「おい作者!?なんで勝手に!?」
「別にいいじゃん固い事言わない」
「どうせ次回から始めますとかそんなんだろ?」
「なぜ解ったし・・・」
「バレバレ」
「ぐ、それではどうぞ!」
シルヴィア・リューネハイムは憂鬱になっていた。
「昨日のあの人、どっかで見た事あるんだよねー」
生徒会長の机に座ってだらけていた。
「ほらほら、だらけてないで仕事する」
「んーだって〜」
生徒会秘書の少女にそう言われるが、駄々をこねる様に抗う。
だが目の前に書類をドンッと置かれて強制された。
昨日の少年の事が気になり、仕事に集中出来ない。
「・・・・また、行ってみようかな・・・再開発エリア」
「・・・・やっぱりそうだ・・・不味いな・・・」
村雨は血の気が少し引いていた。その理由はとあるビデオを再生させ、その中に映っている人物を見たからだ。
その中身は、かの世界的歌手、このアスタリスクにある6つの学園の一つ、クインヴェール女学院の生徒会長にして序列1位、『
「やばい・・・胸揉んじゃった・・・・」
ズーンとうなだれる村雨。
だがそれよりも。
「怒ってるだろうな、あの事・・・」
それは半年前。
準々決勝で、村雨とシルヴィアは当たったのだ。だが、勝負は一方的だった。
開始直後、急速にシルヴィアに接近し、近接戦闘に持ち込んで、村雨は
だが、決着が着く寸前で、彼は自らの校章を破壊したのだ。
それは、負けそうなプライドの高い者にとっては屈辱でしかない。
おそらく、彼女もそうだろう。
「どうしてだろう。また会ってしまうのでは無いかと予感してしまうのはどうしてだろうか」
気のせいだと自分に言い聞かせ、作業に戻る。
そして、予感が当たってしまった。
「・・・・・」
村雨の視界には、今まさに昨日の少女、変装したシルヴィアがいた。
だがまだ此方に気付いていない。
「い、今の内にここから・・・」
「あ、昨日の!」
即座に見つかった。
シルヴィアが此方に近付く。ここで逃げたらかえって怪しまれる。かと言って正体を見せる訳にもいかない。
村雨は、半年前、星導館を自主退学、ほぼ強制的に去ったが、勝ちを譲った事で批判されているので伊達眼鏡に帽子と言った髪型を隠すような格好をしている。
「や、やあ、昨日ぶりだな」
「そうだね」
彼女は返事をした後に村雨の顔をジーッと見つめる。
「何?」
「え?ああ、ごめん。何処かで見た事ある様な顔だったから」
「その見覚えある顔って・・・?」
「え、えーと・・・ごめん、言えない」
(だろうな)
ヤバイ、覚えてらっしゃる。
目を逸らして誤魔化す様はその事を知られたく無いと言う事なのだろう。
「ま、まあ、今日は何の様だ?」
「あ、うん、特に無いけど・・・・・・うん、よし」
シルヴィアは少し考えこんで、やがて決心したかの様に言い放つ。
「その帽子とメガネを外してくれないかな?」
「・・・・悪い。出来ない」
やはり答えはNO。それでも気になる。
「お願い」
「ダメだ」
「どうして?」
「言えない」
「なんで言えないの?」
「それは・・・」
「ねえ、なんで?」
問い詰めるシルヴィア。
「お前には知られたく無いんだよ!あ・・・」
「え?」
思わず怒鳴ってしまった。
「・・・・ごめん」
罪悪感に駆られた村雨は、呆然としているシルヴィアを置いてその場を離れようとする。
「あ、待って・・・・!」
シルヴィアの制止も聞かず、跳んで逃げた。
「・・・・」
そして、悟った。
「やっぱり、あの人なんだ・・・・」
一年前、自分に勝ちを譲った星導館の序列5位の少年。
そしてシルヴィアに、これまでに無い屈辱感と敗北感を与えた少年。
「やっと見つけた」
あの日、どうして勝ちを譲ってくれたのかを聞き出す為に、シルヴィアは追い掛けた。
「・・・・何処に行ったの?」
