戦闘シーンまで行けるかなーと思ってたら
長くなり過ぎましたので
一先ずここまでです。
では本編どぞー
月曜日早朝
着替えや、増えた荷物を持つ青年と、副担任、担任がモノレールの乗り場で再会した。望んでいるかは別問題として。
『四十川さん、お久しぶりです。休めましたか?』
「お久しぶりです。休めましたよー、おかげで学校に行きたくありませんでした。」
『貴様が来なかったら、うちの教員を総動員して、強制的にでも連れてくるのだがな。』
「oh…」
荷物をそばに置き、近くに置いてあった車椅子に座る為移動する青年。
「まーた、これか。」
『無駄口を叩くな。』
「へいへい。」
その後は、いつも通り拘束後移動して行った。そして、学園の敷地内に入った直後、青年は2人に対して話しかけていった。
「ああ、そうだ。山田先生、織斑先生、少し良いですか?」
『何だ?』『なんでしょう。』
「今回の帰省中にとある人物と交渉した結果、専用機を譲渡していただいたので、登録をお願いします。」
『『!!?』』
「書類は、スーツケースの一番外のポケットに入っています。」
『これか?』
荷物を持っていた担任が取り出し、内容を確認していく。読み進めていくたびに、手が震え始めた。
『おい貴様。これを何処で?』
「先ほど言ったでしょう。とある人物と。」
『………。』
『あのー、織斑先生?』
急な展開についていけない副担任が恐る恐る担任に声を掛けていく。
『すいません。山田先生、今からこいつは職員室に連れて行きます。あと、今日のSHRには間に合わないと思うので、1人で行って下さい。』
『どういうことですか?』
『こういうことです。』
担任が持つ書類を副担任に見せると、専用機を譲渡する旨の内容と、それを確認した。というものだった。しかし、責任者の名前を書く欄には篠ノ之束の直筆サインが書かれていた。
『!?』
『貴様、その専用機は何処にある。』
「私のポケットの中ですけど?」
さも当然のように、答える青年。青年のポケットの中ということは、拘束具の中にあるということだった。
『職員室で、全ての書類を提出してもらう。話はそれからだ。』
「わかりました。」
そして、青年は職員室へ移動し、中で一悶着あったものの、無事に専用機として受理されることとなった。
その後、青年は予め用意していた書類を渡し、その後はいつも通りの視線とともに職員室を退出し、担任に押され、教室に向かうのだった。教室に着いた後は、何故か担任がもう一度職員室へ戻っていた。
………side
とある男性は、生徒が出してきた書類を見て頭を抱えていた。一筋縄ではいかない。どう動くか判らない。と言うことがわかっていたのにこの結果である。
「まさか本当に博士との接点を持っていたとは…、織斑先生はどう思われますか?」
『にわかには信じがたいですが、この筆跡は私の知る限り、束本人のもので間違いありません。私自身もこれを見て、未だに信じられないと言うのが正直なところです。』
机に置かれた数枚の書類を見つつ答える女性。その書類の中には、ISのコアを彼個人に対して譲渡することを認める書類など、アラスカ条約とは一体何だったのか?と突っ込みたくなるような内容の書類が多数あった。
「スペックシートが内容的に一番大人しいとは思いませんでしたね。人生とは何が起こるかわからないものです。」
『特にあいつに関わるとよくある話なのが悩みの種です。』
最後は、2人の溜息が人の少ない職員室に木霊した。
Side out
授業を程よく聞き流しつつ、何時も通り放課後になった。皆が各々の行動を取る中青年は少女を呼び、副担任に押され、移動をしていた。
「いつもすいませんね。」
『いえいえ、御気になさらず。でも珍しいですね、整備室に行きたいだなんて。』
「いやいや、必要ですよ。特に、明日は試合です。自分が使うものの整備くらいはしないと、直前で動作不良が起こりました(笑)では笑い話にすらなりませんし。それに、別件もありますし。」
『?』
「気にしなくていいですよ、本当に別件なので。」
首をかしげる副担任をよそに、3人は移動をしていった。
整備室内
入室直前に青年は両腕の拘束を取ってもらい、中に進んでいった。すると、丁度ISを格納するガレージ内で、以前青年に色々な意味でインパクトを残した少女がいた。
「じゃあ、雫さん。何かあればお願いしますね。」
