ドラゴンクエストX 〜ワルキューレ〜   作:リョンさん

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お待たせしました6話です。(待ってる人いるんでしょうか?)

自分のドラゴンクエストは、少し暗くてキツイかもしれません。
ドラゴンクエストっぽくないかもしれませんが、これからも頑張っていきたいです




第6話 グレン城下町

「まず、どこから、向かいます?」

 

村の出入り口前、近衛のおっさんから、また槍をひったくってから、そこに向かう。

と、ユイナが、先に行って、待っていた。

 

「なにをするにも、まず人が多いところに行かなきゃな」

 

当面の目的は、3つ。

1つは、妹のエテーネのユイナを探すこと。

2つは、オーガのミュスナの生前の目的を果たすこと。

そして、3つ目は、冥王を殺し、仇を討つこと。

 

いずれにせよ、人に話を聞かなければならない。

 

「では、グレン城下町に、向かいましょう」

「グレン?」

 

あたしが聞くと、ユイナは、人差し指を立てて胸を張った。

 

「グレン城下町。そこはオーグリード大陸の都、ガートラント王国に匹敵するもう一つの大きな王都で……」

「ほう。」

「大陸鉄道の中心として扱われる、冒険者たちの中心です。掲示板には、たくさんの仕事が、扱われています」

「稼げそうだな。」

「その歴史は、深く、時は500年前までに、遡ります」

「待って。もういい。」

 

ユイナの話は、長い。

大した知識量だけど、いま、重要なのは、そこじゃない

 

「ここからが、面白いのに……」

 

不満そうに、唇をとがらせる。

続きは、寝る前にでも聞かせてくれ。

 

「こっから遠いの?」

「結構ありますね。まずは、獅子門に向かわないと」

「獅子門?」

 

……あ、と口元をおさえる。

遅かった。ユイナは、得意気な顔で、説明を始めた。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

村を出ても、ユイナの説明は、続いていた。

話は、獅子門の話から、そこを流れる光の河の話になっている。

 

聞き流そう。ユイナのいい声は耳に優しい詩となる。

そう、思うようにした。

 

……が、あたしは、ユイナを止めた。

 

「ユイナ、静かに。……魔物だ。」

 

強い、獣の臭いを感じた。

オーガは、鼻もいいのか。

 

「? なにも居ませんけど……」

 

ユイナは、なにも、感じないようだった。

確かに、周りには、何も無い。

 

でも、まだ臭いは、していた。

こちらを狙ってるわけでは、無さそうだが。

 

「あ、ウサギさん」

 

ユイナが指さす。

かなり遠方に、いっかくウサギが跳ねた。

 

いっかくウサギが遠ざかると、臭いも、遠ざかった。

あんな距離から、分かっていたのか。

 

「すごいな、オーガの能力は」

「いえいえ、それは、姉さんの特徴ですよ」

 

ユイナは、興味深いことを言う。

 

「姉さんは、昔から五感に優れてまして、だから、大人に混じって仕事が出来たんですよ」

 

つまり、魔物の位置が、分かるのか。

これなら、幼いユイナをおぶって、この危険な山を子供だけで登りきったのも、頷ける。

 

「ただ、少しデリカシーに欠けますけどね」

「へぇ例えば?」

「『血のにおいがするぞ。あの日か?』とか……」

 

あたしも言いそうだ。危ない危ない。

ユイナは、また唇をとがらせる。

 

「そちらのユイナさんは?」

「んー、ワガママで、手のかかるやつだよ」

 

君とは、大違いだ、と言うと、ユイナは、少し誇らしげだ。

 

「手のかからないのだけが取得でしたからね!」

「えばれることなのか?それは」

 

スルーして、ユイナは、質問を重ねる。

 

「かわいいですか?ユイナさん」

「もちろん。絵本を読んでやると、静かになるんだ」

「まあ!かわいい!」

 

ユイナが微笑んだ。

話してると、山の中腹まで、きた。

 

「……ここから少し敵が変わったな。」

 

鼻を利かす。

なるほど、便利な身体だ。

 

「あそこと、あそこに、1匹。いや、2匹か。」

 

慣れる必要があるな。

ユイナがいるから、出来るだけ戦闘は避けたい。

 

「こっちから行こう。おいで、ユイナ」

「はぁい」

 

街道を外れる。ユイナは、反対一つなく、二つ返事で、ついてくる。

 

「そこ、段差だから気をつけて。」

「大丈夫ですよ〜」

 

と、言いつつ、足取りは、何だか危ない。

獅子門まで行ったら、少し休ませないとな。

 

「心配しすぎですよ。」

 

そんな考えを見られたようなタイミングで、ユイナが言った。

 

「おんぶしてあげよーか?」

「大丈夫ですっ!」

「そかそか、獅子門は、もーすぐだ、頑張りな」

「はぁい」

 

獅子門までの道のりを急いだ。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

獅子門は光の河を挟んだ関所だ

その河は、美しいが、底が知れない。

そこには、何があるのか、議論になったことはあるらしいが。

 

「試した人は、居ないですからね。」

「それで、分からずじまいか。」

 

当然と言えば当然だ。

これからも、永遠の謎だろう。

 

「旅人バザーがありますね」

 

その光の河を挟んだ手前の看板、ユイナが指さした。

 

「旅人バザー?」

「いわゆる旅人のフリーマーケットです。」

「ふ、ふりま……?」

 

分からない単語が増える。

 

