俺の夢にはISが必要だ!~目指せISゲットで漢のロマンと理想の老後~ 作:GJ0083
でも最近になってやっと面白さが理解できた!
これは良きものです。
アーカイブ量を見るに、数年は暇しなくてすみそうだぜ!
待望の春休みがやって来た。
卒業式? 独り身なんで特にイベントなかったです。
肋骨の骨折も無事に完治した今、長期休暇にする事――それはアルバイト!
いやね、通帳見たら貯金残高がヤヴァイって事に気付いたんですわ。
改めてモンド・グロッソが終わってからを振り返ると……うん、贅沢し過ぎ。
束さんに高級ホテルの宿泊をプレゼントしたり、無人島買ったり、束さんにバカ高い牛肉買ったり……あれ? 散財の半分は束さんじゃね?
おかしいな、生前はキャバクラにさえ行った事がない俺が異性に貢ぐとかなんの冗談だ。
ここはやはり束さんに責任を取ってもらうしかないな!
「束さーん!」
そんな訳での春休み初日、いつも通り食料を買い込んでダナンへ。
突撃隣の天才科学者!
「うへぇ」
人の顔を見た瞬間めっちゃ渋い顔するじゃん。
空中にいくつもの仮想モニターを投影させ、そのモニターの前でゲーミングチェアーっぽい椅子に座る束さんが振り返ってからの第一声がこれである。
「だって笑顔が気持ち悪いんだもん」
「青少年の笑顔に失礼な」
「なんか私を利用しようとする大人と同じ笑顔してる。今にももみ手しそう」
「それはごめん」
溢れ出る中年性が魂から滲んでてたのは少し自覚してる。
「それはそうと束さん、ちょ~とお願いがあるんだけど」
「急に肩揉んでくるとかロクなお願いじゃなさそう」
「いやいやいや、そんなに変なお願いじゃないよ?」
束さんの肩をもみもみ。
こってますねお客さん。
「少しばかし懐が寂しくてね。束さんにご協力お願いしたいなぁ~って」
「お金を無心してる……は、しー君にしては凡庸か。普通にバイトを紹介して欲しい、又は斡旋して欲しい、かな?」
「実はそうなんですよげへへ」
「なんでお金………あっ、そっか忘れてた。しー君の貯金を削る遊びしてたんだけど途中で飽きて放置したんだった」
「なんか無駄に甘えたきたりしてたと思ってたらお前ーっ!」
がくがくと束さんの肩を揺らす。
モンド・グロッソが終わってから、甘えたり強請られたりする機会が多いなぁーとは思ってたんだよ!
でも途中からそんな事もなくなったから気のせいだと思っていが、それが飽きただけなんて!
「まぁまぁしー君、どんな物でも使えばなくなるのは世の常だよ」
「正論だけど意図的に俺の貯金削ってた人間に言われたくない。なんでそんな真似したの?」
「え? 無様に泣きつくしー君が見たかったから」
「つまりこうして泣きつきてくるのは束さんの計画通りって事か……」
「ん? なに言ってるのしー君」
束さんが椅子に座ったまま振り返り、これ見よがしに足を組む。
うーん、この悪の女幹部感よ。
「しー君はまだ泣きついてないじゃん」
「……こうしてお願いしに来ましたが?」
「泣きついて、ないよね?」
「……はい」
下っ端ムーブの適当なお願いでは許さない――そういうことですね姫。
束さんは組んだ足の先を少しだけこちらに向ける。
言わんとする事は理解できた。
「ちょっと味噌とマヨネーズを持って来るので待っててください」
「そっちこそ待とうかしー君!」
束さんに背を向けた瞬間に肩を掴まれる。
立ち上げる音も気配も感じなったんだが? 新手のホラーかよ。
こんな場面で人外の身体能力発揮するな。
「なんです?」
「その味噌とマヨネーズ、何に使うのかな?」
「束さんの右足と左足に」
「それだけで使用目的を想像できる自分の天才的頭脳が憎い!」
IQは関係ないのでは?
