キャラたちがいうコト聞いてくれん!!
「ここがグランゼドーラ、広いぬーん!」
ミシュアとクロウズを追った一行は、グランゼドーラ王国へと到着した。
城下町は活気にあふれている。道具屋・骨董屋・日用品や食料品を売る商人たちが店を広げ、皆も珍しい品物に興味津々だった。
「あー、やっぱりここで商売したかったですねー・・・」
そんな風景を見ながら、ブロッコリーがつぶやいた。
町の中心部には噴水があり、人々の憩いの場になっている。
そんな噴水からあふれ出る水を、ぼんやり眺めているときだった。
「あそこにミシュアがいる・・・・・・。お城、行ってみるぬーん♪」
そう言うとシアンは躊躇なく走り出した。
「え!?ちょっと待って、シアン~!!」
仕方なくアニアも追い始める。
「おいこら!まずは情報収集じゃないのかーーー?」
置いてかれたスラムスが叫ぶ。走りながらアニアが振り返り言った。
「あんたたちは城下町にいて!あんまりゾロゾロ歩くと目立つからさ~!!」
「・・・って言ってたけど、どうする?お前ら」
スラムスが二人を見上げながら言う。
「女っ気なくなっちゃったねー。つまんないや」
苦笑いしながらリョンが両手を上げた。
「オレ、ちょいと町見てくんねー。お、カワイコちゃん発見ー♪」
そう言うと、リョンはあっという間に雑踏の中へと消えてしまった。
「あいつ……。まあ、元々ああいう奴か」
「仕方ないですね、自分たちだけでも調べましょう」
「お、お前はやる気だな」
「もちろんですよ、調べることは大好きです」
「気が合うな、俺もだ」
意気投合したスラムスとブロッコリーも、人混みへと消えていった。
アニアとシアンが城へ入ろうとしたとき、既にミシュアの姿はなかった。
「でもさっき、入って行ったぬん」
「分かったわ、探してみましょ。ミシュアの顔馴染みであるアンタがいれば、ここでも動きやすいわ」
二人が城の入口だと思って入った場所は、兵士たちの詰所のようだった。キョロキョロしていると、一人の兵士が近づいてくる。
「君たちは初めてグランゼドーラへ来たのかね?」
「まあ、そうね」
「ならば、この先の橋を渡るとグランゼドーラ城だ。橋はみんなから『勇者の橋』と呼ばれている。城を狙ってこの橋を埋め尽くした数百の魔物の群れを、勇者がひとりで全滅させたって伝説があるのさ」
聞いてもいないことを喋り終わると、兵士はまた元の場所に戻っていった。
どうやら、『勇者の橋』というのは自慢の場所らしい。
「ん~、じゃあ、開けてみましょ」
アニアが扉を開けると、頬を海風がなでた。
「うっわ!ここもまた広い」
グランゼドーラ王国は何もかも規模がでかかった。
城下町、噴水、城・・・。そして勇者の橋もまた、長く広くつながっている。
「よーし、ここは・・・、走るぬん!!」
長い橋を見てテンションが上がったのか、またもシアンが走り出した。
「ちょっと!・・・もう~!」
見失わないためにアニアも走る走る。
気が付くとそれは競争に変わり、
「は~い、アタシの勝ち・・・ね・・・ふう・・・」
と、門の前でアニアが勝ち誇っていた。
なにやってんだ、と、スラムスがいたのならツッコミを入れていただろう。
代わりに勇者の橋でデートしてたらしいカップルが、変な顔でこちらを見ていた。
少し息を整えると、アニアは重厚な門を押し開けた。
城に入ってすぐ、大広間が広がっていた。
最初は気づかなかったが、すぐに【ソレ】が目に入る。
「なにこれ、スゴイぬん・・・」
人の何倍もある石像。右手に剣をかかげ、大きなマントをなびかせている。古い物ではあったが、よく手入れされ、階段を上ると眺めることが出来るようになっていた。恐らく、グランゼドーラの歴史に重要な人物なのであろう。
その時、見知った高い声が聞こえた。
「シアンさん、何を見てるんですか?」
ミシュアだ。
「わあ、すごく大きな像ですね……。こんなに立派な物が作られるなんて・・・。いったい誰の像なんでしょうか?」
そう言うとミシュアは階段を駆け上がった。その後ろから、
「この像は王国に伝わる、勇者の姿をかたどったものさ」
と、落ち着いた声の女性が返事をした。
「祈りを捧げにきた。すまないが場所を空けてくれるか」
「これが、勇者……さま…」
見上げたまま、ミシュアが後ろに下がる。入れ替わり話しかけてきた女性が前へ出るが、その姿を見たアニアは思わず声を出して叫びそうになった。
「そうだ。私のご先祖さまというわけだ」
「えっ、ご先祖さまって・・・?」
ミシュアも女性の【何か】に気づき、お互いマジマジと見つめあった。
「これは・・・、どういうことだ?」
そう、アニアが叫びそうになったのは……。ミシュアも、その女性も、同じ顔をしていたからだ。
あっちのアンルも大好きです