施しの英雄も呼びだされたそうですよ!   作:フェクタン

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お久しぶりです。
更新とても遅れました。
理由は後書きに書きます。


今回文字数少なめです。
説明が多くなるのでかなりカットしています。


第4話 「色々説明されるそうですよ?」

「さ、先ほどはお見苦しい所を・・・」

「問題ない、気にするなマスター」

「マスター?私がですか?」

 

黒ウサギが首を傾げる。

 

「ああ、その右手にある模様。それは令呪というものだ」

「令呪、ですか?」

「それは聖杯により与えられるマスターのサーヴァントに対する3回限りの絶対命令権。マスター、つまり俺を召喚した黒ウサギの事だな」

「ぜ、絶対命令権ですか?マスター?サーヴァント?そして聖杯?」

「万物の願いを叶える聖杯求める7人の聖杯に選ばれた魔術師、これをマスターという。そして彼らと契約した英霊、これがサーヴァントだ」

「は、はい」

「そしてそれらが覇権を争い残った組が聖杯を手にする。その争いが聖杯戦争だ」

「聖杯、戦争…」

「聖杯は聖杯を求める資格ある者にのみ応える。今回の召喚は少々異常にすぎるが」

 

しかし聖杯戦争には関係がなさそうなこの世界で何故か令呪が発現。

しかも自らが召喚されてからしばらくしてからの発現という極めて異例な事態。

カルナ自身も正確に把握しきれてはいない。

 

 

「黒ウサギ。お前には何か願いがあるのだろう?」

「それは…」

 

黒ウサギが口籠る。

 

自らを求める声に応えた。

 

それに後悔などはない。

 

だがその願いがなんなのか、確かめる必要がある。

 

自分はただマスターの求めに応える。

 

その願いが例え好ましくないものであろうとも。

 

 

会話が止まったところに、十六夜が口を挟む。

 

「さて、と。カルナと黒ウサギの関係は大体把握できた。聖杯とか無茶苦茶気になるし、もっと詳しく聞きてぇところだが…それはまた今度にするわ。それに一つ気になることがある」

 

十六夜の目が黒ウサギを捉える。

 

「黒ウサギ、オマエ、何か決定的な事を隠してるだろ?」

 

その指摘で黒ウサギの肩が跳ね上がる。

 

ここにカルナがいなければ、十六夜のこの質問にもいきなり動揺するなんて事は無かっただろう。

 

だが自らが主神と仰ぐ帝釈天が認めた英雄。

 

そんなカルナに黒ウサギにはこれ以上、隠し事を続けることはできなかった。

 

「…はい」

 

そうして黒ウサギによる、”ノーネーム”の現状説明が始まった。

 

箱庭の最大の天災、魔王によって名前と旗、主力メンバーが奪われた事。

現在残っているのは黒ウサギとリーダーのジンを除き、殆どが子供である事。

 

まさに崖っぷちである。

 

魔王という単語で十六夜の目が輝いたのにカルナは気がついた。

 

「しかし名前も旗印も無いのは手痛いな。新しくコミュニティを立ち上げるんじゃダメなのか?」

「そ、それは可能です。ですが改名はコミュニティの完全解散を意味します。しかしそれでは駄目なのです! 私達は何よりも仲間の帰る場所を守りたいのですから…」

 

それは黒ウサギにって掛け値なしの本心だった。

 

魔王とのゲームで居なくなった仲間達が帰る場所として。

何よりかつて魔王に滅ぼされた故郷にて幼い自分を救ってくれた人のコミュニティとして。

 

周囲に"名無し"と蔑まれてもコミュニティを残すという誓いを立てたのだ。

 

「茨の道ではあります。けど私達は仲間が帰る場所を守りつつ……コミュニティを再建し、いつの日か旗印と名を取り戻して掲げたいのです!その為には十六夜さん達の様な強力なプレイヤーに頼るしかありません! どうかその御力を我々の為に貸していただけないでしょうか!?」

「ふぅん……魔王から誇りと仲間をねえ」

 

黒ウサギの必死の嘆願に対し、十六夜は気のない声で返す。

今までの話を聞いていたとは思えない態度だ。

 

黒ウサギは肩を落として泣きそうになる。

 

だがカルナが、施しの英雄たる彼がその嘆願に答えないはずがなかった。

 

「お前がそれを望むなら、俺はそれに応えるだけだ」

 

此度の召喚。

この少女が意図したものでないにせよ、この少女はマスター(・・・・)だ。

 

どのようなマスターであれ、自身を求めるならそれに応じる。

 

しかもこの少女の願いはカルナとしても好ましいと思えるもの。

 

例え召喚時に意図的にコミュニティの現状説明が省かれていたとしても、カルナ自身の行動に変わりがない。

 

そして十六夜もカルナと理由は違いこそすれ、

 

「いいな、それ」

 

その求めに応えた。

 

「………は?」

 

思わず黒ウサギの口から間の抜けた声がでる。

 

「HA?じゃねえよ。それともなんだ?カルナだけで俺はいらねえのか?あんま失礼な事言うとカルナ連れて他のコミュニティに行くぞ?」

「だ、ダメです駄目です!絶対に駄目です!」

「素直でよろしい。ほれさっさとあの蛇起こしてこい。試練とやらはクリアしたんだし、褒美くらいあるだろ。それとお嬢様と春日部に対しての説明はオマエがしろよ?」

「は、はい!十六夜さん、カルナ様ありがとうございます!!」

 

黒ウサギは思った。

まずは飛鳥と耀に対してきちんと謝罪をしようと。

 

これからコミュニティの同志になろうという者に対して、あまりにも礼を欠いた行動をしていたと痛感した。

 

それに気づかせてくれた十六夜に。

 

言葉こそ少ないが、弱者の求めに対して必ず応える、伝え聞く「施しの英雄」の揺るがぬ在り方に。

 

心からの礼と敬意を示し、黒ウサギは礼をした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「な、なんであの短時間で”フォレス・ガロ”のリーダーと接触して喧嘩を売る状況になったのですか!?」

 

水神から水樹の苗を受け取り、ウハウハ気分でカルナと十六夜を連れてジンの元へ合流を果たした、黒ウサギの絶叫が響き渡る。

 

「しかもゲームの日取りは明日!?」

「それも敵のテリトリーで戦うなんて!」

「準備の時間もお金もありません!」

「一体どういう心算ですか!?」

「聞いてるのですか三人とも!」

 

「「「ムシャクシャしてやった。今は反省している」」」

 

「黙らっしゃい!」

 

あって早々だというのに息のあった言い訳に激怒する黒ウサギ。

 

一方カルナは、

 

(出会ってから数時間も経たずにこの連携。これがコミュ力というものなのか…?俺には到底至れない境地だ、感嘆する他ない)

 

思わず自らの嫌いな言葉で賞賛してしまうほど、ジン、飛鳥、耀の連携に感心していた。




去年の半ばから祖父が入院する、父の手術、母方の実家の問題。
さらに学校の方の試験なんかで時間も取れず、精神的にかなり参ってしまい、しばらく休ませていただきました。

まだ完全には落ちついていないのでまだまだ更新安定しませんが、お付き合いいただければ幸いです。
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