大概ヨゴレになっただけさ。
「なんで味噌とマヨネーズなの!? この返しは想像もできなっかった組み合わせだよ!」
「俺がマヨネーズ好きな日本人だからでしょうが! 塩味だけじゃ飽きる!」
マヨは美味いが、やはり味の変化は欲しい。
塩味は束さんから補給できるので、ここは味噌だろう。
醤油と違って肌に塗りやすいからね!
「足洗って待ってろ」
「違うよしー君! 私が望んでた流れはこんなんじゃないよ!」
ぐむむ、肩を押さえる力が強すぎて前に進まぬ。
どうせ嫌な顔しなが靴にキスする俺を想像してたんだろ? 変態め!
束さんさぁ、俺が靴にキスすると思ってんの?
ファーストキスが束さんの靴とは性癖歪むわ!
健全な男子小学生として生足を希望する!
「待ってごめんしー君! ちょっと重めのジョークだったかなー? まさかまさか、この篠ノ之束が友達相手に靴を舐めろなんて言うはずないでしょ!」
キスじゃなくて舐めろは俺の方が想定外だよ。
お前、俺の唾液でベタベタになった靴履きたいんか?
いや待てよ……束さんの性格を考慮すると、その後に唾液まみれの靴を洗って来いまで言いそう。
泣きながら自分の唾液で汚れた靴を洗う自分が想像出来てしまう!
恐ろしい女だぜ。
「……冗談にするのかは束さんの対応次第かな?」
「高額なお仕事紹介するよ?」
生足……高額のお仕事……うーん。
束さんの生足は捨てがたいが、今はお金が優先かな。
生足じゃ腹は膨れない! またチャンスは来るかもだし。
「んじゃ冗談って事で」
「おしおし、ちゃんと冗談だと判断出来るしー君は偉いぞ。あ、話の前にご飯作って。お腹が減ったのは本当なんだよね」
「今はお昼時なんですが、束さんの腹具合はどんな感じ?」
「29時間労働した労働者?」
ブラック企業真っ青の働きっぷりですね。
それでよくそんなに元気でいられると感心するよ。
「消化に良くて栄養があるものにしましょうか」
「それと甘い物も!」
「脳の栄養ですね。了解」
「んじゃ私はシャワー浴びてしー君の部屋で待ってるから。よろー」
「うえーい」
◇◇ ◇◇
「ほい、鮭茶漬けと冷奴、デザートはバナナとプリンね」
「ほー、栄養学的には満点に近い献立だね。しー君がネット見ながら私の為に献立を考えてたかと思うと……笑えるね!」
「笑うな感謝しろ!」
未だに出しっぱなしのコタツに足を突っ込んでいる束さんの前にご飯を並べたら笑われた。
男がネットで調べて献立立ててなにが悪い!
人の善意を笑うのは良くないと思いまーす!
「髪は自分で乾かしましたね?」
「ごめんねしー君、流石にしー君が戻るまで濡れっぱなしは嫌だから自分でやっちゃった」
別に残念がってないよ? 自室を濡らされたくなっただけですから!
「んぐ……はぁ、疲れた胃におかゆが染み渡るよ。んでしー君はどんな仕事を求めてるのかな? またサンドバッグと椅子役やる?」
「今回は体に優しい仕事を求めます」
骨折が治ったばかりだし自分に優しくしたいよね!
単発バイトとしては最高の収入なんだけど、流石に今回はパスで。
「冷奴とか久しぶりだけど、たまに食べると美味しい。体に優しいバイトねー……しー君の貞操を売るとか?」
「詳しく聞こうか」
ネットの海の中でも深海に住む束さんだもん、ちょっと期待しますよ。
アジア系の少年をメチャクチャにしたい願望をお持ちのお姉様とか知ってるのかな!?
「とある石油王が日本人の少年なら高値を出すって言っててね」
「女王様だよね?」
「王って言ってるじゃん」
知ってた! 束さんの事だから、俺に得したかない提案をするはずないって知ってた!
でも極僅かな可能性にでも掛けたくなっちゃうじゃん!
