俺の夢にはISが必要だ!~目指せISゲットで漢のロマンと理想の老後~   作:GJ0083

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いやちゃうねん。
せっかく気合入れてPS5とモニター買ったのに、モンハンワイルズがボリューム的にイマイチだったから、つい前々から興味があったASAが無料でダウンロードできたからついね?
いやこの数か月でプレイ時間1000時間とか、モンハン2G並みにやり込んだよ。
でもあれだね、ASAはプレイ時間100超えた辺りの、イロハを覚えて個体値なんか見ないでひたすら恐竜テイムをしてる時が一番楽しい説あると思う。



ダンジョンアタック④

 肉片が飛び散り、視覚の多くが真っ赤に染まる。

 普通なら恐怖に怯えて悲鳴の一つでも上げる場面だろう。

 ……爆発したのが自分自身でなければね!

 いやなんで俺が爆発してんの?

 周囲を見渡すとスター小隊は咄嗟にISを展開しらしく、肉片を身に付けながら警戒態勢に入っていた。

 ダガー小隊は地面に伏せ、頭にピンク色の肉片を乗せている。

 棒立ちするしかなかった自分と比べ、流石の反応だ。

 

「フォックス! 無事か!」

「無事です」

 

 爆発した瞬間に体全身に大気の圧力を感じたけど、吹き飛ばされたり内臓にダメージを受ける程ではなかった。

 束さんなりの気遣いかな?

 

「あの子供を見た瞬間、戦地で見た子供兵を思い出して咄嗟に伏せたが……まさかこんな事に……」

「篠ノ之博士……そこらのテロ屋とは違うと思ってたのに……」

「……許せねぇよ」

 

 なんかダガー小隊がトラウマを刺激されてるっぽい。

 意外と苦労してるんやな。

 

「派手に飛び散った割に風景が綺麗だと思ったが……なるほど」

「隊長、なにか?」

「これを見ろ。どうやら人間ではないらしい」

 

 スター1が破損の少ない俺の腕をぷらぷら振って見せる。

 なんか骨に当たる部分が金属製ですね。

 

「人型のロボットにわざわざ肉付けした様だ。芸が細かいな」

「わざわざ子供型にするのは悪趣味」

「そうねー。でもどうしてあの子だったのかしら?」

 

 スター2、それは俺への嫌がらせだよ。

 ほんっとに悪趣味!

 

『やぁやぁようこそ『嫉妬の間』へ。ウェルカムドリンクの味がお口に合ったかな?』

 

 でたな元凶!!!

 

 声がした方を見れば、崩れかけた瓦礫の上に座る束さんのホログラム。

 おうおう、俺の偽物を爆発させた説明してもらおうか。

 お前さっきの部屋では泣きながら逃げってたじゃねーか。

 

「この悪趣味なのがウェルカムドリンクだと?」

 

『ありゃ、アメリカ人のお口に合わなかったみいだね』

 

 日本人の口にも合ってねーよ。

 見て見ろこの空気。

 もれなく全員が睨んでるぞ。

 

「この廃ビル群と人間爆弾に嫉妬する理由が分からないんですが」

 

 あまりにも趣向が不明すぎる。

 嫉妬仮面でも嫉妬できないだろコレ。

 

『すぐに分かるよ』

 

 パチン! と束さんが指を鳴らす。

 廃ビルの中や瓦礫の隙間から人影が現れ、あっという間に周囲を囲まれてしまった。

 人種も年齢も様々で統一性はない。

 同じなのは目に光がなく、意思を持たない人形の様だって事だ。

 あと服が俺と違って新品。

 俺の偽物をボロボロだったのはやっぱり意図的か。

 

『戦場経験者なら誰でも知ってる。血と硝煙の匂いが充満するする戦地で自分たちの裏で、快楽の興じ、遊び、騒ぎ、人生を謳歌している人間が居る事を』

 

 戦場……嫉妬……ちょっと嫌な予感がしてきたぞ?

 

 

『君らのクリア条件はただ一つ……24時間ここで過ごす事さ』

 

 あかーん! これたぶんキツイ試練だ!

 怠惰の間での平和な24時間と比べて地獄の24時間になる予感!

