ドラクエX 銀髪のアニア   作:ももぴょん

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懲りもせず第二話。


2話 魔物にゃ鋭いツメがある

瘴気。

それはアストルティアを覆う暗黒の煙。

常人が触れればその心は悪に奪われ、命を落とすこともある。

 

 

「アニア!!それは俺じゃない」

遠くから聞こえるスラムスの声に振り返ったアニアは自分が抱えてる物に驚く。

これは・・・

「アタシの水飲み袋だわ」

アニアは慌ててるうちに革袋をスラムスだと勘違いしたらしい。

確かにそれは、冷たくて、弾力があって、大きさもやや似てる。

かといって、

「俺と間違えるか!?普通?」

「ああ、もう。早く!」

アニアは急いでスラムスのところへ戻ると、乱暴に頭の先っぽを持ち上げ走り出した。

「イタタ。丁寧に扱えよ!!」

叫びながらもスラムスは今の事態を冷静に理解していた。

(アニアの仕事はいつも完璧だ。だが、その完璧さゆえに、一つでもミスをすると軽いパニック状態になる。これは戦いにおいてかなりのマイナス面。ああ!面倒くさい。俺がフォローしなければ・・・)

「アニア」

一呼吸おいて、なるべく落ち着いた声でスラムスが言う。

「恐らくあいつは真っすぐ村へと向かっている。昔の恨みを晴らすためだ。カーシュが言ってたろ?自分の祖父母が封印した魔物だと。そしてその封印が50年しか持たないと」

ウンウン。

足元の石につまづきそうになりながら、アニアが頷く。

「アタシ達はその封印を自分で解き、奇襲をかけるつもりだった。だが予想以上の瘴気で驚いてしまった」

「そうだな」

「アタシ・・・」

「いいか、アニア。余計なことは考えるな。絶対に村へ辿り着かせては行けない。それだけ考えてろ」

スラムスの静かな声にアニアは少しずつ落ち着きを取り戻していた。

「お前ならそれが出来る」

 

 

浜辺の洞窟はそこまで広くない。

分かれ道もあまりなく、出口までほぼ一本道だ。

洞窟の出口が近づいてきたところで黒い影が見えた。

「あそこね!」

アニアはポケットから何か取り出し、それを敵の足元に投げ飛ばした。

「グギャア!!」

悲鳴をあげて黒い影がその場に倒れこむ。

「こんな原始的な手法に引っかかるとは・・・バナナトラップ」

地面におろされたスラムスがそう言い終わる前に、アニアは敵に向かっていった。

青い身体、赤い瞳、全身が固い皮膚で覆われ、異様に長い二本のツメ。

ああ、こいつスクラッチャーによく似てる。

アニアは瞬時に相手の強さを感じ取ると、心頭滅却(ブレスを軽減する技)をし身構えた。

「オマえラ・・・オレのじゃまするナ・・・」

魔物の口から青い炎が吹きだした。滅却してたおかげかアニアはほぼダメージを受けなかった。

「オレをずっととじこめたアノふたり・・・。みつけだしてコロス」

「その二人ならもう寿命で死んでるわ」

アニアが短剣に気をこめ始めた。

「ウソダ!ダマそうとしてもムダダ!もしそうだとシテも!しそんをみつけだしてコロス!!」

ちっ。

アニアは不機嫌そうに舌打ちすると真っすぐ敵へと向かって行った。

「・・・ヴァイパーファング」

真っすぐいくと見せかけ、アニアは素早く敵の後ろに回り込み斬りつけていた。

「ナニぃ!?」

「あんたね、遅いのよ」

アニアの短剣で猛毒をかけられた魔物はひどく苦しみ始めた。

「クソ・・・オレはコレくらいじゃシナナイ・・・オレはあの」

「悪いけど」

魔物が言い終わる前にアニアは高く飛び上がっていた。

「名乗らせてあげないわ」

 

 

 

「あ~~もう~~どうなることかと思った~~~!!!」

洞窟の外で叫ぶアニアにスラムスがやれやれといった顔をしていた。

「それはこっちのセリフだ」

溜息まじりにスラムスが言う。

「いつも油断するなと言ってるだろ」

「分かってる~、分かってるけど~」

「本当にこれがさっきの冷徹な女か」

「え?」

「いや、なんでもない・・・」

「それよりさっきのスクラッチャーみたいな見た目をしてるけど、ちょっとだけ強いヤツの言葉」

「名乗らせてやれよ」

「気になるわよね」

 

 

【ルシャトラへむかわねばならぬ。こんなトコでシヌわけには・・】

 

 

「ルシャトラってどこ?聞いたことないわ」

「俺も知らないな」

アニアは自分の口元に手を当てながら数秒考えた後に、

「考えて分かるものじゃないわね」

「そうだな、調べておくさ」

「うん、お願いね!じゃあ、ルーラで戻りましょ」

左脇のポケットからルーラストーン取り出し、二人は村へと飛んでいった。

 

 

 

 

(ルーラとはルーラストーンと呼ばれる石を用いて一度行ったことのある場所へ飛べる呪文のこと)




読みづらくって申し訳ない&物語考えながら書いてるので、書き上げるまでがかなりの遅さ。
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