「あぁ~プリンの糖分が脳に染みわたる……。まぁまぁ落ち着きなよしー君。海外じゃ春を売る少年なんて珍しくないんだよ?」
そだね。
海外の長編ドラマだと確実に登場するよね。
日本では見ないけど、普通にある話なんだろうね。
「しかも処女で100万、童貞で100万、合わせて200万の高級なお仕事だよ? 日本人の少年はレアだから是非ヤりたいってさ」
「両刀使いとかレベル高過ぎでは? 確かに売春としては高額だけど却下で」
「えぇ~? オススメのお仕事なのにしー君は我儘だなー。あ、バナナうまっ」
その石油王が耽美系イケメンでも、入れるのも入れられるのもごめんだね。
「後はそうだねー、ISを使って荷物運びとかする?」
「束さんの秘密基地政策の資材とか?」
「うんにゃ怪しいお薬とか」
「自分が作ったISで犯罪行為させようとすんな」
「紛争地帯への医薬品の運搬だよ? 上が腐ってると中抜きとかされるからね。あれだよ、ダークヒーローのお手伝い的な」
「なにそれカッコいい」
支援物資を確実に届ける為に非合法な方法を取り集団が居るの?
なんか普通にすげーと思うわ。
でもアングラなんでしょ? そのまま沼に引きずり込まれそうなんで応援だけしてます。
「それも遠慮します」
「しー君は我儘だなー。ん、ご馳走様でした」
「はいお粗末様でした。出来れば他の人間と関わらないソロプレイ用のお仕事ください」
「他にしー君が出来そうな仕事は……うーん……あ、そうだ、なら私のお手伝いする? ちょっと大掛かりな仕事をする予定なんだよね?」
「……健全?」
「うん健全。秘密基地を作るだけだから」
ほう? 大掛かり仕事で秘密基地とな。
遂に洋館のバイオ化計画でも始動すんのかね。
「仕事内容を詳しく聞いても?」
「場所はアメリカ、世界大の洞窟であるレチュギア洞窟を改造し――ダンジョンを作る!」
口元にプリンのカラメルソースを着けたまま力説する束さんの手を、俺は反射的に握った。
◇◇ ◇◇
「はいしー君そこの岩をハンマーで砕いて!」
「せいっ!」
「砕いた粉はスコップで集めて置いといて!」
「はいっ!」
ダンジョン作成、それはオタクの夢。
ダンジョン作成、それは男のロマン。
現実世界のダンジョン作成、それは肉体労働。
「おりゃぁぁぁ!」
壁に取り付けられたライトを頼りにひたすらISを纏ってハンマーを振るう。
俺は束さんの大雑把な指示で動く。
現在やってる事は洞窟の拡張。
洞窟は場所によっては人が通れない程狭くなっている場所がある。
それは俺と束さんが居るこの洞窟、レチュギア洞窟も同じでだ。
洞窟の入り口は必ずしも一つとは限らない。
今回はまだ誰にも知られていない入り口から侵入。
地表に近い最初こそ二人で並んで歩ける広さだったが、その後はガチの探検隊使用の通路になってきたので拡張工事を始めたのだ。
異世界転生してダンジョンマスターなる為の事前練習だと思えば楽しい!
