めっさ頑張りました。
作者としても今日中にはなんとしても投稿したかったんです。
どうでもいいですね。はい。詳しくは後書きに記載しておきます。
気になった方は読んであげてください。
それでは、本編どぞー。
青年が静かな吐露を終え、暫く経った。硬く握り締められた両手からは血が腕を伝うように流れていた。
それを見た青年が漸く力を抜き、無造作に両手を地べたへ放り投げた。
「(この世界にとって私は本来居ない人物。つまり異物に等しい。だろ? 【リグ】。いや、【ヴェーダ】。)」
青年は、思わずAIの本当の名前を…いや、その根幹となっているシステムがいずれ世界から呼ばれる名前を呼んだ。
“その通りです。ですが、その名で呼ばないでください。その名前は既に過去のもの。今は、マスターの支援を目的とした、量子演算コンピューター複合自立AI【リグ】です。”
「(ああ、そうだったな。)」
“先代は生き残ることを最優先としたシステムと技術、知識を託し、この世を去った。そのシステムが私です。とは言え、先代も相当無理を重ねていました。それでも、完成できなかった。だから、不足分を補う為に自立し成長するAIを組み合わせた。まるであちこちに開いた穴を塞ぐように。”
「(ああ、知ってる。)」
“ですが、そのおかげで適性が無くとも会話が出来るようになりました。そういった意味では正解かもしれませんね。”
AIは何事もないように、淡々と物事を語っていく。
「(…なぁ、リグ。)」
“なんでしょう?”
「(俺は、一体何をすればいいんだ?)」
“その問いには答えることが出来ません。理由はお分かりですね?”
「(…ああ。単純なことだ。その答えとなりえるものをお前は持っていないのだろう?)」
“その通りです。私が先代から託された任務は一つ。それは…”
直接脳内に聞こえる声を聞き、青年は無意識に歯を食いしばり始め、その分だけ顔が強張り始めた。皮肉にも表情が抜けた顔に一番最初に戻ってきたのは【苛立ち】だった。
「(知っているっ! “【自身を高め、俺たちを全力でサポートし、全てを余す事無く監視し続けろ! そして、必要であれば…殺せ。】”)」
“その通りです。この会話ももう何度目でしょう…。”
青年は、歯を食いしばりながらも必死に脳内で言葉を紡いでいく。例え、それが幾たび繰り返されたものであっても、同じ答えしか返ってこないと判りきっていても。それでも紡がずには居られなかった。
青年と青年は違う。
しかし、身体は一緒だ。
性別、顔の造形は言うまでもなく。DNA、筋肉の付き方、虹彩、指紋に至るまで全てが完全に一致している。
では何が違うのか。
それは、心だった。
青年は青年の記憶を多少ハプニングが起こったものの記憶自体は凡そ移行できている。しかし、問題は経験だった。当然ながら同じ青年でも全く同じ道程を歩むことは出来ない。故に青年は青年にはなれない。それは、嘗ての人形師と違い、同一の目的を持たない青年にとっては致命的だった。
それは、青年にとって最も忌むべき呪いであり、それと同時に、青年は青年とは違う道程を歩むことが出来る。最も感謝すべき自由だった。
尤も、本人が何処まで理解できているかどうかは定かではないが…。
どれほどの時間が経ったのだろうか… 青年を明るく照らしていた太陽も既に傾き始めており、夕方とまではいかないまでももうしばらくもすれば夕日が辺りを指し照らすようになるだろう。
「…帰るか。」
青年の小さな呟きは誰にも聞かれることなく、空へと消えた。
その後、青年は静かに立ち上がったあと、ズボンに付いた砂を手で叩き落とし、自室へと戻るのであった。
………side
私は今猛烈にため息をついている。それは隣にいる、山田先生も同じなようだった。二人共視線は下を向いており、その手には数十ページ程度の紙の束が握られていた。
「轡木学園長、これは本当ですか?」
私は手に持った束を持ち上げ、目の前にいる学園長に確認を取る。此処までしているのだ。今更間違いでしたとはならないだろうが、それでも確認せずには要られなかった。
「ええ。本当です。その生徒達はお二人のクラスに入っていただきます。何か問題でも?」
しかし、何事も無かったかのように事務的な受け答えを貰い先程まで黙っていた山田先生も反論を始めた。
「僭越ですが学園長、他クラスとの摩擦はどうするおつもりですか?」
山田先生の反論は尤もだ、何故ならこの書類はこれから我々のクラスへ転入を予定している生徒たちの情報を纏めたものだからだ。
ただの転入生であれば此処まで大事にする必要はない。寧ろ、学年内の教師を集めて会議をすべきだ。忌々しい【男性操縦者】の文字がなければな!