 

「ダガー小隊はスター小隊の後ろに続け! この場を離脱する!」 

 

 スター1が即座に指示を出し離脱を決意。

 囲いを破る為に人形たちの一角にISで突撃する。

 

 

『説明は最後まで聞いて欲しいな。その人形、一定の範囲に人間が近付くと爆発する仕組みなんだよね。つまり、排除しようとすれば当然――』

 

「威力は低い! 恐れるな!」

 

 スター1の周辺の人形が爆発し、スター小隊とその後ろに居たダガー小隊が血と肉片の雨に包まれる。

 うへぇー……俺には真似できないな。

 ダガー小隊の為に地上戦をしてるみたいだが、俺は大人しく空から逃げようっと。

 だがその前に――

 

「ねぇねぇ束さん」

 

『ん? どったのしー君』

 

「視覚情報の暴力が酷いけど、これってつまりリアルなスプラッター映画でしょ? パンピーの俺ならともかく、兵士である他のメンバーには効果薄いのでは?」

 

 四六時中自爆する人間に狙われる恐怖は分かるけど、でも致死性に威力って訳でもないし……24時間くらいならどこかに引きこもってればクリアできそうなんだよね。

 

『安心してしー君。私がそんな簡単にクリアできる条件にする訳ないじゃん』

 

 いい笑顔で言いやがる。

 他にもなにかあるって事ね了解。

 

「んじゃ俺も行くんで」

 

『ほいほいーい、頑張ってね~』

 

 うーむ、このゆるい感じが逆にこの後の展開を不安にさせるぞ。

 束さんが楽しそうって事は、それだけこちらは大変なんだろうなって。

 まぁええか。

 こちとら歴戦の兵士が居るんだ、戦えるだろ。

 ISで上空を飛び、皆を探すついでに周囲に目を配る。

 ……無駄に広いな。

 サッカー球場くらいはあるだろ。

 憤怒の間のキラーマシーン先輩たちはここで酷使されてたのだろう。

 そして用がなくなったからスプラップ場へと……エコと言えばエコだけど、扱いが酷い。

 いつか付喪神化したキラーマシーン先輩に逆襲される事を祈る!

 さてさて、スター小隊はこっちに逃げて来たと思うんだが……あ、いたいた。

 崩れた壁の裏で作戦会議らしい姿を発見。

 

「ご無事なようで」

「そちらもな。あの場に残って篠ノ之博士と話してた様だが、なにか追加の情報はあるか?」

「敵は爆発する人形だけじゃないかもしれないです。あの様子だと、嫌がらせでなにか仕込んでますね」

「その嫌がらせはすでに発覚している。ここからそこの交差点を見てみろ」

「はい?」

 

 疑問に思いながら壁から顔を出して見る。

 気付かなったが、わざわざ信号機まで設置して町中を演出してるのか。

 交差点には……アメリカ人? ぽい白人と黒人が数名うろついている。

 

「あれがなにか?」

「左から二番目、恰幅の良い中年の白人女性がいるな?」

「はい」

「あれはダガー1の母親らしい」

「マジで!?」

 

 ダガー1を見ると、少し青い顔で真剣に頷いた。

 まじかー……そうきたか。

 

「所詮は機械に肉を着せた人形だが……ダガー1、自分の母親を撃てるか?」

「……正直分かりません。母親を撃った事はないので、偽物だと理解していて問題なく引き金を引けるか不明です。撃った後に自分の精神状況がどうなるかも――」

「正確な報告だ。なら他人が撃つのはどうだ」

「目の前でなければ」

「ならばそれで行こう。恐らくこれから各自の家族を模倣した人形が現れると考えていい。基本は無視するが、手を出さなければならない状況下では他の者が手を下す。ダガー小隊、それでいいな?」

「「「了解です!」」」

 

 返事はちゃんとしたが、ダガー小隊は複雑そうだ。

 そりゃ仲間が自分の家族を撃つのも、自分が仲間の家族を撃つのも、どっちも嫌だろうさ。

 束さんの性格の悪さが出てるなー。

 

「隊長」

「どうしたスター3」

「11時の方向、元はコンビニエンスストアだと思うけど、その中にさっきの子供が三人居る」

 

 おい俺の無断複製はやめるんだ!

 ……確かに俺だな。

 なんか本ゾーンで棒立ちしてる俺が三人。

 えっと――女性週刊誌系、少年雑誌系と来て……あの立ち位置ってエロ本コーナーじゃねーか!?

 嫌がらせがとどまる事を知らないなオイ!

