BRAVE10~もう一つの物語   作:花札

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弁丸を途中で寄った街へ置いて行き、一行は京都へ来た。

夕方……


「うわー!!」


京都へ着いた才蔵達……


「凄ーい!!賑やかなところだねぇ!!

皆、キラキラしてるー!!


ねぇねぇ、あとでお散歩してもいいかなぁ?佐助とアナにお土産買いたい!」

「物見客か、お前はよぉ」

「じゃあ、隊長さん俺はここで」

「えぇ。

お頭さんに、よろしくお願いします」

「りょーかーい」

「母さんに、明日花達京都にいること伝えてね!」

「気が向いたら、言っとくよ。

じゃあ」


晃三は新たに手に入れた杖をつきながら、幸村達と別れた。


茶会

翌朝……

 

 

「刃傷御法度!?」

 

 

それを幸村から聞いた才蔵は、繰り返し言った。

 

 

「あぁ、京中に布令が出た。

 

儂が留守の間、絶対に刃を抜いてはならぬぞ?」

 

「え~!刀抜いちゃダメなの?!」

 

「抜く必要はありません。

 

それより明日花、くれぐれも髪を表に出さないように。良いですね」

 

「は~い」

 

「それから、これ渡しときます。

 

無駄使いはしない様に」

 

 

そう言いながら、優助は懐から巾着一杯に入ったお金を渡した。

 

 

「しかし今、京にゃいろんな奴らが来てんだろ?徳川とか伊達の者に、出くわせたらどうすんだよ?」

 

「奴等にも同じ布令が出ている。にわかには襲われまい。

 

 

それよりうちの連中の事だ」

「キャー!!」

 

「待て、クソ女!!」

 

 

縁側を走る伊佐那海……

 

その後ろを追い駆ける鎌之介は、鎖鎌の錘を伊佐那海目掛けて投げつけていた。伊佐那海はその攻撃を避けながら、鎌之介から逃げている様だった。

 

 

「テメェ!!人の朝飯食いやがって!!死んで詫びろ!!」

 

「寝坊したアンタが悪いんじゃない!!」

 

「伊佐那海に暴力を振るうな!!」

 

「うるせぇ!!くそ坊主!!」

 

 

暴れる三人を見る才蔵と幸村……

 

才蔵は呆れて言葉も出なかった。

 

 

「あれを止められるのは、お前しかおらん」

 

「……」

 

「頑張れよ?色男」

 

「抜いたら、徳川に真田を罰する理由を与えることになる……か」

 

「聡いな、才蔵」

 

「それくらい、馬鹿でも分からあ」

 

「そりゃ悪かった」

 

「ま、任しとけ!

 

アイツ等を何とかすらあ……!」

 

 

言い掛けながら、才蔵は幸村の方に目を向けた。幸村はなぜかジッと自分を見つめていた。

 

 

「んだよ?!」

 

「いや」

 

「若!そろそろ参りませんと」

 

「では頼んだぞ才蔵。行って来る」

 

 

 

 

京都北野天満宮―――――

 

 

階段を上がり、中へ入る幸村と六郎……

 

 

「その服装で、本当によろしかったのですか?」

 

「ああ、構わん」

 

「着流しは、若一人しかおりませんよ」

 

「これが楽でいいんだ」

 

「自由人ですこと」

 

「そう言うお主だって、顔に面を着けているではないか」

 

「当たり前です!

 

半数の大名と、僕は顔見知りの様なものです」

 

 

 

「幸村!!幸村ではないか!」

 

 

その声に気付いた幸村と六郎は、後ろを振り返った。そこには髪を結った青年がいた。

 

 

「おお!!これはこれは。

 

 

久しいな、達者であったか!?三成殿!」

 

「まさか、お主も呼ばれておるとはなぁ……

 

?そこにいるのは、まさか武田の隊長か!?」

 

「おぉ、そうだ」

 

「お久しぶりです、石田三成殿」

 

「久し振りだな!

 

お主まで呼ばれるとは」

 

「この殿方が、ついて来いというものですから」

 

「変に、狸に気に入られてしまってなぁ

 

 

今を時めく、徳川のお誘いとあっては無下に断れまい」

 

「何かしたのか?」

 

「まさか!儂は面倒事は好まん」

 

「……

 

お主は食えんからな」

 

「そりゃ、買いかぶり過ぎという者だ」

 

「しかし、太閤がお亡くなりになられてから、何とも厚かましい。

 

この茶会も、己の一声で諸大名が集まるという権勢の誇示ではないか!」

 

 

「全く、同感です」

 

 

その声がした方に、顔を向けるとそこに髪を下ろした男が一人いた。

 

 

「兼続殿!」

 

「これはお久しい!」

 

「ご無沙汰しております、幸村殿。

 

 

お二方、挨拶は済ませたのですか?」

 

「いいや、今着いたばかりでな」

 

「では、早く行くとよろしい」

 

「何で?まだ時間ではあるまい」

 

「いいえ、面白い物が見られるので……

 

 

上品ぶった古狸が、人語を操っているのです。あれは一見かと」

 

「全く」

 

「相変わらず、容赦ないな兼続」

 

「おや?そうでございましょうか」

 

「確かに、狸ならば山で大人しくしておればよいものを……

 

 

図々しく、刃傷御法度などと、御大層な布令を出しおって」

 

「いつの間に、奴が大将となったのやら」

 

「このままでは、豊臣家の威信にかかわる!

 

みすみす許さんぞ!家康め!」

 

「まあまあ……

 

せっかくの茶会だ、まったりといこう」




一方京の町……


「うわぁ!綺麗!

見て見て!この匂い袋、凄く可愛い!

あ!髪飾りも!」

「あんまり燥ぐなよ、伊佐那海!」

「だって、こんなの見た事ないんだもん!


欲しいなぁ……

でも、お小遣いがなー」

「拙僧が買ってやろうか?

その色なんか、似合いそうだぞ?」

「ホント!?」

(甘やかし過ぎだろ)


ふと後ろを振り返ると、髪飾りがたくさん売っている店の前で、明日花は座り込み何かを見ていた。


「(アイツ……)

おい明日花、何やってんだ!行くぞ!」

「もうちょい!

やっぱり、こっちにしよ!オッサン、これ頂戴!」

「あいよ!

お嬢ちゃん、これどうするんだ?」

「母さんにあげるの!

母さん、耳にいつも桜の花弁のピアス着けてたから!」

「だから、桜の簪か!親思いで、オッチャン感激した!まけてやるよ!」

「わーい!」

「(口が上手い事……)

つーか、お前も早く来いよ。何してんだ」

「う、うるせぇな……

歩きにくいんだよ!!この格好!!何で、俺が女物着なきゃなんねぇんだ!?」

「だったら、宿に残ってりゃいいじゃねぇか」

「それは嫌だ!」

「でも、最初着てたじゃん」

「あん時はあん時だ!」

「わがままだなぁ」

「うるせぇ!!」
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