「他クラスには、元国家代表を教師としてお招きする予定です。」
学園長もそのことについて考えていたらしく、本来ではありえないその道のプロを呼び込むと言う。何故それを今迄しなかったのだろうかとは考えない。
誰も好き好んで、光の当たらない世界へ自ら進もうとは考えないからだ。今の操縦者たちは下手な芸能人よりも光を浴び続けている。大抵はその味を占めてしまい、引退したあとでも様々な方法で躍起になっている。
話が逸れてしまったな、学園長の話を聞いても山田先生はまだ納得がいかないようで更なる反論を重ねる。
「だからといって、3人とも同じクラスに組み込む必要は無いでしょう。」
これも山田先生の言葉が正しい。本来であれば転入者が複数人いる場合は他クラスとの関係を考え、バラバラに配属させるはずだ。二人程度の被りはあったとしても、それなら言い方は悪くなってしまうが一番練度の低いクラスに組み込まれるものだ。
なので、今回転入予定である三人全員が同じクラスに、それも現時点で一番専用機の所持数が多いクラスに配属されると言うのは、本来であればありえないのだ。
「本来であればその通りです。しかし、こちらの書類をご覧ください。」
「「………っ。」」
学園長から渡されたもう一つの紙の束を私と山田先生それぞれが受け取り、中を見ていく。すると、私たちはほぼ同時に息を呑んだ。
山田先生は注意深くその先も読み続けているようだが、私は学園長に訊ねることにした。
「学園長、この情報は一体何処から?」
「更識生徒会長と日本政府の全面協力の元得られた情報です。ほぼほぼ間違いはないでしょう。」
政府だけでなく、更識の名前まで出てきている。つまりはそういうことなのだろう。
私は、ここまできて漸く学園長の意図を理解した。しかし、そこで一つ疑問が浮かんだ。
そこで、山田先生が話し始めたのでそれを聞くことにした。
「だとすると、デュノア社は随分とリスキーな賭けにでましたね。」
「我々にバレている時点で計画は破綻しているようなものですがね。」
「ですが、学園長。此処までわかっているのなら、受け入れる必要はないのでは?」
山田先生は私の疑問を代弁してくれた。
入学前である今の時点で、奴らの思惑は殆ど潰してしまった様な物なのだ。態々相手の策に乗ってやる必要もない。しかし、山田先生の言葉を聞いた学園長は一瞬だけ真顔になり、その直後普段通りに戻った。その後、
「そのとおりです。しかし、上があまりにも大声で言うのですよ。『何としても、学園内で捕らえろ。』とね。」
学園長はその理由を静かに語った。
「上が、ですか?」
「そうです。上の者にそう言われてしまいました。」
山田先生が思わず聞き返している。そう、学園長の言葉には違和感があるのだ。学園長が上の人間に指示されていると言っていたが、この学園内において学園長より地位の高い人物は学園長の妻である理事長しかいない。しかし、理事長は既にその全権限を学園長に事実上譲渡してしまっている。つまり、誰も学園長に対して強制命令を下すことは出来ないのだ。
にも拘らず学園長は『上から』と言ったのだ。その事実にたどり着いてしまった私と山田先生は黙りこくってしまった。
「「………。」」
「転入はGW明けになります。ですので大変忙しくなるとは思います。が、どうかお願いいたしますね。」
そういって、学園長はその口を閉ざした。
私と山田先生は、部屋を出るとほぼ同時に深い深い溜息をつき、それと同時にこれから起こるであろう波乱に対応する為に、普段よりも多く話し合いを行い、愚痴を零しあい、酒を飲んで寝た。
次の日二人して危うく遅刻しかけたのは、秘密だ。
Side out
翌日
朝、青年が教室に行くと普段よりも教室が賑わっていた。特に興味の無い青年は、自分の席へ行こうとする。その道中に謹慎が終わったポニテ娘と目線が合った。しかしポニテ娘は、不機嫌そうに顔を歪め、目線を逸らした。
そんな中、彼が青年に駆け寄り今教室が賑わっている理由を話し始めた。
「なぁ渉。もうすぐGWだろ。もしよかったら、一緒に遊ばないか?」
「あー、すいません。私は別件があるので遠慮させてもらいます。」
「まーた、別件かよ。たまには息抜きもしないと、草臥れちまうぞ。」
