俺の夢にはISが必要だ!~目指せISゲットで漢のロマンと理想の老後~   作:GJ0083

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大会出場国は他意はありません。
様々な地域から国を選んだだけです。
ツッコミはなしでお願いします。


モンド・グロッソ⑦

 アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、ロシア、中国、インド、ブラジル、オーストラリア、韓国、オランダ、トルコ、ギリシャ

 

 モンド・グロッソに出場している16ヵ国の国家代表がアリーナに集合した。

 数人で固まって話してるグループと、その集まりから距離を取ってる人間が居る。

 どうやら集まっているのは手を組んで試合に望む人間のようだ。

 一人で居るのは個人で挑むのだろう。

 

 イギリス、フランス、ドイツ、ギリシャの代表が集まってるグループ。

 カナダ、ブラジルのペア。

 ロシア、韓国のペア。

 インド、オーストラリア、トルコは個人のようだ。

 

「おはよう」

 

 どうやら私が最後だった様だ。

 挨拶をしながら私も集団の一員となる。

 しかし挨拶に対する返事はない。

 アダムズがジト目で私を睨み、アーリィーと飛蘭は苦笑している。

 さて、清々しい朝なんだがなぜ私は睨まれてるんだろうな?

 

「アダムズはどうかしたのか?」

「やー……あはは、昨日の件でお怒りみたいサ」

「畳の寝心地は悪くなかったです。体は痛いですけど……体は! 痛い! ですけど!」

「……気絶したアダムズはお前に任せたよな?」

「畳は寝る場所って聞いたサ」

「微妙に間違ってるな。微妙に」

 

 どうやらアーリィーはアダムズを放置して帰ったらしい。 

 畳の上に放置はあんまりだろ。

 日本人は畳をベット代わりにしてると勘違いしてたとは驚きだ。

 

「それに……」

「それに?」

「体が疼いてしょうがなかったから、あの後走りに行ったサ」

 

 それは仕方がないな。

 私だって逆の立場だったら走りに行ってただろう。

 

「放置したのはアーリィーだろ? どうして私に怒る」

「気絶してる私をアーリィーさんに丸投げして帰ったそうですね?」

「すまなかった」

 

 アダムズから見れば私も同罪か。

 飛蘭も申し訳なさそうな顔をしてるわけだ。

 確かに私たちも悪い。

 ……よくよく考えてみると、気絶した人間を放置って普通じゃないよな?

 外道どもの影響かもしれない。

 少し気をつけて生きよう。

 今の自分はメディアの目があるからな。

 

「うぅ……背中も腰も痛い。コンディション最悪ですよ」

 

 何も敷かない畳の上じゃそうなるだろうさ。

 朝から試合ってのも運がないな。

 昼からならマッサージなどで回復できただろうに。

 

「しょうがないアルな。敵に塩を送るって言葉があるし、アタシが一肌脱ぐヨ」

 

 飛蘭が情けない姿で腰を叩くアダムズの背後にまわる。

 ふむ、偏見かもしれないが、中国人の武術家ってマッサージが上手い印象があるな。

 

「力を抜くアル」

「こうですか?」

「そうそう、息を吸ってー、吐いてー、……ほいっ!(ボキッ)」

「んぎゅっ!?」

「ここを(ゴキッ)こうして(ゴキッ)こっちはこうで(ゴキンッ)」

 

 なんだろう……プロレス技か? 私の知識ではプロレス技でしか例えられないな。

 素人目にはコブラツイストと……寝転ばないでやる十字固めだろうか。

 アダムズから凄まじい音が聞こえるんだが大丈夫か?

 

「む? 首の骨が歪んでるネ。読書が趣味アルか? これはサービス(ゴゴキンッ)」

「んほッ!!」

 

 アダムズが一瞬痙攣したかと思うと、そのままヘロヘロと地面に座り込んだ。

 まさか試合前に合法的に暗殺したんじゃないだろうな暗殺者。

 

「生きてるサ?」

「今まで生きてきた中で経験したことが無い痛みでした。でもなんだか……」

 

 アダムズが立ち上がり、腕を伸ばしたり屈伸をしたりして感触を確かめる。

 実にスムーズな動きだ。

 

「凄いです! 体が羽のように軽いです!」

「これぞ中国の神秘ヨ! なんて、ぶっちゃけただの整体アル」

 

 アダムズがぴょんぴょん跳ねて元気っぷりをアピールしている。

 それでいいのかアメリカ代表。

 観客が奇異の目で見てるぞ?