「つまり、ほかの冒険者が売りに出してるものを買える場所です」

 

なるほど、冒険者でも気軽に商人をやれるところ、というわけか。

 

「いろいろありそうだ。寄っていこう」

「この毛皮姿じゃ、嫌ですしね……」

 

と、いうことで。

あたし達は、バザーで、それぞれ装備を揃えた。

 

あたしは、青銅の鎧で、

ユイナは、絹のローブ。

 

「けっこう軽い鎧だな。もう少し重めなの選んでも良かったかな」

「姉さん、おへそ出てて、かわいい♪」

 

そう、鎧なのに、なぜか、ヘソが出る。

涼しくていいけどね。

 

「ユイナは……いかにも、すごい似合ってるな」

「絹の肌触り気持ちいいですねぇ♪」

 

ありがとう。

バザーの店員に一礼して、あたしたちは、獅子門を通過した。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「グレン領に入ると、なんでこんなに暑いんでしょぉ〜……」

 

そう言って、ユイナは、胸元をパタパタさせる。

ちらちら見える胸元を無防備だな、と思いながら見つめる。

 

「街中で、パタパタしないでよ?」

「……? なんでですか?」

 

あたしは、頭を抱える。

悪い男に引っかからなきゃいいけど。

 

「わ、おっきいモンスター」

 

ユイナが指を指す方向をみると、黄色い巨体の、モンスターがいた。

強烈な臭気を放っていたのはコイツか。

 

「ぬぼーっと、してそーなヤツだなぁ」

「太古のぬし、ですね。人間が存在する前から存在したいにしえの魔獣で、不用意に近づいたものを吹き飛ばしちゃうらしいですよ?」

「へぇ。……じゃあ、これやばくないか?」

「……ヤバイですね。」

 

太古のぬし、が、こちらを睨む。

 

「逃げろーーー!!!」

「はぃいーーー!!!」

 

全力失踪で、グレンを目指した。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「やっと着きましたね……」

 

グレン城下町の前、肩で息をするユイナに、飲み水を渡す。

ユイナは、受け取ると勢いよく飲んだ。

 

「ここが、グレン城下町か〜」

 

橋を渡れば、すぐに、街中に出れる。

街に入ると階段があって、その先には、王城が見える。

 

その階段の周辺、人が集まっていた。

 

確かに、剣をはいた青年や、杖にとんがり帽子の女性、

見るからに冒険者の人々で、溢れていた。

 

「す、すごい人混みですね……」

「はぐれないでよ」

 

人混みに流れていってしまいそうなユイナの手を取る。

 

さて、まずは、王に会うか、仕事を探すか。

 

「ここの王は、どんな奴なの?」

「バグド王ですか?」

 

それが王の名前か。あたしは、頷いた。

 

「厳正な賢王と聞きましたが、最近は、良い噂を聞きませんね。会うなら気をつけた方がいいかもです。」

「最近は?」

 

引っかかる言い方だ。

 

「うーん、なんて言うか……。」

 

ユイナが、腕を組んだ、その時だった。

鉄の兵団が歩いてくるような、重苦しい足音。

それも、大量の。

 

「……大量の鉄の匂い。穏やかじゃないな。」

 

戦争は、こういう匂いがするのだろう。

ユイナも、不安そうに、王城を見上げる。

いつのまに、集まっていた冒険者たちも、散って、それの道を作っていた。

 

「彼が、バグド王です。」

 

鎧の兵団の先頭、マントを羽織った半裸のオーガがいた頭には、王冠が輝いている。腰には豪奢な剣。

 

まるで、戦場に向かうかのような、緊張した雰囲気だ。

 

「まさか、本当に戦争に……?」

 

ユイナが呟いた。

本当に、と言うと以前からそういう雰囲気だったのだろうか。

 

「戦争?どこと?」

 

あたしの質問には、別のものが、答えた。

 

「おやめくださいバグド王!」

 

鎧の兵団の先頭、バグド王の前に、兵士らしきオーガの男性が躍り出た。

ほかの兵士より、位が高いのか、豪華な鎧を着ている。

 

「ガートラントを攻めるなど!」

 

バグド王の前に、ひざまずき、その行く手を阻む。

 

「お考え直しください!」

 

王は、ゆっくりと、口を開いた。

 

「余に、意見するか。」

 

腰の剣を抜き放つ。

 

「王……!?」

 

兵士の男が、驚いて立ち上がる。

 

「余の言は絶対だ。それに反対することは」

「お、おやめください……!!」

 

後ずさる男。剣を手に、切迫する王。

 

「反逆と、見なす。」

 

剣を振り上げ

 

「反逆罪は、死罪だ。」

 

それを振り下した。

 

「バ……、バグド王……」

 

宿屋前の広場に鮮血が広がり、青年が倒れる。

 

「いやぁぁ!!」

 

ユイナが叫んだ。

まわりの冒険者も、叫んだ。

 

その中から、飛び出す影があった。

 

「あなたぁ!」

「パパぁ!」

 

斬られた男の、妻子だろうか。

血まみれで倒れる男に、駆け寄る。

 

「その男の家族か。」

 

バグド王が静かに言い、

再び剣を振り上げた。

 

「反逆の一家は、根絶やしにしなければな。」

 

振り下される剣。

そこに、もう一つの影が躍り出た。




……はい、だいぶ暗いですね。

ごめんねバグド王。

本編の彼は、ここまで怖くないので安心してくださいね
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