仮面ライダー王狼   作:川蝉◯

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プロローグ

2053年 日本 十王市

 

街から少し離れた場所に立つ大きな家で王狼=I=楓は亡くなった祖父の部屋の片付けに明け暮れいた。

 

「ふ~、祖父ちゃんめ・・・少しくらい整理してから逝ってくれよな・・・」

 

汗を拭い、育ての親にあまりに不謹慎で失礼なセリフだか楓がそうぼやくのも無理はない。

自分と同じく獣医で仕事一筋だった祖父の部屋は研究室をふまえていたためかなりの広さをほこり、使用済みの実験器具がそのまま残されていたり、コレクションのアンティークが床が見えなくなるほど置かれていた。

 

楓はこの家に引っ越したと同時にここをどうにかしなくてはいけないと考えていたのだが、祖父の跡を追い獣医となった楓は今の今まで忙しくどうにもできなかったのが現状だった。

ワーカーホリック大国 日本で働きはじめてようやく貰えた連休を利用してこの魔窟を掃除にかかることを決意し丸一日・・・楓の努力もあり祖父の部屋は窓ガラスから星が見えるほどにはきれいになった。

 

「今日はここ迄かな・・・」

 

ここを一段落としようと考えて部屋を去ろうとした時―――――

 

 

ガラララ!!

 

 

―――壁にかかっていたアンティークの山が崩れ壁が見える。

 

「なんだ?これ、鎖の・・・ベルトと毛皮?」

 

壁には狼の毛皮と鎖で作られた奇妙なベルトが1つ引っ掛けられていた。

楓の目は鎖のベルトではなく狼の毛皮に釘付けになる。

 

「でかいな・・・」

 

その狼の毛皮はアメリカの大学で野生動物の研究をしていた楓にも見たことがないほど巨大で―――

 

「・・・綺麗だな」

 

見たことがないほど美しかった。

 

楓の手が無意識に狼の毛皮へと伸びる。

 

窓から見えたのはゾッとするほど美しく光る満月・・・

見開かれた狼の目は赤く輝いているのは月明かりのせいではないことを楓はわからなかった。

そして、毛皮に指が触れたとき・・・

 

『・・・妥協点だ。貴様の身体に住まわせてもらう』

 

「え?」

 

ふいに狼の毛皮から声がして、手を離すがすでに遅かった。

 

「ぐああああ!?な、なんだ!?」

 

楓の身体は内側から熱くなり、血が沸騰しているような錯覚に陥る。激痛の中で楓は意識を保つことで精一杯だ。

 

 

『恨むなら、その血筋を恨むがいい・・・仮面ライダー王狼(ロボ)

 

(仮面ライダー?王狼?)

 

楓の腰に独りでに鎖のベルトが巻き付く。

 

『Rock off!Change 王狼(ロボ)‼』

 

 

この時、はじまりの戦士が蘇った。

 

そして、それは人を喰らう怪物 獣人(ライカン)とそれを狩る仮面ライダーの戦いの激化を表す序章だった。

 




プロフィール

王狼=I=楓

20歳(2053年時)

188㎝
85㎏

アメリカの大学を飛び級で卒業して獣医師になった青年。
明るく飄々とした青年だが、実は人付き合いは得意ではなく誤解されることもあるが、身内、友人を大切にし受けた恩義は決して忘れない義理堅さも持ち合せている。

小学生の頃からキックボクシングを嗜み、ムエタイも学んだ武闘派で素の身体能力も暴れる猛獣を無傷で制圧できる程度に高い。


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