ドラゴンクエストX 〜ワルキューレ〜   作:リョンさん

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調子が良い時ガンガン書きます

よって、アップは不定期です!フハハ!


第4話 狂鬼ジーガンフ

格闘場に駆け込む。

そこでは、すでに、2人の男が殴りあっていた。

 

1人は、先ほど、ゾンガロンの格闘場にいた、ジーガンフという青年。

いつのまに、先回りされていたのだろう……

 

もう一人は、知らない男だ。

痩せた頬に、バニラ色の長髪。

 

長髪の男が、ジーガンフに殴り飛ばされる。

 

「アロルド!!」

 

マイユの悲鳴。

アロルドと呼ばれた男は、立ち上がるが、なぜかやり返さない。

 

一方的な展開だった。

 

「なぜ、やられるままになっている……。」

 

ジーガンフが唸るように、言った。

 

「あくまで、戦いの神に、背き続けるつもりか……。」

 

憎悪に満ちた恐ろしい声だ。

それは、もうジーガンフのものではなかった。

 

「貴様ぁぁぁああっ!!!」

 

ジーガンフが叫ぶと、彼を紫色の、禍々しい気が包んだ

一瞬、強く光ると……

 

「はぁ……はぁ……。」

 

彼の、ジーガンフの姿は、異形の……魔物のような姿になっていた。

 

「なんとしても全力の貴様を叩き潰す!

でなきゃ、オレの怒りは、しずまらねえ!」

 

ジーガンフは、マイユへ向き直る。

 

「どうあっても本気を出さないというなら

これなら、どうだ!?アロルド!」

 

「きゃあああ!」

 

一瞬の出来事だった。

ジーガンフは、マイユを気絶させ、捉え、ひとっ跳びで高い岩盤の上へと、移動してみせた。

 

「アロルド!

マイユの命を、助けたければ

全力で、かかってこい!」

 

ジーガンフが吐き捨てる。

と、そのとき。

 

『ジーガンフよ……、我が元へ来い……。』

 

地の底から唸るような……魔物の声の特徴だ。

 

「今の声は、悪鬼ゾンガロンか……?」

 

ヒゲをたくわえたオーガの男性、確か村王クリフゲーン

 

「ジーガンフを追うぞ!

悪鬼ゾンガロンの所へ行ったに違いない!」

 

アロルドに、クリフゲーンが言った。

 

マイユは、オーガのミュスナの友人だ。

放っておくことは、できない。

 

「ミュスナ!おまえのチカラも貸してくれ!」

 

言われる前に、走り出していた。

格闘場を警備している、オーガの青年から、槍をひったくる。

 

それを背中にしまい、あたしは、ロンダ岬へ走った。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

ロンダ岬へ入ると、項垂れたマイユを抱えたジーガンフが待ち構えていた。

 

「アロルド……!貴様をたたきつぶし

勝負を汚した罪を、命で、つぐなわせてやる!」

 

その背中に、共に、駆け込んだ村王が叫んだ。

 

「ジーガンフ!マイユを離せ!」

 

そのとき、悪鬼の声が聞こえた。

 

『あがいても無駄だ、ジーガンフ』

 

ジーガンフが、苦しみ出す。

 

「そ、そういう……こと……か……

オレに、封印を解かせるつもりで……」

 

ゾンガロンのチカラを授かったジーガンフは、その支配下にあるはず。

しかし今それをはねのけようとしている。

 

「くそっ……意識が……!

アロルドを、たたきつぶすまで……」

 

しかし、封印されるような、魔物のチカラ。

そうそう抑え込めるものではない。

 

「オ、オレは……ウグ!……アアアッ!!」

 

苦しそうに呻き、マイユを海のほうへと、放り投げてしまう。

 

あたしも、動いたけど、それより早くアロルドが動いた

 

マイユをすんでのとこで、掴み、海に落ちそうになるも踏みとどまる。

 

「ミュスナ!

お前は、ジーガンフを食い止めてくれ!

わしは、マイユたちを助ける!」

 

「わかった!」

 

クリフゲーンが、マイユたちの所へ、走る。

 

ジーガンフが、それを阻止しようと、襲いかかる。

 

あたしは、2人の間に割って入り、その拳を槍の柄で、受けた。

 

「邪魔をするな!ミュスナァ!」

 

拳で、槍をぐいぐいと、押してくる。

なんて力だ。

 

「戦いの神だか、なんだか知らないけど……」

 

まともにやり合っても、埒が明かない。

あたしは、槍を引いた。

 

「ッ!!」

 

ジーガンフは、体勢を崩した。

無防備な横腹に、蹴りを叩き込む。

 

「ぐぅ……!」

 

飛び退くジーガンフ。

 

あたしは、槍を構え直す。

 

「そーやって、魔物に、チカラを借りるのも、反してるんじゃないの?」

 

より一層、額に血管を浮かばせ、ジーガンフが叫んだ。

 

「黙れェ!!」

 

チカラ任せに、拳を奮う。

 

「あら?図星?」

 

直線的すぎる、右の大振り。

かがんで避け、そのまま地面を蹴る。

 

勢いを乗せ、槍を突き出す。

 

