ハイスクール・フリート・プラスワン・アンド・アザー 作:オーバードライヴ
「ミケちゃん!」
岬明乃は後ろから呼び止められてとっさに脚を緩めた。直後に自分の横を誰かがすり抜ける。目の前でとおせんぼをするように両手を広げたのは声をかけた内田まゆみだ。
「ミケちゃん、どうする気?」
「まゆちゃん……」
両手を広げた向こうには、中型スキッパーを固定したダビットが見える。それを見てから明乃はゆっくりと笑みを浮かべた。
「ごめんねまゆちゃん。心配かけて」
「じゃぁ……」
「でも、通してほしいな」
その言葉にまゆみの目が厳しくなる。
「それは、艦長としての命令ですか?」
「ううん、友達としてのお願い」
そう言って明乃は一歩だけまゆみとの距離を詰める。
「武蔵には、もかちゃんが……私の大切な幼なじみが乗ってるの。大切な親友で、見捨てられないよ」
「だから晴風を見捨てるの? 晴風のクルーは仲間じゃないの? 友達じゃないの? 家族じゃないの? 海の仲間は家族なら、ミケちゃんは家族を見捨てるの?」
まゆみも一歩踏み込んで明乃の肩をつかんだ。
「ミケちゃんは艦長なんだよ? この船を守らなきゃいけないんだよ? その艦長がいなくなったら、どうやって船を守っていけばいいの?」
「大丈夫、船には柳教官だって、しろちゃんだっている。船は一人で動かせるわけじゃないし、一人抜けたら動かせないほど脆いものでもない。抜けた人の穴は、必ず誰かが埋められる。でも……でも武蔵は誰かが助けないと止められない。もかちゃんが……私を呼んだんだ。私が助けなきゃ止まらないんだ。だから私が行くんだ」
そう言って笑い返して、まゆみの耳元に唇を寄せた。
「ごめんね、まゆちゃん。迷惑かけるけど晴風のこと、よろしくね」
そう言って横をすり抜けた。そのまま後部甲板のダビッドを操作し、スキッパーを海面に向けて降ろしていく。海面に向けて張り出していくスキッパーに飛び乗ってエンジンの始動手順を踏んでいく。
海面にスキッパーが着く前に明乃はもう一度甲板を見上げた。甲板には心配そうな顔で明乃を見下ろすまゆみの姿がある。もう一度笑いかければ、まゆみが何かを叫んだ。スキッパーのエンジン音のせいで何を言っているかは聞こえない。それでも口の動きで何を言っているのかは予想がついた。
死なないで。
それにこくりと頷いたタイミングで、海面に到着した。晴風とつながっていたダビッドのウィンチが自動で切り離される。晴風から距離をとりつつ高速航行用の
「……今、助けに行くから!」
明乃が晴風に背を向ける。振り返らなかった。
†
「……本当にスキッパーがやってくるとは思わなかったね」
ライトガンを構えたままの知名もえかの肩越しに状況を確認して、北条沙苗は笑った。
「コウちゃんらしいと言えばらしいかな、これは」
「そうなんですか?」
振り返ったもえかに肩を竦めて答える北条。その顔には笑みが張り付いていた。
「おそらく晴風はこの武蔵の足止めを言われているとは思うけど、そのためには情報が必要だ。『連絡事項あり、スキッパーをよこせ』なんて言われたら断るのは難しいだろうね。――――もっとも、晴風の主砲はピッタリこっちの艦橋に向けられているところをみると、スキッパーに向けて何かのアクションをしたら艦橋ごと吹っ飛ばすつもりだね、あれ」
スキッパーの後方を見ると、単艦で反転した晴風が派手に白波を立てながら海を割ってきていた。大きさから見るに、おそらく35ノットは出ている。ほぼ間違いなく最大戦速か前進一杯に入れている。
「ねぇ、もえかさん?」
「なんでしょう?」
「どうして親友のミケちゃんはやってきたんだと思う?」
そう言われてもえかはどこか哀しそうな顔をした。
「……きっと私が捕まっていると思って助けに来たんだと思います」
「なるほど」