迷子になった。
再開発エリアは大体把握していた積もりだったが彼を追いかけるのに精一杯で場所の事を忘れてしまっていた。
「どうしよう・・・そうだ、高い所へ・・・」
と、このあたりで一番高そうな建物に登ろうとしたが。
「ちょっとお嬢ちゃん、俺たちと遊んで行かないか?」
レヴォルフ黒学院の制服を着た男達が取り囲んだ。
「何か用?今私忙しいんだけど」
「そんな固い事言うなよ、なあ?」
「いやだから忙しいから」
「ちょっといいじゃんか・・・てウオ!?」
立ち去ろうとするシルヴィアの腕を掴もうとした男の一人がシルヴィアの腕を掴んだ途端、投げ飛ばされた。
「今機嫌が悪いの。邪魔するなら容赦しないわよ?」
「へえ、威勢の良いことで。お前らぁ!」
リーダー格と思われるレヴォルフの男が叫ぶと、物陰からおよそ50人の男子学生達が出てきた。
「うひゃあ・・・」
「どうする嬢ちゃん。痛い目に遭いたくなかったら、大人しく俺らと行こうぜ」
「なんども言うけど時間がないの」
「そうかい。やっちまえ!」
レヴォルフの男子学生達が
だが、シルヴィアも伊達にクインヴェール女学院の序列1位の座にいる訳じゃない。
一人の攻撃をかわし、カウンターと言わんばかりに蹴りを入れ、2人目の攻撃もかわし、カウンターキックを入れる。三人目もかわすが、別の場所から銃撃が来て、跳んで回避したがそこへ別の方向から銃撃が襲いかかる。なんとか身を捻ってかわし、着地地点に待ち構えていた2人を踏みつけ着地。さらに背後から来ていた学生にも攻撃が来る前に左で後ろ回し蹴りを食らわせる。
「ひゅー、やるねぇ・・・」
仲間がドンドン殺られているのにも関わらず、笑っているリーダー。
(おかしい)
それと同時にシルヴィアも疑問に思っていた。
(こんなに倒しているのになんでこいつらはこんなにも余裕なの?)
20人目を倒しても、敵の攻撃は止まない。
しかし、いきなり銃型の
「!?」
その一瞬の隙が致命的だった。
次の瞬間、いきなり現れた光の鎖によって動きが封じられた。
「!?」
「やーっと捕まえた〜。手こずらせんなっつの」
遠くから声がしたのでそちらへ向くと、少しヒョロッとした男が瓦礫の上に座っていた。
「ナイスだ、リーチェ」
レヴォルフ黒学院序列15位「
鎖で相手の動きを封じる至ってシンプルな能力だが、その捕縛力は高い。いくらシルヴィアでも抜け出すのはキツイ。
「ぐ、うう・・・」
徐々に締め上げられる鎖。
「苦しいか?まあ、結局は俺らと来る訳だし、この辺りを歩いていたお前が悪いんだぜ」
「そう・・・かしら?」
「ふん」
帽子を弾かれる。
そのひょうしに髪の色を変換させるヘッドフォンの機能がオフになる。
「あ・・・」
「ヒャーハッハ!これは驚いたぜ!あのシルヴィア・リューネハイムさんじゃあねぇか!」
周りの男達からも歓声があがる。
「く・・・」
シルヴィアは自身の能力である『歌』を歌おうとするが、鎖がそれを許さない。
「くあ・・・」
「ダメダメ、ここで歌っちゃ。あんたの能力はネタがバレてんだぜ」
「ぐう・・うう・・」
「おいおい、それ以上締め付けんなよ。いや、そのまま締め上げて気絶させるか」
「OK」
リーダーがリーチェに命令するといきなり首が締まる。
「あ、ぐう・・・」
意識が遠のき、視界が暗くなる。
苦しみに悶えながら、だんだんと意識が離れる。
(た・・・すけ・・・て・・・)
そして、シルヴィアが気絶した瞬間。
「シルヴィアァァァァァァァァァァァァァ!!!」
誰かの絶叫は響いた。
村雨は、偶然にも騒動の音が聞こえていた。
少し興味が湧いたので行ってみたのだが、途中で静まり返り、嫌な予感がしたので走り出した処、シルヴィアが
そこで何かが切れたのか絶叫を挙げ走り出していた。
