逆廻十六夜は神を喰らう者 作:るしふぁ~
それは、突然であった。
2047年、北欧地域にてこれまでの生物との組成とは全く異なる細胞が発見される。
人々はその細胞を、“オラクル細胞”と名付けた。
科学者たちは、すぐにオラクル細胞の解析を始める。
何か使える用途はないか。この先の未来に、役に立てることはできないか、と。
だが、すでに異変は起き始めていた。
その後、オラクル細胞は爆発的に増殖していくと同時に、地球上のあらゆるものを捕食してその形態を変化させていった。
急激な進化を遂げたオラクル細胞は生物体として多様に分化していく。
ほとんどの都市文明は、それらによって短期間に壊滅していくのだった。
このオラクル細胞の集合体を、人々は荒ぶる神、“アラガミ”と呼ぶようになる…。
アラガミに対し、既存の兵器は全く通用しない。
軍は無力化し、人々は抵抗の策を全て失くしてしまう。
もう、滅亡の途を歩むしかないのだろうか、と誰もが諦念を感じ始めた。
そんな時、とある企業が希望の光を見せる。
生化学企業“フェンリル”が、同じオラクル細胞を埋め込んだ兵器、“神機”を開発した。
同じオラクル細胞を埋め込んだ神器ならアラガミに対して効果を発揮するという結果も人類に知れ渡る。
そして、オラクル細胞を埋め込み、神機を操りアラガミを喰らう特殊部隊。
“ゴッドイーター”が編成される。
こうして、人類は崩壊の一歩手前で持ちこたえることに成功したのだった。
物語は、そんな人類の小さな希望を見つけてから15年が経過したある時から始まるのだった。
ボロボロに、まるで何かに食い散らされたかのように周りに破片を散らした建物。
中には、穴まで開いたビルのような建物もあった。
ここは、アラガミが現れるまでは東京と呼ばれていた町。
この場所が日本と呼ばれていた頃、その国の首都として栄えていた町だ。
だがその場所も、アラガミが現れてからはすっかり廃れ、住む人は一人もいない。
そんな街の建物の中を歩く白い影。
オウガテイルと呼ばれる白いアラガミが、ゆっくりと何かを探している辺りを見渡しながら進んでいく。
大きく開けた場所に出ると、オウガテイルの視界に、探している対象の物を見つける。
その瞬間大きく地面が揺れたが気にせず進む。
その対象とは、エサ。
オウガテイルは、自分と同じ形態をしたアラガミが集ってかぶりつく、大きなアラガミの死体に駆け寄る。
ようやく、飯にありつける。
そう思って、口を大きく開けたその瞬間だった。
オウガテイルの意識はぷつりと途切れたのである。
「…」
数多くいたオウガテイルが、巨大な獅子のようなアラガミに食いつかれている光景を、建物の物陰から見つめる三つの人影があった。
一人の男性が、不意に飛び出す。
それが、まるで合図だったかのように直後、女性と少年もすぐさまそのばかっら飛び出す。
向かう先は、オウガテイルを喰らい続けていた巨大なアラガミ。
三人の存在に気づいたアラガミが、体をそちらに向けて大きく咆哮した━━━━
ーーー時は数分前に遡る。
其処に学ランを着た金髪の者が当然現れた。
まるでアラガミの誕生のように...
「此処は其処だぁ?」
頭をかきながら、そう呟く逆廻十六夜。
周囲を見渡すとボロボロに、まるで何かに食い散らされたかのように周りに破片を散らした建物。
中には、穴まで開いたビルのような建物もあった。
「雰囲気は日本で間違いねぇが...どうも違う」
十六夜の本能は何かが居ると直感している。
「進むしか無いな」
数分歩く先には...
