クインヴェールの守護者   作:幻在

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「あすたりすくおなやみ相談室!」
「あーはいはい勝手にやっといて下さいシルヴィさん」
「ではなく幻在キャラ達のお悩み相談室〜!」
「ナニィ!?」
「狗柴 佐奈です」
「ああ、そうですか」
「ほらほら村雨くんもやる〜」
「わーたよ。それで?」
「ここ最近、塔刃先輩がだらけてるんです。先日の事件の事もありますが、いつも以上にだらけているんです。どうすれないいのでしょうか?」
「ちなみに炊事は?」
「先輩です・・・・」
「じゃあ、その持ってる刀で切っちゃいなよ。女としての威厳を高めればきっとだらけなくなると思うよ」
「少し不安ですが正論です!やってみます!」
「いやおかしいでしょ!?」



責任、そして叫び

星導館学園、その一室。

「なに?レヴォルフの情報でヤツに似た男の写真があったのか?」

「ああ、しかもそいつはあのシルヴィア・リューネハイムを掻っ攫っていったらしいぜ」

「あの戦慄の魔女(シグルドリーヴァ)を?何故?」

「さあな。でもこれで、ヤツの居場所がわかった。仕掛けるか?」

「そうだな、生徒会には計画がまだばれてはいないとは言え、そろそろ実行に移すか・・・」

「じゃあじゃあ!俺に行かせてくれよ!」

「そうか・・・・わかった、実行は日曜だ。しくじるなよ」

「了解」

「焔 村雨。貴様の過ちはまだ拭えて無いぞ」

 

 

 

 

 

 

 

「へっぶし!・・・・誰かが噂でもしているのだろうか?ありえないな」

村雨は今、ロートリヒトに来ていた。部品の買い出しだ。

実は彼はスリの常習犯だ。何故なら働けないからである。

「良いのねぇな・・・・?」

誰かの視線、つけられているのだろうか。

取り敢えず歩く。相手は気配をなんとか消しているようだが、元星導館の序列35位を甘く見てもらっては困る。裏路地に誘い込み、跳ぶ。そして、彼が考え、習得した『スカイウォーク』で空中に立つ。

そして来た人物の背後に降りて手刀を首の横で寸止めする。

そして・・・・

「なんでまた来たシルヴィ」

「ははは・・・・」

昨夜、村雨の家を訪ねた(村雨が招き入れた)シルヴィアだった。

「お前、もう来ないんじゃ無かったのか?」

「私がいつ言ったの?」

「ぐ・・・・」

変装しているからバレないとはいえ、こうも連続で来られると困る。

「なんで俺をつけた」

「君がどんな事をしているのか気になって・・・」

「お前に屈辱感与えた奴の生活覗くとかどうかしてるぞ」

「それもそうだね・・・」

「はあ・・・とにかく帰れ」

「いや、貴方がちゃんとあの時の理由を言うまでやめない」

「だから俺にもわかんないんだっての!」

「じゃあ今日1日貴方と一緒にいても良いよね」

「俺をリア充と勘違いさせる気か!?」

などと口論をした結果、村雨が折れた。

 

 

 

「お、あったあった」

「なにそれ?」

「ジェネレーターだよ、ほら、煌型武装(ルークス)に使う奴」

「ああ。じゃあこれは?」

「それは収納体の時に使われる部品だな」

「こんな所にも掘り出し物あるんだね」

「まあな。俺の煌型武装(ルークス)は全体がレアメタルで出来ているから、クイックドロウに向いてるけど」

「へえ・・・」

ここは、再開発エリアの掘り出し物店。稀にかなり高価なものが格安で売っている店だ。

そこで、村雨は興味深そうに見ているシルヴィアに説明をしていた。ついでに、距離も近い。

「それで・・・ん?」

村雨が何かの視線に気付いた。

「どうかし・・・?」

どうやらシルヴィアも気付いたようだ。

「誰だろう?」

「さあな・・・」

村雨は持っていた部品を元の場所に戻す。

置いたと同時に不自然にその気配が消えた。

「誘ってるな」

そして、村雨とシルヴィアは店を出て三歩。

「!? 危ねぇ!」

「え?キャア!?」

どこからか光の矢が飛んできて、村雨がシルヴィアを押し倒し、回避する。

「流石だなぁ、村雨!」

その矢は店の屋上から降ってきた。

そして聞こえた声も上。そして見上げた先には星導館の制服を着た、弓の煌型武装を持った男がいた。

「あの野郎・・・」

「誰?」

「星導館学園、序列12位『狩人(ハンター)』、霧崎 英治」

「え!?」

その名は星導館屈指の嫌われ者の一人だ。そのバトルスタイルは正に一方的と言っていいほどの戦いぶりだ。

その理由は、彼の能力にある。

莫大な万応素(プラーナ)を消費して密林を作り、さらに自身の姿も気配も消す『隠密付与(ステルスエンチャント)』を掛け、四方八方からくる攻撃を獲物に当てまくる。

それは決して好ましくないものである。

その英治御本人が屋上から飛び降りてきた。

「よお!村雨!」

「誰の事かな?」

「とぼけんな。もうネタは上がってるんだぜ。昨日の夜、レヴォルフの連中を撃退したそうじゃないか」

「チ!彼奴らか」

昨日、シルヴィアを助ける事で夢中になっていたのか、帽子が外れていた事に気付いていなかったのだ。あれは確かに誤算だ。

「それに、あのシルヴィア・リューネハイム様と一緒にな!」

「!?」

その事も忘れていた。

周りのギャラリーが騒めく。

「村雨!お前の罪はまだ拭えて無い。お前なら王竜星武祭(リンドブルス)で優勝できた筈なのに、それをまさか女の子の為に投げ出すとは!ウチのリーダーはカンカンだったぜ!知ってるか皆!去年の王竜星武祭であのシルヴィア・リューネハイムに勝ちを譲った馬鹿をよ!」