 

「人形の顔は人種も年齢もバラバラで統一がない。その中に侵入者の身内を混ぜるのは分かるが……あの少年はなんなんだ? 少なくとも私たちとの関係性はない。可能性があるとすれば――」

 

 おや自分ですか。

 そら気になりますよね。

 

「この身は確かにアジア系ですが、あの少年とは無関係です。彼の情報は知ってますか? ワタシの記憶では親類縁者は居なかったはずですが」

「そうだな。確かに読んだファイルにはそれらしき記述はなかった」

「だとしたら何故、といった疑問が残りますね」

「たぶん嫌いだから。ファイルには篠ノ之博士と仲違いして腕を折られたとあった」

「嫌がらせか……今の情報量では答えはでないが、その辺りが妥当だろうな」

 

 はい大正解でございます。

 嫌がらせ以外のなにものでもございません。

 

「これからどう動く予定ですか?」

「24時間過ごせと言っていたからな、仮拠点を設けるつもりだ。敵の規模が不明な以上、下手に動き回るのはリスクが高い」

「了解です。設営地はお任せします」

「なら――」

 

『今暇? 暇してる? 答えは聞いてないけど』

 

 振り向けば篠ノ之束が居る世界ってどう思う?

 シチュエーションによるけど、自爆するロボットが徘徊する閉鎖空間では会いたくないな。

 

「こうも容易く背後を? 手の平サイズで無音……だけではないな?」

 

 束さんのホログラムを映しているドローンの話しね。

 凄いよね。

 大きさと厚さはどら焼きなのに、こうも高性能なんだもん。

 

『それと姿も消せるね。こんな感じで』

 

 しかも流々武の装甲と同じ素材か。

 なら燃費もかなり良さそうですね。

 ……外に技術が流れたら悪用される未来しか見えねぇ~。

 でも自分用に一台欲しい欲はある。

 うーむ……腕部展開と同時に鉄板を拡張領域から取り出し――

 

「シッ!!!」

 

 気迫一閃、ドローンを叩き落とすつもりで鉄板を振り抜く。

 

『それ無理』

 

 だがドローンはヌルりと避けた。

 手動かオートか……どちらにせよ俺には無理っぽい。

 

『はい、余計な真似をしたバカがいるのでルールの追加をします。次に手を出したら全ての人形の爆弾を致死性に変えます』

 

「おいフォックス……」

 

 やだ、四方から冷たい視線を感じる。

 非難してるけど君らだって欲しかっただろー? そう怒るなよ。

 一撃で仕留めれなかったのはスマン!

 

「で、さっきぶりですが何用で?」

 

『ある程度ここの空気を知ってくれたと思ってね。てな訳でチュートリアルは終了。レベル1開始だよ』

 

「レベル1?」

 

『視覚情報処理機能を解除……そのままでいいの? 見られてるよ?』

 

「隊長! 人形がこちらに向かって来ます!」

 

『マラソン頑張ってねー』

 

「全員付いて来い! 五時の方向のビルに退避する!」

 

 一斉に動き出す兵士たちが束さんの横を走り抜ける。

 釣られて俺もそれに続く。

 束さんの横を通る際、その口元が緩んでいるのに気付いた。

 後ろを見ると、こちらに向かってゾロゾロと歩く人形の群れ。

 なんか見え覚えのある光景だな。

 レベル1ね……後ろを付いて来る人ならざる者。

 これゾンビパニックでは!?

 きっとレベル2で走り出すな。

 

 ビルの中に入り、崩れた瓦礫や割れたガラスの上を走りながら先頭を走るスター1。

 どこを目的地にしているんだ?

 

「階段を上るぞ。遅れずに付いて来い」

 

 男子中学生の俺が現役軍人の階段上りに付いて行けるかッ!

 流々武脚部展開――俺は優雅に浮かんで追走しますね。

 一切顔色を変えず階段を駆け上がる姿は流石の一言。

 たまに階段上に人形が居るけど、それはスター小隊が処理してくれる。

 そして最後にたどり着いたのは屋上の扉の前。

 鍵は掛かってないらしく、スター小隊は隊列を組んで警戒態勢で扉を開けた。

 

「天井が近いですけど、景色だけはなかなか」

「フォックス、下手に顔を出すなよ。さて、ここに防御陣地を形成しようかと思うんだが……なにか意見あるか?」

「出入口が一つで敵は脆い、ので迎撃は容易。賛成する」

「そうねー、いざとなればISで逃げれるし、いいと思うわ」

 

 スター小隊がここで敵を待ち受けるつもりのようだ。

 確かに迎撃しやすく、いざとなればISですぐに逃げれる。

 問題は弾薬の確保か? 24時間バカスカ撃ってたらすぐに弾切れだろう。 

 戦地となった市街地、そこに現れるゾンビ……って事はどこかに弾丸とか置いてあるパターンかな?