腕を突いて、無力化を狙う。

 

「っ!?」

 

槍は、筋肉に弾かれる。

硬い……!まるで金属でも突いたかのようだ。

 

「フン」

 

ジーガンフが嘲笑した。

 

「お前、槍なんか使えたか?」

 

槍が突いた箇所を、蚊に刺されたかのように、指で掻いた。

 

「先っちょで刺せばいいんでしょ?」

 

腕がダメなら……

 

「楽勝よ。」

 

狙うは、額。

どんなに硬くても、頭に衝撃を与えれば、倒せる。

 

額に向かって、突き出した槍。

交差した腕に弾かれる。

 

さすがに読まれてたか。

 

「ガァッ!!」

 

ジーガンフは、交差した腕を解き、口を大きくあけた。

口から火球が吐き出される。

 

「くっ……」

 

横に跳んで、かわす。

その隙に、近づかれた。

 

……マズイ!

 

拳を、槍で受け止める。

槍が、みしみし、と悲鳴をあげる。

あたしは、後方へ、吹き飛ばされ、岩盤に背中を打つ。

 

「かはっ…!」

 

軽く咳き込む、けど、大事無い。

頼もしい、あたしが望んだ身体だ。

 

ゆっくりと立ち上がり、呼吸を整える。

それから……

 

「ゆるいパンチね?」

 

肩をすくめて、挑発する。

 

「貴様ァ!!」

 

乗った。

あの、火球攻撃。

 

狙うは、ここだ。

 

「……なにっ!?」

 

放たれる火球に、あたしは、正面から、つっこんだ。

 

オーガの強さを、信じて、賭ける。

 

火を、あびた。

 

メラリザードのとは、比べ物にならないくらい、熱い

……が。

 

「……ハァっ!!」

 

耐えた。

炎の中から、槍を突き出す。

 

槍は、ジーガンフの額を抉った。

 

「ぐぁっ!!」

 

鮮血が飛び散る。

 

「男前になったわね」

 

槍の先端についた血を払った

ジーガンフは、頭を抉られ、フラフラとしている。

さすがに、ダメージは、あったようだ。

 

「さすがだミュスナ……。

女でありながら……その度胸、チカラ、身長……」

 

「身長のことは言うな!」

 

気にしてるんだから。

 

さすがの魔物も、脳を突かれ、気分が優れないようだ。

フラフラとした足取りで、

 

「だが、弱点がある。」

 

それでもジーガンフは、ニヤリと笑った。

 

あたしは、振り返る。

 

そこには、岬の入り口に、ユイナがいた。

隠れるように、顔半分、覗かせて。

 

「弱い妹がいるってことだァ!!」

 

ユイナへ、向かって、走る。

あたしも、ジーガンフも。

 

まだあんなに動けたなんて……

 

「ユイナ!逃げろ!」

 

ジーガンフのほうが早い。

ユイナへ、拳を突き出す。

 

「きゃぁ!」

 

ユイナは、しゃがんで、それを、かわす。

ジーガンフの拳は、岩盤を砕いた。

 

もう1発、振りかぶった瞬間、、、

 

間に合った!!

 

槍の柄で、ジーガンフの拳を防いだ……が

槍は砕け、拳はミュスナの顔面へと、叩きつけられる。

 

ぐらっ……と、景色が歪む。

唇をかんで、意識をつないだ。

 

「どこ……みてんのよ」

 

声を絞り出す。

 

「あんたの相手は、あたしだ……!」

 

この子はユイナじゃない。

妹のユイナじゃない。

別人だ。

 

「ユイナに……!!」

 

この言い方は、正しくないのかもしれないけど

けど、不思議と、あたしを奮い立たせる。

 

「妹に……手を出すなァ……ッ!!!」

 

怒りは雷撃を呼ぶ。

大好きな絵本の一節を思い出した。

 

あたしの手は、雷撃を纏っていた。

 

折れた槍に伝わる雷撃。

それを、先ほど穿ったジーガンフの額に、叩きつけた。

 

「グァアァア……!!」

 

あとに聞いた話によると、これは槍の奥義『雷鳴突き』と言うらしい。

 

ジーガンフは、頭に雷撃をあびて、うめき、倒れ伏した

 

「……どうやら頭は、あたしのが硬いみたいね」

 

動かなくなったジーガンフを見て、安堵する。

 

「……姉さん!!」

 

と、同時に視界が大きく歪んで、あたしは、折れた槍を落として倒れた。

 

泣いてるユイナが、ぼやけた視界に現れる。

 

「ごめんなさい……。わたしが来たから……ごめんなさい……ごめんなさい……。」

 

泣かないでよ。死にはしない。たぶん。

そう言う代わりに、ユイナの頬を撫でた。

 

「ケガない?」

 

ぽたぽた、と、ユイナの涙が、あたしの頬に落ちてくる。

 

「はい……ありません……。」

 

あたしは、たぶん、心の底から安心して、

微笑んで言った。

 

「良かった。」

 

ふっ、と意識が遠のいた。

 




連続アップしてみました!

次でランガーオ編は終わります(*´ω`*)

ご愛読ありがとうございました。







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