「やっと投稿か」
今回は短いですが、本編スタート!
入学、いきなり決闘
二月・・・・
とある学園の制服を着た少年が、何故か、女子校の校門の前に立っていた。
「とうとう来てしまった・・・・」
その容姿は、こげ茶色の髪に森林の緑のような眼をしており、整った顔をした少年だ。
その名は『
このクインヴェール女学院に今日から特待生として通う、学園史上初の男子生徒だ。
「はあ・・・・まあ、シルヴィもいる事だし、入るか・・・」
村雨は一つ、大きな深呼吸をして、校門をくぐった。
シルヴィア・リューネハイムに恋人発覚。
それは、この巨大なクレーター湖に浮かぶ水上学園都市『六花』、通称アスタリスクのみならず、世界を揺るがした大ニュース。
村雨は、そのシルヴィアの恋人である。
シルヴィアは記者会見を行っている際に、村雨の叔父である焔 竜宮に襲われるも、危機一髪のところで村雨が助けに来て、見事撃退。
その後、村雨が演説をして会見は終わった。
その次の日に出た新聞の一部の記事に、村雨の演説について、とても賛成するかのような記事が書かれており、この記事のおかげで、シルヴィアはアイドル活動は命拾いした。
流石にファンは減ったものの、それでもたった数人。
二人の仲は認められたのだ。
「という訳で、今日からこの学園の生徒として一緒に学ぶ事になった、村雨くんだ」
「よろしく」
高等部の教室にて、村雨は自己紹介をした。
「君の席は窓側から二番目の一番後ろの席だ」
「はい、解りました」
言われた通り、村雨はその席に座った。
だが、周りの視線が気になる。
それもそうだろう。なんてたって、村雨は男だ。
授業がはじまるが、教科書が無い。
「・・・あの」
「は、はい!?」
となりの女の子がビクっと反応する。
「いや、そんなに怖がらなくても・・・」
「あ、すみません・・・」
すると女の子はしゅんとうなだれる。
「きょ、教科書を見せてくれないか?まだ持ってないんだ」
「わ、わかりました・・・」
「それと、同級生なんだし、敬語なんてしなくていいぞ」
「わ、わかった」
とにかく、誤解される事なく教科書をみせて貰えそうだ。
昼休み。
「つ、疲れた・・・」
あの会話が原因で、休み時間の度に質問攻めの嵐に見舞われた。
その為に精神的にもうくたくただった。
食堂になんとかたどり着いた村雨は、ラーメンを頼み、それができるまで、席に座っていた。
「はあ・・・まさかシルヴィが年下だったなんて・・・」
そう、村雨とシルヴィアは歳が一つ違うのだ。
「不幸だ・・・・」
と、そこで呼び出しのブザーが鳴ったので、品を取りに向かった瞬間・・・・
「兄上!!」
「ん?・・・・グハァ!?」
いきなり背後からタックルを喰らった。
「ぐ、うう・・・・な、なんだよ一体?」
起き上がり、タックルしてきた犯人の方に顔を向けると、そこには綺麗なサラサラな黒髪に、村雨と同じ緑色の眼をした少女がいた。
「え?」
歳は村雨より二つほど下だが、村雨にはその顔に十分見覚えがあった。
「春雨?」
そう、村雨の妹にして唯一の家族、
「兄上ぇ!」
「ぐほ!?」
今度は胸にヘッドバット。
「お、おい・・・まさか、春雨なのか?」
「はい!春雨です兄上!」
やっと会えたかのような笑顔を見せる春雨。
「おいおい、まさかここにいるなんてな。どうして星導館じゃないんだ?」
村雨は立ち上がり、そう尋ねる。
「だって、兄上が退学になってしまうから・・・」
なるほど。つまり春雨はもともと星導館に入学しようとしていたが目当てである村雨が退学してしまったので本来行きたかったクインヴェールに入学した。そういう事なのだろう。
「しかし、随分成長したなお前。主に身長が」
「そこですか・・・・そう言えば、何か頼んでいたようですか?」
「ん・・・・・あ、ラーメン」
その事に気付いた村雨は急いで、ラーメンを取りに行く。
「でもまさかあのシルヴィアさんと恋仲になっていたなんて、妹として誇りに思います」
「ははは、ありがとう。それで、剣の方はどうなってる?」