「そんなことになってないのはわかってますよ。私は好きで北条教官に付いて行っているんですから」
焦ったように紡がれたその言葉に噴き出した北条。もえかは怪訝な顔だ。
「好きとかそう言うのはもっと後、ちゃんと恋をした時に取っておきなよ。……それは置いておくとしても、そうか、彼女は感情をこらえきれずに出てきちゃったんだね」
「ミケちゃんはいっつもそんな感じなんです。誰かがピンチになると、いっつも自分の安全を放り出して飛び出しちゃう。木の上で立ち往生した猫を助けようとして擦り傷だらけになったり、海に落ちた人を助けようとして、救命胴衣もないのに飛び込んだり……気が抜けないんです」
北条はもえかの隣に並び、外のスキッパーを双眼鏡で眺めた。
「正義を成したいという心、それを私は肯定する。だが、正義を成すには知恵と勇気が必要だ。君には知恵があるがこれまで足を踏み出す勇気が足りていなかった。あの子は勇猛果敢だが知恵があと一歩のように見える。それでは互いに正義を成し得ない。斯く言う私もまた、そのどれも不足している」
双眼鏡の倍率を上げてスキッパーの乗員の顔をよく見ようとする北条。本当に連絡用の装備しか持っていない。小銃の類も見当たらなければ、スキッパーに
「だから互いに協力しあい、力を発揮することが必要だ……どうするね、このまま彼女を迎え入れるかい?」
「……そうするのが、いいのでしょうか?」
「不安かい?」
時差を置いて、首肯。
「ミケちゃんを騙したように思われないか。それが不安なのかい?」
再び首肯。それを見た北条はゆっくりと彼女に向き合い、その頬に手を添えた。
「人はね、善いことをしたから義となるわけではないそうだ。――――我儕はみな潔からざる物のごとくなり、われらの義はことごとく汚れたる衣のごとし。我儕はみな木葉のごとく枯れ、われらのよこしまは暴風のごとく我らを吹去れり」
そう言うと真意を掴み損ねたのか、もえかはじっと彼女の眼を見た。
「イザヤの書の第64章6節、要は聖書の言葉だ。神が最上善を定義し、成し得るとしたら、人間の中でもっとも清らかな人間であって、神の路を信ずるものであっても、薄汚れたぼろ布を纏っているに過ぎない」
北条は右の掌に返ってくる暖かな頬の感触を楽しみながら、言葉を続けた。
「私は無神論者だが、聖書の文学的価値や、そこに込められた思いは十分評価に値する事が書かれていると考えている。聖書の中で、正義とは神がそれを正義と定めたから正義と成るのだそうだ」
そう言って笑うともえかはゆっくりと口を開いた。
「神がいないなら、誰がその正義を定めるのでしょう?」
「そう、それが問題になるよね。誰かが定めなければならない。けど定められるのは一つしかないんだ」
「……人間」
「答えとしては50点かな。正確には君自身だ。たとえ姑息だと罵られようとも、たとえ不正だと糾弾されようとも、それを君が正義だと信じれらるならば、君は喜んでその正義に殉じることができるだろう。正当性を問われ続ける危うい正義だとしても、それは君が選択の末に勝ち取った権利であり、勝ち取った正義だ。それを君自身が信じなくてどうする。もえかさん」
そう言ってそっと右手を彼女の頬から離した。
「皆から理解されるかどうかはわからないが、私は君の正義を正義と承認する。胸を張りなさい。君の正義は間違っていない。自らが正義であるために、胸を張り、自信を持ちなさい」
「――――はい!」
その答えに満足げに頷いて、北条はタブレットを振った。
「さて迎え入れるのはいいとして、後ろの子が邪魔かな」
「晴風……ですか?」
「うん、まぁね。コウちゃんがいるのはちょっと惜しいけど、とりあえず海域からご退場願うのがいいかなぁと思うんだけど、異議はあるかい?」
「……武蔵から攻撃するのは、悪手のような気がします」
