この作品は作者の趣味、妄想が主成分です。
よろしくお願いします。
プロローグ
彼は生前、その類稀なる武の才能を世に認められる事はなかった。
彼の好敵手である雷神の息子アルジュナの武芸に比肩する、あるいは上回るほどの技術は、異父兄弟に笑い者にすらされた。
その異父兄弟に自らの義父を貶された彼は、彼らとの対立を深めることになる。
自らを認めてくれた者を友とし、その者らと共に異父兄弟と戦いつづけた。
また自らを捨てた母親の「兄弟同士で争うのはやめて、共に来て欲しい」という懇願を断りはしたが、その自らの身の危険を顧みぬ覚悟を認め、アルジュナ以外の異父兄弟に手を出さないことを誓う。
そして彼の生前最後の戦いの直前、アルジュナの父親である雷神インドラの策に嵌められた。
その策は自らの破滅を意味することと知っていながら、黄金の鎧を渡して欲しいというその願いを聞き入れた。
策に嵌めた雷神に対する恨み言すら口にせず、自らの破滅を受け入れて尚、戦い続ける理由を問われた彼はこう答えた。
「アナタを恨む事はない。一枚上手だっただけの話だろう。
むしろ――そうだな。
神といえど父親である、というのが俺には喜ばしい。
俺にとって敗北とは、父の威光を汚す事だ。
死が待っているにしても、逃げることは出来ない。
それに、我が友にも恩がある。
俺は何故か、あの厚顔で小心な男が眩しくてな。
我が父への不敬となるが、偶にあの甘い光こそが、日の暖かさだと思うのだ。」
その高潔さに心を打たれた雷神により、アルジュナにも使いこなすことのできなかった槍を与えられた。
彼は肉体と一つになっていた太陽の鎧を奪われ不死性を失った。
幽鬼のような長身痩躯、そをやな姿のまま戦場に向かった。
その時の彼は数多の呪いによりバラモン僧に教わった弓術の奥義も封じられた。
また自らの戦車をひく御者も内通した敵であった。
それでも彼は逃げることを選ばなっかった。
そうして罠に嵌められ身動きのできなくなった彼は、ここぞとばかりに放たれた異父兄弟5人の渾身の一撃を受けた。
かくして太陽は撃ち落とされた。
彼は死後、座に招かれた。
別の世界では月を舞台にした万能の願望機をめぐる闘争や、人理の焼却された未来を変える為の戦いに赴く事になる。
そんな座に至った彼の元に声が届いた。
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全ての捨て、
我らの"箱庭"に来られたし』
なぜ、こんな声が届いたのかは分からない。
普通の聖杯による召喚でもない。
ましては亜種聖杯によるものでもない。
だかそんな事は彼には関係なかった。
自らの力を、助けを求める者があるのならそれに答えるのみ。
そうして彼は箱庭に呼び出された。
作者の生活の関係で亀更新になりそうです…