「なんだ!?」
リーダーがそれに気づき、そちらを見るがもう遅い。村雨のライダーキックがその男の顔面に当たり、思いっきり吹っ飛ぶ。
さらに、自分の
「な!?」
それにはリーチェも流石に驚いたらしく驚愕した表情を浮かべる。
「シルヴィア!しかっりしろ!シルヴィア!」
自分でも、どうしてこんなにも必死になっているのか解らない。
だが、どんなに呼びかけてもシルヴィアが起きる気配がしない。
「ぐ・・・テメェ・・」
「おい・・・」
「あ?」
「テメェらシルヴィアに何したァァァァァァ!!」
コンマ1秒以下でもう片方の煌型武装を抜き、リーダーに撃つ。
それは音速のスピードで飛び、リーダーに当たる。
「ギャアアアアアアアアア!?」
激しい痛みが襲い、転げ回る。
完全に怒りに任せているだけの暴走
『ぐアアアアア!?』
全員が悶え苦しみ転げ回る。
それを村雨は冷めきった、だがそれでも怒りの焔がゆらゆらと燃えている瞳をシルヴィアを片手で抱えたまま向けている。
「ぐ、ううう・・・・」
そして、うずくまっているシルヴィアを絞め落とした犯人でありリーチェにその銃口を向け、引き金を引こうとしたその時。
「むら・・・さめ・・・くん・・」
「!?」
シルヴィアが目覚めた。
「シルヴィア!」
「なん・・・で・・・」
そこでようやく我に帰った。
「や、やりすぎた・・・・」
周りでは足やら腕やらを撃ち抜かれてうずくまっているレヴォルフの不良達が転がっている。
それも全て村雨のせいなのだが。
「兎に角、今はこの場を離れよう。飛ぶぞ」
と言い、
「どう言うつもり?」
村雨の住処にて、シルヴィアが今度こそ村雨に詰め寄る。
「いや、だって・・・人助けるのって当たり前の事だし・・・」
「じゃあなんであんなに怒ってたのかな村雨君」
「うぐ・・・」
確かになんであれ程までに激怒したのか未だに検討がつかない。
女性だからでもない。多勢に無勢だったからじゃない。それに世界的歌手だからでもない。別に好きでもな・・・・
「あれ?」
「とにかく、私はあの時の事許してないから」
「ああ、その、悪かったな・・・勝手に負けて」
「あれ、凄くムカついたんだよ。勝てる戦いを勝手に放棄させられて、それでいて勝手に退学して、逃げられたかと思ったよ」
「ごめん・・・」
未だにふくれっ面のシルヴィア。
「・・・改めて聞くけど、なんで、あんなに怒っていたのかな?」
「・・・お前が世界的アイドルだから?」
「嘘だね。疑問系になってるし」
「だよな。なんでだろ?」
「さあ・・・」
しばし考える二人。だが、答えは出ないと悟ったのか、シルヴィアが立ち上がった。
「もう帰るよ。ありがとね、助けてくれて」
「おう、じゃあなシルヴィア」
「・・・・シルヴィ」
シルヴィアが開いたドアで立ち止まり、村雨に背を向けながら何か小声で言った。
「え?」
「シルヴィ。特別にそう呼ばせてあげる」
シルヴィアが後ろを向き、そう言った。
「お、おう・・・えっと、シルヴィ?」
「うん、じゃあね、村雨くん」
村雨は若干戸惑いながらも、彼女の名を呼んだ。
そして、シルヴィアは少し微笑み、返事を返した。
「ちくしょう・・・・今の笑顔は少し反則だろ・・・」
実はシルヴィアは少しではなく、大いに笑っていた。
それが村雨の心を弾ませた。
「また・・・会いたくなるだろバカ・・・」
村雨はそんな邪な気持ちを掻き消すべく、眠りについた。
「いきなりシルヴィ呼びですか」
「うおエンフィールド何故ここに!?登場もっと先だよな!?」
「あーらー私がいたら何か困る事でも?」
「むしろあり過ぎていなくなってほしいわ!」
「そうですか?」チャキ
「やってやろうじゃねーかぁ!」ジャカ!
「うおいお前ら!?ここで暴れるなぁ!?」