「まぁそうだろうね。それでミケちゃんが戻られてもコトだ。――――丁度いい、少しご協力願おう」
そう言って北条は笑みを浮かべた。
タブレットを、叩く。
†
エンジンの唸りを聞きながら柳は晴風の右の見張台に立っていた。双眼鏡の奥には武蔵の沈黙した艦橋が見えている。光の反射で中は見えないがそこに人がいるのは間違いないのだ。
「武蔵の砲撃が止まりましたね……」
そう言ったのは同じウィングで武蔵の様子を撮影していた伊良子美甘だ。視線を前から動かさないまま柳が続ける。
「向こうは交渉の意志を見せたつもりだろう。その状況で追っ払うようなことはできまい」
「ほ、本当に交渉のつもりじゃ……」
「ないな」
即答した柳に言葉を詰める美甘。
「おそらくだが、艦長を呼び出したのは武蔵艦長の知名もえかだろう。交渉をするつもりというよりは、知名からの信頼の獲得、それを目論んでいるはずだ。……私が武蔵を率いて反乱を起こすなら、そうする」
何らかの行動を扇動する場合、特に犯罪行為のような良心の呵責に苛まれるようなことをさせる場合には、それを乗り越えさせるような強烈な関係を必要とする。それは英雄的な信仰かもしれないし、指導者としての能力によるものかもしれないし、強い好意かもしれない。それに共通するのは『扇動者個人への盲信を必要とする』ことだ。
「武蔵の統率が取れた動きを見る限り、すでに武蔵乗員はヘスペリデス計画とやらに取り込まれている可能性が高い。その統括をしているのは十中八九、北条だ。そうなれば北条は武蔵乗員の信頼を全て背負って率い続けなければならない。そのためには北条個人への崇拝に近い一方通行の信頼が必要だ。――――岬艦長を呼び出したのは、おそらくそのためだろう」
そういう彼の顔を、美甘はそっと盗み見た。厳しい顔で双眼鏡を睨みながら、彼は言葉を紡ぐ。
「……敵ながら鮮やかだな」
「トップとしてその発言はいかがなものかと思いますが、教官」
ブリッジの入り口から飛んできた声に柳は苦笑いを浮かべた。
「確かに軽率だったな、すまない、宗谷副長」
「いえ、出過ぎた発言失礼しました」
「任務の範囲内だ。問題ない。さて、問題はここからの状況だな。なんとかして岬艦長を引き戻させないといけない訳だが……」
「閃光弾を打ち上げては?」
「……武蔵に手の内を明かすことになるが、致し方ないか。八木さん」
「は、はいっ!」
艦橋で通信系統の再起動を試みていた八木鶫が慌てて振り返った。
「通信系は今どうなってる?」
「電探だけはなんとか回復です。波形はザリザリ言っているみたいですけど、何とか艦影ぐらいなら捕らえられるようになりました」
「上等。無線の方の回復を頼むぞ」
「りょ、了解っ!」
その答えを聞きながら、柳が信号銃を取りだしたタイミングだった。
『秋島の噴進魚雷が始動! 数1!』
野間マチコの声が伝声管からの絶叫に近い声が響く。
「な……っ!?」
ソレを聞いた柳が左舷のウィングに飛び出した。後方に退避していたはずの秋島から白煙が立っている。
『こちら電探室! は、晴風にレーダー波が照射されています! 5時方向! 教員艦の方向からです!』
「機関前進一杯! 取舵一杯!」
レーダー波が照射されたという事は、それは当然噴進魚雷の誘導を行っていることを意味する。晴風と武蔵の距離は、いまだそこまで近づいていない。その状況でレーダー波が照射されたという事は。
「噴進魚雷が突っ込んでくるぞ! 左舷対噴進魚雷戦用意! チャフ・フレアディスペンサー起動! 全弾打ちだせ!」
柳の声にいつも以上に切迫した声が走る。それを聞いた立石志摩が弾かれたように艦橋を飛び出した。
「何処に行く気だ!?」
「機銃じゃなきゃ弾数が足りない」