 敵の総数が分からない以上、24時間真面目に戦うのは無理だよね。

 

「隊長、下の階から人形どもが上がって来ます。どうやら一度視覚に入れば自動で追跡してくる仕様のようです」

「ダガー小隊は戦闘の準備を。スター2とスター3はISを使用して瓦礫で土のうを作れ」

 

 軍人さんたちはテキパキと動くなー。

 俺は邪魔になるしこの場はお任せしよう。

 銃とか持ってないしね!

 

「スター1、この場を任せても? 自分は探索に出ようかと」

「本来なら単独行動なんて許可しないんだが……まぁお前は仲間と言う訳でもないしいいか。言うまでもないが気を付けろよ」

「了解」

 

 屋上を任せる形にして俺はISで飛び立つ。

 目指すは壁際だ。

 取り敢えず出口を先に見つけば後々楽だろうし。

 てな訳で壁際まで移動して、一度二階建ての小さなビルの屋上に降りる。

 ここから見てもちらほらと人形が見える。

 

「夜の帳」

 

 流石に流々武の透明化を見破るほど高価な眼は持ってないよね? って事で姿を消して壁際を低空飛行で移動する。

 

 ゆっくり移動しながら改めて町中を見てみるが、時々火が点いてたり煙が上がってたりと、リアルティーが半端ない。

 束さんの拘りを感じる。

 この施設って役目を終えたらどうなるんだろう? サバゲ―施設に転用したら人気でそうだけど……交通の便が悪いのがネックか。

 

「お、分かりやすい」

 

 のっぺりとした灰色の壁の中に、今まで見て来たもの同じ石門があった。

 ええと、スター1が居る建物からだと少し距離があるな。

 一応道案できる様に道順を覚えた方がいいかな? っと、銃声が聞こえ始めた。

 いよいよ始まったか。

 

『血と銃声の現場から逃げるなんてヘタレだね~』

 

 唐突に並走するなやビビるだろ。

 

「ところで束さん。弾薬とハーブってどこにあります?」

 

『ん? その辺の建物に適当にあるから好きなだけ持ってきなよ』

 

 本当にあるんだ!?

 半分冗談だったんだが。

 

「んじゃ適当に漁ってみましょうかね」

 

『それが良いと思うよ』

 

 周囲に人形が居ない事を確認してからISを解除して適当な建物に入る。

 うーん、良い感じの廃墟具合。

 廃墟具合マニアが喜びそうだ。

 

「ねぇねぇしー君、ちょっと手を貸して」

「なんで付いて来るんです? 派手な撃ち合いしてる向こうに行けばいいのに」

 

 俺の後ろから束さんがぴったり付いて来る。

 一人にして欲しいよまったく。

 

「まぁそう言わずに」

 

 むんずと手を掴まれる。

 ……掴まれ? あっれ暖かい!?

 後ろを振り向くと背景が透けてない束さん。

 

「……ナマモノだこれッ!?」

「せめて本物と言えや。と、思った通りだね――」

「どうして急に手をにぎにぎと……照れるじゃないか。束さんのお手て……柔らか暖かくて気持ち良いぞ♡」

「指先が冷たいし震えている。んふふ……おちゃらけてみても恐怖心隠せてないよ?」

 

 ……恐怖心ね。

 それを確かめにきたの? 暇人だなー。

 恐怖心……恐怖心ね。

 

「怖かったんぞこんちくしょうー! 目の前で爆発して血肉が飛び散ったんぞッ!? しかもご丁寧に血の匂いも再現しやがってッ!!」

「うきゃ!?」

 

 おらデコ出せデコ! ツンツンしてやる!

 

「痛い痛いっ――」

 

 ほっぺも出せ! もちもちしてやる!

 

「ほへほぉへやぁ」

 

 グロ嫌いだって言ってんのにさー! お前さー!

 最後に引っ張って終わり!

 

「うぅ……私悪くないもん。あの程度でビビるしー君が悪いんだもん」

 

 反省の色なし。

 赤くなったほっぺを触りながら不貞腐れてやがる。

 あんなん誰でもビビるわ!