『そういうことですか、判りました。渉さんは、巻き込まれるのが好きなんですか?』
「うん、そういう風に見えるなら君は一度眼科に行って来るといい。少しはマシになるはずだ。」
『ふ、2人とも落ち着いてください。』
いきなり始まった、毒の吐き合いを見てわたわたし始める副担任。すると、こちらの会話が聞こえたのか、例の女生徒がこちらに振り向き、こちらを確認すると以前と同じように片付けの準備を始めた。
「雫さん。」
『解ってますよ。』
そんな会話をしていると、女生徒がこちらの横をすり抜けようとした。が、
「すいません、以前のことで2、3お伺いしたいことがあるのですがよろしいですか?」
『は、離して!』
青年が女生徒の腕をつかんだものの、
「あ、やばい、止まらん。」
青年は両手が使えるものの基本は車椅子なので、踏ん張りが全く利かない。つまり、青年は女生徒に車椅子ごと引き摺られていた。
「雫さーん、ちょっとアレか私かどっちでもいいから止めて。」
『了解。』
過程は割愛させていただくが、最終的には女生徒も帰ることは断念し、一応ではあるが会話の場が成り立った。
「若干手荒い行動はおあいこってことでどうか勘弁を。」
『…何ですか?』
超不機嫌オーラを全身から吐き出している女生徒はこちらをジト目で見てきた。
「それでは、本題に入りましょう。何故前回私を引っ叩いたのですか?」
『貴方に言う必要は無い。』
『簪さん、それはいけません。私の目から見ても貴方の行動はおかしいですし、もし何らかの理由があるなら言うべきです。』
『山田先生…。』
「それでどうなんです?」
副担任に言われたからか、渋々ながら話し始めた。
『…知ってると思うけど、私は更識簪、日本の代表候補生なの。』
「ええ、知ってます。他クラスに数人の代表候補生がいることも知っています。」
『問題はそこじゃない。私が怒っているのは、貴方が私から専用機を貰う機会を奪っていったこと。』
「?」『?』『?』
女生徒の話に全員首を傾げ始める。にもかかわらず話は続いていく。
『専用機を貰う機会が他の候補生に取られるならまだ納得も出来るし、我慢も出来る。でも、ぽっと出てきただけの貴方に貰えて、そのせいで私の機会がなくなったのが納得できなかった。だから、貴方に対して叩いたの。』
それを聞いた青年はいくつかの質問を始めた。
「なるほど、そうですか。すいません、その話なんですけど、いくつか疑問点があるので質問してもいいですか?」
『好きにして。』
「では、貴方は、その話を誰かから伝えられたと思いますが、誰からどのように伝えられましたか?」
『学校の教職員が、口伝で”開発元が四十川という男性操縦者の専用機を作るから、貴方の専用機の製作を中止させて頂くことになりました。”って言ってきた。その後、私自身で企業に確認を取ったところ、”男性操縦者の専用機開発の為に人員を割きすぎて専用機を作れない”と言われた。』
『え、でもそれってh「山田先生、後にして貰っていいですか?」 解りました。』
「では次です。専用機を開発依頼していた企業の名前は?」
『倉持技研。』
「以前此処に来たときに、貴方が整備していた機体。あれは、打鉄と見た目が少し似ていましたが、アレはなんだったんですか?」
『アレが私の専用機になるはずだった機体。【打鉄弐式】なの。』
「打鉄ということは、第二世代の改修機ですか?」
『少し違う。確かにメインフレームは打鉄をベースにしてはいるけど、コンセプトが違うから殆ど別物。』
「そうですか、すいません、山田先生1つお伺いしたいんですけどいいですか?」
『何でしょう。』
「私の記憶が正しければ、打鉄は倉持での開発。ラファールはデュノア社での開発だったと思うんですけど、機体そのものを、他の会社で開発することは可能なんですか?」
『基本的には、打鉄は倉持で作られますし、ラファールはデュノア社で開発されます。なので、倉持がラファールの後継機を開発することはありませんし、デュノア社が打鉄の後継機を作ることはありません。他社でも同様です。基本的に、IS関連企業は武装や内部プログラム等の補助がメインとなっていて、機体そのものを開発研究できる場所はかなり限られています。』
『何の話をしているんですか?』
青年の質問に対し意義を見つけられない女生徒は、疑問をぶつける。