そう言い残して志摩は動揺する艦橋の階段を蹴り飛び出していく。左ウィングに立つ柳からは、一足跳びに甲板に飛び降りた志摩がキレイな前回り受け身で衝撃を吸収して、そのまま第二煙突の元の部分に設置された銃座に向けて走っていくのが見える。後部甲板は今、フレアの残した白い残滓に覆われている。その中を志摩が駆けていった。
柳が拡声器を掴んだ。
「ブースター切り離しの瞬間が勝負だ! 弾倉使い切っていいから撃ちまくれ!」
キィンというノイズ交じりで飛び出したその声はおそらく志摩までなら届いたはずだ。
「これ、もし命中したら……!」
「晴風の装甲じゃ防ぎきれない。一発で沈みかねんぞ」
左舷の見張を担当している山下秀子にそう答え、柳は虚空を睨んだ。白煙を引くそれがごく低空に降りて、晴風に向かって飛び込んでくる。シースキミングで突っ込んでくるということは、最新鋭の07式垂直発射魚雷投射ロケットだろう。それに対応した弾頭は数が限られる。投射される魚雷はおそらく12式魚雷、開発コードG-RX5だ。広帯域音響振動子アレイにサイドスキャナ、磁気センサー等、これでもかと詰め込まれた誘導装置で確実に晴風を撃破せんと飛び込んで来るはずだ。
少しでもミサイルからの投影面積を減らそうと必死に回頭する晴風。涙でボロボロになりそうな顔で知床鈴航海長が必死に舵輪を操作する。機銃台座に飛び込んだ志摩が25ミリ単装高角機銃を旋回させた。ほぼ真後ろを向いた機銃が白煙の先端を狙おうと機銃を上下する。これ以上回せば後方が狙えなくなる。柳が艦橋の中に向けて叫んだ。
「もどーせー! 進路速力そのまま!」
「よ、よーそろー!」
『ブリッジ! こちら機関室! 機関第12蒸気バルブ破損! 後どれだけ吹かせばいい!? こっちはとっくに限界だ!』
機関室に繋がる伝声管から切羽詰まった柳原麻侖機関長の声が響く。
「後1分もてばいい! なんとかもたせてくれ!」
ましろが伝声管に向けて叫び返す。今速度を落とすのは下策だ。機動力だけは何とか確保しておかねばならい。
「総員、対ショック姿勢! 手近なものに掴まれ!」
白い筋の先端に、純白に塗装された弾頭が見え始めた。ここまで来ればもう着弾まで時間がない。
その瞬間、柳が凍り付いた。魚雷を投射するにはあまりに近すぎる。
「そのまま体当たりさせる気かクソッタレ!」
魚雷は水中で炸裂し、その時に発生する圧力で相手の船体をへし折ることに特化している。それでも魚雷には大量の火薬が詰まっていることには変わりない。それが高速で突っ込んできて、衝撃で爆裂すれば、十分に壊滅的な被害もありえるのだ。ご丁寧に空中で使用するロケットブースターの燃料も追加される。
「立石! 逃げろ!」
柳が絶叫する。生身の人間というソフトターゲットに対しては十分すぎる効果を発揮するはずだ。ロケット推進や砲弾という高速飛行する小型目標に対しての撃破成功率は400分の1を下回る。パラシュートで速度が落ちれば話が変わるが、高速飛翔体を撃ち落とすのはそれだけ至難の業なのだ。
柳の叫びに反するように25ミリ単装機銃が火を噴き始めた。搭載されているのは15発入りのボックス弾倉。確率的に見ても絶望的だろう。
到達まであと2秒を切った、誰もが歯を食いしばり、対ショック姿勢を取っていた。その刹那。
巨大な爆炎と共に噴進魚雷が空中で爆発した。その衝撃は晴風を揺らすのには十分だった。艦が前後に揺られるように大きく揺れたのだ。
「きゃああああああっ!」
鈴の声叫び声が艦橋に乱反射する。それでも鈴は舵輪を揺らさなかった。すぐに船の揺れを止めようと当て舵をする。
「各員! 被害報告!」
ましろが叫ぶ。それに対しての反応は激烈だった。
『第三主砲旋回部に異常発生! 旋回不能です!』
『第三空中線切断!』
『す、炊飯器がまた壊れちゃったよー!』
『05、及び10.1ブロックで浸水発生!』
