ドラクエX 銀髪のアニア   作:ももぴょん

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前回、どんな話だったっけ・・・


23話 主人公には厄介事がつきものです その2

「上官どの!?これは・・・」

兵が駆け寄ろうとして立ち止まる。瘴気にまみれた上等兵のその姿は、もう人間ではなかった。

全身が毛で覆われ、舌をだらしなく垂らしている。色は紫だったが、イエティに似ていた。

「ウグ・・・貴様・・・・・・」

「へえー、それがキミの本当の姿ってわけね。元のがイケメンなんじゃない?」

リョンが鼻で笑う。

追い打ちをかけるように馬鹿にされたグランゼドーラ上等兵・・・、いや、元上等兵の魔物は、周りに人がいることもお構いなしに呪文を詠唱し始めた。

「おい!やべえぞ、逃げろ!!」

酒場にいる人達が店外へと走る。魔物はリョンめがけて攻撃した。

「闇で覆い尽せ!・・・ドルモーア!!」

(*ドルモーア・・・闇属性呪文)

黒い光がリョンを襲う!だが、リョンも一足早く、自身にマジックバリアをかけていた。

(*マジックバリア・・・呪文ダメージを一度使用で25%、二度使用で50%軽減する)

「いってぇ!くそう、少しダメージを食らったな・・・」

リョンが後ろをチラ見した。

「なあ、いるんなら、手伝ってくれないか?」

ギクッ・・・。ブロッコリーとスラムスは、店内の奥に隠れ様子を伺っていた。

言われて二人が返事をする。

「じ、自分は戦闘が不向きなんです」

「俺もあまり・・・」

「で、ですが」

少し震えながらブロッコリーが出てくる。

「何があっても逃げないアニアさんを見て・・・、そのアニアさんを手伝うと言ったその時から・・・」

ブロッコリーが走りながら敵へと向かい、サッと懐へと手を入れた。

「何も恐れません!」

叫ぶと同時に、キラキラした何かがモンスターへと落ちていった。

「ゴールドシャワーです!!」

無数のゴールドが、モンスターへと打撃した。たかがゴールドといえど、1枚1枚に魔力が込められたおかげか、かなりのダメージを食らっているようだった。

「よおし!やるじゃん、ブロくん!!」

リョンもスクルトを詠唱し始める。道具使いであるリョンは、まず補助魔法で身を固めるのが戦法だ。

スラムスもやれやれと遅れて出てきた。

「俺だって逃げるつもりはないぜ・・・って、これじゃあ、カッコ悪い登場だな。ちっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございました。でもまさか、王国兵がモンスターだなんて…」

酒場店員の女が、リョンにお礼を言っていた。

「いやいやー、無事で良かったね」

リョンが女に優しく微笑みかける。

「・・・・・・こっちは全然無事じゃないけどなっ!」

その後ろで、不機嫌そうにスラムスが言った。

そう、あの時・・・、リョンはスクルトを唱えていたのだが・・・。女店員のことを気にして、店内の家具や壁・食器へと効果をかけていたらしい。

そのまま戦闘が行われ、何とか倒したものの、店内はほぼ無傷の代わりに三人はボロボロだった。

「すみません、自分のMPが足りずにスカラがかけられなくて。上薬草のストックが何個かありますから、これを食べましょう」

「お、いいなー。オレにもくれよー」

スラムスとブロッコリーが上薬草をパンにはさんで食べる姿を見て、リョンがニコニコ近づいてくる。

「嫌ですね」

「あげねえよ」

「ええー!?仲間じゃん、くれよー」

「あの方に何か作ってもらったらどうです?」

「それもそうか、ええと・・・、名前聞いてなかったな。おねえちゃーん!」

すぐに方向を変えて女の方へと走るリョンに、二人は苦笑いをした。

「やれやれ、あの性格は変わることはないな」

「ですね。でも、これでハッキリしました。…あの国は魔物が支配していると」

「ああ。さっきオレが言いたかったのはそこだ」

「言いかけた話ですね」

「そう。街外れに魔物使いに連れられたモーモンがいてな、そいつが言ってたんだ。【あの国は魔物に支配されている、気を付けろよ】とな」

「…何者ですか、そのモーモンは」

「くくく、俺らモンスターには独自のネットワークがあるのよ」

スラムスがニヤニヤする。二人が話してる間に、リョンと女は談笑しながらキッチンの奥へと消えていった。

「まあ、いいか。あいつは放っておこう」

「ですね。何とかアニアさんたちと合流しましょう」

二人が酒場を出ようとしたのを察知して、リョンが慌てて奥から叫んできた。

「あーーーー、待って!オレも、オレも行くからさーーー。あ、そうだ。噴水!!噴水があったよなぁ!あそこで17時頃合流しようぜ!!じゃあなーーー」

勝手なことを・・・と言いかけたものの、戦力は一人でも多い方がいい。

そう思ったスラムスは「分かったよ!」と返事をし、その場を立ち去った。




リョンさん、カッコイイ((
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