巨大なアラガミ・ヴァジュラと呼ばれるアラガミ。
獲物を見つけ襲い来るヴァジュラを
「しゃらくせぇ!!!」
殴り飛ばした。壁が何枚も貫通し第三宇宙速度と呼ばれる速度で飛ばされたヴァジュラ。
そのアラガミを確認しに行くが
「良いな良いな良いぜ、おい!!存分に楽しませて貰うぜ」
其処にはダメージこそ有るものの死んでは居ないヴァジュラが居た。
十六夜の速さは第三宇宙速度を超えヴァジュラは第三宇宙速度で吹き飛ぶ。
勝負とは成っていなかったがヴァジュラが死ぬことは無かった__
(さて、困ったな。行く宛もないはこのモンスターは死なねぇーし)
考えてる十六夜...その一瞬をヴァジュラは見逃さなかった。
手に少し痛みを感じる。
左手に噛み付いたのはヴァジュラであった。
そのヴァジュラを全力で殴った後十六夜はその場を立ち去る。
「少し情報が得れたな。あのタイプは物理攻撃では死なない。だが同じタイプ同士で喰らいあって死んだと成れば、何かアレを殺す物が有るんだろうな」
十六夜が殴った衝撃は此処ら一帯を大きく揺らした。
ーーー時は現在
「…レアものだな」
男性は、剣を見ながらつぶやいた。
すでに戦闘は終わっていた。
三人の眼下には、倒れ伏した“ヴァジュラ”
「戦果は上々…てやつね?」
「あぁ、またサカキのおっさんがはしゃぎそうだ」
巨大な銃を持った女性が、つぶやいた男性に歩み寄りながら話しかけてくる。
男性も、肩をすくめながらその女性に応える。
「あとは早く人手が増えてくれると嬉しいんだけど…。まあ、早く帰りましょうか。お腹すいちゃった」
初めはどこか不満そうに、後はその不満を振り切ったかのように告げる女性と共に、男性と少年は歩き始める。
「そういえば、人手の話なんだが支部長が何か言っていたな…。俺たち第一部隊に一人、人手をよこすって…」
「え、それホント?それってかなり仕事が楽になるんじゃないかな?ね、ソーマ」
「…俺には関係ない。足手まといにさえならなければどうでもいい」
男性と女性は明るい感じで話すのだが、フードをかぶった少年はまさに纏う空気と何ら変わりなく冷たい口調で話す。
それでも男性と女性は、いつも通りなのだろうか、何も気にしていない様子で先を歩く少年を眺める。
「やれやれ、ソーマも相変わらずだな…。」
そんな会話をしていると目の前に学ランの人が居た。
「其処のお前どうして此処にいる」
男性の質問に十六夜も質問する。
「それはコッチの台詞だ。この世界は何だ?さっきの獅子のような奴は殴っても死なねえし」
「ちょっと待って、殴ったって本当に殴ったの?」
女性の質問に当たり前に答える。
「勿論それ以外に攻撃手段無いしな。其処の地面凹んでるだろ?」
十六夜が指差す方向にはクレーターのように凹んでる地面があった。
「あはは、こりゃあ博士に連絡だな...其処のお前。取りあえずフェンリル極東支部まで御同行願おうかって自己紹介忘れだな。俺は雨宮リンドウで隣の女性は橘サクヤで奥の青年がソーマ・シックザールだお前の名前は?」
「俺は逆廻十六夜だ宜しく」
オリジナル自己紹介は頭に浮かんだものの戦場で使う訳にも行かない。
ーーーそして時は数時間後
「あれは……」
そう小さく、声を上げると立ち止まる。巨大な壁を見上げながら。
「……フェンリル」
ーーー
『支部長、お時間よろしいでしょうか』
フェンリル極東支部――通称アナグラ。その支部長室に女性からの通信が入り、支部長室に一人座っていた極東支部の支部長であるヨハネスは寄り掛かっていた椅子の背もたれから腰を離し、机に身を乗り出しながらその通信に応答する。
「構わない。何か報告でも?」
『はい。つい先ほど、壁の外からやって来た人が居るんですが……その人物が新型神機との適合の可能性があると……』
「新型の? ……名前は?」
ヨハネスが問い掛けると、机の上に置いてあるパソコンにその人物のデータが届く。そのデータに目を通すと、ヨハネスはしばらく沈黙した後、ゆっくりと口を開いた。
「ふむ……早速、適合試験を受けてもらおう」
『分かりました。そのように連絡します』
その言葉を最後に通信が切れ、ヨハネスはゆっくりと立ち上がる。
「ようやくか……」
◆◆◆
『ようこそ、人類最後の砦――フェンリルへ』