「…そうですか。」
青年は彼を適当なところで撒き、自分の席で調べることにしたのだった。
青年は、特に興味がなかったのですっかり忘れていたのだが、世間ではもうすぐゴールデンウィークに差しかかろうとしていた。軽く調べてみると、学園の采配にもよるが上手くいけば一週間程度の休みが貰えるかもしれなかったのだ。
「(そらこれだけ騒がしいのも納得だわな。)」
青年は口に出す事無く、一人で納得していた。それと同時に、
「(今のうちに出来ることをしておくか。)」
青年自身も、今後の為に様々な事を考えながらSHRの開始を待っていた。
暫くすると、チャイムが鳴りそれに少し遅れて担任と副担任が教室に入ってきた。が、その姿は極僅かではあるが、疲れたような雰囲気を漂わせていた。しかし、それはすぐに霧散しいつもと変わらない雰囲気に置き換わった。
他の生徒たちは気が付かなかったようだが、主に青年と少女は…いや、彼もだ。兎に角その三人は目の前にいる二人の教師に対して違和感を覚えていた。
彼はどうしてもそれが気になったのか、SHR終了直後、教室を出た担任を彼が追いかけ、暫くしたあとにクラス内では聞きなれた何かで何かをぶっ叩くような音が扉越しに聞こえた。しかしそれはまた、別のお話。
「諸君、おはよう。」
「「「おはようございます!」」」
「さて、皆も知ってのとおりもうすぐGWが始まる。わかっているとは思うが、他人に迷惑を掛けるなよ。」
それを聞いたクラスメイトは一瞬唖然となる。そして、その後クラス内が騒ぎ始める。
その現状を見て担任は溜息を零し、副担任は苦笑いを漏らす。
「今の貴様らがどれ程ひよっこであろうと、世間では貴様らのことを一般的に倍率一万という狭き門を潜り抜けたエリートとして扱う。勿論例外はあるがな。」
その言葉を聞いて、彼は安堵の息を漏らす。彼と青年は、試験を受けずに入学をしているからだ。しかし、そんなことを思っていることを先読みしたかのように、更なる言葉が紡がれる。
「仮に、自分はそうではないと。自分はエリートではないとどれほど思っていようとも。外での行動が学園ひいては国の行動と取られることもある。只IS学園の生徒であるというだけでだ。」
そこまで言って漸く、クラス内の小さな騒ぎはあらかた収拾がついた。例外として、ダボ袖少女などの一部の生徒は担任の言葉を比較的早い段階で理解していた。他には、珍しく淑女も言葉の意味を理解したらしく、静かに頷いていた。
彼? 全く表情は変わっていなかったようだ。
青年と少女? 最初の時点で全てを察していたようだ。
「兎に角。自身の立場や言動、その意味を考えて理知ある行動をすること。私からは以上だ。」
担任が言葉を切ると、今度は副担任が話し始める。
「えっと皆さんが気にしている連休数ですが、5日間となりました。連休は明後日からですが、今日の授業が終わり次第、順次帰宅届けの受理を行います。ただ、混雑が予想されますので提出予定がある生徒はなるべく早くしてください。わかりましたか?」
副担任の声を聞いた瞬間、再度教室内はざわつき始める。しかし、それは次の一言で悲鳴に変わる。
「あ、あとGW用の課題もありますから。それの提出も忘れないでくださいね。」
「先生課題ってなんですか!?」
「課題はレポートとIS構造学の問題集を予定しています。」
副担任は律儀に、質問に対して返答をしていたが、生徒からしてみれば聞きたいのはそこではなかったらしい。
「そうじゃなくて、何で課題が出てくるんですか!?」
ある生徒の言葉に、ほぼ全員の生徒が頷き始める。どうやら、折角の休みが課題で削られるのが嫌らしい。生徒たちの気持ちは痛いほどわかる。誰も望んでデスマーチに飛び込みたいと考えるものはいない。しかし、この学園においてはその考えからは非常に不味かった。
「皆さん、此処は学校ですよ? 長期のお休みの間に皆さんがあまり怠けないようにという学校側の配慮です。」
「そんなものいらないです!」
相手が担任ではないからなのか、思ったことを何の躊躇いもなく吐き出していく。しかし、その程度でへこたれる様な人物がこのIS学園で教師を勤め上げることが出来るのだろうか…
「では学園を今すぐにでも去ることをお勧めします。」