「えーと、ここは少し脆いから補強して――んー、まだ虫がいるみたいだから虫の忌避剤をもう一個焚いてっと」
地下だから削った岩などの捨て場がない。
なので束さんが即席モルタルにして、それで壁を補修している。
ちなみに、天然の洞窟は虫、クモ、ヘビ、コウモリの巣窟です。
入る前に束製音爆弾でコウモリを追い出し、束製虫用忌避剤で虫を追い出す。
ダンジョン作成だって最初は地味なのだ。
「シュコーシュコー」
忌避剤の煙、岩を砕く際に出る煙、それらからの防護の為に束さんはガスマスク装備だ。
束さんも楽しそうでなにより。
「酸素濃度は今は問題ないね。でも換気はしたいなー。循環型にすると工事が面倒だけど、やっぱり空気を回したいよね。ま、そこは後回しでいいか」
「束さん、そろそろご飯にしない?」
「ん? もうそんな時間? じゃあ一回外に出ようか。でもその前に」
束さんが手元に仮想キーボートを出してなにやら操作する。
すると二体のクモの様なロボットが出現した。
どこかで見たような……あれだ、被災地で活躍する無人ロボットに見える。
「それは?」
「削岩ロボットだよ。取り敢えずマッピングが出来てるから、後はルート設定すれば自動で道を広げてくれる便利アイテムさ」
「つまり俺の後輩か」
「働き具合はしー君の三倍だけどね」
「労働でロボットと人間を比べ始めたらそれはもうディストピアなんですが」
「ISを装着して動ける広さを想定すると、人力じゃ年間仕事になるから仕方なしだよ」
「頼もしい限りです」
俺がメシ休憩してる間に掘ってくれるんでしょ? 勝ち目ねーよ。
でもこれぞ現代のダンジョン制作って感じだな。
作業を中断して外に出る。
昼に合流してアメリカに来てから作業を開始。
ダンジョンで言えばまだ1F部分だが、外はすっかり夜だ。
いやはや、これは濃厚な春休みになりそうで非常によろしい。
なんだかんだでテンション上げってる自分が居ます。
「ぷはぁ! 暑苦しかった!」
人里から離れた所にある巨岩の下から這い出ると、ガスマスクを脱いだ束さんが美味しそうに深呼吸を繰り返した。
国立公園の中だけあって周辺は静かで、建造物も少ないので星が良く見える。
高原地帯と言えばいいのか、木々が少なく平原が続いてる場所だ。
「一応この辺一帯は隠しておこうかな。上空から見られたら面倒だし。ほいっと」
束さんが機械のボールを地面に投げると、ホログラムがドーム状に広がった。
「しー君、ちょい外から見て」
「了解」
ホログラムの膜から外に出て後ろを振り返る。
おぉ凄い。
これなら上空から見られても気付かれないだろう。
「ちゃんと丘になってる?」
「なってますね」
巨岩さえ隠され、まるで最初から小高い丘だったかの様に見える。
流石は世界から逃げ回る天災。
見事な隠蔽術だ。
ここはアメリカの大陸のやや真ん中に位置するが、ISがあれば夜でもダナンに戻るのは可能。
せっかくだから泊まり込みでやろうかと思ったんだけど、この場所って野生のジャガーが出るんだよね。
可哀想じゃん、ジャガーが。
いや野生の獣が束さんに喧嘩を売るとは思わないが、子持ちの動物が命を懸けて挑んで来るかもしれないし。
なので夜は大人しくダナンに帰りましょうね。
「明日は朝からやるよ」
「了解です」
流々武を展開。
束さんを肩に乗せて飛び上がる。
「晩御飯はなーに? どっかのお店食べて帰る?」
「まずは俺が持って来た食材を消費しましょう。外食は食材を全部使ってからで」
「いちいち作るの? なんだったら私が消化してあげるよ?」
「……どんなの作る気なんです?」
「全ての食材をドロドロに溶かしてサプリ等で栄養バランスを整え、カレー味を添加して作る特製カレースープだね」
「食材に絶対触るな」
「一日一杯飲むだけで生きていける完全栄養食だよ?」
そんな問題じゃないんだよ効率中め。
束さんへの差し入れは業務用スーパーで買ってるが、今度も業務用スーパー一択だな。
栄養面しか考慮してないなら安物でいいだろ。
海外の肉はホルモン問題とかよく聞くけど、篠ノ之束の身体を侵せるとは思えんし。
「俺が居る間はメシの問題は任せてもらいます」
「むぅ、そこまで拒否られるとイラっとするんだけど……まぁいいか。しー君に家事を任せればそれだけ私の貴重な時間が浪費されなくて済むって事だもんね」
「その通り。前向きに捉えてください」
流石に食事が毎朝のカレースープが受け入れられないので。
「ごち! そうさま!」
「おそ! まつさま!」
晩御飯は適当に肉野菜塩炒めです。
材料は鶏肉、キャベツ、もやし、以上!
