父上殿
お元気でしょうか。
こちらは元気でやっております。
ただ、一つだけ無理なことが分かってても、お願いがあります
学校では仲のいい友達がいます。
他校ですが好きな人もできました。
しかし、もう
----姉がアイドルをやり始めて
歩くセク口スなんて呼ばれるのは嫌なんで
広島に帰りたいです。
お願いします。
「広島から転校してきました。新田悠真です。呉シニアで野球やってました。高校でも野球をやるつもりです。よろしくお願いします。」
姉が東京の六大学に合格し、父さんがどうしても広島に残らないといけないということで、母親と姉で東京に引越しした。
受験勉強はものすごく手こずったが、姉のおかげで都立の野球が強い高校、月谷へ入学できた。
広島では、それなりにシニアで活躍したつもりだけど県内の私立しか推薦が来なく、お金が無いので仕方がない……っていうわけでもないけど自分に自信が無いから、ここの高校に入学してきた。
それにしてもいい天気だ。新天地での活躍を願うかのような晴れ模様だ。
そして、みんなは俺の姉の存在を知らない。
絶対にばらすようなことはしない。
からかわれる。
絶対に。エロいだのオカズだの付き合いたいだの、ふざけんなよ……。
HRが終わり、帰宅の準備をしていたら
「よ!お前呉シニアでやってたの?」
誰かがしゃべりかけてきたようだ。
「おう。一応レギュラーはってたぜ」
「おお!まじか!!俺は江戸シニアでやってた牧方永遠だ!永遠でいいぜ!よろしくな!」
え!?あの江戸シニアって、数々の名選手を育てたという伝説の……。
「お前!そこめっちゃ有名なとこじゃん!」
「まあ一応ベンチには入れるだけだよ。監督のコネで月谷に拾ってもらったんだ」
これ内緒な。と笑いながら俺に話ってくれた。
こいつめっちゃイイヤツやんけ……。
これは隠し事なしだな……。
「ところで新田ってお姉ち「いるはずないだろうか!!!」お、おう」
だがこれはこれあれはあれだ。
この秘密は絶対に漏らしてはならない。
絶対にだ。
「あ、もう時間だし帰るわ。は、はは……。じゃあな!!」
「ちょおま!」
俺は急いでかえる。
チャリで3分で着く一軒家へ
--はぁ今日は姉がいませんように!!
と願い開けると
「遅い!今何時だと思ってんのよ!」
「なんでいないと願った時に限って家にいるんだよ!!」
そうこの人が俺の姉、新田美波だ。
この若干タレ目のエロい美貌に人当たりもいいし、リーダーシップのある性格、そしてスタイル抜群のナイスバディ。
俺ら呉シニアの呼び名
--歩くセク口ス。
「しかも12:30に帰りつくっていっただろ!!それがどこに遅いにつながるのさ!!」
「1分過ぎてるのよ」
「1分ごときでそんなに怒るのはあんたぐらいだよおたんこなす!!!」
もういやこの姉。
なんで頭いいのにこんな事で怒るのさぁ!!
「まぁけど」
ムニュ♡
な、なんなんだ?
この背中に当たってる柔らかい感触……。
「ええい!!なんで俺に抱きついてんの!!近づくなあっちいけ鬱陶しい!!」
そうこの姉、その顔でブラコンなんですよね……。
「なんでよ!昔は!『お姉ちゃんの髪の毛いい匂い……♡』って言ってたのにぃ!!」
「それは昔のことだろうか!!!とりあえずは、な、れ……ろ」
「お、おい新田悠真だよな……?」
「と、永遠君じゃないよね……ってなんで玄関開けっ放しなんだよ!バカ姉貴!!!!」
「お、お取り込み中悪かったな……!じゃまた明日!」
永遠が俺んちの玄関からものすごいダレきった顔で帰っていくのを見た。
これは誤解を解くしかない……!!
「ちょまってくれ!!!」
俺は永遠を全力で追いかけるのであった。