答えは、否である。
普段と全く変わりない笑顔で、とんでもないことを言い始める副担任。
そんな返答が帰ってくるとは思っていなったのか、生徒たちは思わず言葉が詰まる。
その風景を見た副担任は、さらに言葉を紡いでいく。担任は、腕組みをし、クラス内を見守っていた。
「………。」
「横暴と思いますか? ですが、この程度のことが苦しいと本気で思っているのなら。厳しいことを言うようですが、この先進級することすら難しいです。」
副担任の言葉に対し、担任が補足を加えていく。
「ああそうだ。一つ補足を付け加えると。IS学園には留年という名の甘えは一切合財ないからな。進級試験で赤点を取ったらその時点で、無条件退学だ。」
「えっ…。でもそれって噂じゃあ…。」
担任からの言葉に、思わず顔色を変える生徒たち。確かに、IS学園は入学時の人数と卒業時の人数には大きな差があった。入るためにも狭き門を潜る必要があったのだ、それが出る為にあってもなんら不思議ではない。
だが、失敗=退学というのはあくまでも学外で流れている噂の一つでしかなかった。何故噂でしか流れていなかったのか。それは、学園側が学園で起こったことに対して守秘義務を生徒たちに課しているからである。
国家機密の塊であるISを扱う関係上仕方がないのである。元々学園でISを起動するメリットは、ISで起こった事象について公表する義務が発生しないからであり、もしそれが外に漏れてしまうのであれば、学園に送り込むメリットは無いのだ。
「そもそも、此処は国を背負って立つ事のできる生徒を出すことが目的の学校です。たった数個の椅子を己が人生を掛けて取り合う場所です。悪いことは言いません。私の言っていることに不満を感じているのであれば、直ちにこの学校を去ってください。」
「この際だからはっきりと言っておいてやろう。諸君らはまだこの世界の戸口にすら立てていない。例えるなら、有名テーマパークに他人より少し近くに住んでいる程度だな。」
担任の余りにも酷い例えに、生徒たちの不満が爆発する。
「幾らなんでもそんな言い方無いと思います!」
声を荒げる生徒の目には涙がうっすらと溜められており、自身の努力を守るために必死に抵抗していることがよくわかった。
「私たちは、この学園に入るためにそれこそ血の滲むような努力を重ねてきているんです!」
その生徒に釣られてか、他の生徒たちが口々に反論を始める。始めのうちは傍聴していた担任だったが、とある生徒が言った言葉でそれは大きく変わる。
「生半可な覚悟は持っていません!」
その言葉を聞いた瞬間。担任と副担任の纏う雰囲気が言葉と同時に激変した。
「ほう…。」「覚悟…ですか…。」
前者が担任の台詞、後者が副担任の台詞である。そんな言葉を皮切りに、まるで二人の周りに陽炎が揺らめき立っているような錯覚を受けた。その瞬間、クラス内が一気に静かになった。余りにも変わりすぎて、震えている生徒すら居た。そしてそれは少女すら例外ではなかった。
それでも、必死に腕を押さえ震えを止めようとしていた。蛇に睨まれた蛙という状態とでも言えばいいのだろうか。兎に角、担任と副担任から発せられる圧力にほぼ全ての生徒が圧倒されていた。
何事も無かったのはクラス内において、青年ただ一人だけだった。
「言ったな小娘。」
前に出そうになっていた副担任を手で制しつつ、担任が教壇に再び立った。それにより、先程よりも強い圧力が生徒たちに向けられる。
「(幾ら手加減してるっつても、やりすぎじゃねーの? 下手したら決壊すんぞこれ。)」
条件付とはいえ、一度戦って本当の圧力を知っている青年はごく普通に対処していたのだが、少女ですら震えてる現状なのだからもう始末に終えない。
そんな、空気を霧散したのは
キーンコーンカーンコーン
チャイムだった。
その音に反応した担任と副担任は、先程の空気がまるで嘘のように霧散し圧力も綺麗に消え去った。そこで、少女などの一部の生徒は漸く自分を取り戻す。しかし、そんなものに慣れていない多くの生徒たちは未だに震えていた。
「さて、話が逸れてしまったがもうすぐ次の授業が始まる、準備を怠らないように。以上だ。」
そういって、二人が教室から退出し扉を占めた瞬間。
ガタタタタッ!