「はい、かなり腕も上がりましたよ。もう極段で縦、横、突きまで使えるようになりました。兄上の方は・・・・あ・・・」
突然、春雨の表情が暗くなる。
「大丈夫だよ。俺が
「そうですか」
それを聞いた春雨が表情を明るくする。
「でもやっぱり、兄上は居合が得意なのですね。あの動画、やっぱりあの居合ですよね。とても速かったです!」
「まあな」
ラーメンを食べ終えた村雨は食器を返す。
「さて、そろそろ・・・」
ガシャン
「ん?」
「なんでしょう?」
何やら皿が割れたような音が聞こえたが・・・次に怒号が聞こえた。
「何てことしてくれますの!?」
「ご、ごめんなさい・・・」
村雨と春雨は顔を見合わせその現場に向かう。
「よくも私の食べていた食器を落としてくれましたわね!どうしてくれるんですの!?」
「は、はい、すみませ・・」
「謝ればいいってものじゃないでしょう!」
「ひい・・・」
どうやら喧嘩のようだ。それも一方的な。
「あれは・・・」
「知ってるのか?」
「はい、怒っている方は、序列三十三位、《
「ん?よく見るとあいつか・・・」
「知ってるんですか?」
「ああ、俺の隣の席に座ってる奴だよ。そういや名前聞かなかったな」
「そうですk・・」
「とにかく!弁償してもらいますわよ!」
「だ、だけど私お金が・・・」
「まさか払えないというですの?それじゃあ、私に
「え!?」
ヴァイオレットの言い放った言葉に女子の方は驚愕する。
「で、でも・・・」
「あら?受けないならそれで結構、しかしそれでは貴方がこの皿の弁償をする事になりますわよ?」
「・・・・」
その言葉に、彼女は何も言えない。
「さあ、どうすr・・・」
「そこまでだ」
「!?」
そしてとうとう業を煮やした村雨が割り込む。
「な、なんで男がここに・・・・」
「今日から特例でここに転入する事になった焔村雨だ。お前、少し言いすぎじゃないか?」
「そう、貴方が・・・・それがどうかしまして?この女は私が食べようとしていたものを落としてくれたんですのよ?それに強くあたって何が悪いんでしょう?」
「皿を割ったぐらいで、弁償はともかく、明らかに決闘をしなさそうな奴に、決闘しろというのは、あまりにも酷じゃないか?」
「ほう、じゃあ貴方が、その女の代わりに私と決闘するんですの?」
「別にそれでも構わないぞ。ここのレベルも知っておきたかったし。とにかく、俺が勝ったらこいつを許す。だが負けたら俺は何をすれば良い?」
「そうですわね・・・それじゃあ私が勝ったら、私の下僕ということでよろしいですわね」
「いいだろう」
「ちょ!?兄上!」
「ふん、それじゃあ明日、せっかくですのでここの総合アリーナでやるというのはどうでしょう?」
「いいが・・・せっかくってどういう意味だ?」
「ここで済ませてしまうのもいいですが・・・そろそろ昼休みが終わる頃ですし、それに貴方の初戦、ギャラリーが多い方がよろしくていいかと」
「なるほどな、分かった。総合アリーナだな。首洗って待ってろ」
その後、まさにご立腹な妹が待っていた。
「もう、兄上のバカ。なんでいきなり決闘なんか」
「悪かったって、でも、あのままじゃあいつがかわいそうだろ。それにここで戦うような奴じゃなかったし」
「それはそうですが・・・」
「あ、あの・・・」
そこで誰かが話しかけてくる。
「お前はさっきの・・・」
「た、助けてくれてありがとうございます・・・・すみません、私がなんとかしなくちゃいけないのに・・・・」
「いいって、俺がしたいと思った事だし。さて、明日の為に、授業いきますか。そういや、名前聞いてなかったな。なんていうんだ?」
「あ、えと、こ、
「そっか、九内っていうのか。そんじゃ、行こうぜ!」
「は、はい!」
「それじゃあ兄上、私はここで」
「分かった。そんじゃ明日」
二人はそのまま自分たちの教室に戻っていく。
総合アリーナにて。
『さー、ヴァイオレット・ワインバーグが決闘するっていうので来てみましたがなんとその相手があの焔村雨だとは思いもよりませんでした!』