壁の中へ入った後、少年は建物内のある一室へと案内された。渡された緑色の服に着替え、広々とした部屋へ足を踏み入れると同時に、男性の声が部屋中に響き渡る。
『君には対アラガミ討伐部隊、ゴッドイーターとしての適合試験を受けてもらう。心の準備が出来たら、中央のケース前に立ってくれ』
「ゴッドイーター……」
その単語を聞くと、少年はボソッと呟く。そしてどこか物悲しそうに視線を下に落とす。
しかしそれは一瞬。少年はすぐさま顔を上げて、部屋の中央にある機材を見つめながら、ゆっくりと歩み出す。その瞳は未だ暗く、虚ろだったが、何か覚悟を決めたように真っ直ぐだった。
機材にはとても持ち上げる事が出来そうに無い巨大な剣が置かれていて、少年は機材の前に立つと迷わずそれを右手で掴み取る。
次の瞬間――機材の蓋が彼の腕を押し潰すように閉まった。
「……ッ!」
押し潰された衝撃と、それ以外にも襲いくる痛みに、少年は顔をしかめる。今すぐにでも腕を引き抜きたくなる激痛に耐えながら、少年は左手で右腕を押さえる。
そして数秒後、機材の蓋がゆっくりと開く。押し潰された腕には赤い腕輪のような物がしっかりと手首に装着されていた。
「...グハァッ」
突然と血反吐を吐く十六夜。
それを初めとして次々に異常が発生する。
「適合失敗か...」
「いえ、余りにも適合し過ぎて暴走した模様です」
神機との適合率が高いほど力は引き出されるのだが適合率が高いほど時妙が縮んだり“アラガミ”に近づいたりする。
「解析結果から__神機が彼の何かに過剰反応しています。このままでは...「進化の過程を大いに飛ばしたアラガミに成るだろうね」ペイラー...」
話の途中で入室したのはペイラー博士。
十六夜の体内に投入された第三種永久機関は周囲の環境状況により無からエネルギーを生み出す人類最後の秘宝。
アラガミ化
人体に偏食因子を何らかの形で過剰投与した結果単細胞がオラクル細胞に変化する。
第三永久機関
周囲の環境状況から無からエネルギーを生み出す人類最後の秘宝。
十六夜の持つ永久機関本来は少しずつ増えるはずが偏食因子を取り込む事によりアラガミ化が急激に進む。
「全ゴッドイーターに告げる!緊急の依頼だ!!」
内容 ~人類最後の英雄~
逆廻十六夜 捕獲
アラガミ化を抑える為腕輪を増やす。
最重要任務として与えられたら任務。
だが諦める者が大半だった。
「し、死ぬのは嫌だ」
これが大半を占めていた。
そして十六夜を止めたのは何処からか発生した強力な偏食場による物であり動きが止まる。
結果を言うならば第一部隊が任務を達成した。
その被害は大規模であり、壁の至る所に穴そして地面が見えクレーターが出来ている。
それを見ていたアラガミの軍勢が押し押せ今はそれの撃退に全ゴッドイーターが向かっている。
そして時はアラガミ軍勢襲来前。
十六夜は直ぐに目を覚ますと病室を出た。
怪我も何も無いからだ。
「十六夜君!君は病室で寝ているんだ!!」
「そんな事してる暇は無いな。アラガミの軍勢が来る。」
十六夜がゴッドイーターとして目覚めた能力なのかそれとも暗示なのか。
「軍勢だと!?分かったって十六夜君が居ない!?」
十六夜は多少歩きずらいが少しずつ外へ向かう。
両手に腕を嵌めた状態で...
ちょうどアラガミ軍勢が襲来していて扉が開いているので外に出る。
その周囲はアラガミで埋め尽くされていた。
勝敗は明らかにアラガミの勝ちで有ろう。誰もがそう思う。十六夜以外は
「始めましてだな、アラガミ!」
十六夜はアラガミに言う。
アラガミに指示するように放たれた言葉に周囲のアラガミは一匹残らず敬意を示す。
「こんな事が有り得るのか!?」
「彼をアラガミの王と認識しているだ。それを引き付ける何かによって...」
そしてアラガミ達は立ち去る...何事も無かったの如く。
そして一言...
「さようならマイワールド。こんにちはマイワールド。」
こうして人類はアラガミヘ再び刃向かう刃を手にしたのだった。
十六夜のアラガミ化について
十六夜の持つ永久機関は周囲の環境状況により無からエネルギーを生み出す秘宝。
このエネルギーを偏食因子に変えてそれを神機が喰らう。
偏食因子の調整を放置すれば死ぬので増えた理由は十六夜を守る為世界が仕組んだと認識して戴けると幸いです。