IS 一夏は俺のライバルだ!   作:SINSOU

4 / 24
俺のささやかな日常

肉体疲労で入院したが、退院3日後の運動会のかけっこで1位を取った『如月あきらだ』

いやー、みんなが俺の登場に言葉を失うほど驚いてたな。

中には、涙まで流しそうな人・・・ってママじゃねーか!

そして、俺が全力で走ると周りから大声が響いた。

そんな中、俺は堂々と1位を勝ち取ったというわけだ。

ちなみに2位は一夏で、一夏は俺の足の速さを羨ましがって、悔しがってたぜ。

どうだ一夏!俺は復活を遂げたんだよ!

3日前までケガ人だったのに全力で走ったことで、

ママから「1位おめでとう、ケガ人が全力で走るんじゃない」とラリアットをくらいました。

 

さて、そんな運動会も終わり、今日は幼稚園はお休みなので、俺は暇でしょうがない。

何かをしようにも、幼稚園の俺に出来ることは限られている。

外へ遊びに行くのもいいが、今日はそんな気分じゃない。

 

だから俺は、未来の俺が乗るISを考えてみようと思い至った。

なにせ、このままいけば俺は一夏と共にIS学園に行く予定だ。

世界初は一夏になって、俺が二番目の男性操縦者の地位に着くはずだから、

一夏同様に俺も専用機が与えられる。だが俺は一夏のように流される気はない。

ブレードしかなく、エネルギー消費武器しか搭載されないのに、

動くだけでエネルギーを消費する兵器って、はっきり言って産廃もいいところだよな?

これを男性操縦者に作るとか、もう阿呆と確信する。

そんなのを渡されたら俺はキレる自信があるぜ。

そんなことにならないためにも、俺は先に手を討たせてもらうって訳だ。

 

というわけで、俺の(考えた俺のための)ISを先に描いちまおう。

だいたい一夏も悪いと思うぜ。あいつは今でも流されやすい奴だからな。

その結果が、あの縛りプレイ専用ISとなるわけだ。

あいつは自分を蔑ろにし過ぎだ。もっと自分について考えろよ。

いかんいかん、雑念が入っちまった、集中集中。

 

さてさて、では俺のISの為にいざお絵かきを始めるぜ!

まずは全身装甲のかっこいいスーツを描く。絶対防御なんてあてにならないからな。

クレヨンでぬ~りぬ~りしながら、鎧の色はかっこいいから黒色にしよう。

そうだ、西洋甲冑なんていいんじゃね?ああいった鎧はまさに俺大好き!

 

次にISの武装だが、まずは近づかれたら厄介だから、短刀が必要だな。

次に中距離用に牽制のマシンガンなんかどうだろ。あ、剣も捨てがたいなぁ!

で、制圧用にガトリングを付けちまおう。これで火力が上がるってもんだ。

長距離用は・・・ミサイル・・・でも重量が心配だし止めとこ。

何かワクワクしてきた!もっと描いちゃお!

ぬ~りぬ~り楽しいなぁ!楽しいなぁ!俺のさいきょうのISが出来るんだぜ!

 

っと、俺が絵を描き始めてどれくらい経っただろうか、下からママの声がした。

 

「あきらー!一夏君が遊びに来たわよー!篠ノ乃さんの家に行く約束でしょー?」

 

あー、確かそんな約束してた気がする。すっかり忘れてたぜ。

一端作業を止めて、俺は外に出る準備をする。絵は・・・このままでいいか。

ママが俺の部屋に入ることはないだろうし。

さてさて、今日は篠ノ乃箒と束に会える時間だ。

 

篠ノ乃箒は、俺が一夏とライバルになった後、一夏経由で紹介されたっけか。

初めてあった時は、束さんの後ろに隠れてこっちをじっと見てたな。

俺が動いたらビクッとなって、束さんにすっごい目で睨まれた。

うん、あれは「なに箒ちゃんをビビらせてんだゴラァ!?」の目でした。

漏らしかけたのは秘密です。

 

その後は、一夏のおかげで友達になりました。

なんでも、俺の一夏への宣戦布告を聞いていたらしく、

一夏を虐める恐い奴と思われていたようだ。

ははっ、一夏のモテモテはここからでしたか。マジで爆発しろ。

だが、友達になったことで、俺にもチャンスが来たわけだ。

待ってろよ篠ノ乃箒!俺が一夏よりもかっこいいと気付かせてやるからな!

 

「ママ、よるごはんまでにはかえってくるからね。いってきまーす」

「はいはい、行ってらっしゃい。迷惑かけちゃだめよー。」

「わかってるよ。いくぞいちか!ほうきのいえまでかけっこだ!」

「まけないからな!」

 

そうして浮かれていた俺は、すれ違うママの言葉を聞き流していた。

 

「そういえば、あきらの冬服そろそろ出さないとなー。

 あきらー?冬服だすから部屋に入るけどいいー?」

「いいよー!」

 

俺は一夏と一緒に走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

いやー、楽しかった。

かくれんぼに鬼ごっこ、かけっこにママゴト(昼ドラ)と、今日もいっぱい遊んだぜ。

かけっこはもちろん俺の勝ち!だが一夏も追いついてきたからな。

流石主人公だ。まだまだ油断できねぇぜ。

 

俺が帰ってくると、ママがニヤニヤしていた。

 

「ねぇ、あきら。あきらって可愛いところあるよねー?」

「なに?おれがかわいいってどういうこと?」

「黒くてかっこいい騎士様の絵」

 

ピシリ、と空気が凍った。特に俺は一瞬訳が解らず、そして理解して固まった。

え、え?絵?えー!?何故それを知っている!?アレは俺の部屋にあったわけで。

さてはママが無断で入って「ちなみに許可は取ったからね、文句は言わせないよ?」

 

・・・そうだったー!!浮かれてて流れ返事してたが、そんなこと言ってたー!

 

「ちなみに、パパはまだ見てないから。

 せっかくあきらの描いた絵だもの。パパにも見せてあげてね」

 

そう言って台所に戻っていくママの後姿を見ながら、俺は気恥ずかしさで悶絶していた。

その後、パパが俺の絵を褒めてくれたものの、ママのニヤニヤで覚えておりません。

 

その夜、俺は俺の描いたISに乗った夢を見た。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。