、十四松兄さんはまだ壊れたような表情で、ぼくの隣を歩いていた。
「十四松兄さん、あの蹴り痛くなかった?」
「だいじょうぶ!それよりトド松の方こそだいじょうぶ?あれだけ蹴られたり、殴られたりされたのに」
「もう痛みはないよ。でも後で他の兄さんたちに言っておかなくちゃね」
「そうだね」
「あれ?袖伸びてるよ十四松兄さん」
「あ、これ、バットを握りやすいように、ちょっと袖を巻き込んで握っちゃったんだった」
家に帰った時には、十四松兄さんはあの表情から、元の気弱な表情に戻っていた。でも、あの日からぼくと十四松兄さんの二人だけになったときは、あの無邪気な表情でぼくのことを気に掛けてくれるようになった。
兄さんの二つのかわいさを知ったぼくは、もう二度とぼくの元から離さない事を決意した。
十四松兄さんに彼女ができたとき、ぼくは邪魔をしなかった。なぜかって?十四松兄さんが恋をした姿もとてもかわいかったからだよ。
かわいいを人型に仕立てたような、天使な十四松兄さん。
もう、ぼくだけの物にしたっていいよね?
深夜、ぼくは一人起きて、ある場所へ行く。
え?ぼくは夜トイレに一人で行けないじゃないかって?そりゃトイレは別格だよ。トイレ以外なら大丈夫なんだよ。
それに、ぼくが夜に歩き回れないと誤解させておくことで、兄さんたちにバレる確率を減らすことができる。もし夜中に歩き回ったことがバレても、トイレに行けないことをアピールしておけば、疑われる確率はさらに減る。
兄さんたちが家にいない間にこっそり作った地下室。そこに、ぼくの宝物は隠してある。
仕掛けを動かして地下室への道を開き、ゆっくりと、兄さんたちにバレないようにそっと降りていく。
最後に鍵を開け、扉をそっと開ける。
そこに広がるのは、ぼくが今まで集めてきた
ピンク色の物、ウサギさんのぬいぐるみなど、いろいろなかわいいものが所狭しと集められている。
こんなにいっぱいの宝物を、十四松兄さん以外の兄さんたちが見たらもうぼくはこの家を出なくちゃいけなくなる。いや、この中には猫のぬいぐるみもあったはずだから、一松兄さんにそれを見せれば一人は対処できる。カラ松兄さんは色々おちょくるだろうけれど、ぼくの趣味にはあまり関与しないと・・・・・・思う。あの人自分の趣味しか気にしてないし。
問題なのはクズ長男とライジング三男だ。
おそ松兄さんなら確実にネタにする。そして何か嫌なあだ名を付けるに決まってる。ドライモンスターやトッティだけでも充分すぎるくらい嫌なのに。
チョロ松兄さんなら説教くさい罵倒を延々聞かされる羽目になるだろう。本当にあの人は口うるさい癖に、自分が大正義だと思ってるから厄介だ。あ、おそ松兄さんも自分勝手なのは同じだけどね。
十四松兄さんは、そんな他の兄さんたちとは絶対に違う反応をぼくに見せてくれるだろう。
「すっげぇ!トッティこんなにかわいいの集めてたの!?ボクにももっと見せて!」
絶対こう返してくれる。絶対。
そんな想像をしていたとき、ぼくの頭には、十四松兄さんがかわいい笑顔を見せながら、ぼくの宝物に埋もれている映像が浮かんできた。
その瞬間、ぼくの十四松兄さんに対する我慢の糸が切れた音がした。
そうだ、十四松兄さんをぼくの宝物に入れてしまおう。そうすれば、もうあんな汚れた兄さんたちに十四松兄さんが汚染されることはない。
ぼくの宝物と、十四松兄さんと、ぼくだけの空間。
想像するだけで喜びと楽しみがあふれ出てくる。
(もう我慢できない・・・・・・明日、計画を実行しよう。そして、もう二度とあっちに渡すもんか)
ぼくはたくさんの宝物の中に飛び込み、ウサギさんのぬいぐるみの一つを手に取った。
そのウサギさんは、十四松兄さんに次ぐぼくのお気に入りだ。つぶらな瞳が、よりぼくの心を打つ。
「ねえ。もうすぐ君たちに仲間が増えるよ。ぼくのすぐ上の兄さんで、君たちを超えるくらいかわいいんだ。入ったら仲良くしてあげてね?」
ぼくはそう言って、手の中のぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。
頃合いになったらもうそろそろ出よう、と思いながら、ぼくは宝物の中に埋もれていった。
いかがでしたでしょうか・・・・・・。
ここで一応、キャラ設定を。
まずはトド松と十四松から。
トド松
・かわいいものが好きすぎて十四松に執着するようになってしまった。
・十四松以外の兄はかなり見下している。
・今回の騒動の加害者。
・かわいいもののためなら手段は問わない。
・かわいいものをコレクションしたがる(人も含め)
十四松
・邪気は全くない。天使。
・中学生の時に性格変貌の兆しが出ていた。
・今回の騒動の被害者。
・トド松を唯一の弟として可愛がっており、決していじめない。
・でも一番はやっぱり一松
・本当はちゃんと色々考えてる
こんな感じです。
他の兄弟に関しては次々回で公開します。
投稿は完全に不定期なので、ゆっくり待っていてください。
2016/6/11 ご指摘を受けたため、サブタイトルとキャラ設定に変更を加えました。
2016/11/28 少し加筆修正しました。(見返してみると、改めてこれを書いていたときのテンションがおかしかったことが丸見えですごく恥ずかしい・・・・・・いや今も駄文しか書いていないような気が。また当時とは六つ子観もまた変わっているので、この六つ子観を保ったまま続きを書けるか心配ですね・・・・・・)