更新ペースは遅いですが、しっかりと完結させます。
主に星空凛ちゃんと小泉花陽ちゃんが出てきます。
オリ主が出ますので、よく思われない方はご注意を。
1〜3話まで同時投稿しています(全体的に主人公の性格などを知っていたいただく面が強いためです)
それではどうぞ
溢れかえる人混みの中、1人の青年は大きな木の木陰で待ち合わせをしていた。
腕時計で時間を確認する。
時刻は午前10時50分。待ち合わせの10分前。
「暑いな……」
少し暑いと感じるぐらいの時期、5月の半ばの土曜日のことだった。
ちょうど一週間前である。唐突に一本の電話がかかった。
星空凛。
電話をかけてきたのは、もう数年も会ってない幼馴染からだった。
内容は着いたら言うと言われ聞かされていない。
唯一聞いていることとすれば、もう1人、幼馴染の小泉花陽が来るということだけ。
幼稚園の頃にクラスが一緒になり、さらには親の仲が良かったので、昔からよく遊んでいた。
だが中学になった頃だっただろうか、女子と仲良くしていると友人にからかわれる。
そんな子供っぽい理由から次第に交流をしなくなり、おまけにクラスは同じになることはなく、マンモス校であり校舎が広いため、結局会う事はない。
あっちは気にせず話しかけてくれた、だが自分は距離をとった。
だから、あまり会いたくないというのが正直なところだった。
なのに自分は何故彼女が『会いたい』と言った時に『いいよ』と言ってしまったのだろう。
そんな時、
「あ、あの」
唐突に後ろから話しかけられた。
すぐに振り返る。そこには1人の少女がいた。
見覚えのある顔で、話しかけられた事も考え、もしやと思い質問する。
「あ、えっと、もしかして、花陽?」
「う、うん。久しぶり、蓮君」
やはり、小泉花陽だった。
何故彼女と直ぐに気付かなかったのか理由はある。
それは小さい頃から付けていた眼鏡をつけていなかったからだ。
「眼鏡、とったんだ」
「うん、色々あってね」
「もしかして今日俺を呼んだのと関係あったり?」
「あ、えっと、その、うん」
何故か顔を赤くしてモジモジとする花陽。
一体何の用なのだろうか?余計に疑問は深まる。
そんな時、ふと思う。
「そう言えば、凛は?一緒に来たんじゃないのか?」
「今日は別々で。多分、もうすぐ来るんじゃないかな」
「ふーん」
彼が何となく腕時計を見たその時だった。
「シャー!」「おわぁ!な、なんだ?」
急に後ろから大声を出され、ビックリしながらその場に離れて、その正体を確認する。
「やったー、イタズラ成功〜」
そう言って満面の笑顔を見せるのは、先程噂にしていた凛だった。
昔からイタズラ好きで、よく花陽に仕掛けていた事を思い出す。
見た目も大して変わってないし、中身もそんなに変わっていないようだ、と彼は理解した。
「この野郎……」「いたた!痛い!痛いにゃー!」
頭を拳で挟みぐりぐりと回転させる。
頭に響く痛み。もちろん手加減はしているが、痛いものは痛い。
「反省」「は、反省してるにゃ!」
よし、と言って拳を離す。
どうせ、またやるだろうが、反省してると言ったら離してあげる。これがいつもの事。
中学に入ってから会わなくなったが、この雰囲気は数年経っても変わっていなかった。
「ふふ、変わらないね」
2人を見て、花陽は笑う。
そんな彼女を見て、2人も少し笑って、
「久しぶり、凛」
「うん、久しぶり、蓮君」
久しぶりの再会。
少し悩んでた蓮だったが、2人に会って、そんな事はいつの間にか頭の中から消えていた。
「いやー、この3人が集まるのは本当に久しぶりだにゃ!」
とりあえず場所を移し、近くのファストフード店に入った3人。
偶然にもテーブル席が空いていたので、凛と花陽が一緒に座り、向かいの席に蓮は座った。
「あ、ずっと聞きたかったんだけど、何で中学校ぐらいから遊んでくれなくなったの!学校でも全然会ってくれなかったにゃ」
「え、い、いきなりだな。それは……」
言う事を躊躇う蓮。子供っぽい理由なので言うのは何となく恥ずかしい。
何か良い言い訳はないかと考える蓮。
そんな悩む彼を見て、言いたくないのではと察した花陽は、
「凛ちゃん、蓮君にも色々あったんだよ」
「そうかもしれないけど、理由ぐらい言ってくれたって良いじゃん。嫌われちゃったのかなって……」
そう言って頬を膨らませる凛。
明らかに怒っているが、同時にその話し方には寂しかった、という気持ちが感じられた。
そんな彼女を見て、罪悪感に襲われる蓮。
変に誤解を持たれるよりも正直に話した方が良い、そう思った彼は素直に彼女に話した。
「単に恥ずかしかったんだ、お前達と絡んでたら周りにからかわれそうで」
視線を外し、それとなく言う。しかし心の中では少し恥ずかしい。
そんな彼の話を聞いた凛は少しの沈黙の後、
「なーんだ、そんなことかにゃー」
そう言って笑う。
蓮はもちろん人の心など読めない。だからこの時は子供っぽい理由を聞いて笑われたのだろうと考えたが、本当は嫌われていなかったという安堵から来た笑顔だった事を、蓮は分かるはずもなかった。
そして花陽も同じ笑顔を静かに見せていた。
「あー、えっと、これで誤解は解けたかな」
「うん!あ、でも、今まで遊んでくなかった分、これからいっぱい遊んでね!」
「OK、分かったよ」
この場面で断る事なんてできないし、断る理由もなかったのだが、小学生とは違い、今は高校生。
お金とか大丈夫だろうかと、内心心配はしたが、まぁ追々考えれば良いかと思う。
「蓮君、部活とかやってないの?」
そんな事を考えていると、花陽から質問される。
「部活はやってない」
「あれ、そうなんだ。確か陸上部やってたよね?」
「やってた。けど高校ではやってない。高校生活はゆっくりと気ままに過ごしたいと思ってね」
「へぇ、少し蓮君変わったにゃ。落ち着いたと言うか」
「昔が変に活発過ぎただけだよ」
そんな話をしていると蓮は話を切り替えるかのように、ふと思い出した事を切り出す。
「そう言えば何で俺を呼んだの?」
「え、あ、そうだったにゃ!ついつい話し込んじゃったにゃ〜」
「り、凛ちゃん、本当に言うの?」
花陽は縮こまって少し顔を赤くし、チラチラと蓮の顔を見ながら凛にそう言う。
そしてそんな花陽に元気よく「もちろんにゃ!」と言う凛。
花陽は恥ずかしいのか、もじもじとして、さらに縮こまる。
一方蓮は何のことだか分からず、キョトンとしていた。
「今日はビッグニュースを持ってきたんだにゃ!」
「ビッグニュース?」
「うん!実はね、凛達……
アイドル、始めたんだにゃ!」
凛の言葉を聞いて固まる蓮。
幼馴染がアイドルを始めた。その事実をすぐに受け止めることはできなかった。
いかがでしたでしょうか?
このまま2話も見ていただけると幸いです。
活動に関しましては、本サイトの活動報告。
又、twitterを始めましたのでそちらの方で行っていければと思っております。
https://twitter.com/LLH1hina
それではまた次回。