 

「もういいや……んで? 何しに来たのさ?」

「ん? ちょっとしー君の様子見でね。だからお顔見せてねー?」

 

 返答をする間もなく仮面が取られる。

 なんだよもー。

 

「ありゃ? 思ったより顔色いいね」

「数分前までは白かったと思うよ。今は束さんのお陰でポカポカだけどね!」

「そんなお礼なんいいいよー」

「嫌味だよ通じろよ」

「ところでしー君、今回の試練はどう考えてる?」

「聞けや……今回の試練? どうせ最後はゾンビパニックでしょ? 大量のゾンビが走って襲ってくる感じの」

「あ、やっぱり分かるんだ? そだよー、時間経過で強化されるから頑張ってね」

「頼むからタイラントとか出さないでね? 束さんなら最後にゲテモノ出してきそうで怖いんだもん」

「……ウン、ダサナイヨ」

「そこははっきり返事しろよ! 出すなよ! 絶対に出すなよ!? タイラントもリッカーもイビーも禁止!」 

「わかったから揺らさないで」

 

 肩を揺さぶる俺の目を見もしないよこやつ。

 俺の必死さ伝わったよね? ここで出したら本気で怒るからね?

 でもそうだな――

 

「ジルやクレアなら喜んで」

「結局自爆するよ?」

 

 自爆……自爆かー。

 でも肉体はあるんだし、考えようによっては少しのチャンスはあるわけで。

 

「でもおっぱいはあるんですよね? なら――」

「うん、ただの肉人形とはいえ私の作品を汚すのやめてくれないかな?」

「ちなみに女性型って乳首あるんですか?」

「あっれ? 本気でエロい事を考えてる目だね」

「そりゃ本気ですよ。だが行動に移すかは束さんの答え次第です」

「ほえ?」

「なんか俺に色々仕掛けてきてますよね? さっきの憤怒の間といい今回といいさ」

「うん、してるよ」

「理由は?」

「ほら、しー君てば第二次成長期入ったじゃん? 今はホルモンバランスが崩れたりしてるからさ、しー君の心のバランス崩して遊ぶなら今かなーって」

「……おん」

「普段はISを平和利用してるしー君が、凶悪な単一能力を覚えて自己嫌悪に陥ったりしたら爆笑必死じゃん?」

「……おん」

「だから」

「……おん」

 

 概ね理解した。

 つまり俺は悪くないって事でいいね?

 

「ではここで『どこまで耐えれるかな? ドキッ☆ 美女&美少女お触り大会』の開催を宣言しまーす!」

「聞いただけでクソみたいな大会だね!」

「言い忘れたけど、俺は精通している」

「なんで今その情報出したの!?」

「まぁ束さんならとっくにご存じだと思いますが」

「知らないよ!? いくら私でも知らない事あるよ!?」

「ルールを説明します」

「この私が後手に回っている……だとっ!?」

「俺がこれから町中を徘徊して、弾薬を探しながら見つけたカワイ子ちゃんに抱き着きます。自爆する前におっぱいを揉みしだきます。どうせ遠隔操作でも爆破できるんでしょ? 束さんは俺が触る前に自爆できる様に頑張ってください」

「大会名通りのクソみたいな内容だ!?」

 

 この大会の目的は、銃弾の確保及び俺のグロ耐性強化だ。

 確かに束さんの人形は凄いよ? でも結局は作り物。

 例え人間の血肉に見えようと、それは豚肉や牛肉を顔面に叩き付けられてると同意! と思い込め!

 ゲーム化して自分の脳ミソ殺すのだ!

 一挙両得で全力で遊べ! 24時間も自爆ゾンビに囲まれたらきっと吐く!

 束さんの思惑通り動いてたまるか!

 

「まずはこの建物からね。じゃ、束さん製のダッチワイフの出来、この身で味合わせてもらおうか!」

「言い方ぁぁぁぁ! えぇ……? ほんとにするの? どうせすぐに爆発するのに」

「なん揉みできるか楽しみですね。別に邪魔しなくてもいいですよ。俺がパツ金美女のおっぱいに顔を埋めて興奮する姿を想像しながらそこで棒立ちしてるがいいさー!」

「あっちょと!?」

 

 束さんを置き去りにして二階への階段に目掛けて走り出す。

 階段を上り、ドアを開けて部屋に入る。

 ふっ……アルバイトの女学生かな? 巨乳って訳じゃないが、良い形してやがる。

 薄着なのもグット!