 言葉遣いはともかく、行動はアメリカ代表として相応しい振る舞いをしような。

 

「軽く矯正したから体のキレは増してると思うヨ」

「ありがとうございます! これで今日の試合はバッチリです!」

「それは良かった。これなら心おきなく戦えるな」

「……へ?」

「これでなんの遠慮もなく全力でトリーシャと戦えるサ。ナイス、フェイ」

「あ、あの……」

「壊すも治すも自在なのが中国拳法アル。これで試合中に間違って壊しても罪悪感を覚えなくて済むヨ」

「……Wow」

 

 アダムズが口をOの字にしたまま固まる。

 体調が万全でない人間と戦ってもつまらないからな。

 これで憂い無く戦えると言うものだ。

 

「……ま、まぁいいです。私だってアメリカ代表、どんと来いです」

 

 覇気もないし足が産まれたての小鹿だけどな。

 しかし本当に争い事に不向きな性格だ。

 これでよくアメリカ国内の大会で勝ち続けてこれたな。

 

「そんな訳で織斑さん、これをお願いします」

「ん?」

 

 渡されたのは一枚のメモ紙。

 なんだこれ?

 

「えーと、海兵隊式ヘタレ新兵矯正方?」

 

 アーリィーと飛蘭が後ろからメモを覗き込む。

 書かれているのは映画なんかで見たアレだ。

 丁寧に台本式で書かれている。 

 

「これをどうしろと?」

「読んでください。実はこれ、私にとって大事な儀式なんです」

 

 儀式ときたか。

 大事だと言われても、正直言って衆人観衆の前でやりたくないんだが。

 

「もしかしトリーシャはスイッチを作ってるアルか?」

「ですです」

「スイッチってなにサ?」

「戦えない人間っていうのは一定数存在するヨ。それは軍で厳しい訓練を受けた人間でもネ。でも戦えない兵士は存在価値がない。それをなんとかする為に考案されたのがスイッチと呼ばれるものアル」

 

 言葉だけで聞くとどうにも不安になるな。

 洗脳の一種か?

 

「例えば、どうしても人を殺す事を忌避する人がいるヨ。そんな時は意識をすり替えたりして罪悪感を減らすアル。“自分が人を撃つのは殺す為ではない。仲間を守る為だ”とかヨ。言うならば心理療法ネ」

「意識をすり替えるか。確かに“スイッチ”だな」

「私の場合は“好戦的にさせる”ですね。根性を入れろと訓練前にやらされてたんですよ。その結果、これやると異様にテンションが上がるんですよね」

 

 ルーティーンのようなものだろうか?

 これをやるとアダムズのスイッチが入り、勇敢な兵士に変わるのだろう。

 書かれている台本を改めて読む。

 確かにテンションは上がるだろうな……。

 

「なぜ私が言うんだ? リーダーはお前だろ?」

「織斑さんの方が気合が入りそうですし」

「……私達はチームだ。別にやってもいいが、二人だけでやるのは滑稽だぞ?」

 

 アーリィーも飛蘭もプロだ。

 こんなアメリカ被れな真似しないよな?

 テレビで放送される中でやるんだ、飛蘭なんて親が軍人なんだから嫌がるだろう。

 

「別つ構わないヨ」

「だな。楽しそうサ」

 

 と思ったがノってきよ。

 こういった余興好きそうだもんな。

 二人がやるなら仕方がない、付き合ってやるか。

 

「分かった、やろう」

「ありがとうございます! ついでにコレもお願いします!」

 

 いい笑顔で追加の紙を渡された。

 今度はなんだ?

 

「昨日先輩が考えた最高にクールな変身セリフだそうです。日本で人気のマンガを真似たそうですよ」

 

 うん、どこかで聞いたことがあるようなセリフだ。

 これをやれって? テレビカメラの前で?