最後の一言でましろの顔が青ざめた。
「じゅ、10.1ブロックって……操舵室!?」
「知床! 取舵10度! 操舵が効かなくなる前に舵切っておけ!」
「は、はいっ! 取舵ひとじゅう度!」
柳の声に慌てて舵を切る鈴。舵輪は重そうだが、なんとか指定の角度まで回しきった。
「機関室、第一戦速まで減速を許可。ダメコン班は浸水区画の閉鎖を優先! 鏑木と等松は立石の安全を確保しろ!」
できる限りの指示を飛ばし、柳は苦い顔をして信号銃を取り出した。信号弾の色は赤色1発。意味するのは撤退命令だ。
「……次飛んで来たら、終わりだ」
柳は苦々しい顔でウィングから頭上に向けて信号拳銃を向ける。銃を持った右腕に耳を押しあてるようにして耳を守り、引き金に力をこめる。
この信号がちゃんと伝わることを願いながら、柳は引金を引き切った。
†
「……撤退命令か。今回はこのあたりが引き際かな。残念」
言葉ではそう言う北条だが、その口元には笑みが浮かんでいた。もえかがどこか悲しそうな表情をしていた。
「ミケちゃん……」
「大丈夫さ。海の仲間は家族なんだろう? 必ずまた会えるさ」
そう言って彼女はもえかの頭を撫でる。
「ミケちゃんはきっとわかってくれる。君の親友なんだろう?」
「はい……」
「そんなに気を落とさなくても大丈夫さ」
そうあっけらかんと笑って北条が中に戻った。
「でもまぁ、今回は勝ちだね」
そう言って艦橋の中央に据えたチェスボードを見下ろした北条は、ゆっくりと白のキングを倒した。
「ミケ艦長が向こうから出てくるのを認めた時点で、どう転んでもこちらの勝ちが確定していた。向こうはこちらが撃たない限り発砲できない。ミケ艦長が武蔵に乗艦した場合もまた、ミケ艦長を見捨てることになるから撃てない。情報欲しさに判断焦ったかな、コウちゃん」
噴進魚雷を撃ちおとされたのは予想外だったけどさ、とあっけらかんと笑って振り返る。
「でもまぁ、いい勝負だったんじゃない? もえかちゃんも上手いこと相手の動きを読めている。これからの成長が末恐ろしいな」
「そんなこと……」
「そんなことあるさ。私と比べても本当に優秀だ」
そう言う顔は、どこか寂しそうだった。
「本当に、優秀だよ」
「……なにかあったんですか?」
「まぁね。三十路を超えた女だよ、私は。それなりにドラマがあるさ」
そう言って北条は肩を竦めた。
「それはいつか話すよ。まぁ、今は一仕事終えたことを喜ぼうじゃないか。――――宣戦布告は終わった。もう戻れないぞ、行くしかない」
背筋を伸ばす二人。ずっと張り付けていた笑みを隠した北条がもえかを見透かす。
「もう武蔵はどこの艦隊も頼れない。たった一隻、32人の軍隊だ。きつい戦いが続くだろう。その道に後悔はないかい?」
「とっくに覚悟は決めて武蔵に乗ってますよ、侮らないでくださいね」
「それは心強い。ではいこうか」
右手を差し出した北条。もえかは迷いなくその手をとった。
「あなたとなら、どこまでも」
窓に背を向けたましろからは、窓の外は見えない。武蔵から離れていく
投稿が遅くなりましたがなんとか更新です。今回は本当に難産でした……
アニメ原作ではタマちゃんがタマでタマを撃つという超ロマンなことをやっていたので、噴進魚雷を撃ち落とすぐらいはできるかなぁと思いこんなことになってます。まぁ……大丈夫ですよね?
さて、これにて第一次(?)対武蔵戦は終了です。いかがでしたでしょうか。お楽しみいただけたなら幸いです。
あと一度割り込み投稿でミケ艦長誕生日おめでとう短編を挟みこんでいます。まだ読まれていない方は目次からぜひぜひ
次回からかなり原作シナリオを離れていきそうですが、どうぞよろしくお願いいたします。
――――――
次回 長の背中、部下の視線
それでは次回もどうぞよろしくお願いいたします。