 女性が俺を視認し、足が動き出す。

 

 ラディカルグッド脚部限定!

 

 脚のみISを展開! 一気に距離を詰めてその胸に手を――

 

「させるかぁぁぁぁ!」

 

 あーあ、近距離な上に真正面だったから身体の前面が真っ赤だよ。

 ……おしいなぁ、コンマ数秒でおっぱいを鷲掴みできたのに。

 

「まさか……だよ。まさか本気でセクハラするとは思わなかったよ」

「女性型を混ぜた時点とこうなる事ぐらい予測できたでしょ?」

「できるかっ!?」

「そうなの? 束さんもまだまだだね」

「……この状況で挑発される事も想定外だよ」

 

 なんで額に青筋浮かべてんの? おこなのかな? んー?

 いいぞいいぞ、その調子で俺の事を追いかけてこい。

 ゲームは一人でできないのだ! 束さんの邪魔が入る事で、俺はおっぱいを触る事に本気になれる!

 

「この階にまだカワイ子ちゃんは居るかな?」

「あっコラ!」

 

 よし! 頑張れ俺! 今、顔に纏わりついてるのは人肉ではなく豚の挽肉! そう思え!

 なんか泣きそうだけど絶対に負けるな! 腹から声だしてけ!

 

「ちち! しり! ふとももー!」

「最低な叫び声を上げながら爆走すなー!」

 

 

 

 

◇◇ ◇◇

 

 

 

 

 一人で行動を開始して六時間ほど経過した。

 人形……今やゾンビと呼んだ方がいいか。

 そのゾンビのレベルは現在3。

 視界情報に加えて聴覚機能と跳躍機能が追加された。

 そんな訳で、屋上に居るスター小隊とダガー小隊の元には、銃声を聞きつけたゾンビがまばらに襲い掛かっている。

 数自体は大したことないが、絶えることなく襲撃が続いてるせいで、屋上の扉周囲には肉片が積み重なり大きな血溜まりができていた。

 ダガー小隊はやや辛そうな顔をしているが、スター小隊はまだ余裕みたいだな。

 さぁ! 束さんとゾンビ街デートした俺の登場だよ!

 

「どうも」

「戻ったか。遅いから逃げたかと思ったぞ。で、収穫は?」

「ありません」

 

 そう言いながら俺は手に入れた様々な弾倉を屋上の床に置いた。

 

「あるじゃないか」

 

 スター1を始め、他のメンツもなにか言いたげだ。

 そうだね……物資はあるよ。

 だけどただの一回も……一回もおっぱいには触れませんでした!!!!

 いやおかしくない? 六時間だぞ? いつかは飽きて俺を放置すると思った束さんが六時間も俺の後ろを付いて回って邪魔するんだぞ?

 最後は俺の根負けですわ。

 あ、ついでに血肉の克服は成功しました。

 いや本物は無理だと思うけど、今回のゾンビ肉には完璧に耐性付きました。

 六時間もやってればそりゃあね?

 

「この弾倉の山はどうしたんだ?」

「周囲の建物の中にありました」

「それは不思議だな……だが篠ノ之博士の思惑なぞ考えるだけ無駄か。それなりの時間消えていたんだ、他にも情報があるんだろ?」

「もちろんです」

「よし。正面はダガー2が受け持て,ダガー3はこの弾倉の山を弾頭の種類ごとに分けて各自に配布しろ。ダガー1とスター2、スター3はこっちに来て一緒に話を聞け」

 

 はいはいこっちおいでー。

 束さんと遊んでいる間に色々と知れたので共有するよー。

 

「まずこの試練の敵からですが、皆さんはゾンビもの映画って見た事ありますね」

「ないな」

「あるです」

「ない」

「あります」」

 

 見た事あるのはスター2とダガー2か。

 まぁ残りの二人は興味なさそうだもんね。

 

「この試練の主役は『ゾンビ』です。最初は俺も気付かなかったのですが」

「なるほど。ただの戦場ではなかったのですね」

「あぁ……言われて見れば確かにそれっぽいですね。なんとなく既視感があったのですが、ゾンビ映画でしたか」

「んで、建物に弾薬が隠してあるのはゾンビゲームの設定です。弾倉だけじゃなくてこんなものありました」

 

 懐から取り出したハーブを机の上に置く。

 