「お茶!」
「なに茶?」
「さっぱりで!」
「ほうじ茶でいい?」
「うむ!」
新手の亭主関白かな?
「ほいどうぞ」
「アチチチ……ずぅ」
ダナンに戻った俺と束さんは、昼と一緒でダナン内の俺の自室でコタツご飯。
これから行われるは……作戦会議だ!
「お風呂でさっぱり、ご飯食べてほっこり、心身とも休まりましたね? では始めましょう、我らがダンジョンの行く末を決める作戦会議を!」
「テンション高いねしー君」
「そりゃもう。ダンジョン内の試練を決めるなんて楽しい事、テンション上げなくてどうするんです」
ダンジョンなんて言っているが、もちろん異世界ではないのでモンスターなんていない。
その代わり、侵入者には試練が待ち構えている。
所謂、『○○しなければ出れないシリーズ』だ! 楽しみに決まってる!
「まぁ相方が乗り気なのは良い事だね。でもしー君、試練を決める前に先に話し合う事があります」
「と言うと?」
「ダンジョンのモチーフ決めだよ。ダンジョン名を決めて、それに合う試練を決めるのさ」
「なるほど納得」
「ちなみに私が考えてたのは『黄泉平坂』か『ゲヘナ』かな」
「……試練内容は?」
「八割死ぬ。事前に危険性を通知したら後はもう自己責任だよね」
「うんその通りだけど、アメリカの土地を無断で借りてる状況なので、その辺を考慮して止めましょう」
俺、血生ぐらいの嫌いなんだよね。
自分が参加するなら見てて楽しいのがいい。
「じゃあしー君の案は?」
「ここは無難に七大罪でどうでしょう? 試験の数も内容も決めやすいですし」
「えぇー? ちょっと安易じゃない?」
「厨二視点で言えば束さんの発案も俺と変わらないから」
黄泉平坂もゲヘナの七つの大罪も厨二って大きな枠で括られてる名前だろうに。
安易とか言って欲しくないです。
「まぁでも確かに悪くないかも。七つの大部屋を作って名前に適した試練を用意すのは楽だし」
「でしょ?」
七大罪はマンガやアニメ、ラノベなどのお約束の設定。
宗教などによっては中身が違ったりするが、その辺は割愛。
今回はオーソドックスな七つの大罪で行く。
即ち――
〇傲慢
〇憤怒
〇嫉妬
〇暴食
〇色欲
〇怠惰
〇強欲
である。
なぜ俺がこの案を推したのか。
それはもちろん試練の“色欲”を担当したいからだ!
アメリカ大陸の中央に篠ノ之束の秘密基地あるんだ、絶対にIS乗りが来るだろう。
アメリカ美人にエッチなイタズラしたくない? 俺はしたい。
や、別にR18にする気はないよ? うん、ない。
ちょっと肌色見るだけだから! 少し色っぽい声を聴きたいだけだから!
「しー君が望むなら私はそれでいいよ。別に拘りはないし」
「なら俺は色欲と暴食と怠惰を担当しますね」
「ん? 一緒にやらないの?」
「せっかくですし互いに秘密でやりません? その方が面白そうだし。束さんに多少は手伝ってもらうけど、出来上がりまで秘密にしたいかな」
「それはちょっと楽しそうだね。んじゃ試練内容はお互いに内緒やってみようか」
よし! これで男の夢であるエロトラップダンジョンが制作できるぞい!
「ガッツポーズするほど嬉しいの?」
「ダンジョンは男の子の夢なので」
エロトラップダンジョン! エロトラップダンジョン!! エロトラップダンジョンんんんぅぅぅ!!!
「私はどんなの作ろうかなー。残りは傲慢、憤怒、嫉妬、強欲だよね」
あれ? 欲望に忠実になり過ぎて殺意の高い大罪を束さんに回してしまったのでは?
これは非常にやっちまった感!
「嫉妬は自白剤混じりの興奮剤を煙でばら撒いて、互いの嫉妬心を暴露させて殺し合わせるか」
ワンアウト
「傲慢は……ワザと警戒心をなくす薬を使う? 簡単なトラップを攻略させて、調子に乗った所をズプリ」
ツーアウト
「強欲はそうだなー、金銀財宝と一緒に偽造パスポートなんかの高飛び道具一式でも用意してみるか。もちろん部屋から出れるのは一人」
スリーアウトチェンジ!