 それは流石にできないな。

 

「断る」

「やるサ」

「やるアル」

「っておい!」

 

 サービス精神の塊かこいつら!?

 

「二人とも本気か?」

「なんでそんなに嫌がるサ? 普通に格好良いと思うサ」

「日本人ウケしそうなので、中国代表としては受け入れるヨ」

 

 アーリィーはまぁいい。

 面白い事が大好きそうな性格だから話しに乗るだろう。

 飛蘭はあくまでも中国代表として、か。

 国家代表の鏡だな。

 私は遠慮するが。

 

「最後のだけはやらない。そこは妥協してくれ」

「残念ですがしょうがないですね。三人でも絵になると思うので妥協しましょう」

「千冬は恥ずかしがり屋サ。うりうり」

 

 やめろ、頭をつつくな。

 飛蘭も笑ってるんじゃない。

 束や神一郎は喜びそうだが、私は絶対にやらないからな!

 

 女が四人も揃えばそれなりにかしましい。

 台本のセリフを覚えながら世間話に花を咲かせる。

 

「ところでこのセリフはいつ言うんだ?」

「そうですね。気合を入れてISを纏って、それからカウントダウンってのはイマイチですよね……カウントダウンは60秒前から始まりますし、カウントダウン30秒時点から始めるのはどうでしょう?」

「カウントダウン中に大声出したら迷惑行為と取られないサ? 場合によっては注意を受けそうサ」

「――ルールを確認してみたけど、カウントダウン中に騒いでも特に罰則はないアル。むしろ推奨してる? 直接攻撃は禁止だけど、敵の集中力を乱す言葉などの行為は有りヨ」

「……カウントダウンがやたら長い理由が分かった。束なら嬉々として推奨しそうだ」

「篠ノ之博士ってそんな人物なんですか?」

「そうだ。あいつの性格は最悪だ」

 

 ちーちゃん相手にマウント取ろうとイキった奴が、その後に試合でボロ負けする。

 そんな場面が見たかったのでその辺の規制を緩めました!

 

 ざまぁ展開ってやつですね。

 娯楽としては最上。

 

 失礼、妙な電波を受信した。

 流石の二人も試合直前で話しかけてこないだろう。

 だからこれは幻聴だ。

 

「カウントダウン30秒から開始したとして、台本通りセリフを読んで、それからISを展開……決まれば格好良いですけど、ミスったら恥ずかしい事になりますね」

「でも決まればかなり爽快サ」

「テレビ映りも良さそうアル。ここはビシッとやるべきネ」

「最後のセリフだけは断るが、それ以外は問題ない」

 

 変身ゼリフを本当に言う気なんだなこいつら。

 尻込みしてる私がおかしいのか?

 人気集めの為にやるのは、同じ国家代表として本当に尊敬する。

 滅私奉公と言えば聞こえはいい。

 でも私には無理だ。

 

「しかしこのセリフは良いものサ」

「ワタシの方はちょっと厳ついアル。これ、意味分かってるネ?」

「先輩がフェイさんにお似合いだって言ってましたよ?」

「……それならいいアル」

 

 飛蘭のセリフは――なるほど。

 昨日の戦いを見れば納得のセリフだ。

 個人的には似合ってると思う。

 

「それにしても、サ」

 

 アーリィーが顔を寄せて声を潜める。

 

「なんかやたら見られてるサ」

「そうだな」

「そうですね」

「そうアルな」

 

 私たちは立っているのはアリーナ内でも壁に近い場所だ。

 中央に立ってる訳ではないのに、何故かやたらと見られている。

 アリーナ中央に陣取るヨーロッパ勢の何人かも睨んでいる。

 上位陣が集まってるせいかと思ったが、一番人数が多く、昨日の一位であるイギリス代表が居る中央を無視して私たち。

 それが解せない。

 

 もう一つ分からない事がある。

 それは視線の先だ。

 

 カナダがアダムズ。

 ロシア、韓国が飛蘭。

 ヨーロッパの大勢がアーリィー。

 ライバル関係で気合が入ってる、でもなさそうだ。

 視線には敵意がある。

 