「更識さんが幾つか誤解をしていることがなんとなーくわかったってことですよ。」
『どういうこと?』
「まあまあ、落ち着きなさいって、ちゃんと説明しますから。」
そう言って、青年は話し始めた。
「まず大前提なんですけど、私はISの適正がありません。」
『はい?』
すべての根底を覆す発言を聞いて、固まる女生徒。
「入学の経緯は長くなるから割愛させてもらうとして、入学後もう1人の男性操縦者織斑さんに巻き込まれる形で、クラス代表戦に参加することになりました。」
『ちょ、ちょっと待って! 言っている意味がわからないし、そもそもクラス代表戦って何?』
「あー、なるほど。他ではしてないんだね。要約すると、クラス代表を決めるときに、クラスメイトに推薦された織斑さんを反対したオルコットさんと口喧嘩の決着法が決闘になって、そこに何故か私が、織斑さんに推薦されて巻き込まれました。」
『適性がないことは言わなかったんですか?』
「言いましたよ。ですよね、先生。」
『そうですね、言っていましたね。』
『…その人頭大丈夫?』
驚きと呆れが混ざった複雑な表情をする女生徒。
「続けますね。その後、私を含めた男子生徒2名に対し専用機を渡すという話になりました。名目はデータ取得の為です。」
『やっぱり専用機をもらったんじゃないんですか。』
「まあまあ、最後まで聞いてください。それで何かあれば質問してください。そして、その話を聞いた日の放課後、職員室にて詳細をお話していただけました。その内容とは、織斑さんに対し専用機を渡す。私に対しては学園所属訓練用ラファールを無期限借用させる。というものでした。」
『どういうこと、どうして2人に差が出てるの? それに、無期限借用って専用機ですらないじゃないですか。山田先生、彼の言っていることは本当何ですか?嘘ですよね?』
『残念ながら、という言い方もおかしいですが、彼の言っていることは本当です。この事は学園長も知っているので、もし疑問に思うなら聞いてみるといいです。もし必要なら、言ってくれれば私がアポを取ります。』
青年の言葉を聞き、副担任の言葉を聞き、混乱していく女生徒。
「因みに理由としては、適性がないから専用機は渡せないけど、訓練機を貸してあげるから動かせたら私たちのために頑張ってね。ということらしいです。」
『え? え? じゃあ、あの時来たのは…、』
『私が整備室内の説明をする為です。』
『専用機は…』
「今は別ルートで入手しましたけど、少なくとも学園からの支給ではないです。」
そう言って、青年は自身のポケットからチェーンの付いた懐中時計を取り出し、女生徒に見せた。
『別ルートって?』
「企業秘密です。いずればれるとは思っていますので、そのときを待っていてください。」
『じゃあ、何で先生は四十川って個人名を出したの?』
「私は、本人ではないので確証はありませんが、私に対する嫌がらせか、もしくは単純に勘違いか。恐らく前者だと思いますけどね。私、嫌われてますし。」
それを見た女生徒は、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「質問は以上ですか?」
『あの…、あの…、』
「あの?」
『ごめんなさい!』
女生徒は、急に頭を下げ謝罪を始めた。それを見た青年は何ともいえない微妙な表情をしていた。
「あのー、更識さんでしたっけ? 私、怒ってないですよ。ただただ経緯が知りたかっただけなので。」
『でも、私の勘違いでいきなりビンタしちゃうし…、本当にごめんなさい!』
「んー、じゃあ謝罪はもういいので代わりに、整備室の使用方法の詳細を私に教えてください。」
青年は丁度良いやと言いたげな表情で女生徒に対し提案をした。
『そ、そんなことで良いんですか?』
「そんなことも何も、今私が一番求めている情報だから。まぁでも強制はしませんよ。もしよければ程度の事なので、無理はしなくてもいいですよ。」
『あの、1つ聞いてもいいですか?』
「どうぞ。何ですか?」
『何で怒らなかったの? 勘違いが原因とは言っても、私は貴方に対して引っ叩いたのに…どうして?』
女生徒からの質問を受け、青年は回答する。
「意味がないから。」
『え?』
その言葉を聴いた3人は絶句した。青年は続けて話していく。