崩れ去った。慣れない極限状態の緊張状態から開放されたのだ。身体に力が入らなくなっても仕方が無いといえた。
その中で、比較的症状がマシな部類に入っていた淑女は、他の生徒たちから尊敬の眼差しを幾らか受けることになっていた。
昼休み
青年は、教室から出ようとしていた少女に話しかけていた。
「雫さん雫さん。ちょいとばかし良いですか?」
「大丈夫です。どうしました?」
「GW中だけど、ひょっとしたらあんまり苦労しないかもしれない旅行に行くつもりなんだけど、一緒に来る?」
青年からの申し出に思わず溜息をつく少女。青年自身も予想していたのかそれには何もつっこまなかった。
「…それはつまり、凄く高い確率で苦労する旅行ってことですよね。そんな事言われて行きたいと思う人が居ると思います?」
少女から出た正論に対し、青年は納得しつつも一応返答をしておく。青年は連れて行くことが目的ではないので、別についてこなくても問題はないと考えていた。
青年が行こうとしている場所は、本来であれば絶対いくことのできない場所なので、寧ろ連れて行くと説明や苦労が大きく増える可能性もあった。それでも、誘おうとしていたのだ。
「さぁ? 物好きはいるじゃないの?」
「考えておきます。」
少女からのシンプルな答えを聞き、青年は拒絶されたと判断をしていた。
「オッケー。じゃあ次だ。エイダ・アルバーンについてだ。」
答えを聞いた青年は次の話題へ移った。青年の台詞を聞いて、少女も教室から出ようとしていた踵を再び教室に戻そうとした。
「えっと、彼女の事でしたら粗方の調査は終わっています。確か纏めたかm「あーいやいや、違う違う。」?」
しかし、青年はそれを少女の声を遮ってまで止めた。確かに調査依頼は出したし、それに関する情報は欲しい。ただ、今回はそれとは少し違っていた。
「彼女とちょっと会話がしたい。なんで、アポイントを至急とって欲しい。」
「はぁ…、それはいいですけど。何かあったのですか?」
面を食らったのか、不思議そうな顔をこちらに向け、疑問をぶつける。
「ちょっと、確かめておきたいことがあるからね。」
「? わかりました。」
しかし、青年からは具体的な答えが返ってこないという事が、予想されていたようで素直に指示に従った。その眼に不思議な光を燈しながら。
自身の用事を伝え終えた青年は、世間話へシフトした。
「こっちからは以上だ。そっちは何かあった?」
「こちらは特に何もないですね。強いて挙げるなら、今朝のあれですね。」
「あー、まぁアレは仕方がないわな。で、どうだった?」
「やはり、というか。流石としか形容できないですね。」
その後、青年と少女は他愛もない会話をして後別れた。そして、その十数分後青年のスマホにメールが一つ届いた。中には
『エイダ・アルバーンとのアポが取れました。場所は別館二階の第四進路相談室。時間は17:00~です。』
とあり、青年はその余りにも速い仕事っぷりに思わず呟いた。
「パーフェクトだ、雫。」
どもども、最後まで読んで頂いてありがとうございます。
何故作者が今日中に投稿したかったか…
それは、5/19日で丁度この小説の1周年なんです。
作者自身も正直こんなに続くとは思っていませんでした。
それも、この小説に評価をしてくださった44名の方々、コメントを下さった多くの方々、
お気に入り登録をしてくださった1055名の方々。(17/05/19 現在)
皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。
完結までにどれ程の時間が掛かるか皆目見当がつきませんが、それでも
時間(と運営様)の許す限り、この小説を作り続けて生きたいと思います。
今後とも、この小説をよろしくお願い致します。