「なぁ、お前たちって嫌われてたりするのか?」

「いきなり失礼ですね!?」

「どちらかと言えば嫌われてるサ」

「好き嫌いを語るほど互を知らないアル」

 

 三者三様だなおい。

 しかし私に対してでなくて良かった。

 恨みを買った覚えはない。

 しかし恨みを売った覚えはある。

 白騎士事件の被害者や、私が普通の人ではないと知ってる人間は居ないようだ。

 

「で、心当たりは?」

 

 私の問に対し、三人は顔を合わせた。

 

「――ですかね?」

「――それサ」

「――だと思うヨ」

 

 ヒソヒソと語り合う三人。

 どう見ても心当たり有りだ。

 

「結論が出ました」

 

 話し合いが終わり、アダムズが一歩前に出た。

 っていうか、アーリィーと飛蘭に背中を押された感じだ。

 顔には諦めの色が出ている。

 だいぶ慣れてきたな。

 

「恐らくですが、同盟を組む予定だったので、それを断ったのが原因かと」

「同盟って今日の競技でか?」

「はい。確定事項と言う訳ではなかったのですが、こちらから声を掛けた場合はよろしくと、そんな感じでした」

「だいたい同じアル。ロシアと韓国は同盟予定だった国ヨ」

「こっちはヨーロッパ連合って感じサ。一人だけ抜けたから睨まれてるサ」

 

 うん、要するに戦力外通告したってことだな?

 それぞれの国の立場から見れば、“お前らと組んでも勝てないから”と言われたに等しい。

 特にアーリィーが問題だ。

 ヨーロッパ勢は一大勢力。

 どの国が勝つかはともかく、今日の競技で上位を独占できる予定だったはずだ。

 それがまさかの離脱。

 睨まれるもするだろう。

 

「アーリィーはどうしてこっちに来たんだ?」

「一度と千冬と行動を共にしてみたかったのサ。相手を知るためには近くにいた方が便利サ」

「それは光栄だな」

 

 こうも真っ直ぐに好意を向けられると恥ずかしいな。

 好敵手として見られるのは嬉しいものだ。

 

「アダムズと飛蘭はなぜだ?」

「私は勝率重視です。と、言いますか、先輩方が織斑さんと組んだ方が勝率が高いと判断した結果です」

「アタシは上からの指示ネ。ぶっちゃけ篠ノ之博士の情報狙いで近付いたヨ」

「アダムズはともかく、飛蘭はぶっちゃけすぎだろう」

 

 私に近付いて束と関わりを持ちたいと言う気持ちは分かるが、それをぶちまけていいのか?

 

「だって千冬サン、その程度は理解してるアル。アタシみたいのきっと多いヨ」

「まぁ、な」

 

 政府関係者には多いタイプだ。

 正直言って彼等は凄い。

 恫喝、甘言、理解者の振りに自分が束の協力者だと嘘を言う者。

 あの手この手で近付いて来る。

 本当に面倒だ。

 その点、飛蘭は隠さないだけマシだ。

 まぁ堂々と言った方が私の好感度が上がると、そう考えてる節があるがな。

 その計算高さも嫌いではない。

 

「ん、楽しいお喋りはここまでサ」

「もう時間ですか」

 

 選手に競技開始の連絡が入る。

 観客はざわざわと落ち着きなく騒ぎ、選手の間では緊張が高まった。

 

「しかし珍しいヨ。普通のスポーツなら有り得ない自由度アル」

「競技のルールを作った人間は普通じゃないサ。だって大会二日目でバトルロイヤルと聞いた事ないサ」

「それ、私も思いました」

 

 心の中でだが友人として謝ろう。

 

 すまん。

 

 今日の競技はとにかく自由度が高い。

 まず立ち位置が自由だ。

 アリーナ内ならどこに立っていても自由。

 競技開始直前まで喋るのも自由。

 ISを纏うタイミングも自由。

 団体で挑むも個人で挑むも自由。

 誰と戦うのかも自由。

 自由が多すぎて逆に面倒を感じる。

 余計な事をするなと言いたい。

 

 

 ――60、59、58

 

 

 っと、カウントダウンが始まったか。

 待つ時間が長いと、やはりダレるな。

 気が引き締まらないと言うか……。

 もしかして国家代表の集中力を試しているのか?