「これは……人参か?」

「ハーブです」

「いやどう見ても人参」

「篠ノ之束製のハーブです」

「……それは無茶があるだろ」

 

 そう思うよね……わかるわかる。

 俺もそうだった。

 

「食べれば分かるんですがね。例えばコレは――」

 

 人参を一本取って齧ってみる。

 ぐぇ……ハズレだ。

 

「ぺっ、ウコン味です」

「人参ではないのか?」

「見かけと栄養素は人参で、味は古今東西のハーブらしいですよ」

「ウコンはハーブ……なのか?」

 

 その辺の分類は知らん。

 束さんの中ではハーブなんだろうさ。

 

「それとゾンビなんですが……食えます」

「……は?」

「試してませんが、肉に味が付いてるらしいです」

「……は?」

 

 美人が呆ける顔は絵になります。

 だけどマジな話なんですよ。

 ゾンビの肉って合成タンパク質なんだよね。

 カップラーメンとかに入ってるアレ。

 だから味付けできるらしい。

 牛、豚、鳥の三種らしいっすよ? 技術の使いどころがおかしいんよ。

 食える事は束さんが身をもって教えてくれました。

 近くに居た偽物の俺を掴んで、耳をガブリと食い千切ってね。

 あの時は心底驚いた。  

 そんで驚いた勢いで、何故か嫌がる束さんに自分の耳を食わせようと躍起になってた。

 暫く泣いて嫌がる束さんを追いかけてたけど、今冷静に考えるとSAN値が削れた反動だったんだと思う。

 

「まぁゾンビ肉の件はどうでもいいです。食料はまだあるので無理に食べる必要はないですし」

「そうだな。その件は忘れておこう」

 

 あ、記憶にも残さない方向で行きますか。

 報告書作るにも、正気を疑われるから妥当だ。

 

「この試練は時間経過でどんどん人形……もとい、ゾンビの機能制限が解除され強敵化していきます。その中で建物を漁って弾薬などを補充しつつ戦う――が基本の流れですね」

「となると、一ヶ所に留まるのは悪手か?」

「今後の襲撃の規模が分からないのでなんとも。ですが今はこのままでいいのでは? 皆さんが迎撃でワタシが物資回収、それが無難だと思います。それと、なぜここが嫉妬の名が付いてるかまだ不明でして」

「いや十分だ。大きな動きがないまでは今のスタンスで行こう」

 

『呼んだ?』

 

 呼んでねーよ帰れよ。

 俺と一緒に六時間も遊んだし満足しただろ? 大型犬だって六時間も遊んだら満足して寝れくれるってのにこの天災はッ!

 って言いたいけど、試練の話題が出たから現れたんだよね?

 自分で説明したんだろうなー。

 

「呼んではないですけど、質問はあります。ぶっちゃけ、嫉妬の間の“嫉妬”ってなんです?」

 

 今の所、嫉妬する要素皆無なんだよね。

 

『知りたい? うんうん知りたいだろうね。では説明してあげよう! ……世界中では喜劇と悲劇は同時に起きている。例えばそう、ここ居るダガー小隊と呼ばれる君たちが戦場で命懸けで戦っていた時』

 

 束さんを投影するドローンの隣に、もう一機のドローンが飛んできた。

 そして同じように映像を映し出す。

 それはごくごくありふれたどこかの家族のホームパーティーの日付。

 

「あの日付は――」

 

 日付? そう言えば画面右上にしっかりと年と日付が映ってるな。

 

「ダガー1、お前は映っている日付になにか心当たりがあるのか?」

「……あります。その日は、自分と、そこに居る友人たち……ダガー2とダガー3はリビアの内戦で参加していて……苛烈な撤退戦を強いられてた日です」

 

 ダガー1の顔は、思い出したくない過去を無理矢理掘り起こされたせいで苦痛に歪んでいた。

 

 

 ――世界の喜劇と悲劇

 

 ――嫉妬ってそういう!?




一行で理解できる嫉妬の間

〇大量のゾンビと戦ってる横で平和な世界を生きる人間の生活が垂れ流されます

た「私って基本的には嫉妬なんてしないんだよ。だってそうでしょ? 世の無能共のなにに嫉妬すればいいのさ。でもこんな私でも嫉妬した事はある。潜水艦の個室で一人で作業してる時に、しー君がいっくんと遊んだりするのを見た時とか! もしかしたら私に初めて嫉妬の感情を教えてくれたのはしー君かも」
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