「確かに、私は事情があったとはいえ、更識さんからビンタを貰いました。でも、言ってしまえばそれだけでしょう。」
『いやそれだけって』
「私がそのとき思ったのは更識さんに対する怒りではなく、疑問ですね。」
『疑問?』
「ええ、疑問です。人の行動には必ず理由があります。どんなに下らないものであってもです。つまり、私は更識さんが叩いたことそのものより、叩く行動に至る理由のほうが知りたかったんです。怒りやら、呆れやらはその後でも大体間に合います。」
『じゃあ、仮に私が叩いた理由が理不尽なものだったら?』
「内容にもよりけりですけど、とりあえず全く同じ理由で、全く同じ事をそのままし返しますね。だってそうでしょ? 自分が他人にする事は、他人から自分にされても文句言えないんですから。」
『………。』
「昔からよく言うじゃないですか。相手から奪うことが出来るのは、自分も相手から奪われる覚悟を持っている者だけって。」
青年の話を聞いた女生徒は、青年に笑顔を向け
『すいません。四十川さん、私は貴方のことを誤解していたようです。』
「何をどう誤解していたのかは知りませんが、自分の間違いを自覚できるなら上々です。」
『噂は所詮噂だったって事ですよ。解りました。整備室内の説明の件わかりました。もし、何かわからない事があれば何でも聞いてください。判る範囲内でよければ教えます。』
「ありがとうございます。正直助かりました。」
右往左往したものの、最終的には女生徒との和解に成功し、3人の指示の元、整備の方法をレクチャーしてもらうのだった。
火曜日
今日は、青年以外が待ち望んでいる日であり、クラス代表戦がある日だった。正直めんどくさいとしか考えていない青年は、放課後に近づくほど気持ちがナイーブになっていた。
「(はぁー、めんどくさい。)」
それでも、授業は一応聞いてはいるが、単純に聞くだけの作業のみでは限界になりつつあった。授業内容は、眼鏡を通してリグに記録させてはいるものの、覚える為にも、両手をそろそろ使いたいと思える程度には、逼迫し始めていた。
「(代表戦が終わったら、先生に相談しよ。勉強名目でなら、両手だけでも外してもらえるかな?)」
そんな事を考えている青年は、自身を興味本位以外の邪な視線を数人から向けられていることは気が付いていなかった。
そして、授業も終わり、放課後になった。青年は、必要なものを纏めてある鞄を職員室においてある為、アリーナに向かう前に一度寄る必要があった。
「山田先生、そろそろ移動をしたいので連れて行ってもらってもいいですか?」
『はい、わかりました。職員室で荷物を取ってから、で良いんですよね?』
「はい。あってます。」
そう言って、教室から出た直後、
『山ピー、ちょっときてー。』
教室内から、副担任?を呼ぶ声突如聞こえてきた。
『はーい。すいませんちょっと待っていてくださいね。』
「あ、はい。」
副担任はそう言った後、青年を廊下の隅に置いて教室へ戻っていった。待っている間、青年は試合のことを考えていた。しばらくすると、ふと後に気配がしたので、副担任が戻ってきたのだとおもった。のだが、
ガサッ
「オウッ」
突如頭から紙袋のようなものを被せられ、普段とは思えない速度で移動を始めた。
「君、誰?」
『………。』
青年が質問をするも返答は無い。少しすると移動を終えたのか、停止し、後ろの人物が声を掛けてきた。
「あんた、邪魔なのよ。あんたら男は大人しく女の言うことを聞いていればいいのに、何で余計なことをするの?というわけで、これは私たちからの罰よ。ありがたく受け取りなさい。」
そう言った後、後ろの女生徒は青年を押した。すると、青年は何ともいえない浮遊感を感じた。例えるなら、ジェットコースターの下る直前の感覚と似ていた。
「(やばい、落ちる!)」
自身で受身を取れない青年は、上半身を丸めることで衝撃を吸収しようと試みた。が、
ガラガラガラガラガラッ
車椅子の分が想像以上に重く、全身に衝撃を貰いながら、青年は落ちていった。そして、当たり所が悪かったのか、角に当たり、
ゴキンッ!
骨が折れた。
ども、最後まで読んでいただいてありがとうございます。
例の少女と仲直りが出来ました。
次回以降は戦闘シーンが続くと思います。
作者の拙い文章力で何処まで表現できるかは甚だ疑問ですがね。
コメント(理不尽な批判以外)、質問、代替案、どしどしお待ちしてます。