IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート) 作:ひきがやもとまち
「お仕置きワールド・パージ編。逆襲の魔王被害者の会 プロット」
「我々は日々想い続けた。人格改変時におけるあの日、自らの正しさを信じ、あるいは親しい関係者の行く末を案じる必要のなかった、格好のいい原作における我々のことを。
そして今また魔王の毒言にかかって犠牲にならんとしている、原作のことを!
原作キャラたちの心からの希求である原作回帰に対し、魔王軍がその圧倒的すぎて勝負にならない軍事力を行使してささやかとは到底言い難いその芽を自覚のないままに摘み取ろうとしている意図を、証明するに足る言霊IS本編の記述を、我々は存じておる。
見よ、これが我々の入手した物的証拠だ。この文庫本は《インフィニット・ストラトス》が本来、世界で唯一のIS操縦者育成機関IS学園を舞台にハイスピードバトルラブコメが展開する超かっこいい物語であることを意味している。
IS最強を奉じるこの本が、この世界線に適用されていない事実をもってしても、呪わしき魔王の悪意を否定できる者が居るだろうか!? いや、居ない! 居るわけがないし、居ていい道理などある訳ないのだ!
熟読せよ! そして知るのだ! 何故ISが世界最高戦力であるのかを! 何故我々がギャグキャラに落ちぶれてしまっているのかを!
何話目かは覚えていないが、我々は今話まで待った。もはや、我ら魔王被害者の会にためらいの吐息を漏らす者は居ない!
今、原作バトルの熱い展開を我が血として、ここに私ブリュンヒルデこと織斑千冬は異住・セレニア・ショートに対し、法では決して裁かれることのない明るみにさえ出ない場所にある電脳空間内において『ワールド・パージお仕置き』の刑に処すことを宣言する!
仮初めの落ちぶれた地位に惑わされることなく、繰り返し心に聞こえてくる、原作の格好良くて凛々しい私の名誉のために・・・・・・ジーク・原作!」
「原作、ばんざぁぁぁぁぁっい!」
「腐ったお嬢様なんて糞食らえですわ!」
「ううう・・・原作では今よりもう少しだけ真面目な会長が見られましたのに・・・・・・」
「わ、私も序盤の展開には不平満々です! ・・・・・・まぁ、後半あたりからは感謝しなくもないですけども・・・(後半から小さな声で)
「原作では宿敵中の宿敵である私は登場してから今までずっと不遇なギャグキャラ扱いだぞー!」
『どんな世界線だろうと、隊長は超カワイイ!!!』
『お前らいったい何しに来た!?』
「・・・・・・まぁ、思い当たる節があるというか有りまくると言いますか・・・とりあえず罰を受けるのは了解しますけど、刑の執行人は誰が担当するんです?
その人次第では是非ともお断りを入れたい場合が無きにしも非ずな世界線なんですよね、この世界・・・」
「ワールドパージとは夢の世界。夢の世界に出てくる神と言えば当然、この私だよマルグリッド。それ故刑の執行官は私以外にあり得ないのだ。
君のため、すなわち新世界全てのために、君を罰しようとするすべての愚か者共に等しく罰を与えることを君に、君だけに私は宣言し約束するものである」
ちょっ!? 首切り判事が被告の身内なんですけど!? 依怙贔屓しまくる事を一切の躊躇なく断言しやがりましたけど今!?
この裁判は無効です!無効にすべきです!
でないと貴女たちだけがヒドい目に遭うこと確定しちゃいますよーっ!?
「では、刑を執行する。
被告を形場まで引き吊り出すのだ!」
やめろーっ!マジでやめろー!
落ち着いて自分たちの人選ミスを自覚して、反省した上で選び直すんだ!
自分たちの死刑執行書にサインをするなー!
「お仕置き執行! 判決!恥刑!!」
やーめーてーーーーあーげーてーーーーーっ!!