「知ってるぞ俺!」「まさか彼奴が?」「馬鹿だよなー」「でもあの『戦慄の魔女(シグルドリーヴァ)』が相手だったんでしょ?」「だからって勝ち譲るとかバカじゃないの?」

周りが口々にそう言う。

村雨は黙ったまま、英治を睨みつける。

「ん?なんだその目は?クズの分際で俺を睨むのか?俺よりも序列が低いくせによぉ」

村雨は立ち上がる。

「む、村雨くん・・・」

「・・・・」

村雨だメガネと帽子を外す。

「おーまさか自分から正体を明かすとは、滑稽だな!」

「黙れ。滑稽なのはそっちだろう。あっさりと『聖騎士(ペンドラゴン)』に負けやがって」

村雨の目に、光が無い。

「な!?面白い、そこまで言うならやろうじゃないか!」

英治から莫大な万応素が溢れ出す。

「シルヴィ、下がってろ」

「うん・・・・気をつけてね」

シルヴィアが離れる。その瞬間、村雨を囲むように樹海が広がる。

「さあ!始めようじゃないか!」

英治が矢を放つ。

村雨なら避けるのは簡単だろう。だが・・・

「グ・・・!」

避けなかった。矢は右足の臀部に命中。貫通。村雨がよろける。

「え?なんで?」

樹海の外ではギャラリーが空中に出ているモニターを見ていた。

「おいおいどうしたんだぁ!?さっきの威勢はどうしたぁ!」

英治がどんどん矢を放つ。

それが村雨の、右肩、左アキレス腱、左上腕、右脇腹、右胸、全てを貫く。

「ぐう・・・」

肺をやられ、呼吸が荒くなる。

「なんで・・・?」

シルヴィアは驚愕していた。あの時の村雨だったら矢を避けるのは安易な筈だ。それを一切避けもしないで一身に受けている。

まるで、全ての責任を取るかのように。

「被害者ぶってんじゃねぇぞ!この三下ぁ!」

遂に、最後に英治が放った矢が腹を後ろから打ち抜く。

そして、倒れた。

「ヒュー・・・・ヒュー・・・・」

もう虫の息だ。

立ち上がる事もままならない。

「は!なんだよこいつ!一方的に殺られやがった!バカじゃねぇのか?ああ?そうだろ皆ぁ!」

「ギャハハ!そうだな!」「可笑し!アハハ!」「勝手にやらてんじゃねーよ!」「ほらもうちょっと頑張れー!」「アハハハハ!」

笑い声が飛び交う。その笑い声が聞こえてるかのように、どんどん村雨の目から光が消えていく。

(後悔は無い、でも、責任もはたさなきゃな。でも、少し、寂しいかな・・・)

意識が遠のく。孤立無縁。視界がブラックアウトしていくなか、笑い声が聞こえる。だが、それもだんだんと遠くなり・・・

「うるさあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」

「!?」

誰かの絶叫が響く。

それはとても美しく、綺麗で、誰もが聞いたことのある音色。

シルヴィアだ。

「シルヴィ・・・?」

「私の知っている村雨くんはこんなに弱くない!あの試合は!私が弱いから、彼を堕としたからこうなったの!」

シルヴィアは泣きながら叫ぶ。

「でも、こんな仕打ちってあんまりじゃない。たかが勝ちを譲ったぐらいで、貴方が後悔してないならそれで良いじゃない。もう許すよ。許すから、こんな責任の取り方しないでよ」

大粒の涙を流しながら、ヘッドフォンの機能を切り、そして叫ぶ。あらん限りの声で叫ぶ。

「だから、こんな奴に負けないでよバカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

瞬間、村雨の目がカッとなり、地面に思いっきり手を着く。

そして、ミシミシ言う身体を、血を吹かせながら立ち上がる。

「う、ぐ、ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

絶叫し、立ち上がる。

「悪い、シルヴィ。かっこ悪い所みせちまって。そしてありがとう。いい喝が入った」

村雨は笑い、素早く拳銃型煌型武装(ルークス)を抜く。

 

正式名称、『煌式(こうしき)精密拳銃ハンドレット』

 

「ここから先は、俺の攻撃(ステージ)だ!」

今より、村雨の反撃が始まる。




「はうう・・・」
「そんなに恥ずかしい事なのですかシルヴィアさーん(作者)」
「だ、だって〜」
「まあ、良いじゃないですか。では次回お会いしましょう!」
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