ドラクエX 銀髪のアニア   作:ももぴょん

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ようやくここまで書けた。
リョンさん編、次回で完結予定です。


7話 道具使いに頼ればいい

アニアが呪文を唱え終わると、詰まれた石が崩れ始めた。

「こ、これは」

崩れた中から、金色の何かがキラキラと祭壇の中で輝いてる。

ようやく待ちに待ったお宝に出会えたのだ。

「黄金の花びら!」

 

(*黄金の花びら=使い道はないが、売れば10万Gになる綺麗な花びら)

 

「やった、やった。これだけあれば200万に足りそ・・・」

言いかけてリョンがハッとした。確かに山盛りになった花びらがある。だがその横には、

「えー!モンスターかよ」

丸い鉄の固まり。鉄は音を立てて組み立てられ、勢いよく空中へと飛び出した。機械の身体に羽をつけ鳥のようなその姿はメタッピーに似ている。

アニアは冷静にその姿を観察し始めた。

(似てるけど色が違うわ・・・。マシン系であることは確かね。メタッピー自体は弱いし大した攻撃はしてこないけど、こいつはどんな技を使ってくるのか)

青と銀で組み合わされたその身体をパタパタと動かし、モンスターは何かを投げつけた。

二人とも瞬時にかわしたが、床に落ちたものを見てアニアはギョっとする。

「ば、爆弾!」

アニアは盗賊スキルを用いて爆弾を仕掛けることが出来るし、解除することも出来る。だが解除するには時間を要する。ましてや数が多ければ、短時間で全てを解除する余裕はない。床には小さな爆弾がいくつも転がっていた。

「オレにまかせなー」

爆弾を目にしてもリョンは冷静だった。右手から力を貯めて床に発すると、そこにあった爆弾全てに変化が起きた。

「ハイ♪これでもう、オレのものね」

「ト、トラップジャマーね!」

リョンは【道具使い】だった。道具使いはアイテムマスターというスキルを使い、様々な道具を使いこなすことが出来る。相手のトラップを横取りすることも得意だ。

 

(*トラップジャマー=敵の魔方陣や爆弾を横取りすることが出来る技)

 

「初めて見たわ・・・」

アニアは道具使いに会うこと自体が初めてだった。

少し冷静さを失いかけていたが、リョンを見てまた落ち着きを取り戻した。

爆弾を横取りされたモンスターは悔しそうにその場から逃げていく。

「オイ、待ちなよ」

逃げるモンスターをリョンが追うと、アニアが叫んだ。

「待って!深追いしちゃ駄目」

モンスターがピイピイと不気味に鳴き始める。何かを呼んでいる。急に壁の文字が光り始め、アニアは嫌な予感がした。

「ヤバイわ!」

壁には丸い機械が二つ埋め込まれていた。モンスターの鳴き声に反応し、それらも空中へと飛び上がった。

見た目も色も全く同じモンスターが三体。二体が鳴きながら不気味にダンスしている。

「危ない!アニアちゃん」

何かに気づいたリョンはとっさにアニアへと覆いかぶさった。

直後、激しい爆音と共に二体のモンスターが自爆した。

「リョン!!」

強い爆風と光でアニアは目を閉じる。収まった頃に目を開けるとリョンが疲れ切った表情で自分に倒れこんでいた。

「ちょっと!リョン!!あんた・・・」

「へへ、無事みたいだね」

「何で庇ったりしたのよ。アタシなら、大丈夫なのに!」

「そうもいかないよ。目の前の女の子が危険に晒されてたら、ね」

リョンの言葉にアニアは口を開けた。

「何それ!?アタシが女だからって庇ったの!?馬鹿じゃないの!!死ぬかもしれないのに」

「そうだよ、馬鹿さ。でもそれがポリシーなんでね。どんな状況、どんな理由だろうと、オレは女の子の味方だよ。それは曲げられない。キミにだってあるだろ?自分の信念がさ」

あるわよ、あるけど。だからって

「もしかしてあんた、今回の借金も」

「へへ、バレた?そう、女の子がね、賭けに負けて困ってるっていうから」

「呆れた」

アニアがため息をつくとリョンがエヘヘと苦笑いした。

「にしても」

アニアがリョンをどかしながら言う。

「見せかけの爆風だけみたいね」

そう、覆いかぶさったリョンの身体に傷一つついていない。むしろ急いで倒れこんだ時に膝を打ってダメージを食らってしまった。

リョンがその膝をかばいながら、立ち上がろうとしたその時だった。

 

 

≪リョン ヨク ココマデ キタネ ≫

 

 

急に誰かの声が二人に届く。

「え?」

声の方を向くと、あのモンスターが喋り始めていた。

「盗賊スキルでドアを開け、魔法スキルで封印を外し、モンスターが自爆しても黄金に目がくらまず仲間をかばうその精神力。成長したのね」

信じられないという表情をしながらリョンが言う。

「その声・・・・・・ばあちゃん?」

そんなわけがない、そんなわけが無いのだが・・・。その声は確かに幼少期から聞きなれた祖母のものだった。

「私のね、精神を少しこのモンスターに入れてあるの。だから少しの間、お話ね」

無表情なモンスターが発する声の向うに、微笑む祖母の姿が見えるようだった。

「やっぱりそうか~」

アニアがやれやれと再びしゃがみこんだ。

「やっぱりって?」

「この洞窟ね、人を殺すように出来てないのよ!殺すつもりなら最初のガスで一発だし、今の爆風だってまるで子供騙し。そう、まるで誰かを試してるみたいだった」

カタカタと音を立ててモンスターが喋りだす。

「優秀なお友達が出来たのね、あんなにいつも寂しそうだった男の子。ばあちゃんはいつも心配してた。手先もばあちゃんほど器用でないし、魔法だって得意でない。砂浜のカニさんだけがお友達だったね」

あららとアニアが笑うと、リョンがうるせーとアニアを軽く小突いた。

「でもよく成長しました、よく頑張った。えらいね。ばあちゃんこれで安心出来ます。この洞窟はばあちゃん最期の冒険で、リョンにとって最初の難関だね。本当はもっといろいろイジワルしたかったけど、もう時間が無かったね」

「ばあちゃん・・・」

リョンの目にうっすらと涙が光った。

「リョン。宝探しは辛いしキツいし汚いし、報われないことも多い。でもね、その冒険をばあちゃんは一度たりとも後悔はしたことないよ。人生もその繰り返し。気の合う仲間を見つけ、共に冒険しなさい」

「気の合う仲間か」

祖母の言葉にアニアもふとスラムスのことを思い出した。

「それじゃ、リョン。これでばあちゃんからの課題は終わりです。楽しんで冒険して下さい」

祖母が言い終わると、急にモンスターがチカラなく床に落ち、カラカラと壊れてしまった。

もう、その壊れた機械は何も言葉を発さなかった。




相変わらず読みにくい文章ですが、ここまで読んでくれてありがとう★
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