『ええ、焔さんは星導館では《
『それに、我らがシルヴィア・リューネハイムの恋人でもありますからね!さあてどんな戦い方を見せてくれるのかーー!!』
「いろいろうるさい実況だな、まあいいが」
と、ひとり愚痴る村雨だが、その向こうでヴァイオレットが声をかける。
「よく逃げずに来ましたわね。褒めて差し上げましょうか?」
「やめろ、それに言っておくが、俺はお前の事を何も知らねぇ、もちろん、その能力の事を何も知らねえ」
「それで良く決闘を受けると言いましたね」
「勝てる打算があるからな」
「その余裕、いつまでもつか見物ですわね!」
「いいからとっとと始めようぜ、ワインバーグ」
「そうですわね」
「そんじゃ」
村雨は左胸にある校章に手を添える。
「羨望の旗幟たる偶像の名の下に、我焔村雨は汝ヴァイオレット・ワインバーグに決闘を申請する」
そしてヴァイオレットは・・・
「その決闘を受諾する!」
両方の承諾。
村雨はカウントが始まるのと同時に、
『
機械音がなり響くと同時にアリーナの
その瞬間、ヴァイオレットの周りにあらゆる種類の砲弾が出現する。
「さあ、行きますの!」
ヴァイオレットが合図のような仕草をすると無数の砲弾が村雨に襲い掛かる。
「いきなりか!?」
村雨は大きく弧を描くように走る。
砲弾はその退路を断つ様に襲い掛かる。
「あぶねえなおい・・・って!?」
いきなり眼前が爆ぜる。それは村雨の目の前で砲弾が着弾したからだ。
そこに特大のロケット弾が襲い掛かる。
「く!」
「終わりですわ!」
ヴァイオレットは勝利を確信する。だが・・・
「焔流戦闘術上段、
村雨はそれを掌打で迎撃。
「な!?」
「オラオラオラ!!」
そして次々と襲い掛かる砲弾を片っ端から
「・・・・」
その光景に絶句するヴァイオレット。
「今度はこっちから行くぞ!」
と、走り出す村雨。
「!?ま、まだまだですわ!」
我に返ったヴァイオレットが砲弾を生み出し、迎撃しようとするが当たらない。
「よっと!」
「え?」
さらにその内の一つ、ロケット型の砲弾を掴み、勢いを殺さず回転しながら投げ返す。
「ぎゃああああああ!?」
それを緊急回避で(地面にダイブする奴)かわすもその間に村雨が接近。
「ちょ、ちょっと待・・・」
「焔流戦闘術初段、直突き」
そして、ヴァイオレットが何かを言い終える前に村雨がその左胸にある校章を破壊する。
そして、決着を告げる機械音がアリーナに鳴り響く。
「ヴァイオレット・ワインバーグ、
『試合終了ーーーー!なんと焔選手!
『これには驚かされますね。ナックル型の
実際、竜宮戦で村雨の
何故そうなったのか
『多分、一度本来出せない筈の力を引き出してしまったのが原因で、フタが少し外れてしまったのだろう』
と言った。
とりあえず、あまりの事に放心しているヴァイオレットを置いてその場を立ち去る。
その廊下で・・・
「圧勝だったね」
「おう」
綺麗な紫色の髪をしていて、その世界中の誰もが見た事ある可愛らしい顔は、村雨の彼女にしてこのクインヴェールの序列1位、シルヴィア・リューネハイムだった。
「6つの学園の中では最弱とは聞いていたが、30代であれとなると、鍛えればどの学園の
「おやおや?結構ポジティブな感想だね」
そう言い、シルヴィアは村雨の右側に近寄り、腕を組む。俗に言う、『恋人つなぎ』だ。
村雨は気にしない様子で、寧ろ嬉しそうな笑みを浮かべる。
まあ・・・・結局は見つかって大騒ぎにはなった。
次回!
クインヴェール女学院での生活に慣れてきた村雨。
そして、公式序列戦で、若宮 美奈兎に勝負を挑まれる。
その戦いで、彼女の欠点を見つけ、稽古をつけてやると言い出す。
「お願いします!」
「やるか」
そして遂に焔家の人間が動き出す。
「焔 村雨、貴様の命、ちょうだいいたす」
「忍術の使い手か!」
焔流忍術極段修得者、
その実力の前に、苦戦を強いる村雨。
そして・・・
「村雨さんは、仲間です」
「焔流剣術上段、
次回をお楽しみに!