 だとしたら束らしい嫌がらせだ。

 

 

 ――57、56、55

 

 

「この待ち時間、なんとかならないサ?」

「私は準備運動でもしてます。朝は体が痛くてまともにできなかったので。いち、に、いち、に」

「準備運動はもう終わってるアル。うーん、これから大声出すし、呼吸でも整えるヨ。――シィィィ」

 

 他の競技者はすでにISを纏っている人もいるし、目を閉じて集中している人もいる。

 その中でこの余裕ぶり。

 なんとも頼もしい仲間たちだ。

 

 

 ――50、49、48

 

 

「いち、に、――やっぱり普段より体が楽です。フェイさん、あの整体のやり方って教えてもらえたりします?」

「別に秘技とかではないから構わないネ。中国人なら誰でもできるヨ」

「中国人って凄いですね!?」

 

 アダムズの目がキラキラと輝く。

 騙されてる。

 騙されてるぞアメリカ代表。

 

 

 ――40、39、38

 

 

「そろそろ円陣組みましょうか」

「ISを展開して、ポーズを決めるとして……立ち位置はこれくらいで良いサ?」

「千冬サン、気合が入るの頼むヨ。ところで、本当に最後のセリフは言わないアルか?」

「絶対にやらん」

 

 テレビの前で恥はかきたくないんだよ。

 それと、束と神一郎を必要以上に喜ばせたくない。

 カウントダウンが進むにつれ、会場の熱気と選手の緊張感が高まっていく。

 私がアダムズの申し出を受けたのは、ちゃんと利点があるからだ。

 上手く行けば他の選手の集中を乱し、こちらが有利になる。

 

 

 視線で三人に目配せする。

 カウントダウンは30秒になった。

 

 ――よし、行くか。

 

 

 

 

 

「お前たちの特技はなんだ!?」

 

『殺せ! 殺せ! 殺せ!』

 

「この試合の目的はなんだ!?

 

『殺せ! 殺せ! 殺せ!』

 

「お前たちは祖国を愛しているか!? 勝利の為に命を捨てられるか!?

 

『ガンホー! ガンホー ガンホー!』

 

「ぶ っ こ ろ せ ッ!!

 

『YAaaaaaaaa!!!!』

 

 

 会場に居る人間と、代表選手たちの視線を一身に浴びる。

 出足は上々。

 口を開けて呆けてる人間もいる。

 奇襲は成功。

 ここからは私以外の三人が主役だ。

 まずはアーリィーが手を高く上げる。

 

 

「吹き荒れろ! “テンペスタ”!!」

 

 ネズミ色……いや、嵐の色と言うべき灰色の装甲を纏ったアーリィーが堂々とポーズをとる。

 ノリノリだな。

 

 

「鏖殺せよ。“蚩尤(しゆう)”」

 

 アーリィーとは売って変わり、飛蘭は厳かに愛機の名を呼ぶ。

 蚩尤は黒い機体で、飛蘭の頭には牛の角の様な突起物があった。

 鏖殺は“皆殺し”って意味だったな。

 うん、とても似合っていると思うぞ。

 

 

「鮮血で飾れ! “クリムゾン・ホーン”!!」

 

 大トリはアダムズ。

 クリムゾン・ホーンは血の様なドス黒い赤色のISだ。

 らしくない色合いだが、意外と似合っている。

 ふむ、目が違うからか?

 今のアダムズの目に怯えはなく、戦士の目と言うべき鋭さがある。

 だから赤いISが栄えるのだろう。

 

 

 ――5、4、3

 

 三人が私を見る。

 なんだその期待の篭った目は。

 やれと? その恥ずかしいセリフを叫べと?

 すまん、断る。

 

「IS、展開」

「「「はぁ~~~」」」

 

 ……ボソッと呟いたらなんかため息吐かれた。




日本代表「ぶっころせ!(意外と楽しそう)」
イタリア代表「殺せ! 殺せ! 殺せ!(普通に楽しい)」
中国代表「殺せ! 殺せ! 殺せ!(こういったノリは新鮮で面白い)
アメリカ代表「殺せ! 殺せ! 殺せ!(洗脳完了)」


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