ドラクエX 銀髪のアニア   作:ももぴょん

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はい、三人目のフレンド登場でーす。

ちなみに私はレイナというプレイヤーでドラ10活動しています。
REINAを逆さから呼んでANIEA。アニエア。アニア!


9話 野菜にだってデザートは作れる

「はい、アニアさん。ダークタルトです」

アニアは翌日、船の上にいた。天候も落ち着いており、船はラッカランを出発しもうすぐ2時間が経つ。

デスムーミンの用意した帆船には10人の船員がいた。人間が7人、オーガが1人、ウェディが1人。やはり身長が低いプクリポ・エルフ・ドワーフに、帆を揚げたり舵を動かす船の仕事は向いてないのだろうか。

だがその中に一人だけ、不自然にプクリポが混じっていた。

「ありがと~、野菜ちゃん」

「・・・そんな名前じゃないです」

せっかくタルトを持ってきてくれた緑色のプクリポにアニアが悪態をつく。

「ごめんごめん。ブロッコリーちゃん」

「名前言わなければ良かった・・・」

「だってさ、あまりにも凄い名前だから」

はあ。全身緑色のプクリポがため息をつく。髪はアフロ、顔は黄緑、軽そうな布をまとい、ブロッコリーと呼ばれた彼はブツブツ言いながらノートに記入を始めた。

「何でその名前になっちゃったの~?」

記入するペンが止まる。

「・・・産まれた時から全身緑のアフロヘアーで、見たまんま親が名付けたそうです」

「ぶっ!!」

産まれた時からアフロで緑!その姿を想像しただけでアニアは吹き出してしまった。

「単純な親なんですよ」

「それにしたって・・・ねえ!?」

アニアがあまりにも笑うので、ブロッコリーは不機嫌そうに立ち去ろうとした。

「ああ、ごめん~。本当は可愛い名前だと思ってるのよ。ブロちゃん」

「急に慣れ慣れしいですね」

立ち止まったブロッコリーが振り返る。何だかんだ言いつつ、アニアは船の上で一番ブロッコリーに懐いていた。スラムスに少し雰囲気が似てるせいだろうか。

「ブロちゃん、美味しいよ。このダークタルト。あんた、料理上手なのね」

「まあ、そのくらいは」

どうやら持ってきたデザートはブロッコリーが作ったものらしい。アニアは最後の一口を入れ終わると、空を眺めて言った。

「あとどのくらいかしら?」

空が少しずつ暗くなり始めている。瘴気が近い。

「自分の計算だと残り2時間17分ですね。あるいは2時間25分。いや待てよ。今日の風の感じだと・・・ブツブツ」

ブロッコリーが再びノートに何かを記入し始めた。

「ああ!細かい。分かったわ、あと2時間半くらいね」

「細かくないと予定が狂ってしまいます。そうでなくても、今回の旅は未知の危険がありますし」

そう言いつつ素早く電卓を打ち始める。しばらく計算したブロッコリーが満足そうに言った。

「正確には!2時間22分です」

「うん、ああ、いいわ。大体の時間でいいの。例の地点に到達したら、アタシを呼んでちょうだいね」

アニアは面倒くさくなり、自分の船室へそそくさと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

アニアがベッドで寝転んでいる時だった。急に辺り一面暗くなり、窓の外には紫色の瘴気が広がっていた。

来た、ここが例の地点だ。

アニアは急いで操舵室へと走った。既に船は激しく揺れ、マトモには立っていられないくらいだった。

「アニアさん!いま呼びに行くとこでしたよ!」

操舵室にいるブロッコリーが机の柱に掴まりながら叫ぶ。彼の小さな身体は何度も何度も揺さぶられ、柱から振り落とされそうになっていた。

舵の前に置かれた魔法の羅針盤は指示針がクルクルと回っている。位置が見つからないらしい。

「慌てなさんな、今やるわ」

アニアは羅針盤を手に取り、船の進行方向へと掲げた。

「羅針盤よ、レンダーシアへの方位を示しなさい!!」

アニアが叫ぶと全身が淡い光につつまれ、羅針盤も反応し始めた。

「おお、凄いですね。それが賢者の特技ですか」

弾き飛ばされそうになりながらも、ブロッコリーはアニアのしているコトに興味津々だった。

「まあ、ブロちゃん流に言うと」

一呼吸おいてアニアが言う。

「正確には!古(いにしえ)の賢者の技、ね」

そう、アニアは賢者ホーローの義理の娘。6歳から彼の元で修行した彼女にとって、このくらいは朝飯前だった。

今にも羅針盤から光が指し示そうとしている。その時だった。船が激しく横揺れし、羅針盤を持つアニアはバランスを崩してしまった。

「あ、危ない!」

操舵室には6人いたが、そこで誰よりも早く反応したのは、

「ちょっと!ブロちゃん」

一番小さな身体のブロッコリーだった。倒れかかったアニアを支えようとしたものの、揺れる船室で同じようにバランスを崩しながら一緒に倒れこんでしまった。

「大丈夫!?」

アニアの下にブロッコリーの頭があった。どうやらアフロの上で尻もちをついてしまったらしい。

アニアは急いで尻をどかしブロッコリーを起き上がらせた。

「大丈夫・・・です・・・」

か細い声でブロッコリーが反応する。

「このアフロは丈夫ですから」

頭をクシャクシャと直しながら、ブロッコリーが言った。

(意外と根性あるわね。やっぱ面白いわ、この人)

ブロッコリーの無事を確認したアニアは再び立ち上がり、羅針盤にチカラを込めた。その足元をブロッコリーが支えている。

「ちょっとちょっと!また倒れちゃうかもしれないわよ」

「いいんです、押さえてる今のうちにやってください!」

左右に揺られながらアニアの足にしがみつくその姿は、どちらが支えてるのか微妙な状況だった。

(また倒れる前に終わらせなくては・・・)

アニアが急いで魔法を注いだ羅針盤は、まばゆい光線を放った。

船はその光線が指し示した方角へと向かい、しばらく進むと穏やかな海が広がっていた。

もう船は揺れなかった。




アフロひゃっほい
アフロ最強
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