憤怒までは聞きません!
呑気にほうじ茶飲みながらよくエゲツナイ発想できるな。
「そこまでだよ束さん。俺の目の前で人死にNG。もしそんな罠を仕掛けたら許さない」
「でも私の研究資料を置くんだよ? ヌル過ぎるにもどうかと思う」
「こう考えてみては? 俺たちは、相手の心を折るんだと」
「最初に作った家型秘密基地みたいな感じ?」
「そうそう。今回はIS操縦者も相手に想定するんでしょ? 前回よりも大掛かりな仕掛けで遊べるじゃん」
これは心を折る戦いである!
肉体を傷付けるダンジョンなんて二流!
真のダンジョンマスターは一切傷を相手に負わさず勝のさ!
「悪くはないかも。兵士の心を折るのは前にやったけど、専用機持ちはないもんね。国家代表にも興味あるけど、アメリカご自慢のアンネムイドの相手もしてみたかったし」
「アンネムイド?」
「名前さえ消されたアメリカの特殊部隊よ。最近はISを少数ながらも導入したみたいだし、少し楽しみ」
俺の中でアメリカの国家代表は千冬さんの友人枠だ。
下手な真似はできないので是非とも大人しくしてて欲しい。
だけどアンネムイドなる組織も嫌だ。
シールズみたいに名前が売れてる英雄的な集まりではなく、どう考えても裏方専門のヤベーチームだろそれ。
「自らの名前さえ忘れるほどの戦いに身を置いて来た特殊部隊。それの心を折るのは大変そうだね。本気でやるよしー君!」
絶対に相手にしたくない部隊って事だけは分かった。
だけど不殺型のトラップだけの縛りがあるなら、ハリウッドよろしくシリアスムーブな戦闘行為はないだろう。
ISを導入してるなら主力は女性陣。
これは期待せざるを得ない!
「もちろん本気でやりますよ束さん! 色々と用意してもらったり手伝ってもらうかもだけど、よろしくお願いします!」
エロトラップダンジョンを作るのに、手抜きなんてするわけないんだよなぁ!
「うんうん、乗り気でなにより。お金が欲しければちゃんと働くんだよ」
エロトラップダンジョンに思考の全てを持っていかれて忘れてた。
俺、バイトだったよ。
今回のダンジョン制作のお手伝い、最後までやり通せば300万の報酬が貰える約束だ。
大金だが人が生きていくには少ない。
しかしこれはあくまで元で! 第二回のモンド・グロッソで賭ける為のな!
「んじゃ私は――試練内容をどうするか考えながら今朝やってた研究の続きをしながらちーちゃんのファンサイトの見ながら他国の動きを監視してくるから」
束さんがコタツから出て立ちあがる。
なんか日本がおかしかったね。
“ながら”って何回言ったよ。
天災も大変だ。
「頑張ってくだい。俺がゲームしてるんで」
巣〇りドラゴンしながらエロトラップのお勉強だ!
ゲシゲシゲシ
やめろ蹴るな! だいたい全部ただの趣味でしょうが!
自分が望んでやってるんだから八つ当たりしないの!
「夜食持ってこい」
「何時に何を?」
「二時におにぎり」
寝る寸前の絶妙に嫌らしい時間帯を希望したなコイツ。
「はいはい、ちゃんとその時間に持っていくから」
「もし忘れたらあれだから、明日罰ゲームさせるから!」
ぷりぷりしながら部屋から出ていく束さんを見送り、食器の片付けと洗い物を済ませる。
後片付けが終わったらコタツに入り、ノートパソコンの電源を入れて準備完了。
さて、エロゲ―しながらマイエロトラップダンジョンの構想でもしますか。
〇とある潜水艦にて
し「エロトラップダンジョンだやっほーい!」
た「……しー君、まさか私がしー君如きの思考を読めてないとでも?(含み笑い)」